法政大学の総合型選抜(2027年度)|現役限定の方式が多い

法政大学の総合型選抜は、「現役生のみ」の方式が多い

法政大学の総合型選抜(自己推薦入試・公募推薦入試)を調べると、まず気づくことがあります。

実施している学科の多くが、出願資格を現役生に限定しています。既卒生が出願できる方式は限られます。

そしてもうひとつ。法政の総合型選抜は「法政大学の総合型選抜」という一つの制度ではなく、学部・学科ごとにまったく別の入試が並んでいるという構造です。名称も、自己推薦・公募推薦・分野優秀者・キャリア体験・グローバル体験・まちづくりチャレンジと多岐にわたります。

この記事では、その全体像を整理します。

出典:法政大学 入試情報サイト「総合型選抜」(2026年9月11日確認)

1. 実施学部・学科と方式の一覧(2027年度)

学部 学科 方式 現役限定
文学部 日本文学科 自己推薦
文学部 英文学科 英語外部試験利用自己推薦
文学部 地理学科 自己推薦 現役生のみ
経営学部 経営戦略学科 グローバル体験公募推薦 現役生のみ
国際文化学部 分野優秀者/SA自己推薦 現役生のみ
人間環境学部 自己推薦 現役生のみ
キャリアデザイン学部 キャリア体験自己推薦
キャリアデザイン学部 商業学科等対象公募推薦 現役生のみ
キャリアデザイン学部 グローバル体験公募推薦 現役生のみ
グローバル教養学部(GIS) 自己推薦 春入学S基準/A基準
スポーツ健康学部 自己推薦(理数系)/(アスリート・トップアスリート系)
現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 まちづくりチャレンジ自己推薦
現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 グローバル体験公募推薦 現役生のみ
現代福祉学部 臨床心理学科 グローバル体験公募推薦 現役生のみ
情報科学部 自己推薦 現役生のみ
理工学部 電気電子工学科・応用情報工学科・経営システム工学科・創生科学科 公募推薦 現役生のみ

この一覧の使い方は単純です。志望学科がこの表にあるかどうか。なければ、法政のその学科には総合型選抜がありません。一般選抜で受けることになります。

2. 「現役生のみ」という条件の重さ

表を見て分かるとおり、法政では現役限定の方式が多数を占めます。これは全国的に見ても多い部類です。

実務上の意味は2つあります。

  1. 浪人した時点で、その方式は選択肢から消えます。翌年に同じ入試を受け直すことができません。
  2. 裏を返せば、現役生にとっては競争相手が現役生だけということでもあります。

1番目は進路設計に直結します。現役で総合型選抜に挑戦するかどうかを、「落ちたら来年また」と考えられないということです。浪人という選択で扱った判断とは前提が変わります。

3. 「体験」を問う方式が多い

法政の方式名を並べると、ある傾向が見えます。

  • グローバル体験公募推薦(経営・キャリアデザイン・現代福祉)
  • キャリア体験自己推薦(キャリアデザイン)
  • まちづくりチャレンジ自己推薦(現代福祉)
  • 分野優秀者SA自己推薦(国際文化)
  • 自己推薦(理数系)/(アスリート・トップアスリート系)(スポーツ健康)

名称に「体験」「チャレンジ」「優秀者」が入っている方式は、その体験や実績そのものが出願要件になっていると考えるのが自然です。高3の夏から作れるものではありません。

逆に言えば、すでにその活動をしている生徒には、非常に相性のよい入試です。留学経験がある、地域活動を続けてきた、競技実績がある——そうした蓄積を評価する枠が学部ごとに用意されています。

実績の書き方については実績がない場合の総合型選抜で、実績中心でない道筋も扱っています。

4. GIS(グローバル教養学部)の自己推薦

法政の中で特徴的なのがGISです。要項サイトに次の内容が示されています。

  • 春入学にS基準とA基準の2つの自己推薦がある。
  • 出願期間内に届いた書類をもとに総合的に合否を判断。必要に応じてオンライン面接を行う。
  • 年内に合否がわかる。
  • このほかに秋学期入学の入試がある。

「書類で判断し、必要に応じて面接」という形式は、受験生から見ると試験当日の一発勝負が小さいということです。そのぶん、提出書類の完成度がそのまま結果になります。

S基準とA基準の違い(求められる語学要件の水準など)は要項の該当ページで確認してください。ここは年度で変わりうる部分です。

5. 要項の入手経路

法政の要項は入試情報サイトから取得します。経路はこうです。

  1. 法政大学 入試情報サイト
  2. →「入試要項・入試ガイド」
  3. →「総合型選抜・学校推薦選抜等・外国人留学生」

方式ごとに別のPDFになっています。学部のページだけを見て満足せず、必ず該当方式のPDFを開いてください。募集人員・出願要件・日程・選考方法は、そこにしか書かれていません。

要項の読み方全般は出願要件の読み方にまとめています。

6. 受験戦略としての位置づけ

法政の総合型選抜を検討する場合、次の順で判断すると迷いません。

手順 確認すること
1 志望学科に総合型選抜があるか(上の一覧)
2 その方式が現役限定か
3 方式名が求めている体験・実績を持っているか
4 要項PDFで出願要件(評定・検定)を満たすか
5 選考方法(書類のみ/面接あり/筆記あり)と日程

3で止まる生徒が最も多く出ます。そこで止まったなら、その方式は今年の選択肢ではありません。一般選抜の準備に時間を戻すほうが合理的です。

7. よくある誤解

「法政の総合型選抜はどの学部でも受けられる」

受けられません。実施している学部・学科は限られます。

「浪人しても同じ入試を受け直せる」

多くの方式でできません。現役限定の方式が多数あります。

「自己推薦なら実績がなくてもよい」

方式によります。「グローバル体験」「キャリア体験」「分野優秀者」といった名称の方式は、その体験・実績が前提です。

「学部のページを読めば要項が分かる」

分かりません。方式ごとのPDFに出願要件・日程・選考方法が書かれています。

「複数の方式に出せる」

方式ごとに併願の可否が定められています。要項で確認してください。この記事では断定しません。

当塾の立場

当塾は総合型選抜の指導を行っており、この記事には利害があります。その前提でお読みください。

そのうえで、法政大学の総合型選抜について当塾の見方を書きます。

法政は「準備して受ける入試」ではなく「該当する人が受ける入試」の色が濃いと考えています。方式名がそのまま出願条件を表しており、体験や実績が先にある生徒のための枠です。ここに、持っていない生徒を無理に合わせても届きません。

そのため当塾では、法政の総合型選抜を検討する生徒にはまず一覧で「そもそも該当するか」を確認させ、該当しなければ早い段階で一般選抜に切り替えるよう助言しています。夏を総合型の準備に使い、該当しないまま秋を迎えるのが最も損失の大きい進み方だからです。

一方で、現役限定の方式が多いことは現役生にとっては有利な条件でもあります。該当する生徒には、積極的に勧めています。

なお、この記事では各方式の評定基準や検定スコアの具体的な数値を載せていません。方式ごとにPDFが分かれており、年度で変わる部分だからです。二次情報を転記して古い数字を広めるより、要項の在り処を示すほうが役に立つと判断しています。

まとめ

  1. 法政の総合型選抜は学部・学科ごとに別の入試。統一された制度ではない。
  2. 現役生のみの方式が多い。浪人すると選択肢から消える。
  3. 「グローバル体験」「キャリア体験」「まちづくりチャレンジ」など、体験・実績が前提の方式が多い。
  4. GISはS基準・A基準の2つ。書類中心で、必要に応じてオンライン面接。年内に合否が出る。
  5. 要項は入試情報サイト →「入試要項・入試ガイド」→「総合型選抜・学校推薦選抜等」から方式別PDFで取得。
  6. 判断は該当するか→現役限定か→体験があるか→要件を満たすかの順で。

この記事は2026年9月11日に法政大学 入試情報サイトで確認した2027年度総合型選抜の実施学部・方式にもとづいています。募集人員・出願要件・日程は方式別の要項PDFに記載されており、変更されることがあります。出願前に必ず最新の要項でご確認ください。

この記事と関わりの深い記事です。あわせてお読みいただくと、判断の材料が揃います。

記事全体の見取り図は記事の索引——テーマ別に、どれから読めばよいかにまとめています。

当塾について

武蔵野個別指導塾は武蔵境駅から徒歩30秒の完全個別指導塾です。総合型選抜(旧AO)入試対策授業料のご案内よくあるご質問に、指導の進め方と費用をまとめています。実際に通われた方の声は合格者の声をご覧ください。ご相談・体験のお申し込みはお問い合わせから承ります。

author avatar
ryomiyagawa Founder
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

関連記事

投稿


固定ページ



PAGE TOP
お電話