電話 0422-27-7828チャットで質問無料相談を予約

武蔵野個別指導塾の特徴

経済・経営・商学部志望のための企業の調べ方

ショートレビュー 武蔵野個別指導塾
X LINE Facebook
ショートレビュー 武蔵野個別指導塾

「広報の仕事がしたい」では、志望理由書は通らない

経済・経営・商学部の志望理由書で最も多いのが、「将来は広報の仕事をしたい」「商品企画に関わりたい」という書き方です。

これが弱いのは、その仕事の実態を調べていないことが、書き方から分かってしまうためです。企業について調べる方法は公開されており、誰でも使えます。この記事では、その手順を扱います。

この記事は調べ方の説明です。投資判断や企業評価を目的とするものではありません。

1. なぜ具体性が求められるのか

経済・経営・商学部で学ぶのは、企業や市場の仕組みです。したがって、「企業を調べたことがあるか」は、学問への接続を示す指標になります。

  1. 調べていれば、業界の構造や課題に触れられます。
  2. 触れられれば、大学で何を研究したいかにつながります。
  3. つながれば、志望理由書の問い(RQ)が具体的になります。

逆に、調べていない場合、「興味があります」「貢献したいです」という文しか書けません。志望理由書で評価されない型の代表です。

武蔵野個別指導塾

2. 公開されている資料

上場企業については、法令に基づいて多くの情報が公開されています。無料で誰でも読めます。

資料 分かること
有価証券報告書 事業内容、業績、リスク、従業員数、セグメント別の状況
決算短信 直近の業績。速報性が高い。
統合報告書・アニュアルレポート 経営方針、中長期の戦略
決算説明会資料 図表が多く、初学者にも読みやすい
コーポレートサイトのIR欄 上記がまとまっている

有価証券報告書は、金融庁の電子開示システムで検索できます。企業名で検索すれば、過去数年分が読めます。

最初に読むなら、4行目の決算説明会資料を勧めます。図表中心で、業界の構造がつかみやすくなっています。

3. 有価証券報告書のどこを読むか

全部読む必要はありません。高校生が使うなら、次の順です。

  1. 事業の内容——何で稼いでいるか。想像と違うことがよくあります。
  2. セグメント情報——部門ごとの売上と利益。主力事業が分かります。
  3. 事業等のリスク——企業自身が認識している課題。ここが最も使えます。
  4. 従業員の状況——人数、平均年齢、平均勤続年数。
  5. 経営方針・経営環境——今後の方向性。

3番目の「事業等のリスク」が、志望理由書の材料になります。企業が自分で「これが課題だ」と書いている部分だからです。ここから問いを立てると、具体性が出ます。

2番目も重要です。「有名な商品を作っている会社」の売上の大半が、別の事業から来ているということは珍しくありません。イメージで書くと、この点を外します。

武蔵野個別指導塾の自習室 武蔵野個別指導塾

4. 財務諸表の最低限

数字の意味が分からないと、資料が読めません。高校生に必要な範囲は限られます。

表 示すもの 見るところ
貸借対照表 ある時点の財産の状態 資産・負債・純資産の比率
損益計算書 一定期間の儲け 売上高、営業利益、当期純利益
キャッシュフロー計算書 お金の動き 営業活動によるキャッシュフロー

最低限、次の関係を押さえてください。

  • 資産=負債+純資産——貸借対照表は必ずこの形になります。
  • 売上高−費用=利益——ただし利益にはいくつか段階があります。
  • 利益が出ていても、現金がないことがある——だからキャッシュフロー計算書がある。

3番目は、簿記を学ぶと最初に驚く部分です。利益と現金は別物という理解は、経済系の学部で早い段階に必要になります。

5. 業界を見る

1社だけを見ても、その企業の位置が分かりません。同じ業界の複数社を比べてください。

  1. 売上高と利益率を並べる——規模と効率は別です。
  2. セグメント構成を比べる——同じ業界でも稼ぎ方が違います。
  3. リスク認識を比べる——業界共通の課題と、個社の課題が分かれます。
  4. 海外比率を見る——市場をどこに置いているか。

3番目が最も有用です。複数社が同じリスクを挙げていれば、それは業界構造の問題です。志望理由書で扱う問いとして成立します。

6. 使える枠組み

調べた事実を整理するには、枠組みが要ります。経営学の入門的な道具で足ります。

枠組み 使いどころ
市場での位置づけ(ポジショニング) 価格と品質など2軸で競合を配置する
誰に何を売るか(顧客と価値) 対象と提供価値を言語化する
収益の仕組み どこで利益を得ているか。本体か、後続の消耗品か。
強みの持続性 その強みは真似されないか
提携・協業 単独でやらない選択の理由

1行目は紙に描けます。2軸を決めて競合を置くだけで、その企業の位置が見えます。軸の選び方自体が分析になります。

3行目も有用です。「何で稼いでいるか」は、想像と違うことが多くあります。

7. 志望理由書につなげる

調べた内容を、そのまま書いても評価されません。学問の問いに変換する必要があります。

調べた事実 問いへの変換
複数社が人手不足をリスクに挙げている この業界の労働供給の制約は、何によって生じているか
海外比率が上がっている 国内市場の縮小に、企業はどう対応しているか
収益源が本体でなく後続商品にある この価格設計は、どういう条件で成立するか

右列のように書けると、「大学で何を研究したいか」につながります。問いの立て方は志望理由書で詳しく扱っています。

また、この段階まで来ると、面接での深掘りにも耐えられます。調べた事実が背後にあるためです。

8. 注意点

4番目は実際に起きます。企業分析と投資判断は別の話です。学部の志望理由としては、前者を扱ってください。

当塾の立場

当塾は総合型選抜の指導を行っており、この記事の内容はその業務と直接関係します。その前提でお読みください。

そのうえで、この作業を塾でやる必要はありません。資料は無料で公開されており、読み方も上に書いたとおりです。本人が数時間かければ、同じことができます。

当塾が関わるのは、主に「調べた事実を、学問の問いに変換する」段階です。ここは慣れが要る部分で、独力では時間がかかります。

逆に、調べていない状態で問いだけを立てようとしても、中身が出てきません。順序としては、まず調べる作業が先です。ここを飛ばして書き方の指導から入る形は、当塾では取っていません。

まとめ

  1. 「広報がしたい」が弱いのは、調べていないことが分かるから。
  2. 上場企業の情報は法令に基づいて公開されており、無料で読める。
  3. 最初に読むなら決算説明会資料。図表中心で読みやすい。
  4. 有価証券報告書は「事業等のリスク」が最も使える。
  5. 利益と現金は別物。だからキャッシュフロー計算書がある。
  6. 1社ではなく複数社を比べる。共通のリスクは業界構造の問題。
  7. 調べた事実は学問の問いに変換する。投資の話にしない。

この記事と関わりの深い記事です。あわせてお読みいただくと、判断の材料が揃います。

記事全体の見取り図は記事の索引——テーマ別に、どれから読めばよいかにまとめています。

当塾について

武蔵野個別指導塾は武蔵境駅から徒歩30秒の完全個別指導塾です。高校生コース、授業料のご案内、よくあるご質問に、指導の進め方と費用をまとめています。実際に通われた方の声は合格者の声をご覧ください。ご相談・体験のお申し込みはお問い合わせから承ります。

author avatar
宮川 涼 Founder
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

お電話 チャットで質問チャット