リベラルアーツの魔法:小論文の力で未来を切り開く
試験の壁を超える:個性と視点がカギとなる新時代の大学入試
大学入試、新たな風が吹いています
日本の大学入試の風景が、従来のイメージを少しずつ塗り替えています。それを示す最新の統計データが、文部科学省から発表されました。そのデータによれば、2020年度の私立大学入学者の56%が、従来の一般試験ではなく総合型選抜入試(AO入試)や学校推薦型入試を通じて、大学の門をくぐったのです。
意識変革、個性と視点が評価される新時代
この結果は、ただ単に大学入試の制度が変わったという事実以上に、我々が大学入試に対する考え方を根底から見直すきっかけとなります。なぜなら、これはつまり、半数以上の新入生が、一般的な試験や勉強法だけではなく、個性や独自の視点を評価され、それを武器に成功を収めているということを示しているからです。
評価の軸が変わる、独自の視点と考え方が鍵
今までの大学入試では、主に学生の学力、つまり学問の知識や技術が評価されてきました。しかし、AO入試や学校推薦型入試では、それだけでなく学生のパーソナリティや視点、思考力、そしてそれらを如何に表現できるかが重要視されます。自分自身の意見を持ち、それを論理的に組み立て、伝える力が求められるのです。そこで、生きてくるのがリベラルアーツの力です。
リベラルアーツ(Liberal Arts)とは、「自由な芸術」を意味し、その起源は古代ギリシャにさかのぼります。古代の教育者たちは、自由な市民が知るべき知識として、文学、哲学、数学、自然科学、社会科学などの広範な学問領域を教えました。古代ローマ時代には、「アルテス・リベラレス(Artes Liberales)」という概念が登場し、これが現代のリベラルアーツの起源となりました。アルテス・リベラレスは、「自由な人間(liberales)」に相応しい学問(artes)という意味で、文法、論理学、修辞学(三学芸:Trivium)と算術、幾何学、天文学、音楽(四学芸:Quadrivium)の7つの学問が含まれていました。中世ヨーロッパの大学では、これらのリベラルアーツが基本的な学問として教えられ、それぞれの分野で学ぶことにより、広範な知識と深い洞察力を身につけることが期待されました。リベラルアーツを学ぶメリットは多岐にわたります。以下に主なものを挙げてみましょう。
リベラルアーツによって育まれるスキル | 説明 |
---|---|
多角的な視野 | リベラルアーツは様々な学問領域をカバーするため、自然科学から人文科学まで多角的な視野を身につけることが可能です。 |
批判的思考力 | リベラルアーツの学びは、事実をただ受け入れるのではなく、それを批判的に考える力を養います。 |
コミュニケーション能力 | リベラルアーツは、自分の考えを他人に伝える力を育みます。複雑なアイデアを簡潔に伝える能力は、社会生活で非常に価値があります。 |
柔軟性 | リベラルアーツの教育は、未知の問題に対応するための新たな視点やアイデアを生み出す能力を養います。 |
自己表現の時代、自分の魅力を発揮するための思考法を学ぶ
そして、それは学生にとっても新たなチャンスとなります。自分の強みや個性を前面に出し、自分だけの視点や考え方を評価されることで、一般的な試験では表現しきれなかった自分の魅力を存分に発揮することが可能となるのです。そこで、その際に有効活用できる手法として、私たちの日常生活やビジネスの中で非常に重要な役割を果たしている3つの思考手法を紹介します。それらはロジカルシンキング、クリティカルシンキング、ラテラルシンキングです。
まずは、ロジカルシンキングについてです。ロジカルシンキングとは、日本語で「論理的思考」と呼ばれる考え方で、情報を論理的に整理して考えられる能力のことを言います1。しかし、単に「論理的に筋道の通った文意」であるだけではなく、その主張や思考の末の結論が現実に即したものであることを目指します。つまり、ロジカルシンキングは現実の問題解決に向けた具体的な筋道を追求します。これは、新規事業案を説明したり、商談の場で妥協点を探ったり、新人への指示を明確に伝えたり、複雑な契約書や取引条件を確認する際に非常に役立つスキルです。
次に、クリティカルシンキングを見てみましょう。クリティカルシンキング、つまり「批判的思考」は、感情を含めた主観的な視点ではなく、客観的な視点で物事を分析することを指します。クリティカルシンキングは、物事の本質を見極める力を養います。これは、自分自身や周囲の人々が疑わずに受け入れてしまいがちな思い込みを取り除き、あらゆる角度から物事を検討し、最適な結論にたどり着くための思考法です。
三つ目のラテラルシンキングは「水平思考」や「側面思考」を意味します。これは、従来の思考パターンや枠組みを超えて、新たな視点やアイデアを生み出すための思考法です。特に、創造的な問題解決やイノベーションを生み出す場面で有効とされています。
考え方 | 意味 | メリット |
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ロジカルシンキング(論理的思考) | 情報を論理的に整理して考えられる能力。ビジネスで求められるロジカルシンキングは、論理的に筋道の通った文意であるだけでなく、その主張や思考の末の結論が、なるべく現実に即したものであることを目指しています | 新規事業案の説明、商談の場での妥協点の探求、新人への指示伝達、複雑な契約書や取引条件の確認など、さまざまなビジネスシーンで活用可能 |
クリティカルシンキング(批判的思考) | 感情を含めた主観的な視点ではなく客観的な視点で物事を分析すること。思い込みを取り除き、あらゆる角度から別の可能性はないかと考え続ける思考態度 | 物事の本質を見極め、最適な結論にたどり着くことができる。また、レポートを作成する際にもクリティカル・シンキングは役立つ |
ラテラルシンキング(非直線的思考) | 思考のフレームを変える、つまり通常の思考のパターンから外れて、ものの見方を変えることで、新たな解決策を見つけ出す手法 | 既存のルールにとらわれず、問題に行き詰まったときに、新たな視点から問題を見つめ直すことができる。従来の枠に囚われない新たなアイデアや解決策が生まれる可能性がある |
新しい時代の大学入試への対応
大学入試の風景が変わりつつある今、私たちは新たな視点でそれに対応する必要があります。もはや、教科書を丸暗記するだけの学習法では対応できない時代が到来しています。個性や視点を持つこと、そしてそれを効果的に表現することが求められているのです。そして、そのためには、自分自身を深く理解し、自分の思考を明確にするための学びが欠かせません。それは教科書の知識を超えた、自分自身の内面と向き合う学びです。この新しい時代の大学入試を乗り越えるために、私たちが何をすべきか、どのように対応すべきか。これからが、その答えを見つけ出すためのスタートラインです。
私たちが直面しているのは、単に試験形式が変わったという事実だけではなく、個々の学生が自分自身をどう表現し、どのように学び、どのように成長していくかという大きなテーマです。それは、私たちがこれからの教育や学び方をどのように考えるかを問う、新しい時代の挑戦とも言えるでしょう。
小論文の力、それは未来を握る鍵
この新しい時代において、特に重要となるのが小論文のスキルです。これはただ単に試験で良い結果を得るためだけでなく、自分の考えを整理し、複雑な問題を理解する力を身につけるための重要なプロセスでもあります。
そこで、私たち武蔵野個別指導塾は、小論文作成のプロである講師とともに、この重要なスキルを高めるためのプログラムをご提供しています。これは受験前の小論文対策だけでなく、お子様が考える力を深めるためのプログラムでもあります。歴史から哲学まで、お子様の興味や理解に合わせた幅広い学びの機会を提供しています。
哲学との対話による学び
哲学は、人間の存在や意識、価値観について深く考える学問です。それは単なる知識の習得を超えて、私たちの思考力を鍛え、深めるフィールドとも言えます。特に、抽象的な思考力を磨くには、哲学という学問が持つ無限の可能性と直面することが、非常に効果的です。
当塾では、哲学を通じた学びを提供しています。それは、哲学者たちの深い洞察や理論に触れることで、自分自身の思考を広げ、深めることを目指しています。抽象的な概念や問いに向き合うことで、それまで感じたことのない思考の広がりを経験します。これは、単なる思考の訓練以上のものです。
この哲学を通じた学びは、学校の授業に対する姿勢をも変える力を持っています。科学や数学、文学など、様々な教科においても、哲学的な視点を持つことで、より深く、より広い視野で物事を捉えることが可能となります。それは、新たな視点から物事を見る力を育て、学習体験をより楽しく、より充実したものにするのです。
抽象的な思考力は、複雑な問題を解決したり、新たな視点で物事を捉えたりするために必要な能力です。それは、学業だけでなく、社会生活や職業生活においても必要とされる、価値の高いスキルです。
哲学という学問を通じて、この抽象的な思考力を身につけることは、知識の習得だけでなく、自己の成長や視野の拡大にもつながります。それは、学習体験を深化させ、人生全体の質を高める可能性を秘めています。このような哲学的な視点や抽象的な思考力を身につけることで、私たちは自己の思考力を広げ、深めることができます。それは、新たな視野を開くとともに、自己の存在を再認識するための手段ともなるのです。
当塾では、このような哲学を通じた学びを提供しています。それは、単なる学習体験ではなく、自己の成長と発展を促す可能性を秘めた経験です。それこそが、当塾の教育の目指すところです。これからも、私たちは学生一人一人の成長と発展をサポートするため、最善を尽くすことをお約束します。そして、それは、哲学を通じて抽象的な思考力を身につけることで、授業がより楽しくなり、新たな視点から物事を見る力を育てることを通じて、具体化されるのです。
学びは一生:小論文の力で未来を切り開く
学びの旅は一生続くものです。その中心にあるのは、問いを自ら見つけ、それに対する答えを自分で導き出す力です。これは「自己課題化能力」や「自己指導能力」とも呼ばれる、学びの基本的なスキルであり、大学生活、大学院生活、そして社会人となったときも、ずっと必要とされる力です。この力は、ただ単に知識を増やすことだけではなく、より深い意味での学びを可能にします。それは、自分自身の視点を持ち、物事を深く理解し、そしてそれを他人に伝える力――これを「コミュニカティブ・コンピテンス」と呼びます。この能力は、単なる情報の伝達ではなく、自身の理解と思考を他人に伝え、共有するスキルです。
そして、この力を形にするのが、小論文です。小論文は、自分の思考や視点を整理し、それを論理的に展開するためのツールです。それは、自分自身の学びを深め、他人と共有するための架け橋ともなります。私たちは、自己の成長と発展のために、常に新しい問いを見つけ、それに対する答えを導き出す力を養うべきです。それは、自分自身の視点を持ち、物事を深く理解し、それを他人に伝える力を身につけることを意味します。
小論文の力を活用することで、私たちは自己の学びを深め、その結果を他人と共有することができます。それは、自己の成長と発展を促し、未来を切り開く力となります。学びは一生の旅です。その旅を支えるのが、小論文の力です。小論文を通じて自己の思考と視点を形にし、その力で未来を切り開いていきましょう。
より豊かな人生のために
武蔵野個別指導塾の小論文対策の授業は、ただ単に試験対策だけでなく、お子様がより豊かな人生を歩むための一歩となることを目指しています。思考力と表現力を磨き、自己を高め、未来に向けて自分の道を切り開く力を育てる。それが私たちの授業です。
今、新しい時代の教育が求められています。そしてその中心にあるのが小論文、そしてそれを通じた思考力の育成です。私たちと一緒に、お子様の未来を切り開く一歩を踏み出しませんか?
武蔵野個別指導塾・武蔵境唯一の完全個別指導型学習塾
【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |