関西大学法学部 AO入試(2027年度)|英語基準がB2からB1へ

関西大学法学部のAO入試は、2027年度に英語の基準が下がりました

入試要項の変更点のなかには、受験生の出願可否を直接左右するものがあります。関西大学法学部のAO入試における2027年度の変更は、まさにそれです。

英語外部試験の基準が CEFR B2 から CEFR B1 に引き下げられました。

具体的には、英検でいえば準1級相当から2級相当へ。TOEIC L&Rなら785点から550点へ。これまで出願できなかった層に、道が開いたことになります。

あわせて、型の名称と求める学生像も変わりました。この記事ではその中身を整理します。

出典:関西大学 入試情報サイト 2027年度入試の変更点(法学部PDF/2026年9月11日確認)

1. 【Ⅰ型】の名称が変わりました

年度 【Ⅰ型】の名称
〜2026年度 英語運用能力重視型
2027年度〜 国際関係志向型

単なる呼び名の変更ではありません。評価の軸が「英語力」から「国際関係への関心+英語力」へ移ったことを示しています。

これは次に述べる「求める学生像」の変更と対になっています。

2. 求める学生像の変更

2027年度の求める学生像は次のとおりです。

「法学および政治学に加えて、国際関係に関する諸問題に強い関心を持ち、かつ英語運用能力の向上に主体的に取り組み、将来グローバルに活躍することを志す者。現代の国際問題に関する基礎的な英文を正確に理解する能力、自己の見解を表現する能力。」

この文から読み取るべき点を分解します。

  1. 「国際関係に関する諸問題に強い関心」——志望理由書や面接で、具体的な関心対象が問われると考えるのが自然です。
  2. 「英語運用能力の向上に主体的に取り組み」——完成した高いスコアより、取り組みの姿勢を見ています。基準がB1に下がったこととつながります。
  3. 「現代の国際問題に関する基礎的な英文を正確に理解する能力」——読むべき英文の性質が明示されています。文学ではなく時事・国際問題の英文です。
  4. 「自己の見解を表現する能力」——読むだけでは足りません。

3番目は対策に直結します。英字ニュースや国際問題を扱う平易な英文を、日常的に読む習慣が準備になります。時事の扱い方は時事問題の勉強法で扱っています。

3. 英語外部試験の基準——変更前と変更後

これが最も実務的な情報です。

試験 変更後(CEFR B1) 変更前(CEFR B2)
ケンブリッジ英語検定 B1 Preliminary以上/140点 B2 First以上/160点
実用英語技能検定(英検) 2級以上・CSE 1,950以上 準1級以上・CSE 2,300
GTEC(4技能) 930 1,180
IELTS 4.0 5.5
TEAP 225 309
TEAP CBT 600
TOEFL iBT 3.0(2026年1月20日以前受験は42点 72
TOEIC L&R 550 かつ S&W 240 L&R 785 かつ S&W 310

下げ幅を見てください。英検は準1級から2級へ、TOEICはL&R 785から550へ。これは対象層がまるごと変わる規模の変更です。

「関西大学法学部のAOは英語が厳しいから無理」と、前年度までの情報で判断していた生徒は、もう一度確認する価値があります。

スコアの有効期間と対象外の試験

  • スコアは出願時において過去2年以内に取得したもの。
  • TOEFL iBT Home Edition・TOEFL ITP、TOEIC IPは対象外。

2番目は見落としが起きやすい箇所です。学校で団体受験したTOEIC IPは使えません。個人受験の公開テストを受ける必要があります。

また、TOEFL iBTの基準が受験日で分かれている点にも注意してください。2026年1月20日以前の受験は42点、それ以降はスコア体系の変更に伴い3.0となっています。

検定の選び方は英検と入試、級の選択は英検の級別の考え方で扱っています。

4. 基準引き下げをどう読むか

ここは解釈が分かれる部分なので、当塾の読み方として書きます。

英語の基準を下げつつ、名称を「英語運用能力重視型」から「国際関係志向型」に変えた——この2つはセットで理解すべきです。

大学は「英語のスコアが高い人」ではなく「国際関係に関心があり、英語に取り組み続ける人」を採りたいと方針を変えた、と読めます。

受験生への含意は2つあります。

  1. 英検2級相当があれば出願の土俵に乗れます。スコアだけで諦める必要はなくなりました。
  2. ただし、スコアで差がつきにくくなったぶん、志望理由と国際問題への関心の中身で決まります。「英語が得意です」だけでは弱くなったということです。

2番目が重要です。基準が下がったということは、出願者が増える可能性があるということでもあります。楽になったとは限りません。

5. 他学部も2027年度に変更があります

関西大学では、法学部以外にも2027年度に変更がある学部があります。

  • 商学部
  • 政策創造学部
  • 外国語学部
  • 人間健康学部
  • ビジネスデータサイエンス学部

変更内容は学部別のPDFに記載されています。この記事では法学部の変更のみを扱っており、他学部の内容は確認していません。志望学部の変更点PDFを直接お読みください。

要項の読み方全般は出願要件の読み方にまとめています。

6. 準備の実務

時期 やること
高2〜高3春 英語検定を受験(過去2年以内のもの。IP・ITPは不可)
高2〜高3 国際問題に関する英文を読む習慣をつくる
高3春 志望学部の2027年度変更点PDFを確認
高3春〜夏 「国際関係のどの問題に関心があるか」を具体化する
高3夏 志望理由書の作成
出願前 要項本体で募集人員・日程・選考方法を確認

2行目を高3の夏から始めるのは遅すぎます。「現代の国際問題に関する基礎的な英文を正確に理解する能力」は、数か月では作れません。

7. よくある誤解

「関大法学部のAOは英検準1級が必要」

2027年度からは違います。英検2級以上・CSE 1,950以上です。

「Ⅰ型は英語ができれば受かる」

名称が「国際関係志向型」に変わりました。英語力だけを見る型ではなくなっています。

「学校で受けたTOEICが使える」

使えません。TOEIC IPは対象外です。

「TOEFLの基準は72点」

変更前の数字です。変更後は3.0(2026年1月20日以前の受験は42点)です。

「基準が下がったから合格しやすい」

そうとは限りません。出願者が増える可能性があり、スコア以外の部分で差がつきます。

当塾の立場

当塾は総合型選抜の指導を行っており、この記事には利害があります。その前提でお読みください。

そのうえで、関西大学法学部のこの変更について、当塾の考えを書きます。

この変更は、受験生にとって明確な好材料です。英検準1級を求める入試と2級を求める入試では、対象になる生徒の数がまったく違います。「英語外部試験の基準で総合型選抜を諦めていた」生徒に、実際に選択肢が増えました。

ただし当塾では、「基準が下がったから出そう」という勧め方はしていません。大学が同時に求める学生像を書き換えていることのほうが重要だと考えるからです。国際関係への関心が本物でない生徒が、名称変更後のこの型で戦うのは難しくなります。

また、この記事で募集人員や試験日程の数字を載せていないのは、確認できた一次情報が「2027年度の変更点PDF」であり、要項本体の該当箇所を当塾で確認していないからです。確認していない数字を書くことはしません。出願前に必ず要項本体をご覧ください。

最後に、入試要項の変更点PDFは受験生自身が毎年必ず見るべき資料です。今回のように、前年度の情報のままでは判断を誤る変更が起こります。塾や参考書の情報より、大学が出す変更点の告知が先です。

まとめ

  1. 【Ⅰ型】の名称が「英語運用能力重視型」→「国際関係志向型」に変更。
  2. 英語外部試験の基準がCEFR B2 → CEFR B1 に引き下げ
  3. 英検は準1級・CSE2,300 → 2級以上・CSE1,950以上
  4. TOEICはL&R 785/S&W 310 → L&R 550/S&W 240
  5. スコアは出願時に過去2年以内TOEFL Home Edition・ITP、TOEIC IPは対象外。
  6. 求める学生像に「国際関係に関する諸問題への強い関心」が明記された。
  7. 英文読解の対象は現代の国際問題に関する基礎的な英文
  8. 商・政策創造・外国語・人間健康・ビジネスデータサイエンスの各学部にも2027年度の変更がある(学部別PDF)。

この記事は2026年9月11日に関西大学の2027年度入試変更点(法学部PDF)で確認した内容にもとづいています。募集人員・日程・選考方法は要項本体をご確認ください。要件は変更されることがあります。

この記事と関わりの深い記事です。あわせてお読みいただくと、判断の材料が揃います。

記事全体の見取り図は記事の索引——テーマ別に、どれから読めばよいかにまとめています。

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ryomiyagawa Founder
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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