成城大学の総合型選抜(2027年度)|学部ごとに違う要求

成城大学は、学部ごとに要求するものがまったく違います

成城大学の総合型選抜は、4学部で実施されています。しかし出願資格を並べてみると、学部によって求められるものがまるで違うことが分かります。

法学部は評定平均も英語検定も要件になっていません。一方、社会イノベーション学部は英語外部検定の4技能スコアが必須です。経済学部は評定平均3.8以上という数値要件があります。「成城の総合型」と一括りにできる入試ではありません。

この記事は、2026年9月11日時点で公開されている2027年度総合型選抜学生募集要項(2026年5月現在の内容)をもとに書いています。要件は毎年変わります。出願前に必ず最新の要項をご確認ください。

出典:成城大学 入試情報サイト「成城ブリッジ」2027年度総合型選抜学生募集要項(2026年9月11日確認)

1. 募集人員と日程

学部 学科 募集人員
経済学部 経済学科/経営学科 各10名
文芸学部 英文/文化史/マスコミュニケーション/ヨーロッパ文化 各若干名
法学部 法律学科 10名
社会イノベーション学部 政策イノベーション学科/心理社会学科 各10名

日程は学部によって3系統に分かれています。

項目 内容
一次出願 9月1日(火)〜9月11日(金) または 9月8日(火)〜9月18日(金)(最終日消印有効)
一次試験 10月3日(土)・10月4日(日)/学科により書類審査のみ
二次出願 10月9日〜19日/10月16日〜26日/10月22日〜11月2日 のいずれか
二次試験 11月8日(日)・11月15日(日)・11月22日(日)
入学手続締切 11月27日/12月4日/12月10日

自分の学部がどの日程かを、要項の日程表で必ず確認してください。10日ずれると出願自体ができません。

なお、法学部と社会イノベーション学部を併願する場合、試験時間に影響が出ないように調整されると明記されています。

2. 法学部——要件がなく、読解力で決まる

法学部の出願資格は、高校卒業(見込み)などの学歴要件のみです。評定平均の要件も、英語外部検定の要件もありません。

そして成城大学の他学部、および他大学の総合型選抜との併願を認めると明記されています。専願ではありません。

では何で選ぶのか。選考の中身を見ると、はっきりしています。

  1. 一次:書類審査——志願理由書に基づく審査。
  2. 一次:筆記試験(90分)——文章読解力・表現力審査。6,000字から10,000字程度の論理的かつ主張のある文章を提示し、客観的かつ批判的な読解力および読解に基づく自己の意見の表現力を審査。
  3. 二次:面接——資料分析力・表現力審査。特定のテーマについての資料を約15分読み、その資料をもとに議論を論理的に展開できるか、社会問題に関心があるかを個人面接約20分で審査。志願理由書に基づく質疑応答も行う。

二次試験では、面接審査の結果のみで選考が行われると要項に明記されています。一次の成績を持ち越しません。

この設計から分かることは明確です。法学部が見ているのは「長い文章を読み、批判的に理解し、自分の意見を述べられるか」の一点です。実績も資格も見ていません。

6,000〜10,000字という分量は、新書の1章分に近い長さです。これを90分で読んで書く。普段から長い論説を読んでいるかどうかが、そのまま出ます。

3. 社会イノベーション学部——英語4技能が必須

社会イノベーション学部は、学歴要件に加えて英語外部検定試験の4技能すべてを受けた結果のスコアが出願資格になっています。

検定試験 基準
実用英語技能検定 CSE 1,950以上(各級の合否は問わない/英検IBAは不可)
TEAP(4技能パターン) 225以上(2技能パターン・CBTタイプは不可)
GTEC(検定版・CBTタイプ) 930以上
TOEFL iBT 新3以上/旧44以上(MyBest Score・Home Edition・ITPは不可)
IELTS(Academic Module) 4.0以上(One Skill Retake・General Trainingは不可)
ケンブリッジ英語検定 140以上(合否は問わない。Linguaskillは公開受験のみ)

条件が3つあります。

  1. 同一試験日の4技能スコア合計のみ有効(英検の一次試験免除の場合を除く)。自宅受験版はすべて不可。
  2. 2024年9月以降に受験したもののみ有効。
  3. 出願時に提出する証明書は1種類(1通)に限る

3番目は独特の条件です。複数の検定を持っていても、1つしか出せません。最も有利なものを選ぶ判断が要ります。

また、学部内の学科併願は認められていません(他学部・他大学の総合型との併願は可)。

なお、英検CSE1,950は級の合否を問わないため、2級に落ちた回のスコアでも基準を満たせば使えます。この点は覚えておく価値があります。詳しくは英検の入試利用を参照してください。

4. 経済学部——評定平均3.8以上

経済学部は、数値の要件が最も明確です。

  1. 高等学校で学んだ全ての教科・科目の評定平均が3.8以上
  2. 加えて、英検CSE1,980以上などの英語検定、または「外国語」教科における英語科目の評定平均4.2以上で代替可。

2番目の「評定平均で代替できる」という設計は重要です。英語検定を持っていなくても、学校の英語の成績が良ければ出願できます。検定料と受検の負担を考えると、この選択肢は実務的な意味を持ちます。

ただし1番目は厳格です。「出願資格を証明する書類において、評定平均3.8以上を客観的に証明出来ない者は出願資格を認めません」と明記されています。また、留学中の評価は評定平均3.8以上の算入対象外です。

評定平均は高1から積み上がります。高3になってから対策できる項目ではありません。内申点の実務で、成績の付き方を扱っています。

5. 文芸学部——学科ごとに形式が違う

文芸学部は、学科によって選考の形がはっきり分かれています。要項から読み取れる特徴を挙げます。

  • 文化史学科——志願理由書は書式自由、A4サイズ1ページ。イラストや写真を使ってもよい。二次は1人15分で、最初の5分を高校時代の活動内容と志望動機のプレゼンテーションに充てる。パワーポイントや模造紙の使用可。
  • マスコミュニケーション学科——志願理由・学習計画書に加えて自己評価書を提出。二次は1人15分、最初の5分がプレゼンテーション。
  • 英文学科——特定のテーマについての資料(日本語)を読み、内容を要約し自分の意見をまとめた上で個人面接。
  • ヨーロッパ文化学科——個人面接(会場には受験票以外の持ち込み不可)。

学科によっては一次が書類審査のみで、二次が面接という構成になっています。

文化史学科とマスコミュニケーション学科は、プレゼンテーションの準備が明確に求められます。5分は時間厳守です。準備の方法は総合型選抜のプレゼンテーションを参照してください。

6. 事前審査という手続き

成城大学には「出願資格照会」と「事前審査」という手続きがあります。

  • 出願資格照会——外国の高校やその他の教育機関の出身の場合、出願資格や書類に疑問がある場合に、期間内に入学センターへ問い合わせる。
  • 事前審査——出願資格①の(8)(個別の入学資格審査により高校卒業と同等以上の学力があると認めた者)で出願する場合は必須

該当する場合、通常の出願期間よりかなり前に手続きが必要です。該当するかどうかを早い段階で確認してください。

7. 準備の設計

志望学部 最優先でやること
法学部 長い論説文の読解と、要約+意見の記述。週1本、6,000字以上の文章で。
社会イノベーション学部 英語4技能の検定を取得。2024年9月以降・同一試験日という条件に注意。
経済学部 評定平均3.8の確保。英語は検定か評定4.2のどちらで行くか決める。
文芸学部 学科の形式確認。プレゼンがある学科は5分の原稿と資料を作る。

法学部志望者への補足です。6,000〜10,000字の文章を読む練習は、教材を選ぶところから始まります。新書の1章、または論壇誌の論文が適量です。読んだら必ず、400字で要約し、400字で自分の意見を書いてください。これを積むと二次の面接でも通用します。

8. よくある誤解

「成城の総合型は評定が要る」

学部によります。法学部と社会イノベーション学部の出願資格に評定平均の記載はありません。経済学部は3.8以上が要件です。

「英検に合格していないと出せない」

社会イノベーション学部はCSEスコアで判定し、級の合否は問いません。

「専願だから他が受けられない」

成城大学の総合型は他大学の総合型との併願を認めています。ただし学部内の学科併願は不可です。

「一次の点数が二次に持ち越される」

法学部については、二次は面接審査の結果のみで選考と明記されています。

当塾の立場

当塾は総合型選抜の指導を行っており、この記事には利害があります。その前提でお読みください。

そのうえで、成城大学については法学部の入試設計を高く評価しています。資格も実績も問わず、長い文章を読んで意見を述べる力だけで判定する。準備できる範囲が明確で、努力が結果に結びつきやすい形です。

同時に、この形式は付け焼き刃が効きません。6,000〜10,000字の論説を読み慣れていない受験生が、直前の数週間で身につけられる能力ではありません。高2のうちから読む習慣があるかどうかで差が出ます。

当塾では、成城大学法学部を志望する生徒に対して週1本の読解と記述を課しています。教材は市販の新書で構いません。塾に通わなくてもできる作業です。

社会イノベーション学部については、英語資格の取得が先です。高3の夏に「これから4技能を受けます」では間に合いません。ここは指導以前の設計の問題です。

まとめ

  1. 成城大学の総合型は学部で要件がまったく違う。一括りにできない。
  2. 法学部は評定・英語検定の要件なし。90分で6,000〜10,000字の論説を読んで書く。
  3. 法学部の二次は面接のみで選考。資料を15分読み、個人面接20分。
  4. 社会イノベーション学部は英語4技能が必須。英検CSE1,950(級の合否は問わない)ほか。
  5. 社会イノベーション学部は証明書を1種類しか提出できない
  6. 経済学部は評定平均3.8以上。英語は検定または英語科目の評定4.2で代替可。
  7. 他大学の総合型との併願は可。学部内の学科併願は不可。

この記事は2026年9月11日に成城大学の2027年度総合型選抜学生募集要項で確認した内容にもとづいています。要件・日程は変更されることがあります。出願前に必ず当該年度の要項をご確認ください。

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記事全体の見取り図は記事の索引——テーマ別に、どれから読めばよいかにまとめています。

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ryomiyagawa Founder
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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