北里大学獣医学部 総合型選抜(2027年度)|獣医学科は対象外

北里大学獣医学部の総合型選抜に、獣医学科は含まれていません

最初に、誤解の多い点をはっきり書きます。

北里大学獣医学部の総合型選抜試験の対象は、動物資源科学科とグリーン環境創成科学科です。獣医学科は総合型選抜の募集人員に入っていません。

獣医学科は学校推薦型選抜(公募制)などで実施されます。「北里の獣医学部に総合型選抜がある」という情報だけで獣医学科志望の準備を進めると、出願の段階で行き詰まります。

そのうえで、この入試には他大学にない特徴があります。配点が公開されており、しかも学科によって配点の重心がまったく違うことです。

出典:北里大学「2027年度 獣医学部 総合型選抜試験 学生募集要項」(PDF/2026年9月11日確認)

1. 対象学科と募集人員

学科 募集人員
動物資源科学科 25名
グリーン環境創成科学科 10名(女子特別枠10名
獣医学科 総合型選抜の対象外

グリーン環境創成科学科に女子特別枠が設けられている点は、この学部の特徴です。詳細(併願の可否、選考方法の異同)は要項で確認してください。

2. 配点——学科で重心がまったく違う

この入試のいちばん重要な情報です。

評価項目 動物資源科学科 グリーン環境創成科学科
講義理解力試験 25点 100点
面接 50点 80点
出願理由・自己推薦書 100点 100点
調査書 25点 20点
合計 200点 300点

この表から読み取れることは決定的です。

  1. 動物資源科学科では、出願理由・自己推薦書(100点)が最大の配点です。200点満点の半分を、書類が占めます。当日の講義理解力試験は25点しかありません。
  2. グリーン環境創成科学科では、講義理解力試験(100点)が最大です。当日の試験の比重が高い設計です。
  3. いずれの学科も出願理由・自己推薦書が100点。書類の重みは共通して大きいです。
  4. 調査書は20〜25点。評定で大きく差がつく設計ではありません。

1番目の意味を考えてください。動物資源科学科を志望するなら、勝負は出願書類の時点でほぼついています。試験当日に挽回できる幅は25点です。

逆にグリーン環境創成科学科は、当日の100点で動きます。同じ学部でも、準備の配分を変えるべきです。

3. 講義理解力試験とは何か

この試験の形式は独特です。動物資源科学科の場合、要項の記述はこうです。

「40分の講義を受講した後、60分で講義内容に基づく設問に記述式で解答する。講義を理解し自分の知識と結びつける力、自分の考えをまとめる能力(思考力・判断力・表現力)を評価する。」

つまりその場で授業を受け、その内容について書く試験です。事前に知識を暗記していく試験ではありません。

評価されているのは3つです。

  1. 講義を理解する力——聞き取り、要点を掴む。
  2. 自分の知識と結びつける力——聞いた内容を、自分が持っている知識に接続する。
  3. 自分の考えをまとめる能力——記述式で表現する。

2番目が鍵です。講義の内容を要約するだけでは、この評価軸に半分しか応えていません。自分が知っていることと結びつけて論じる必要があります。

対策としては、講義形式の動画や授業を聞いて、40分後に60分で書くという練習が最も近い形になります。要約の技術は要約の練習、論じ方は論理的思考で扱っています。

4. 面接

要項の記述です。

「出願書類を参考資料として20分程度の個人面接。志望動機、入学後に何をしたいか、どのようになりたいかなどの将来設計がイメージできているか、学習意欲・適性を評価する。」

ここで注目すべきは「出願書類を参考資料として」という一句です。面接官の手元に、自分が書いた書類があります。

そして問われるのは「将来設計がイメージできているか」。志望動機だけでなく、入学後に何をして、どうなりたいかまでです。20分は短くありません。表面的な準備では持ちません。

面接の準備は面接対策で扱っています。

5. 調査書の見られ方

要項には「高校生活への取り組み(学習成績の状況、委員会活動や課外活動)を評価する」とあります。

配点は20〜25点。評定が高いことが決定打にはなりませんが、無関係でもありません。また委員会活動・課外活動も評価対象に明記されています。

評定の仕組みは内申点の実務で扱っています。

6. 日程と当日の流れ

項目 日程
出願受付 2026年9月8日(火)〜9月25日(金) 当日消印有効(国外からは締切日必着)
試験日 2026年10月18日(日) 相模原キャンパス
合格発表 2026年11月2日(月)13:00
入学手続期限 2026年11月13日(金)
入学検定料 35,000円

試験当日の時間割です。

時刻 内容
8:40 開場
9:40 集合
10:00〜11:50 講義理解力試験(試験時間100分、中間時間10分)
13:00〜 面接(20分の個人面接)

「試験時間100分、中間時間10分」——これが講義40分/中間10分/解答60分にあたります。中間時間があるということは、講義が終わってから設問に取りかかるまでに10分あるということです。

この10分の使い方は、実は準備できる部分です。講義中に取ったメモを整理し、答案の構成を決める時間として使えます。

当日の過ごし方は試験本番の過ごし方で扱っています。

7. 第1志望・入学確約が前提。ただし第2志望制度あり

この入試は本学の当該学科・専攻を第1志望とし、合格した場合は必ず入学する方が対象です。専願です。

ただし獣医学部には第2志望制度があります。追加の検定料なしで、他学科・専攻を第2志望として登録できます。

これは受験生にとって実質的な利点です。1回の出願で2つの可能性を持てます。詳細な条件は要項で確認してください。

8. よくある誤解

「北里の獣医学科は総合型選抜で受けられる」

受けられません。獣医学科は総合型選抜の募集人員に入っていません。学校推薦型選抜(公募制)等で実施されます。

「講義理解力試験は知識を問う試験」

違います。その場で講義を受け、内容について記述する試験です。

「当日の試験ができれば逆転できる」

学科によります。動物資源科学科の講義理解力試験は25点しかありません。書類が100点です。

「評定が低いと厳しい」

調査書は20〜25点です。決定的な配点ではありません。

「専願だから他の可能性はない」

獣医学部には第2志望制度があり、追加検定料なしで登録できます。

「締切日必着」

国内からは当日消印有効です(国外からは締切日必着)。

当塾の立場

当塾は総合型選抜の指導を行っており、この記事には利害があります。その前提でお読みください。

そのうえで、この入試について当塾の見方を書きます。

配点を公開している大学は、受験生に対して誠実だと考えています。どこに時間を使えばよいかが分かるからです。北里大学獣医学部は、学科ごとの配点まで公開しています。

その情報を前提に、当塾では動物資源科学科とグリーン環境創成科学科で、準備の配分を明確に変えています。前者は出願理由・自己推薦書に時間の大半を使います。200点中100点がそこにあり、当日の試験は25点だからです。後者は講義理解力試験の演習量を増やします。

同じ「北里獣医学部の総合型対策」という言葉で一括りにされがちですが、中身は別物です。一般的な総合型対策をそのまま当てはめると、配点の薄いところに時間を使うことになります。

もうひとつ強調したいのが獣医学科が対象外である点です。これは当塾に相談に来る生徒でも誤解が多い箇所です。獣医師を目指す生徒にとっては進路設計そのものが変わる情報なので、最初に確認しています。

なお、講義理解力試験の対策として当塾が行っているのは、実際に40分の講義を聞かせ、10分で構成を作らせ、60分で書かせるという形式の演習です。時間配分そのものが訓練の対象になる試験だからです。

まとめ

  1. 総合型選抜の対象は動物資源科学科(25名)とグリーン環境創成科学科(10名・女子特別枠10名)獣医学科は対象外。
  2. 動物資源科学科は出願理由・自己推薦書100点が最大。講義理解力試験は25点。
  3. グリーン環境創成科学科は講義理解力試験100点が最大。
  4. 講義理解力試験=40分の講義→中間10分→60分で記述。知識試験ではない。
  5. 評価軸は講義の理解/自分の知識と結びつける力/考えをまとめる力
  6. 面接は20分の個人面接。出願書類を参考資料として、将来設計まで問われる。
  7. 調査書は20〜25点。学習成績のほか委員会活動・課外活動も評価対象。
  8. 出願 9/8〜9/25当日消印有効、試験 10/18(日)、発表 11/2(月)。
  9. 第1志望・入学確約が前提だが、追加検定料なしの第2志望制度がある。

この記事は2026年9月11日に北里大学の2027年度 獣医学部 総合型選抜試験 学生募集要項で確認した内容にもとづいています。獣医学科の選抜方法、女子特別枠・第2志望制度の詳細は要項の該当箇所をご覧ください。要件・日程・配点は変更されることがあります。

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記事全体の見取り図は記事の索引——テーマ別に、どれから読めばよいかにまとめています。

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ryomiyagawa Founder
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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