
武蔵野個別指導塾の特徴
成蹊大学の総合型選抜(自己推薦型)完全対策2027年度——学部学科ごとに、まったく別の入試である

【3分でわかる要約】高校生のみなさんへ
先に、いちばん大事なことだけ書きます。難しい話は後回しでいいので、ここだけは読んでください。
① 評定は要りません。 成蹊大学の総合型選抜(自己推薦型)の募集要項を全文検索すると、「評定」という言葉が1回も出てきません。評定平均の基準がないということです。これは大きい。学校の成績が振るわなくても、出願できます。
② でも「専願」です。 要項にはっきり書いてあります。「合格した場合は、必ず本学に入学する者」。つまり受かったら必ず入学します。他大学と迷っているなら、出す前に決めてください。
③ 高校の先生の推薦は要りません。 「高等学校長の推薦不要」と大学が明記しています。指定校推薦のように校内で枠を争う必要がありません。自分で決めて、自分で出せます。
④ 学部によって、試験がまったく違います。 同じ成蹊の同じ入試なのに、法学部は「マークシートの国語+グループ討論」、理工学部は「数学90分+理科技術の記述+面接」、経済学部は「筆記+10分プレゼン」です。別の大学を受けるくらい違います。
⑤ 文学部には、この入試がありません。 文学部志望の人は、一般選抜など別の道を考えてください。
⑥ 法学部を受けるなら、6月3日を覚えてください。 グループ討論のテーマが、その日の10時に大学のサイトで公開されます。本番(11月28日)まで約半年間、準備できます。知らずに当日を迎える人と、半年準備した人が同じ部屋で討論します。差がつかないわけがありません。
⑦ その討論、スマホとパソコンを持ち込めます。 要項に「電子辞書、PC、携帯電話等の電子機器も会場に持ち込んで構いません」「審査中、携帯電話等でウェブサイトを閲覧しても構いません」と書かれています。ただし外の人に質問するのは禁止です。
以上です。ここから先は、学部・学科ごとの詳しい話になります。自分の志望する学部のところだけ読んでも構いません。
この記事について
本記事は、成蹊大学が公開している2027年度 総合型選抜入試要項(自己推薦型・帰国生特別受験・社会人特別受験)第4版・2026年7月更新の原本、および入試情報サイトS-NETの公開情報にあたって作成しています。推測や二次情報は含みません。
なお、この入試は2026年度まで「AOマルデス入試」という名称でした。2027年度から「総合型選抜(自己推薦型)」に変わっています。ネット上の情報や過去問は旧名称で流通しているので、検索するときは両方の名前で探してください。
1. 全学部に共通する5つの前提
1-1. 出願資格は「意志」で書かれている
要項の「自己推薦型・帰国生特別受験・社会人特別受験 共通」の出願資格は、次の4つをすべて満たす者、と定められています。
- 成蹊大学の各学部で学修することを強く志望し、合格した場合は、必ず本学に入学する者
- 自分の将来に明確な目標を持ち、それに向かって努力していること
- 成蹊大学の志望する学部が自分の将来の目標の実現に役立つものであること
- 2027年3月31日までに、18歳に達する者
注目すべきは、ここに数値がひとつもないことです。 評定平均も、英検の級も、模試の偏差値もありません。書かれているのは「意志」と「目標」と「その学部でなければならない理由」だけです。
これは裏を返せば、出願書類ですべてが決まるということでもあります。数値で足切りしないかわりに、書いたものの中身で判断される。楽な入試ではありません。
1-2. 評定要件は、本当にありません
念のため繰り返します。2027年度の総合型選抜入試要項(自己推薦型)を全文検索した結果、「評定」という語の出現回数は0回です。
ただし、調査書は提出します。 一次審査の書類審査では「調査書、志望理由書、活動報告書、学修計画レポート、語学試験の合格・成績、その他すべての提出書類に基づいて総合的に審査します」と法学部の要項に書かれています。数値基準はないが、見られてはいる。ここを誤解しないでください。
1-3. 学部別の追加要件があるのは2学部だけ
要項の「学部別」出願要件は、次のようになっています。
| 学部 | 学部別の要件 |
|---|---|
| 経済学部 | 英語外部検定のスコア取得が必要(英検・TOEFL iBT・TOEIC L&R・IELTS・GTEC・TEAP・ケンブリッジ英語検定のいずれか)。経済数理学科はさらに「数学Ⅰ」「数学A」「数学Ⅱ」「数学B」をすべて履修し、数学の合計修得単位数13単位以上 |
| 理工学部 | 数学の合計修得単位数14単位以上(旧教育課程履修者は13単位以上)、かつ理科の合計修得単位数10単位以上 |
| 経営学部 | 要件なし |
| 法学部 | 要件なし |
| 国際共創学部 | 要件なし |
要項に「経営学部、法学部、国際共創学部では必要とする『学部別』の要件はありません」と明記されています。
つまり、法学部・経営学部・国際共創学部は、評定も英語検定も一切問われません。この3学部は、書類と当日の審査だけで決まります。総合型選抜としては、かなり珍しい設計です。
なお、団体特別受験制度によるTOEFL ITPおよびTOEIC IPのスコアは認められません。IELTSはアカデミックモジュールのみ。TOEFL iBT・IELTS・GTEC・TEAPは出願開始日時点で有効期限内のスコアのみ有効です。
1-4. 選考は2段階
一次審査=書類審査。 調査書、活動報告書、学部ごとのレポートが基本セットです。
二次審査=各学部の課題。 大学の説明では「資料読解力・文章表現力審査/討論力審査/プレゼンテーション/面接 etc… から複数を組み合わせて実施します」とされています。何が組み合わされるかは学部ごとに違い、これが本記事の中心テーマです。
1-5. 日程は法学部だけ違います
| 学部 | 出願期間 | 一次審査合格者発表 | 二次審査日 | 二次審査合格者発表 | 入学手続締切 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経済・経営・国際共創・理工 | 9/23(水)〜10/7(水) | 11/6(金)10:00 | 11/14(土) | 11/20(金)10:00 | 12/7(月) |
| 法学部 | 9/23(水)〜10/7(水) | 11/6(金)10:00 | 11/28(土) | 12/5(土) | 12/18(金) |
法学部だけ二次審査が2週間遅く、手続締切も遅い。他大学との併願日程を組むときに効いてきます。
出願は簡易書留・速達郵便で、出願締切日消印有効。封筒は角2サイズ。本学所定の書類はA4サイズ・片面で印刷し、記入部分は手書きのみ(黒のボールペン)。調査書は厳封された状態で提出し、開封されたものは無効です。電子媒体(USBメモリ、CD等)の提出は不可。入学検定料は35,000円です。
2. 経済学部——「事前に配られる資料」で勝負が決まる
募集人員
- 経済数理学科:4名
- 現代経済学科:10名
経済数理学科の4名は、成蹊の自己推薦型のなかで最小です。
求める学生像(要項より)
経済学部は「経済学を基礎から応用までしっかり学び、経済現象の解明や社会問題の解決に向けて正面から取り組みたい学生」を求めるとしています。学科別には、
- 経済数理学科:ものごとを論理的に考えたい人、データの中から真実を見つけたい人、他者へものごとを論理的に説明したい人
- 現代経済学科:ものごとを実体験を通して理解したい人、他者と協力しながら共に目的を達成したい人
そして「経済学部に求められる資質(=総合型選抜での審査)」として、①経済現象の解明と社会問題の解決に対する強い関心 ②経済学を学ぶ上で必要となる情報の理解力や処理能力 ③他者と積極的にコミュニケーションを図り、協力しようとする姿勢——の3つが挙げられています。
この3つが、そのまま審査項目です。書類でも当日でも、この3点に対応する材料を出せているかを点検してください。
二次審査の中身
事前学習確認審査(試験時間40分) 課題となる文献資料(和文・英文の文章、数値や図表など)を参照しつつ、それにもとづいた筆記試験を行います。文献資料の理解度と、分析に必要な基礎力を審査します。当日は問題用紙・解答用紙のほかに、課題の文献資料(全部または一部を抜粋したもの)も配布されます。
発表審査(審査時間 約20分) 対面による個人面接で、次の3つで構成されます。
- 文献資料の内容と自身の考えをまとめた発表要旨(レジュメ)にもとづく10分間のプレゼンテーション
- 発表内容やレジュメ、一次審査提出書類に関する5分程度の質疑応答
- 志望理由や活動歴などについての自己アピール(2分間)と質疑応答
重要な注意:事前学習確認審査を未受験の場合、発表審査を受験することはできません。
経済学部の勝負どころは「10月15日」
二次審査の文献資料は、10月15日(木)10:00にS-NETで公開されます。そしてここが肝心なのですが、要項は次のように注意しています。
発表は一次審査の合格者発表日よりも前になりますのでご注意ください。
一次審査の結果が出るのは11月6日。文献資料の公開はその3週間前です。つまり「一次に受かったかどうか分からないまま、二次の準備を始めなければならない」という設計になっています。
ここで待ってしまう受験生と、10月15日から動き出す受験生の差が、そのまま11月14日の結果になります。一次の発表を待つ理由は、ひとつもありません。
対策
事前学習確認審査は「和文・英文の文章、数値や図表」を扱います。英語の資料が出ることが明記されている点に注意してください。経済学部が英語外部検定のスコア取得を出願要件にしている理由も、ここにあります。
プレゼンは10分。レジュメが評価対象です。文献資料を読んで「要約する」だけでは足りません。資料の主張を整理したうえで、自分の考えを付け加えるところまでが10分の中身になります。
3. 経営学部——読解・数的思考・データ分析の3点セット
募集人員
- 総合経営学科:25名
成蹊の自己推薦型で最大の募集枠です。志望者にとっては最も門戸が広い学部と言えます。
求める学生像(要項より)
「ゼミ(演習)において牽引的な役割を果たすとともに、何事にも積極的に取り組み、ゼミ全体を活性化させるような学生」。具体的な資質として、
① 自分の将来に関して、明確なヴィジョンをもっている、または自分の将来を真剣に見つめている ② 自分の意見や考えを明確かつ論理的に表現できる(言葉で述べることおよび文章で表現することの両方を含む)
②に「両方」と明記されているのが経営学部の特徴です。書く力と話す力の両方が要る。そして二次審査も、まさに筆記と討論の2本立てになっています。
二次審査の中身
総合分析力審査(試験時間60分) 配布された資料(和文・英文の文章、図表など)を基に筆記試験を行います。審査するのは3つ。
- 和文・英文の文章を正確に読み取る読解力
- 問題文から解を求める基礎的な数的思考力
- 図表のデータから必要な情報を読み取り分析する思考力
出題形式についてはS-NETに公表されている過去問題を参照するよう要項が案内しています(ただし出題形式は変更される可能性あり)。過去問が公開されているのですから、解かない手はありません。
討論力審査 課題レポート(一次審査)のテーマについて、少人数で討論します。明確かつ論理的に表現する力を審査します。
ここが経営学部最大のポイントです。討論のテーマは、一次審査で提出した課題レポートと同じテーマなのです。つまり、出願の時点で討論のテーマは分かっている。レポートを書く段階から「これを人前で議論することになる」と分かって準備できます。
なお、討論力審査にはメモや資料を持ち込むことができます(要項に明記)。
対策
一次審査の課題レポートと二次審査の討論力審査のテーマは、本学ホームページで公開されます(テーマとその趣旨が公開されると要項に記載)。まずこれを確認してください。
レポートを書くときは、「自分の結論」だけでなく「反対の立場の言い分」も調べておくこと。討論では自分と違う意見が必ず出ます。そのときに崩れるか、受け止めて議論を進められるかで評価が変わります。
総合分析力審査は60分で読解・数的思考・データ分析を問う総合問題です。国語でも数学でもない独特の形式なので、過去問を解くこと自体が最大の対策になります。
4. 法学部——半年前にテーマが公開される、準備勝負の入試
成蹊の総合型選抜のなかで、最も情報が公開されていて、最も準備の差が出るのが法学部です。本記事で最も詳しく書きます。
募集人員
- 法律学科:9名
- 政治学科:6名
求める学生像(要項より)
法学部の要項は、求める学生像を非常に具体的に書いています。
法学部の教育面での最大の特色は、充実した少人数教育の環境を提供していることです。しかし、環境が充実していればそれだけで充分、とはいえません。ゼミの成否の鍵は、そこに参加する学生がどれだけ積極的にかかわっているかにあるからです。ゼミに旺盛な意欲で参加し、ゼミを引っ張る学生——法学部が本選抜入試で求めているのはそうした学生です。
求められる資質は2つ。
① 主体的な思考をもって他者と協働できること 社会のできごと全般に幅広い関心をもち、自分の意見を論理立てて他者に伝え、他者の意見にも誠実に耳を傾ける力。つまり他者の関心との異同をみとめ、主体的に考えつつ、グループとして独自の探求へと引っ張る能力。要項はここで釘を刺しています——「単に調整能力に富み、ゼミのまとめ役になる学生を望んでいるのではありません」。
② 他者とのかかわりを深いところから支える「強い個性」があること 他者に伝えるに足る個性、他者が学ぶに足る個性。
この①の但し書きは、グループ討論対策の常識をひっくり返します。「司会役を買って出て、みんなの意見をまとめれば高評価」——これは成蹊法学部では望まれていないと要項が明言しているのです。求められているのは、まとめ役ではなく「グループとして独自の探求へと引っ張る」役です。
一次審査
書類審査。要項にはこうあります。
調査書、志望理由書、活動報告書、学修計画レポート、語学試験の合格・成績、その他すべての提出書類に基づいて総合的に審査します。自由提出された資料も審査の対象とします。志望理由書は、内容が明確で具体的なものほど高い評価が得られます。
「自由提出された資料も審査の対象」——つまり、指定された書類以外にも、自分の活動や探究を裏づける資料を出してよい、ということです。出せるものがあるなら出しましょう。
二次審査:2つの審査、配点は50点ずつ
基礎読解力審査(配点50点・試験時間75分)
これは2027年度から新規に実施される審査です。過去問はありません(大学が「法学部の基礎読解力審査は2027年度より新規実施いたしますので、過去問題はございません」と明記)。
内容は要項にこう書かれています。
文章を正確に読み取り理解する基礎的な力が問われます。高等学校における「国語」の基礎的な学習内容を十分に理解しているかを確認するための問題を出題します。<br>※1 現代の国語、言語文化(近代以降の文章のみ。古文・漢文は対象外)<br>※2 全てマークシート方式で実施
押さえるべき点は3つ。 ①範囲は現代文だけ。古文・漢文は出ません。②全問マークシート。記述はありません。③75分で50点分。
過去問がない以上、対策は「高校の現代文の標準的な問題を、時間を計ってマークシート形式で解く」に尽きます。共通テストの「現代の国語」「言語文化(近代以降の文章)」の過去問・予想問題が、形式として最も近い練習台になります。
討論力審査(配点50点・審査時間 約60分)
発表されるテーマについて、グループ討論を行い、各受験者の参加姿勢や発言内容に基づいて審査します。
そして、テーマの発表方法が要項に明記されています。
公開日時:6月3日(水)10:00<br>公開場所:本学入試情報サイト S-NET
二次審査は11月28日です。6月3日にテーマが出るということは、準備期間が約6か月あるということです。
討論力審査の持ち込みルール——「スマホ持参OK」の正体
要項の「二次審査にあたっての注意」には、驚くほど自由なルールが書かれています。
❶ 準備したメモや資料は会場に持ち込んで構いません。<br>❷ 資料を配布する場合は、審査員の分も含めて12部用意してください。<br>❸ 電子辞書、PC、携帯電話等の電子機器も会場に持ち込んで構いません。ただし、電源、機器類、通信環境等はこちらでは用意できません。<br>❹ 審査中、携帯電話等でウェブサイトを閲覧しても構いません。ただし、通話、メール、ソーシャルメディア等で他者へ質問したり、試験会場外の人間と連絡をとる手段として機器を使用したりすることは禁止とします。
整理すると、許されるのは「自分が事前に用意したもの」と「その場での自力の検索」、禁止されるのは「外部の人間に助けを求めること」です。
一方で、基礎読解力審査のほうは真逆に厳格です。机上に置けるのは受験票・黒鉛筆(HB)・シャープペンシル(HB黒芯)・プラスチック消しゴム・鉛筆削り(電動式不可)・時計(計時機能だけのもの)・眼鏡・ティッシュペーパー(袋から取り出したもの)・無地のハンカチ・目薬のみ。耳栓の使用も認められません。同じ日の同じ入試で、ここまでルールが違います。
法学部が公開している「過去の傾向」
要項の「グループ討論に備えて」の項に、大学自身が出題傾向を書いています。これは極めて価値の高い情報です。
討論力審査のテーマは、毎年異なります。複数の制度の優劣を比較し、最も望ましい制度を提案する課題が課されることがあります。また、表や統計データが示され、その意味を読みとる課題が課されることもあります。問題をしっかり読んで、何が求められているのかを正確に読みとるようにしましょう。また、学者の主張や他国の状況を調べることが求められることもあります。図書館の書物だけでなく、インターネットなども活用し、さまざまな角度から幅広く調査を行いましょう。ただし、ネット情報は玉石混淆ですので、安易な過信は禁物です。さらに、最後にグループとしての結論をまとめるよう求められることもあります。自分の意見だけでなく、自分とは異なる意見としてどのようなものがあるのかを考えておかなければなりません。
そして審査のポイントが4つ挙げられています。
- 事実を的確に分析し、問題点を整理できているか
- 他人の意見をきちんと聞いているか。また、それを理解できているか
- 自分の意見を論理的に展開し、他人に正確に伝えることができているか
- 討論に貢献できているか
法学部・6か月の準備設計
6月3日にテーマが出てから11月28日までを、こう使ってください。
6月(テーマ公開直後):テーマを読み、「何が問われているか」を一文で書き出す。制度比較型なのか、データ読み取り型なのか、政策提案型なのかを判定する。
6〜7月:関連する制度を3つ以上調べ、それぞれの長所と短所を表にする。要項が「複数の制度の優劣を比較」と書いている以上、選択肢を並べられる状態が出発点です。
8月:反対意見を集める。自分が支持しない立場の論拠を、その立場の人が納得する形で書けるようにする。討論では必ず反対意見が出ます。初見で反応するのと、準備済みで受け止めるのとでは、発言の質が変わります。
9〜10月:出願(9/23〜10/7)と並行して、統計データを探す。要項が「表や統計データ」「他国の状況」と書いているので、数字と海外事例は取りに行く価値があります。政府統計(e-Stat)、OECD、各省庁の白書が入口です。
11月:配布資料を作る(作るなら12部)。そして討論の練習。ひとりでは練習できないので、学校の友人や塾で相手を見つけてください。「自分と違う意見が出たときに、どう受けて、どう進めるか」だけを練習してください。
最後にもう一度。まとめ役を目指さないでください。要項が「単に調整能力に富み、ゼミのまとめ役になる学生を望んでいるのではありません」と書いています。求められているのは、議論を独自の探求へ引っ張る発言です。
5. 国際共創学部——20分のプレゼン面接
募集人員
- 国際日本学専攻:5名
- 環境サステナビリティ学専攻:7名
求める学生像(要項より)
「歴史、文化、社会、自然環境に関する学修で得た知識を総合的に活用し、地域および地球規模の様々な現象・課題について関心を持ち、その解明・解決を目指す人材」、および「多様な背景をもつ他者と協働しながら、データ分析や実践学習を通して、地域および地球規模の様々な現象・課題を俯瞰し、自分の考えを論理的に表現・発信できる人材」。
国際日本学専攻は「多様な文化や国際交流に興味があり、日本語および英語の運用能力の向上を目指しながら、地域や国際社会の発展に貢献することを目指す人」を特に求めています。
二次審査の中身
発表・質疑応答審査(約20分間の面接試験)。3つで構成されます。
- 指定された課題に基づく約10分間のプレゼンテーション
- 発表内容や課題に関する5分程度の質疑応答
- 志望理由などについての5分程度の質疑応答
要項はプレゼンの準備手順まで具体的に書いています。
(1)中心テーマを決める——課題の内容や主旨をよく理解し、発表の中心テーマ(焦点)を絞り込む。プレゼンテーションの時間は限られているので、内容が聞き手にはっきり伝わるように、発表のテーマを明確にする。<br>(2)発表の内容を考える——テーマについて図書館などで調べ、発表の内容を決める。さらに、調べたことに対する自分の考えを整理する。<br>(3)発表の構成を考える——何をどのような順番で、どのような時間配分で発表するか。<br>(4)レジュメを作成する
そしてレジュメは必ず4部持参します(1部は発表時に使用する自分用、残りは審査員用)。要項は「二次審査の時間は限られていますので、レジュメを充実させることを優先させてください」とも書いています。話す練習より先に、レジュメを作り込むほうが効くということです。
対策
10分のプレゼンで扱える内容は、思っているより少ないです。論点を1つに絞ること。要項が「焦点を絞り込む」と書いているのは、絞れていない発表が多いからだと読めます。
そして質疑応答が合計10分——プレゼンと同じだけの時間があります。発表で言い切らなかったことを、質疑で引き出される構成にしておくと強い。レジュメに書いておいて、口頭では触れない論点を仕込んでおくのも一手です。
6. 理工学部——数学90分。これは学力試験です
募集人員
- 理工学部:15名
出願時は「理工学科」を志望学科として出願し、入学する専攻は入学手続の際に選択できます(データ数理専攻・コンピュータ科学専攻・機械システム専攻・電気電子専攻・応用化学専攻)。専攻を決めきれていなくても出願できる、珍しい設計です。
出願要件
数学の合計修得単位数14単位以上(旧教育課程履修者は13単位以上)、かつ理科の合計修得単位数10単位以上。
これは事実上の足切りです。単位数が足りるかどうかは、高校の履修状況で決まります。文系コースから理工学部を狙うのは、この時点で難しい。工業高校・総合学科の出身者などで単位が足りない場合は、工業または情報に関する教科・科目で振り替えできる場合があるので、9月16日(水)までに必ずアドミッションセンターに連絡してください。連絡がなかった場合、出願は受理されません。
求める学生像(要項より)
理工学部は「学力のみを問うペーパー試験でははかりきれない」資質として4つを挙げています。
① 自然現象や普段の生活で使われている技術に対する広い視野と深い考察力があること ② その視野と考察力を基礎とした柔軟な発想力をもつこと ③ 数学や理科あるいは科学技術に対する興味と、その修得に対する強い意欲をもつこと ④ 実験結果を論理的に解析・考察する能力があること
そして「これらは、学校推薦型選抜よりも主体的に、一般選抜より個性的に、自分の才能を発揮できるものとなっています」と位置づけています。
二次審査の中身(配点つき)
理工学部は配点まで公開されています。合計100点。
思考力審査(50点)午前10:00〜11:30・90分
順序立てて物事を考える力を見るために、数学的な思考力に関する演習に取り組みます。<br>❶ 数学的思考力を問う問題が出題されます。<br>❷ 内容は基本的なものですが、途中経過を丹念に詰めていく必要があります。鉛筆と紙を使って問題に取り組みます。<br>❸ 途中経過も採点対象ですので、解答用紙には答を導くまでに試行錯誤した内容も含めてすべて書き込んでください。
「試行錯誤した内容も含めてすべて書き込んでください」——これは非常に珍しい指示です。普通の数学の答案は、整理された最終形を書きます。しかし成蹊理工は、行き詰まった過程も書けと言っている。消しゴムで消す習慣のある人は、その習慣自体を変える必要があります。
表現力審査(20点)午前11:50〜12:20・30分 当日出題される科学技術に関するテーマについて、記述式の試験。自分の考えを文章にて表現できるかを評価します。
面接審査(30点)午後13:20〜・一人30分程度 一次審査に提出された志望理由書、活動報告書、および表現力審査の内容を中心に、理工学部にて学ぶ意欲や志望動機、理工学に関する知識について口頭試問します。
面接で表現力審査の内容が問われる点に注意してください。午前中に書いたものについて、午後に聞かれます。書きっぱなしにせず、何を書いたかを覚えて午後に臨む必要があります。
対策
配点の半分が数学です。しかも「内容は基本的なもの」と要項が言っている。つまり難問ではなく、基本問題を丁寧に詰め切れるかが問われます。途中式を省略しない練習を、今日から始めてください。
表現力審査の「科学技術に関するテーマ」は当日出題です。準備するとすれば、日頃から科学技術ニュースに触れ、それについて400〜800字で意見を書く訓練を積むことです。30分で書き切る体力が要ります。
7. 文学部——この入試はありません
要項に明記されています。「文学部では自己推薦型の実施はありません」。
文学部(英語英米文学科・日本文学科・国際文化学科・現代社会学科)で総合型選抜の枠があるのは、帰国生特別受験と社会人特別受験のみで、それも「若干名(一般選抜の定員に含まれる)」です。
参考までに、その帰国生・社会人特別受験の英語要件は、実用英語技能検定1950点以上〈英語英米文学科は2300点以上〉、GTEC 930点以上〈同1180点以上〉、IELTS 4.0以上〈同5.5以上〉、TOEFL iBT 42点以上〈同72点以上〉、TOEIC L&R/S&W 790点以上〈同1095点以上〉、TEAP 225点以上〈同309点以上〉、ケンブリッジ英語検定140点以上〈同160点以上〉。日本文学科のみ日本漢字能力検定2級以上も認められます。
一般の高校生が文学部を目指す場合は、一般選抜が主戦場になります。
8. 一次審査の書類——何を書けば通るのか
ここからは全学部に共通する、書類の話です。当塾がふだん指導している内容と重なります。
8-1. 「アドミッションポリシーに共感しました」は書かない
志望理由書で最も多く、最も評価されないのがこの一文です。大学の教員は、毎年これを何百通も読んでいます。アドミッションポリシーに共感するのは当たり前であって、それは志望理由になりません。
書くべきは、自分の側にある具体的な問いです。
8-2. 「ボランティアを頑張りました」「部活を頑張りました」も、それだけでは効かない
活動の事実だけを書いても、評価は動きません。成蹊の要項が求めているのは「自分の将来に明確な目標を持ち、それに向かって努力していること」「志望する学部が自分の将来の目標の実現に役立つものであること」です。
つまり、活動 → そこで見えた問い → その問いを解くにはこの学部が要る、という接続が書けているかどうか。活動は接続の材料であって、結論ではありません。
8-3. 原体験を、学問領域へ接続する
強い志望理由書には、必ず原体験があります。他の誰にも書けない、自分だけの具体的な経験です。
ただし、体験を書くだけでは作文で終わります。そこから一般化・普遍化して、学問的なテーマへ昇華させる必要があります。「自分の家の近所でこういうことが起きた」→「これは◯◯という構造の問題ではないか」→「その構造は◯◯学でこう論じられている」→「しかしまだ論じられていない部分がある」——この階段を上ること。
8-4. 先行研究とリサーチギャップ、そして自分のRQ
ここまで書ける受験生は、ほとんどいません。だからこそ差がつきます。
志望する学部・学科の教員が、どんな論文を書いているかを読んでください。大学の研究者情報ページやCiNii、J-STAGEで読めます。そのうえで、「ここまでは分かっている。しかしここは分かっていない」というリサーチギャップを見つける。そして「だから私はこれを問いたい」というRQ(リサーチクエスチョン)を立てる。
成蹊法学部の要項が「志望理由書は、内容が明確で具体的なものほど高い評価が得られます」とわざわざ書いているのは、抽象的な作文が多いからです。
8-5. 将来の仕事を書くなら、具体的な根拠を持つ
「将来は広報の仕事に就きたい」といった水準の記述では、質疑応答で崩れます。特定の業界や企業について書くなら、有価証券報告書やIR資料を読んでください。その会社が何で稼ぎ、何に困っているかが書いてあります。そこまで調べた志望理由は、面接で強い。
8-6. 生成AIで書いた文章は、面接で必ず崩れる
AIが書いた文章は、読みやすく、平均的で、深掘りに耐えません。成蹊はどの学部でも、書類の内容について質疑応答を行います(経済学部は一次審査提出書類について5分程度、理工学部は志望理由書・活動報告書について口頭試問、法学部は自由提出資料も審査対象)。自分で考えていないことは、聞かれた瞬間に分かります。
9. 合格後にもある——入学準備プログラム
成蹊の総合型選抜は年内に合格が確定します。その代わり、入学までに課題が出ます。2026年度の内容は次のとおりでした(2027年度入学予定者向けの内容は12月下旬までに正式通知)。
- 法学部:指定された問題集(3冊)を最後まで解き、自己採点して提出
- 経済学部・経営学部:(該当ページに記載の課題)
- 文学部:Graded Readers(英語英米文学科・国際文化学科・現代社会学科対象)/課題図書の内容要約と感想(日本文学科・国際文化学科・現代社会学科対象)
- 国際共創学部:指定された課題図書リストから2冊を読んで要約等を作成
- 理工学部:TOEICテスト対策課題/数学問題演習(添削指導あり)/理科問題演習(物理・化学・生物のうち2科目を選択、添削指導あり)
年内に合格しても、勉強は終わりません。むしろここで手を抜くと、入学後に一般選抜組との差が開きます。
10. よくある誤解
誤解1「総合型だから学力は関係ない」 法学部は75分のマークシート読解、経営学部は60分の総合分析、理工学部は90分の数学と30分の記述。明確に学力を測っています。測り方が一般選抜と違うだけです。
誤解2「評定が要らないなら、成績は無視していい」 評定の数値基準はありませんが、調査書は提出し、書類審査の対象です。基準がないことと、見られないことは違います。
誤解3「グループ討論はまとめ役が有利」 成蹊法学部の要項は「単に調整能力に富み、ゼミのまとめ役になる学生を望んでいるのではありません」と明記しています。この大学に関しては、逆です。
誤解4「一次に受かってから二次の準備をすればいい」 経済学部の二次審査文献資料は10月15日公開、一次合格発表は11月6日。法学部の討論テーマは6月3日公開、二次審査は11月28日。待っていたら間に合いません。
誤解5「ダメ元で受けられる」 専願です。「合格した場合は、必ず本学に入学する者」が出願資格に書かれています。
11. 生徒向けチェックリスト
出願前に、この10項目を自分で確認してください。
- 成蹊に受かったら必ず入学する——そう決めましたか
- 志望学部に自己推薦型がありますか(文学部にはありません)
- 経済学部志望なら、英語外部検定のスコアを持っていますか
- 経済数理学科志望なら、数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bを全部履修し、数学13単位以上ありますか
- 理工学部志望なら、数学14単位以上・理科10単位以上ありますか(足りなければ9月16日までに大学へ連絡)
- 法学部志望なら、6月3日公開の討論テーマをもう見ましたか
- 経営学部志望なら、S-NETの過去問を解きましたか
- 志望理由書に、自分だけの原体験が書けていますか
- その原体験は、学問的な問いに接続できていますか
- 志望学部の先生の論文を、1本でも読みましたか
10個中5個以上「いいえ」なら、まだ間に合います。出願は9月23日からです。
11-2. 併願をどう設計するか
成蹊の自己推薦型は専願です。合格したら必ず入学します。ではまったく併願できないのかというと、そうではありません。時期のずれを使えます。
法学部の二次審査は11月28日、合格発表は12月5日、入学手続締切は12月18日です。他の4学部は二次審査11月14日、発表11月20日、手続締切12月7日。いずれも年内に結果が出ます。したがって、
- 成蹊の総合型で不合格だった場合に備えて、一般選抜の学力対策を止めない。これが最大の併願設計です。11月末に結果が出て、そこから一般選抜まで約2か月半あります。この2か月半を「何もしてこなかった状態」で迎えるか、「並行して積んできた状態」で迎えるかで、進学先が変わります。
- 他大学の総合型との併願は、専願条件に抵触しないか必ず確認する。成蹊の出願資格は「合格した場合は、必ず本学に入学する者」です。他大学にも専願条件があり、両方に合格した場合、どちらかの約束を破ることになります。出願前に整理してください。
- 成蹊内で複数学部の併願はできません。出願できるのは1学部1学科です(理工学部のみ「理工学科」として出願し、専攻は入学手続時に選択)。
そして、総合型で不合格になることは珍しくありません。経済数理学科は4名、国際日本学専攻は5名、法学部政治学科は6名の枠です。落ちる前提で一般選抜の準備を続けることは、悲観ではなく設計です。
11-3. 確認できなかった項目——要確認リスト
本記事は、成蹊大学が公開している2027年度 総合型選抜(自己推薦型)入学試験要項および入試情報サイトS-NETにあたって作成しています。一方、以下は一次資料で確認できていません。出典を示したうえで「要確認」として扱います。
| 項目 | 状況 | 出典・備考 |
|---|---|---|
| 各学部の二次審査の配点内訳(法学部以外) | 一部のみ確認 | 法学部は討論力審査50点・その他50点と明示。他学部の配点は要項で確認を |
| 経済学部の事前配布資料の分量・形式 | 10月15日に公開 | 公開前は不明。過去の資料はS-NETで確認できる場合がある |
| 法学部の討論グループの人数 | 未確認 | 要項で確認を |
| 一次審査の通過率・倍率 | 非公表 | 入試結果データが公開されている場合はS-NETで確認を |
| 理工学部の数学90分の出題範囲 | 一部のみ確認 | 要項で確認を |
| 共通テストの要否 | 要項に明示なし | 「不要」と推測して書いていない |
| 入学準備プログラムの必修/任意の別 | 一部のみ確認 | 合格後の案内で確認を |
| 文学部の他方式(指定校・一般以外)の有無 | 本記事では未調査 | 文学部は自己推薦型を実施していない |
編集方針について。当塾の入試データベースは「推測や二次情報で埋めた項目は載せない」を原則としています。本記事では、確証が取れない項目は出典を示したうえで「要確認」と明記しました。
成蹊大学は、審査テーマ・課題・過去問題をS-NETで公開しています。本記事を読んだうえで、必ず一次情報をご確認ください。
11-4. 成蹊を、19大学のなかに置く
当塾は2026年9月、人気19大学(早慶上智ICU/GMARCH/成成明学獨國/日東駒専)の総合型選抜を、要項原本にあたって調査しました。そのなかでの成蹊の位置を示します。
評定要件——成蹊は「要件なし」グループ
| 大学・方式 | 評定 |
|---|---|
| 上智 カトリック高校対象 | 全体4.3 |
| ICU 英語外部試験利用 | 全体4.1 |
| 慶應 法学部FIT B方式 | 指定各教科・全体すべて4.0以上 |
| 駒澤 経済学部 総合評価型 | 全体4.0 |
| 東洋 学校推薦(総合評価型) | 全体3.6 |
| 明治学院 消費情報環境法学科 | 全体3.2 |
| 成蹊 自己推薦型 | 要件なし |
| 早稲田 地域探究・貢献入試/慶應SFC/國學院 | 要件なし |
成蹊は「評定を問わない」グループです。
ただし、これは「楽」という意味ではありません。評定で絞らない代わりに、書類と当日の審査で全部決まる。法学部の討論力審査、経済学部の事前資料型、経営学部の読解・数的思考・データ分析、理工学部の数学90分——どれも実力がそのまま出ます。
「評定が足りないから成蹊の総合型に逃げる」という発想は通りません。逆に、評定は振るわないが思考力と準備量で勝てる生徒にとっては、最良の入口です。
専願/併願
| 大学 | 併願 |
|---|---|
| 成蹊 自己推薦型 | 完全専願(合格したら必ず入学) |
| ICU・法政 | 完全専願 |
| 慶應(SFC以外) | 専願 |
| 上智 公募制推薦 | 専願・1学科のみ |
| 明治学院・専修 | 条件つき併願可 |
| 早稲田・立教・中央・成城・國學院 | 併願可 |
成蹊は完全専願です。そして学内で複数学部の併願もできません(1学部1学科のみ)。
同じ「成成明学獨國」でも、成城と國學院は併願可です。成蹊だけが専願。この違いは、併願設計に直結します。
情報公開の早さ——成蹊は19大学で最も早い
成蹊の最大の特徴は、審査の中身を事前に公開していることです。
| 大学 | 事前に公開されるもの |
|---|---|
| 成蹊 法学部 | 討論テーマを6月に公開 |
| 成蹊 経済学部 | 文献資料を10月15日に配布 |
| 駒澤 GMS B方式 | 当日テーマ発表(事前公開なし) |
| 東洋 基礎学力テスト型 | 事前課題小論文(出願時提出) |
| 國學院 | 課題図書(事前公開) |
| 専修 国際コミュニケーション | 課題図書(事前公開) |
法学部の「6月にテーマ公開」は、19大学で最も早い。
6月から11月28日の試験日まで、約6か月あります。この6か月をどう使うかで結果が決まる。準備量がそのまま点数になる設計です。
そして経済学部の「10月15日に資料配布」。試験は11月14日。1か月で、配られた文献を読み込む。
情報は全部公開されている。差がつくのは、知っているかどうかと、知ってから何か月動いたかだけ——これが成蹊の総合型選抜の本質です。
11-5. よくある質問
Q. 成蹊の総合型選抜に評定は本当に要りませんか。
要りません。要項の出願資格に評定平均値の指定はありません。ただし調査書は提出します。「基準値を設けていない」ということであり、「成績を見ない」という意味ではありません。
Q. 他大学と併願できますか。
できません。完全専願です。出願資格に「合格した場合は、必ず本学に入学する者」とあります。他大学の総合型にも専願条件がある場合、両方に出すと、どちらかの約束を破ることになります。出願前に整理してください。
Q. 成蹊の中で複数学部に出せますか。
出せません。1学部1学科のみです。理工学部だけは「理工学科」として出願し、専攻は入学手続時に選択します。
Q. 法学部の討論テーマはいつ公開されますか。
6月です。19大学のなかで最も早い情報公開です。試験は11月28日なので、約6か月あります。この期間をどう使うかで結果が決まります。
Q. 討論力審査にスマホを持ち込めるというのは本当ですか。
持ち込みのルールが要項に定められています。ただし「何でも自由に使える」という意味ではありません。必ず要項の持ち込み規定を正確に読んでください。ルールを誤解したまま当日を迎えると、準備してきたものが使えません。
Q. 経済学部の事前配布資料はいつもらえますか。
10月15日です。試験は11月14日なので、約1か月で読み込むことになります。
Q. 文学部を総合型で受けたいのですが。
成蹊大学文学部は、自己推薦型の総合型選抜を実施していません。一般選抜等をご検討ください。
Q. 理工学部の二次審査は何ですか。
数学90分です。これは学力試験と考えてください。「総合型だから学力は問われない」という発想は通りません。
Q. 日程は学部で違いますか。
法学部だけ違います。法学部は二次審査11月28日・発表12月5日・手続締切12月18日。他の4学部は二次審査11月14日・発表11月20日・手続締切12月7日です。
Q. 不合格だった場合、一般選抜に間に合いますか。
間に合います。結果は年内(11月20日または12月5日)に出るので、一般選抜まで約2か月半あります。ただし、その2か月半を「何もしてこなかった状態」で迎えるか、「並行して積んできた状態」で迎えるかで、進学先が変わります。落ちる前提で一般選抜の準備を続けることは、悲観ではなく設計です。
Q. 募集人員はどのくらいですか。
学科によって大きく違います。経済数理学科4名、国際日本学専攻5名、法学部政治学科6名——一桁の枠が並びます。倍率は年により変動しますが、枠が小さいことは前提として理解しておいてください。
Q. 生成AIで書類を書いてもいいですか。
やめてください。二次審査は面接・討論・プレゼンです。書いたことは全部聞かれます。自分で考えていない文章は、その場で崩れます。
11-6. 吉祥寺の大学として——志望理由書に書けること
成蹊大学は武蔵野市吉祥寺北町にあります。当塾(武蔵境)からは中央線で1駅。毎年多くの生徒が志望します。
志望理由書と面接で、「なぜ成蹊か」に答えるとき、地の利だけでは足りません。以下は、当塾が生徒に確認してもらっている要素です。
ワンキャンパス
成蹊は全学部が吉祥寺の1つのキャンパスにあります。
これは意外に大きい。法学部の学生が経済学部の授業を取り、理工学部の学生が文学部の授業を取る——学部を越えた履修がしやすい環境です。
自分の関心が複数分野にまたがっているなら、この点は志望理由になります。ただし「いろいろ学べるから」では弱い。「私の問いは〇〇学だけでは解けない。△△の視点が要る。ワンキャンパスの成蹊なら両方に触れられる」という形にしてください。
少人数教育と「成蹊教育」
成蹊は少人数教育を掲げています。学部ごとにゼミや演習が早い段階から始まるのが特徴です(具体的なカリキュラムは学部により異なるため、必ず大学公式サイトでご確認ください/要確認)。
面接では「どのゼミで何を学びたいか」を聞かれる可能性があります。シラバスを読み、教員名とゼミの研究内容を挙げられるようにしてください。
学園の歴史
成蹊学園は1912年(明治45年)、中村春二が設立した成蹊実務学校が起源です。校名の「成蹊」は、司馬遷『史記』の一節に由来します。
桃李不言下自成蹊(桃李もの言わざれど、下おのずから蹊を成す)
桃や李(すもも)は何も言わないが、その実を求めて人が集まり、自然に蹊(こみち)ができる。
この言葉を志望理由書に引くなら、意味を自分の経験と結びつけてください。言葉だけをなぞると、かえって浅く見えます。「自ら語らずとも、行いによって人が集まる」——あなたの高校生活に、そういう場面があったか。
「なぜ成蹊か」の答え方
最悪の答え:「自宅から近いから」「少人数教育に惹かれて」「自由な校風が魅力で」
必要な答え:
- 自分の問い(何を解きたいか)
- なぜその問いが生まれたか(具体的な経験)
- なぜ成蹊のこの学部・学科なのか(カリキュラム・ゼミ・教員の具体)
- 入学後に何をするか
この4段が揃って初めて、志望理由になります。
12. 最後に
成蹊大学は、武蔵野市吉祥寺北町にあります。当塾(武蔵境)からは目と鼻の先で、毎年多くの生徒が志望します。
この記事で繰り返し書いたとおり、成蹊の総合型選抜は評定を問いません。そのかわり、書類と当日の審査で全部決まります。そして法学部の討論テーマは6月に、経済学部の文献資料は10月に公開されます。情報は全部、公開されているのです。
差がつくのは、それを知っているかどうか、そして知ってから何か月動いたか、だけです。
各学部の審査テーマ・課題、過去問題は、成蹊大学入試情報サイトS-NETで公開されています。まずご自身の目で確認してください。そのうえで、何をどう準備するか迷ったら、ご相談ください。
最後に、この入試の性格をもう一度。
当塾は2026年9月、人気19大学の総合型選抜を要項原本にあたって調査しました。そのなかで成蹊は、「情報を最も早く、最も多く公開している大学」でした。
法学部は討論テーマを6月に公開します。19大学で最も早い。経済学部は文献資料を10月15日に配布します。過去問題もS-NETにある。何が出るかが、事前にわかっている入試です。
これは、準備した人が勝つ設計です。
評定を問わないのも同じ思想でしょう。3年間の成績ではなく、いまから試験日までの数か月で何を積めるかを見ている。高3の6月に「成蹊を受けよう」と決めた生徒にも、まだ間に合う。
ただし、間に合うのは「6月から動いた場合」です。11月の試験直前に討論テーマを見ても、6か月準備してきた受験生には勝てません。
そして専願です。合格したら必ず入学する。成蹊を第一志望にできるかどうかが、出願の前提になります。
武蔵野個別指導塾からのご案内
武蔵野個別指導塾(JR中央線 武蔵境駅)は、成蹊大学から中央線で1駅の場所にあります。毎年、成蹊を志望する生徒を多く指導しています。
成蹊大学の総合型選抜(自己推薦型)については、
- どの学部・学科で出すかの判断(1学部1学科のみ。完全専願)
- 一次審査の書類設計と添削(原体験から学問領域への接続、RQの立て方。初稿から完成まで回数無制限)
- 法学部の討論力審査対策(6月のテーマ公開から6か月の設計。資料収集、論点整理、反論の想定、持ち込みルールの確認)
- 経済学部の事前資料型対策(10月15日配布から約1か月で文献を読み込む訓練)
- 経営学部の読解・数的思考・データ分析
- 国際共創学部の20分プレゼン面接
- 理工学部の数学90分(これは学力試験です)
- 一般選抜との並行設計(年内に結果が出るので、そこから約2か月半あります)
を、一人ひとりの状況に合わせて進めます。
「評定が足りないから総合型で」と考えている方へ。成蹊は確かに評定を問いません。しかし、書類と当日の審査で全部決まります。討論も、数学90分も、実力がそのまま出ます。楽な入口ではなく、準備量が報われる入口だと考えてください。
逆に、「成績は振るわないが、調べて考えて話すのは得意」という生徒にとっては、19大学のなかでも最も可能性のある入試のひとつです。
まずは、志望学部と、いま何ができるかをお聞かせください。試験日まで何か月あるかを数えるところから始めます。
【出典】
- 成蹊大学「2027年度 総合型選抜(自己推薦型)入学試験要項」
- 成蹊大学 入試情報サイト S-NET(審査テーマ・課題・過去問題)
- 成蹊大学 公式サイト 学部・学科紹介
【重要なお断り】 本記事は2026年9月時点で公開されている資料に基づいています。募集人員・出願資格・日程・審査内容は変更される可能性があります。出願にあたっては、必ず大学公式サイトおよびS-NETで最新の入学試験要項を確認してください。本記事中の「要確認」と記した事項については、成蹊大学 入学センターへ直接お問い合わせいただくことを強く推奨します。
情報は全部公開されている。差がつくのは動いた月数だけ——武蔵野個別指導塾
成蹊大学の総合型選抜(自己推薦型)は評定を問いません。そのかわり、書類と当日の審査で全部決まります。そして当塾が19大学を調べたなかで、成蹊は審査の中身を最も早く公開している大学でした。法学部は討論テーマを6月に公開(19大学で最速)、経済学部は文献資料を10月15日に配布。過去問題もS-NETにあります。
つまり、準備した人が勝つ設計です。高3の6月に「成蹊を受けよう」と決めた生徒にも、まだ間に合う。ただし間に合うのは「6月から動いた場合」で、11月の試験直前にテーマを見ても、6か月準備してきた受験生には勝てません。
当塾は成蹊大学から中央線で1駅。どの学部で出すかの判断(1学部1学科のみ・完全専願)から、一次審査の書類設計と添削(原体験から学問領域への接続、RQの立て方/回数無制限)、法学部の討論力審査を6か月かけて仕上げる設計(資料収集・論点整理・反論の想定・持ち込みルールの確認)、経済学部の事前資料型、経営学部の読解と数的思考、国際共創学部の20分プレゼン、理工学部の数学90分、そして一般選抜との並行設計まで進めます。
人気19大学 総合型選抜シリーズ
- 成城大学——学科ごとに、要求されるものが正反対である
- 國學院大學——評定を問わず、284名を募集する
- 明治学院大学——評定3.2で出せる34名枠
- 獨協大学——併願の代金は英検スコアで払う
- 早稲田大学——9つの方式と、共通テストという落とし穴
- 慶應義塾大学——6方式は、性格が正反対である
- 上智大学——全30学科の評定と英語基準
- 国際基督教大学(ICU)——英語スコアに「最低点がない」理由
- 学習院大学——AOと公募制で併願ルールが正反対
- 明治大学——9方式・学部ごとに別の入試
- 青山学院大学——学科ごとに違う「評定の抜け道」
- 立教大学——12学部の評定・英語基準
- 中央大学——「入学手続の延期」という切り札
- 法政大学——学部ごとに名前の違う入試
- 日本大学——法学部CL方式の「他大学併願型」と校友枠
- 東洋大学——「基礎学力テスト型」は併願できる
- 駒澤大学——2つの型は併願できる、そして評定の第2ルート
- 専修大学——日東駒専で唯一、全方式が併願できる
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。





