武蔵境・東小金井・武蔵小金井の完全個別指導型学習塾「武蔵野個別指導塾」の教育理念

01 教育にも勉強の生き方にも唯一の正解はない

武蔵境・東小金井・武蔵小金井の完全個別指導型学習塾「武蔵野個別指導塾」の理念をご紹介したいと思います。まず、最初に武蔵野個別指導塾が大切にしている考えを紹介したいと思います。それは、イギリスの政治哲学者であるジョン・グレイの説く「自由主義的寛容(Liberal Toleration)」という考え方です。グレイは、多文化・多様性の時代において、こう語っています。

「もし自由主義に未来があるとすれば、最善の生についての理性的な合意を探求することを諦めることにあるだろう。大規模な人口移動や新しいコミュニケーション技術、そして、相次ぐ文化的実権の結果として、今日ほとんどすべての社会は複数の生活様式を抱えており、多くの人々がひとつ以上の社会に属している。最善の生についての理性的な合意に期待する寛容の自由主義的理念は、単一の生活様式の主張している分裂している社会において生み出されたものであり、多様な生活様式を内包している社会において、我々がどのように共生するかを示してくれない。」(ジョン・グレイ著松野宏監訳『自由主義の二つの顔』ミネルヴァ書房、2014年)

とジョン・グレイは、多様性(Diversity)のある今日において、もはや単一の生活様式を主張するあまり社会は分裂しており、最近の言葉では「分離主義」などが横行している状況を嘆いています。グレイは、多様な生活様式(LGBTQや宗教の違い、文化や歴史の違い)を内包している現代社会においては、もはや最善の生について理性的な合意に達することは出来ないし、そのような合意が仮になされたとしてもさまざまなに異なった我藁がどのように共生、共に生きていくことができるのか、一つの真理を求めるという考え方ではもはや難しくなっていることを指摘しています。それに対して、グレイが進めているのは、「寛容さ」であり「暫定協定」という考え方です。

教育基本法第二条を参考にしています。私は基本的にリベラリストなので、こうした現行政府の政治施策には安易に賛同することができないタチなのですが、この教育基本法の第二条の精神には痛く共感します。まずは、実際の条文を見てみましょう。

第二条 教育は,その目的を実現するため,学問の自由を尊重しつつ,次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。一 幅広い知識と教養を身に付け,真理を求める態度を養い,豊かな情操と道徳心を培うとともに,健やかな身体を養うこと。二 個人の価値を尊重して,その能力を伸ばし,創造性を培い,自主及び自律の精神を養うとともに,職業及び生活との関連を重視し,勤労を重んずる態度を養うこと。三 正義と責任,男女の平等,自他の敬愛と協力を重んずるとともに,公共の精神に基づき,主体的に社会の形成に参画し,その発展に寄与する態度を養うこと。四 生命を尊び,自然を大切にし,環境の保全に寄与する態度を養うこと。五 伝統と文化を尊重し,それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに,他国を尊重し,国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。 (教育基本法)

ここで述べられていることは、まず大前提として学問の自由を尊重しつつ、次の五つを大切にしようという宣言です。一つ目は、幅広い知識と教養を身につけ、真理を追い求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うと共に、健やかな身体を養うこととなります。私はこの箇所でとても大切だと思うのは、「幅広い知識と教養を身につけ」というところです。 哲学徒である私としては「真理を追い求める態度を養い」もお勧めしたいと思う一方、何か絶対的な真理を追い求める姿というのは、学者や研究者の在り方としてはよくとも、教育という場面にはあまり相応しくないと思い、この文言はあまり重視していません。

なぜなら、戦前の教育も、真理の名の下に、偏向した教育が行われていたのであり、真理の名の下に、現代でも宗教戦争やウクライナ侵攻などの戦争、ガザ紛争が行われています。 真理というものが、本当に一つどこかにあるというのであれば、それは素晴らしいことであると思いますが、実際問題、真理というものは歴史上も自然科学の分野でしか得られなかったことですし、自然科学でも純粋な学問として代表される数学においてもヒルベルト・プログラムといって、ドイツの数学者ヒルベルトが数学の完全無欠を実証しようとして、天才論理学者であり数学者のゲーデルの不完全性定理によって、その牙城は崩れさりました。また、他の自然科学でもたとえば、天動説から地動説に変わったり、古典物理学がアインシュタインによって否定され、さらに、量子物理学によってアインシュタインも否定されて乗り越えられています。その意味で、もっとも厳密な自然科学をもってしても、現在のところ、真理といわれるものはほぼ何一つないと言っても過言はありません。

もちろん、真理を求めて、常に批判的に従来の学問を乗り越えようと試み、先人の業績や言葉を鵜呑みにするのでは無く、新しい真理を見いだそうとする姿勢は素晴らしいものです。ある意味、常に真理を求めて、反証・修正していくことによって知の営みを発展させていくというイギリスの哲学者ポパーの批判的合理主義のような立場は素晴らしいと思います。

その一方、これを小学生・中学生・高校生はもちろん、大学生に求めるのも過酷すぎますし、ややもすれば、間違った真理への盲信や悪い身での相対主義が生まれかねません。 なので、小学校・中学校・高校のうちは、真理では無く、真理や正解はわからないけれども、自分をはじめ、学校の教師や保護者の意見、訳知りの同級生や先輩といった身の回りの権威の言葉に盲信するのではなく、「幅広い知識と教養を身につけ」て、「学校の先生はこう言っているけれど、僕/私が読んだ本では全く違うことを言っていた」ということを体験してほしいですし、国語や英語、数学や理科・社会といったいわゆる五科目に限るのでは無く、実技科目も含め、更に広い世界の知識や教養を身につけ、なるべくフラットな立場でいてほしいですし、多様な価値観や考えを受け入れられる寛容さを持ってほしいと願ってやみません。

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【監修者】 宮川涼
プロフィール 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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ryomiyagawa
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。
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