英文法講義~大学受験・高校受験に使える(7)助動詞2

01 助動詞+have+過去分詞の形

助動詞+have+過去分詞(p.p.)の形では、予想系と後悔系(嫌味系)の二種類に意味が分かれます。まず、予想系の場合を見ていきましょう。予想系で使われる助動詞+have+p.p.の形では、may/ must / can’tの3つがあげられます。以下にそれぞれの例文を見てみましょう。

He may have seen the phenomenon. (彼はその現象をみたことがあるかもしれない)

I may have said that before. (私は前にそのことをいったことがあるかもしれない)

He may not have been injured. (彼は怪我をしなかったかもしれない)

He must have been a wise man. (彼は賢明な人物だったに違いない)

They must have gone in that direction. (彼らはあの方向へ行ってしまったに違いない)

If the rites were observed upon the island, they must certainly have come to my knowledge. (もしその儀式がその島で行われていたならば、きっと私に分かったに違いない)

He cannot have gone very far. (あまり遠くへ行ったはずがない)

The man you saw last night can’t have been Mr Simith. (君が昨晩みた男はスミス氏であったはずがない)

という感じです。これが全部「予想系」のものです。注意点は、must have p.p.を見たとときにmustを「しなきゃいけない」訳しちゃダメだということですね。次に、「過去への後悔」とか「嫌味」形の意味を示し表現を見ていきましょう。shouldとought、needが挙げられます。例文を見てみましょう。

You should have made every effort to gain it. (君はそれを得るためにあらゆる努力をすべきだった⇒努力をすべきだったねえ、というニュアンスがある)

I feel sick. I shouldn’t have eaten so much chocolate. (そんなにたくさんチョコレートを食べなければよかったのに⇒だから調子を崩したんだよというニュアンスがある)

You should have seen the festival. (君もそのお祭りを見れば良かったのに⇒見ないなんてバカだねえ、というニュアンスがある)

The student might have asked for permission before they used the computers. (その学生たちは、コンピューターを使う前に許可を求めても良かったのに)

You ought to have kept your promise. (君は約束を守るべきだったのに)

You ought to have invited him. (彼を招待すべきだったのに)

He need not have come all the way from Tokyo. (彼ははるばる東京からやってくることはなかったのに)

という感じです。どれも「~すればよかったのにねえ」という「後悔」や「嫌味」のようなニュアンスがありますね。

02 助動詞の慣用表現

「may well ~」から見てきましょう。意味としては2つあります。(a)「~するのももっともだ/~するのも無理はない」(b)「十分~の可能性がある/きっと~だろう」というものです。例文を示すと、”You may well get angry with him.” (君が彼に腹を立てるのも無理もない)、”It may well rain tonight” (今夜はきっと雨だろう)という形で使われます。もう少し例文を下に載せておきます。

You may well be surprised. (君が驚くのも無理もない)

He may well attend the meeting instead of me. (私の代わりに彼が会議に出席しても不思議ではない)

ですね。

また、「may (just) as well~」で「~したほうがいい)という意味もあり、” You may just as well stay with us” (君は私たちと一緒にいたほうがいい)とか、「may (just ) as well ~ as…」で「…と同様に~してもよい/ …よりも~するほうがいい」というのもあります。” One may as well not know a thing at all as know it imperfectly.” (生半可にしっているよりも全然知らないほうがいい)というものです。ちなみに、「may (just) as well ~ as」には類似表現として「might (just) as well」(~したほうがましだ)というのもあります。

It is not very far, so I may as well walk. (そんなに遠くないから、歩いて行ってもいいかなあ)

I might as well be a slave. (奴隷になったほうがましだ)

You might as well throw your money into the sea as lend it to him. (彼に金を貸してやるくらいなら海に捨てる方がましだよ)

You might as well expect the river to flow backwards as expect to change my opinion. (私に意見を変えさせようとするのは、川の水が逆流するのを期待するようなものだ)

となるわけですね。もし「~したほうがましだった」と過去形にしたい場合は、”We might as well have stayed at home.” (家に居た方がましだった(実際には外出してしまったという意味を含む)というように完了形を使って時制をずらします。

続いて、” had better”,” cannot too”, ” need”を見ていきましょう。「had better 原形」は「~しなきゃいけない(じゃないと後で大変だよ)」というニュアンスを示します。例文で言うと、”You had better see that doctor” (医者に診てもらいなさい(さもないと後で大変だよ)となります。また、否定で使われるときは「had better not 原形」が来て”You had better not play with those guys.” ( あんな子たちと遊んじゃいけません)という意味になりますので、これも覚えておきましょう。次のneedは「~する必要がある」とか「~しなければならない」という意味になります。”He need not wait for your help.” (彼は君の返事を待つ必要は無いのだ)、”He needs to have a haircut.” (彼は散髪する必要がある)という風に使います。

03 意外な助動詞

意外な助動詞として有名なのが、「do」です。実は中学生の頃に習った一般動詞の否定形や疑問文に使ったdo。たとえば、” I don’t know Susan.”とか”He didn’t stay long.”, “Do you like tea?” ” Did it rain yesterday?”といった、これですね。これも助動詞です。助動詞の後なので、原形がくるんんですね。

04 演習問題

[A] ( )に入る適切な語または語句を選びなさい。

(1) If Mark (   ) harder, he could have got a better test score.

①study ②will study ③has studied ④had studied

(2) If I had known Helen’s phone number, I (   ) her.

①call ②have called ③would have called ④would call

(3) If Sam (   ) me then, my life would be totally different now.

①would help ②didn’t help ③hadn’t helped ④doesn’t help

(4) If I (   ) to get that job, I would be so happy.

①am ②have ③had ④were

(5) I wish I (   ) enough money to buy the car then.

①could have ②had had ③had ④should have

(6) “May I use your camera?” “I’d rather (   ). It is very expensive.”

①you won’t ②you not to ③for you not to ④you didn’t

(7) Although I met Andy for the first time today, I feel as if he (   ) an old friend.

①has been ②seems ③would be ④were

(8) It’s time you (   ) your room.

①had cleaned ②clean ③are cleaning ④cleaned

(9) (   ) in Lisa’s position, I would agree to Chris’s proposal.

①If were I ②Were I ③If I have been ④If I had

(10) (   ) that you were from Japan, I would have tried to speak Japanese.

①If I would know ②If I know ③Have I known ④Had I known

(11) (   ) a little more care, the baby elephant would have survived.

①With ②For ③But ④Thanks to

(12) We took a taxi; (   ) we wouldn’t have arrived on time.

①instead ②otherwise ③in particular ④therefore

[B] 日本語の意味に合うように,( )内の語句を並べかえ,全文を書きなさい。

(13) 私たちがキャロルに頼めば,彼女はパーティーで歌ってくれるだろう。

Carol ( at the party / to / if / were / would / we / sing ) ask her.

(14) 私がその絵を見たとき,まるで以前に見たことがあるような気がした。

When I saw that painting, I ( had / if / felt / seen / as / I ) it before.

(15) もし駅にいれば,私はその歌手に会えるだろう。

( at / I / the station / were ), I could meet the singer.

(16) 万一道に迷うようなことがあれば,いつでも電話してください。

( call / get lost / you / me / should / please / , ) any time.

[C] 与えられた語句を順番に使って,日本語の意味に合う英文を書きなさい。動詞や形容詞は適切な形にすること。

(17) 私の息子は自分が鳥ならいいのにと思っている。 [ son, wish, a bird ]

(18) あなたはとっくに寝る時間だ。 [ time, go, bed ]

(19) でも万一出かけている間に,彼女が私に電話をかけてきたら,よろしく伝えておいて。

[ be out, give, my best regards ]

(20) 海の近くに住んでいればいいのになあと思う。 [ near the ocean ]

【解答】

(1) ④

(2) ③

(3) ③

(4) ④

(5) ②

(6) ④

(7) ④

(8) ④

(9) ②

(10) ④

(11) ①

(12) ②

(13) Carol would sing at the party if we were to ask her.

(14) When I saw that painting, I felt as if I had seen it before.

(15) Were I at the station, I could meet the singer.

(16) Should you get lost, please call me any time.

(17) My son wishes he were a bird.

(18) It is [It’s] high time you went to bed.

(19) But if she should call me while I’m out, give her my best regards.

(20) I wish I lived near the ocean.

05 長文読解の練習

で、助動詞の勉強はこれくらいにして、次は、簡単な長文の読解練習をしておきましょう。

問:次の英文の(1)~(6)の空所に入れるのにもっとも適当な語を、次のア~クから選びなさい。但し、同じものを繰り返し用いてはならない。

Since the end of the 19th century, Canada has been accepting immigrants from around the world. This policy has had a (  1  ) effect on the development of Canadian society. While there will always be a certain amount of (  2  ), today most Canadians agree that the effects have been largely positive. Of primary importance is the fact that immigrants (  3  ) significantly to the growth of the Canadian economy. They open businesses, create new jobs, and build strong commercial connections with their (  4  ) homelands. Additionally, from a social perspective, immigrants help (   5   ) awareness of what happens in the world. They make the media and the public pay attention to (  6   ) that take place outside of Canada. Their presence in the country makes the Canadian government more conscious of its responsibility to help developing nations, for example. Moreover, as the general public becomes more and more familiar with the traditions and values of people from various cultures, there is a grater degree of tolerance and understanging in society.

ア contribute イ criticism ウ damaging エ events  オ former  カ profound キ raise ク states

個々の単語の意味を訳しておきます。contributeは「貢献する」、critisismは「非難」、damagingは『損害を与えるような」、eventsは「出来事」、formerは「以前の」、profoundは「深い、重大な」、raise「上げる」、statesは「述べる/州、国家」です。難しい単語はないので、もし分からない単語があったのなら単語学習にもう少し取り組む必要性があると思ってください。これらの単語は、偏差値で言えば30くらいの単語です。なので、単語の意味は分かった方が殆どかと思いますので、あとは品詞を意識していけば問題は解けます。

まず、(1)ですが、a (  1  ) effect onなので、名詞effectを修飾する形容詞が入ると分かりますよね。なので、形容詞は選択肢の中では、ウ、オ、カしかありません。カナダ社会の発展に( )な影響を及ぼしてきた、というわけなので、重大な、が相応しいので、選択肢はカが入ると分かります。次に、(2)はa certain amount of (  2  )の形から、空所にはofという前置詞の目的語が入るので、名詞が入るとわかります。また、while S V, S Vという「SVする一方で、SVだ」という対比関係になっているので、後半のtoday most Canadians agree that the effects have been largely positive(今日では殆どのカナダ人がその影響の殆どがプラスであったという意見で一致している」というプラスの意味なので、それと対比されていうrのですがからマイナスの意味が入るはずです。なので、マイナスの意味の名詞は、critisicmしかありませんね。だから、イが入ると分かります。

ちなみに、このwhileのような対比関係を示す表現は重要なので、以下のようなものも覚えておきましょう。

SV while S’V’ 「SVだ。その一方で、S’V’だ」、despite / in spite of~で「~にもかかわらず」、in contrast to ~で「~とは対照的に」、compared to ~で「~と比べると」、unlikeで「~とは違って」、instead of ~で「~の代わりに、~ではなく」、far from~で「~ではない」、aside fromで「~は別として」、rather thanで「~よりむしろ、~ではなく」、これぐらいのものはもうしっかり覚えておきましょう。

(  3  )は同格のthatをとる名詞で、事実・認識系の名詞+that~で、後ろに来るのは「完全文(SやOがかけていない文章のこと)」です。なので、空所(3)にはVになる動詞が入ると分かります。その上で、空所の後ろにあるtoに気づけば、contribute to~という言葉が入ると分かると思いますので、答えはアです。

(  4  )についてゃ空所にはhomelandsを修飾する形容詞が入ると分かります。なので、残っている形容詞はウ damagingかオ formerのいずれかです。ここでは前の母国とのつながりという意味が自然なので、オが選べますね。

そして、(  5  )ですが、helpの語法を覚えておきましょう。それは、help 人 to 原形/ help 人 原形で「人が~するのを手伝う」という御意味になったり、help 人 with で「人の~を手伝う」となったり、直後にtoがきて、help to 原形 / help 原形で「~するのに役立つ」となります。残った選択肢で原形なのは、raiseだけなので、これが正解にあたります。

最後、(6)ですが、これはpay attention to (  6  ) that take place outside of Canada(カナダの外で起こっている( 6 )に注意を払っているということなので、空所には前置詞toの目的語、つまり名詞が入ると分かります。文意からエの「出来事」が入るとわかりますね。

英文法講義~大学受験・高校受験に使える(8)

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【監修者】 宮川涼
プロフィール 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員。元MENSA会員。早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。一橋大学大学院にてイギリス史の研究も行っている。

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早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。
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