國學院大學の総合型選抜(令和9年度)|方式の選び方と活動レポート

國學院大學の総合型選抜は、方式の数が多い

國學院大學の令和9(2027)年度 総合型選抜を調べると、まず方式の多さに戸惑います。

公募制自己推薦(AO型)だけではありません。院友子弟特別選考、神道・宗教特別選考、神職養成機関(普通課程)特別選考、法・観光まちづくり学部特別選考、社会人特別選考、セカンドキャリア特別選考、外国人留学生——入口が複数あり、それぞれ出願資格が違います。

この記事では、方式の整理と、國學院に特有の実務上の注意点をまとめます。

出典:國學院大學 入学試験情報サイト(2026年7月30日更新/2026年9月11日確認)

1. 令和9年度 総合型選抜の方式

方式 主な対象
公募制自己推薦(AO型) 一般の受験生。中心となる方式
院友子弟特別選考 國學院大學の卒業生(院友)の子弟
神道・宗教特別選考[Ⅰ期][Ⅱ期] 神道・宗教分野を志す者
神職養成機関(普通課程)特別選考 神職養成に関わる課程の対象者
法・観光まちづくり学部特別選考 法学部・観光まちづくり学部の志願者
社会人特別選考 社会人
セカンドキャリア特別選考 競技歴などを経た進学者
外国人留学生 留学生

多くの受験生が対象になるのは公募制自己推薦(AO型)と、学部によっては法・観光まちづくり学部特別選考です。

神道・宗教特別選考がⅠ期・Ⅱ期の2回に分かれている点は、國學院ならではの構成です。神道文化学部を志望する場合は、この2回の違い(日程・出願資格・募集人員)を要項で確認してください。

2. 要項はWeb公開のみ——冊子はありません

実務上、最初に知っておくべき点です。

國學院大學の入学試験要項はWeb公開のみで、冊子は作成されていません。ダウンロードして印刷して使うことになります。

これは受験生にとって次の意味を持ちます。

  1. 資料請求で要項が届くのを待っても、届きません。自分でサイトから取得します。
  2. 手元に紙が残らないため、更新されたことに気づきにくい。印刷した日付を余白に書いておいてください。
  3. 学校の先生に確認してもらう際も、PDFを渡す必要があります。

3. 活動レポート

公募制自己推薦で中心になる提出物が「活動レポート」です。要項の記述はこうです。

「令和6年4月以降の生活を振り返り、自身が主体的に取り組んだ活動を具体的に記入する」

そして重要な但し書きがあります。記載内容・字数指定は学部・学科により異なります。

ここから読み取れることを整理します。

  1. 期間が明示されている。令和6年4月以降——つまり高校1年の4月以降(現役生の場合)です。中学時代の実績は対象外です。
  2. 「主体的に取り組んだ」が条件。参加しただけの活動ではなく、自分が動かした部分を書く必要があります。
  3. 「具体的に」が条件。抽象的な感想文では要求に応えていません。
  4. 学部・学科で書式が違う。他学部の見本を流用できません。

1番目は見落とされがちです。中学で何をしていたかは書けません。高校入学以降に何をしたかで勝負します。

活動をどう言語化するかは実績がない場合の総合型選抜志望理由書の書き方で扱っています。

4. 英語検定試験の扱い

要項の記述です。

  • 出願資格・出願要件として利用できる種類とCEFRレベルの基準は、公開されている一覧表に準じる。
  • 要項に特に明記のない限り、令和6年4月1日以降に取得したものを有効とする。

2番目が実務的な制約です。有効期間が「令和6年4月1日以降」と日付で切られています。「2年以内」のような相対指定ではありません。中学時代に取得した英検は使えないということです。

一覧表は大学が別途公開しています。志望学部の要項と、この一覧表の両方を見る必要があります。

5. 英検デジタル証明書が使えるようになりました

令和9年度の総合型選抜・学校推薦型選抜から、提出できる証明書が広がりました。

従来の「合格証明書」「英検CSEスコア証明書」「個人成績表」に加えて、デジタル証明書のプレビュー画面のプリントアウトも提出可になりました。共有キーの提出は不要です。

これは地味ですが、受験生にとって実質的な改善です。証明書の郵送を待たずに出願できます。出願直前に検定結果が出た場合でも間に合う可能性があります。

ただし、プレビュー画面のプリントアウトが求められる形式である点に注意してください。画面のスクリーンショットや、共有キーだけを書いた紙では要求を満たしません。

6. 過去問題と出題意図が公開されている

國學院は直近2年分の過去問題を公開しています(教学社の赤本オンラインへのリンクという形)。加えて出題意図(科目別アドバイス)も公開しています。

後者のほうが価値があります。大学が「何を測っているか」を自分の言葉で説明している文章だからです。

対策の順序としては、こうなります。

順序 やること
1 出題意図(科目別アドバイス)を読む。何を見ているかを把握する
2 過去問を解く
3 もう一度出題意図を読み、自分の答案が要求に応えているか照合する

1を飛ばして2から始めると、「解けた/解けなかった」で終わり、何を直すべきかが分かりません。

7. 神道文化学部について

神道文化学部は、令和8年度入学者選抜(総合型選抜)の変更点を別途告知しています。

つまりこの学部は、他学部と別のスケジュールで制度が動いているということです。神道文化学部を志望する場合、全学共通の案内だけでなく、学部個別の告知を必ず確認してください。

また前述のとおり、神道・宗教特別選考にはⅠ期・Ⅱ期があります。公募制自己推薦との使い分けも含め、入口が複数あります。

8. 準備の実務

時期 やること
高1の4月以降 活動レポートの対象期間が始まる。記録を残す
令和6年4月以降 英語検定を受験(これ以前の取得は無効)
高3の春 どの方式で出願するかを決める(方式が複数ある)
高3の春 要項PDFをダウンロードして印刷。印刷日を書き込む
高3の夏 活動レポートの作成。学部指定の書式・字数に従う
夏〜秋 出題意図→過去問→照合の順で対策

9. よくある誤解

「資料請求すれば要項が届く」

届きません。Web公開のみです。自分でダウンロードします。

「中学時代の実績を活動レポートに書ける」

書けません。対象は令和6年4月以降の活動です。

「中学で取った英検が使える」

使えません。原則令和6年4月1日以降に取得したものが有効です。

「活動レポートは学部共通の書式」

違います。記載内容・字数指定は学部・学科により異なります。

「英検の証明書が届かないと出願できない」

令和9年度からはデジタル証明書のプレビュー画面のプリントアウトも可です。

当塾の立場

当塾は総合型選抜の指導を行っており、この記事は当塾の宣伝を兼ねています。その前提でお読みください。

そのうえで、國學院大學について当塾の見方を書きます。

この大学は、受験生に対する情報公開が丁寧です。出題意図を科目別に公開している大学は多くありません。要項がWeb公開のみという点も、裏を返せば最新版が常にそこにあるということです。

当塾では、國學院を志望する生徒にはまず出題意図のページを読ませます。過去問より先です。大学が何を測ろうとしているかを本人の言葉で理解してから対策に入るほうが、同じ時間で届く距離が長くなるからです。

一方で注意しているのは活動レポートの期間制限です。「令和6年4月以降」という条件を知らずに中学時代の話を中心に書いてしまう生徒がいます。この制限がある以上、高1・高2の過ごし方がそのまま材料になります。高3から素材を作ることはできません。

また、方式が多いことは該当する生徒には有利です。院友子弟、神道・宗教、セカンドキャリアなど、条件に当てはまるなら公募制自己推薦より入口が広い場合があります。自分に該当する方式がないか、一覧を最初に確認してください。

まとめ

  1. 総合型選抜の方式が複数ある。まず自分が該当する入口を確認する。
  2. 要項はWeb公開のみ。冊子はない。ダウンロードして印刷する。
  3. 活動レポートの対象は令和6年4月以降の主体的な活動。中学時代は対象外。
  4. 活動レポートの記載内容・字数は学部・学科で異なる。
  5. 英語検定は原則令和6年4月1日以降に取得したものが有効。
  6. 令和9年度から英検デジタル証明書のプレビュー画面のプリントアウトも提出可(共有キー不要)。
  7. 出題意図(科目別アドバイス)が公開されている。過去問より先に読む。
  8. 神道文化学部は別途変更点を告知している。学部個別の情報を確認する。

この記事は2026年9月11日に國學院大學の入学試験情報(2026年7月30日更新)で確認した内容にもとづいています。各方式の募集人員・出願要件・日程は要項に記載されており、変更されることがあります。出願前に必ず最新の要項でご確認ください。

この記事と関わりの深い記事です。あわせてお読みいただくと、判断の材料が揃います。

記事全体の見取り図は記事の索引——テーマ別に、どれから読めばよいかにまとめています。

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ryomiyagawa Founder
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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