英文法特講(英語から繋げる本物の教養)

00 序論~完全個別指導塾だからこそできること

これから、英文法の解説を通して、歴史(世界史、日本史)、国語(哲学、文学、古文、漢文)、数学、物理や化学などの自然科学に至るまで如何に有機的に繋がっていくのかを講義していきたいと思っています。

武蔵野個別指導塾は、講師1人に生徒2名という配置でほぼただの自習を授業の半分の時間させて「勉強した気分」だけに浸らせる一般の個別指導塾と違い、講師1人に生徒1名の完全個別指導を通して、ビジネスの世界にも通じるロジカルシンキングアートシンキングを身につけ、更に米国のアイビーリーグのような名門校(ハーバード大学やイェール大学、プリンストン大学などです)に負けないリベラルアーツ教育を行い、本物の教養を身につけて貰います。凡百の大手チェーンの塾と私塾の違いを見せつけることこそ、私塾の私塾たるレーゾンデートルだと考えています。

01 英文法を学びながら難関大学、英検1級合格レベルの英語力と一緒に他の科目や教養を学ぶ

と、大上段から話してしまいましたが、いきなり、きちんと細かく話していくのは、ホームページ制作上困難なので、少しづつ紹介していきたいと思います。そこで、英文法は一から説明するのではなく、まずは、品詞、とりわけ、名詞の話から初めて行きたいと思います。一般に言われているように、英語の理解で一番大事なのは語順と品詞を憶えることと言っても過言ではありません。「関係代名詞」だとか「分詞構文」だとか、小難しい文法用語を憶えたり、そういう問題演習をする前に、徹底して、英語と日本語の違い、そして、英語を理解するのにとても大切な語順や品詞についてしっかりと深く理解して欲しいと思っております。

本来は、文型の説明から入り、各品詞の説明を順を追って説明していくのですが、紙幅の都合と、ホームページ作成にかかる時間と都合から、少しマニアックな品詞の知識から、どう受験対策やはては教養まで繋がるのかを理解して貰えるようなコラム仕立ててで紹介していきたいと思います。

さて、今回一番最初に取り上げるのは、品詞のうちもっとも重要な名詞を取り上げるのですが、普通の話をしても面白くもなんともないので、一般の中学や高校、はたまた学習塾や個別指導塾、予備校でも教わらないような少しマニアックな物質名詞(material noun)について説明していきたいと思います。

まあ、英文法の授業で扱わないということはないのですが、さらっと流されてしまう箇所ですし、受験対策などで、一定のパターンだけを教わるだけで終わってしまう箇所であると思います。まず、物質名詞というのはいかなるものかというと、名詞の1つです。名詞とはもちろん、人や事物の名前を表し、文中で主語や目的語、補語になる品詞です。「なんだ。名詞かよ。そんなの簡単じゃん。」と思ってしまった方、次のそれこそ、名詞さえ訳せれば意味の分かる簡単な文章をすらっと訳せるでしょうか?例文はこうです。

The development of the first good-quality steal had a great influence not only on military weapons but also on science, which led to modern machines.

という文章です。出題元は、東京大学や京都大学の大学院進学を希望する学生向けのテキスト『大学院入試のための英文法』よりです。あ、この瞬間、「えー、問題がそもそも難しいんじゃないか」と意地悪な問題出しやがってと苦笑された方も多いかも知れませんが、この例題は、実は、別に難しいことを聞いているのではなく、例文の問題となっている「問い」は、私が出題したように「訳せ」ではなく、「この英文の文型を述べよ」というだけです。

そう聞くと、「あー、五文型のどれに当てはまるかどうかだけを言えばいいのね」と納得していただけるかと思います。そして、答えも言ってしまいます。答えは、英語でもっとも多く用いられる愛用文型とも言われる第三文型です。いわゆる「SVO」というやつです。そして、例えば「We discussed the problem with John.」(私たちは、ジョンとその問題について議論した。」というような、Oを「~を」と訳すと少し不自然になるような文章でもなく、素直に「SはOをする」とだけ訳せば良い文章です。

しかし、どこが主語で、どこが目的語なのかぱっと分かりましたでしょうか。 もちろん、ぱっと分かる方も多いかと思います。なぜなら、このサイトをご覧の方は少なくとも英語を学び始めたばかりの中学生や英語の苦手な高校生ではなく、その保護者の方が想定されるからです。お仕事柄英語を使われている方などは、こんな簡単な文章で何をたいそうなことを言っているんだ、といぶかしく思われるかもしれません。

「SVO」ぐらいは知っているし、「当然、名詞なんてわかるよ」と思っていたのに、一瞬どこが主語で、名詞の箇所はどこなんだ?と思われた方もいるのではないかと思います。実は、そう思っていただける方が有り難いのですが、確かにSVOという文型はおそらく大人であれば、誰しも聞いたことがあるでしょうし、主語も目的語も、名詞もわかると思います。しかし、それでも、上の英文で、単語の難しさではなく、一文の長さから少し戸惑われてしまったのではないかと思います。

02 多くの日本人が最低10年、長ければ16年も英語を学んでいるのに英語ができない理由

多くの日本人は、最近は小学校から英語を学び、大学卒業まで16年、大人の方でも最低10年くらいは英語を勉強してきているはずです。しかし、英語の授業で英語の先生に「文型が大事だ」とか「五文型を憶えろ」といわれて憶えてみたものの、学校で習うような「We had a good time.」みたいな短文が大学受験の長文問題どころか、空欄補充問題や整序問題ですら出ないことは当然経験されたでしょうし、それで「五文型なんて習っても英語読めないじゃないか!」という苦い経験をされた方も少なくないと思います。

そうです。英語の文章で、先程の短文や「He reached Paris this morning.」みたいな文章が第三文型であり、それを訳せても大学受験の問題は解けません。そうした経験から、多くの方が「文型なんて意味ないじゃない」と思うのも仕方が無いことだと思います。 この原因には、2つの問題があります。単純に五文型だけの知識を学んだだけでは英文は訳せないし、理解できないということと、実際に出てくる英文は、学校の授業で習ったような短い文章であることはないということです。そこで、今回の例題があるわけですが、この例文、やたらと修飾語が多いんですね。そこに多くの方が惑わされてしまうのだと思います。

そこで、修飾語に外とする部分を大胆に捨てて文章を簡潔にしてみましょう。すると、こうなります。 The development of the  first good-quality steel had a great influence. のみです。難しい単語はないと思いますが、念のために単語を訳せば、「development(発達・開発)」「good-quality(良質)」「steel(鉄鋼)」「influence(影響)」です。つまり、訳せば、「当初の良質な鉄鋼開発は、大きな影響を与えた。」で完答です。主語が少し長いですが、「the development of the first good-quality steel」で、動詞が「had」(haveの過去形)で、目的語が「a great influence」です。ここまで説明されれば、納得だと思います。一見長く見える文章も要旨や骨格としてはこれだけのことを理解出来ればほぼ意味が分かるわけですね。しかし、今回は、文型の話ではなく、品詞、それも名詞の中でも、物資名詞をしたいと思っていますので、この話はこれくらいにして話を進めましょう。

03 品詞を舐めたら大変

さて、物質名詞というのは、連続体で一定の形状を持たない物質を表す、といわれます。もっと分かりやすい日本語で言い換えると、細かく切って分けても変わらないもの、ぐらいでいいと思います。そして、この物質名詞は不可算名詞(uncouantable)で、常に単数で、冠詞a/anをつけられません。そこまで説明した上で、次の英文を訳せますでしょうか?今度は長い文章ではなく、まさに短文です。

It is because I like dogs that I don’t like dog.

如何でしょうか?「あれ?なんか文字打ち間違えているんじゃないか?」と思った方もいるのではないでしょうか。いや、誤字脱字はこの英文に関してはありません。単語でもしかしたら分からないかもしれない「lambs」について邦訳を当てると「子羊」となります。さて、訳せますでしょうか?3秒で答えが出せなかったら次に進みましょう。

答えは、「私は子羊が好きだから子羊の肉は好きじゃない。」です。

物質名詞は、細かく切っても変わらないものといいましたよね。そうです。物質名詞である「lamb」を訳すと、「子羊の肉」ということになるのです。そして、複数形のsがついている方の「lambs」は普通名詞の「子羊」という意味になるわけですね。

同じような例で「What I like is monkeys.」と「What I like is monkey.」もえげつなく文章の意味が異なります。前の文章は「私が好きなのは一匹の猿です。」で、後ろの文章は「私が好きな物は猿の肉です。」となるわけですね。品詞、しかも一番分かりやすい名詞の扱い方1つを間違えるだけで、これだけやばいことになってしまうわけですね。 次に、抽象名詞(abstract noun)を見てみましょう。これは、抽象的な概念を表す名詞です。・不可算名詞で、複数形もなく冠詞もつきません。代表例として有名な言葉に登場してもらいましょう。

04 知は力なりとはベーコンは言っていないけれど

Knowledge is power.(Francis Bacon)

(「知は力なり」(フランシス・ベーコン)

ですね。「知は力なり」という言葉は誰しも一度は聞いたことがある身近哲学者の言葉かもしれませんね。この格言、結構多くの英文法書に紹介されています。しかし、実は、イギリス経験論の哲学者ベーコンはこんな言葉は実は言っていないということは知っていましたでしょうか?そもそも、ベーコンは英語で文章を書いていませんし、当時の書き言葉であるラテン語で彼の主著”Novum Organum”(『ノブム・オルガヌム』)にこう書いてあるだけです。

Scientia et potentia humana in idem coincident, quia ignoratio causae destituit effectum.
「知識と人間の力は同じもので一致する。なぜなら、原因を知らなければ結果を生み出すことができないから」

こう書いてあるだけなんですね。ちなみに、これをパロディにして、SF作家ジョージ・オーウェルが『1984年』で”Ignorance is strength.”と書きました。ポピュリズムが蔓延する現代には、当時以上に皮肉が効いてくる言葉になるかもしれません。さて、このような抽象名詞もさきほどの物質名詞と同様に、限定される場合は、theをつけることがあります。よく英文法の本に載っている例文がこれです。

He has the wisdom of Salomon.
彼にはソロモン王の智慧がある。

というところでしょうか。ところで、このソロモン王とは誰のことでしょうか。聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか。そうです。旧約聖書の『列王記』に登場するダビデの子、ソロモン王のことですね。ダビデ王は、ミケランジェロの彫像でも有名ですね。

ミケランジェロ作 ダヴィデ像

これです。

見たことない人は少ないのではないでしょうか。この小石(武器なんですが)を持っている青年がダビデ王なんです。その前に、ヘブライ人(ユダヤ人、イスラエル人)たちは、このダビテ王の登場の前に、モーゼの十戒(じっかい、と読みますよ)で有名なモーゼに付き従い、出エジプト(the Exodus)し、彼らが、もともと400年くらい前まで住んでいたパレスチナ(カナーンの地)に戻りました。

しかし、400年も不在にしていたので、パレスチナ地方には別の民族が居住していました。彼らこそ、ヘブライ人たちがエジプト新王国から逃れることができた理由でもあるヒッタイトを滅ぼした海の民たちでした。この海の民の一派であるペリシテ人を倒したのが、ダビデ王であり、ダビデ王の下、ヘブライ王国(イスラエル王国)が生まれ、ダビデの子、ソロモン王の頃、ヘブライ王国は栄華を極めたんですね。このソロモン王がイェルサレムに神YHWH(ヤハウェと発音しておいてください)の神殿を建設したりしています。

05 EXILEも三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEも英語の勉強になる

しかし、栄華に慢心したソロモン王の死後、国は乱れ、レハブアムの頃に北のイスラエル王国(サマリア王国、聖書でよく出てくる「サマリア人」ですね)と南のユダ王国に分裂します。

その後、イスラエル王国はアッシリアのサルゴン二世によりB.C.722頃滅亡し、南のユダ王国は、新バビロニアB.C.586年からB.C.538年の約50年間バビロン捕囚といって、奴隷として連行されてしまいます。ちなみに、このバビロン捕囚を英語でいうと、「the Exile」になります。あの日本で人気のグループですね。今は三代目でしょうが。どういう思いでこのグループ名をつけたんでしょうかねえ。単純に「Exile」という単語には「亡命」という意味があるので、そのニュアンスでつけたんでしょうかね(ちなみに、意外とレベルの高い難単語です)。

それはよいとして、同じダビデ王朝の三代目でもあるソロモンの話に戻しましょう。 先程の英文は、このソロモンを讃えているわけですが、歴史家の評価は実は結構厳しいものがあります。それこそソロモンの傲慢さが国の滅亡の原因と(それこそフランシス・ベーコンがいったように、原因があるから結果があるわけですね)なったといわれているので、仕方がありませんね。

それとは対照的に、そんなヘブライ人たちのバビロン捕囚を解放したアケメネス朝ペルシアの建国者キュロス2世は、近代政治学の祖といわれるマキャベリの『君主論』でモーゼ、ロムルス(ローマ共和国の伝説的な建国者)と並び称される名君(聖書ではキリストの前のメシアとされています)がいるのですが、どうせだったらキュロス2世の英知を讃える文章にした方が良かったのかもしれませんが、ペルシア人を褒める言葉は英語の文法書には載らないものかもしれません。さて、話がいつのまにか歴史の話になっていたので、ここで英語の問題ではなく、世界史の問題を紹介します。出題元は、東京大学前期試験の2005年からです。

06 英文法の話を聞いていたのに東京大学の世界史の問題が解ける

問:鉄製武器を最初に使用したことで知られるヒッタイトの滅亡は、製鉄技術が各地に広がる契機となった。ヒッタイトを滅ぼした「海の民」の一派で、製鉄技術をパレスチナに伝えた民族の名称とこの民族を打ち破ってこの地を中心に王国を発展させた人物の名を記しなさい。 です。

はい。英文法の授業で習ってた小話で、東京大学の世界史の問題が解けてしまいますね。そうです。答えは、「ペリシテ人、ダビデ王」です。さて、いい加減に英語の話に戻していきましょう。 

英文法特講(英語から繋げる本物の教養)2

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【監修者】 宮川涼
プロフィール 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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ryomiyagawa
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。
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