学びの意思決定——行動経済学・社会学・認知心理学から考える(全50回・総合目次)

勉強の悩みの多くは、やり方を知らないことより、決め方と条件の問題として現れます。先延ばし、外れる計画、やめられない教材、本番で出ない知識、続かない習慣。この連載は、それらを研究の側から扱った全50回です。

扱った分野は、行動経済学、教育社会学、認知心理学、学習科学、そして状態の管理です。各回とも一次文献を出典として示し、効かない条件と研究の限界も同時に書いています。1本およそ6,000字。

一貫している立場は一つです。人の意志や性格を変えようとせず、判断と環境の設計を変える。実際、紹介した方法の大半は、家庭で、費用をかけずに、今日から試せます。

5つの集から選ぶ

どの集からでも、単独で読めます。

第1集(第1〜10回)行動経済学——決め方の歪みを設計で埋める

集の目次: <a href=”/study-howto-decide-1/”>行動経済学——決め方の歪みを設計で埋める</a>

  1. 第1回「明日からやる」はなぜ明日も来ないのか——現在バイアスと勉強の先延ばし
  2. 第2回自分を縛る仕掛けの作り方——コミットメント装置と勉強
  3. 第3回見積もりはなぜ外れるのか——計画錯誤を記録で直す
  4. 第4回「ここまでやったのに」で判断を誤る——サンクコストと教材の切り替え
  5. 第5回同じ結果でも言い方で行動が変わる——損失回避とフレーミング
  6. 第6回参考書が多すぎて選べない——選択過多と、比べる軸の作り方
  7. 第7回机の上の初期設定が勉強量を決める——デフォルト効果と環境設計
  8. 第8回時間は数えられない——時間のメンタル・アカウンティング
  9. 第9回勉強の終わり方が翌日を決める——ピーク・エンドの法則
  10. 第10回ごほうびが逆に働くとき——インセンティブ設計の落とし穴

第2集(第11〜20回)教育社会学——努力の外にある学習の条件

集の目次: <a href=”/study-howto-decide-2/”>教育社会学——努力の外にある学習の条件</a>

  1. 第11回家庭の何が学力に効いているのか——文化資本という考え方
  2. 第12回「自分には向いていない」はどこから来るのか——ハビトゥスと志望の形成
  3. 第13回相談できる相手がいるかどうか——社会関係資本と学習
  4. 第14回「できない子」という札は固定するのか——ラベリングと教師の期待
  5. 第15回上位校に入ると自信をなくすのはなぜか——井の中の蛙効果
  6. 第16回塾という制度を社会学から見る——シャドウ・エデュケーション
  7. 第17回誰と勉強するか——ピア効果と、最適な集団の設計が失敗した実験
  8. 第18回きょうだいの数と順番——家庭内の資源配分をどう考えるか
  9. 第19回届いていないのは学力ではなく情報だった——進学と情報格差
  10. 第20回「全然勉強してない」と言う理由——仲間の目と努力の隠蔽

第3集(第21〜30回)認知心理学——記憶と注意のしくみに合わせる

集の目次: <a href=”/study-howto-decide-3/”>認知心理学——記憶と注意のしくみに合わせる</a>

  1. 第21回一度に3つまでしか置けない——作業記憶の限界と手順の切り方
  2. 第22回「ながら勉強」が高くつく理由——課題切り替えの費用と注意の残余
  3. 第23回覚える単位を大きくする——チャンク化と、型を持つということ
  4. 第24回覚えた場所と思い出す場所——文脈依存記憶と、本番に近い練習
  5. 第25回「深く理解する」とは何をすることか——処理水準という考え方
  6. 第26回最初と最後が残り、真ん中が落ちる——系列位置効果と1回の組み立て
  7. 第27回忘れるのは時間のせいではない——干渉と、思い出すことによる忘却
  8. 第28回読めないのは語彙のせいか——既有知識とスキーマが理解を決める
  9. 第29回答えを見る前に自分で作る——生成効果と勉強の順序
  10. 第30回図と言葉をどう組み合わせるか——二重符号化と、効く図・効かない図

第4集(第31〜40回)学習科学——練習そのものを設計する

集の目次: <a href=”/study-howto-decide-4/”>学習科学——練習そのものを設計する</a>

  1. 第31回「ケアレスミス」を3つに分ける——誤りの分類と、注意に頼らない設計
  2. 第32回すらすら進む練習ほど残らない——望ましい困難という考え方
  3. 第33回「もう大丈夫」の判断はなぜ甘くなるのか——較正と時間配分
  4. 第34回どこまで反復すべきか——過剰学習と、同じ問題数の配り方
  5. 第35回手伝いすぎと突き放しのあいだ——足場かけと、支援の外し方
  6. 第36回問いを作る作業が、理解を作る——質問生成という方略
  7. 第37回教えると学べるのはなぜか——教える期待と、実際に教えること
  8. 第38回例題は入口で強く、途中から弱くなる——専門性逆転効果
  9. 第39回調べれば分かることを覚える意味——認知のオフロードと道具の使い方
  10. 第40回よく使われる勉強法ほど評価が低い——10の学習方略を並べ直す

第5集(第41〜50回)状態の管理——緊張・意志・習慣・記録

集の目次: <a href=”/study-howto-decide-5/”>状態の管理——緊張・意志・習慣・記録</a>

  1. 第41回「適度な緊張がいい」は本当か——覚醒と成績をめぐる誤用
  2. 第42回意志力は本当に消耗するのか——自我消耗と、知識の更新の仕方
  3. 第43回「がんばる」はなぜ目標にならないのか——目標設定理論の条件
  4. 第44回「もし〜したら、〜する」——実施意図という最も簡単な仕掛け
  5. 第45回習慣ができるまでに何が起きているか——文脈と反応の連合
  6. 第46回試験前の10分に、不安を書き出す——検証された介入
  7. 第47回「ドキドキ」を準備の合図と受け取る——ストレスの再評価
  8. 第48回休憩に何をするかで、その後が変わる——注意回復という考え方
  9. 第49回記録をつけると、なぜ続くのか——進捗モニタリングの実証
  10. 第50回【最終回】50回の結論を1枚に——学びの意思決定のまとめ

最終回(第50回)に、全50回の結論を1枚にまとめています。覚えておくのは5つです。手応えを信じない。判断の回数を減らす。閉じて書き出す。記録して時間を空けて確かめる。条件は本人の外側にもある。

導入の順序も同じ回に書きました。1週目は環境だけ、2週目に終わり方と記録、3週目に練習の形、4週目から間隔を空けた確認。効く方法ほど手応えが悪いので、順序を誤ると続きません。

この連載と対になる実践編(全50回)は 学習の仕方の目次 に、研究の解説記事は 索引 にまとめています。

学習の状況を一緒に整理してほしいときは、武蔵野個別指導塾へご相談ください。

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