受験期に伸びる子トップ10~武蔵境で学ぶ、豊かな武蔵野市で育つ

今回は、受験で後から伸びてくるお子様の特徴について、私なりの視点で、解説させて頂きたいと思います。もしお子様に該当するようなことがあったり、思い当たる節がある方は、ぜひお気軽に武蔵野個別指導塾までお問い合わせくださいませ。100%正解というわけではないかもしれませんが、お子様が伸びるお手伝いやきっかけとなるようなことをお伝えできればと思っております。とりわけ、夏休みは受験の天王山でもあり、受験生以外でもこれまでの挽回に1年間でもっとも勉強に専念できる期間です。夏休みの過ごし方はもちろん、ぜひ、夏期講習も含めてご相談くださいませ。

01 後伸びする子の特徴第10

第10位は、「いい加減で作業が雑な子」です。「え?逆ではないの?」と驚かれた方、いらっしゃると思います。地道に先生に言われたことを頑張る子が伸びるのではないのか、と思われたと思います。その通りです。先生の言うことを守る子は割とすぐに伸びやすいです。

一方、先生が言うことを話が半分に聞いて、宿題が適当だったり、忘れ物が多く、時も雑、ケアレスミスも多い。そんな子はなかなか成績が上がらない、むしろ下がっていく。ただ、そういういい加減なタイプのお子様でも受験が近づくと覚悟を決めて、それまで面倒くさいと感じてやっていなかったことや雑にやっていたこと、きちんと復習や宿題をしていなかったことに真剣に向き合う子が出てきます。

しかし、そういうお子さんほど、今まで雑だっただけに、「ちゃんとやる」と結果が出るのも早いのです。雑だった子ほど、ちゃんとやると目に見えて成績が上がります。さらに、細かいことをやることを面倒くさがって雑にやるお子様は、意外とこれまで学んだことの全体像(イメージ)はつかめているというケースが少なくありません。

大雑把であること=勉強ができないと思われがちですが、雑な子とは、注意力や細かい作業への関心が低く、ミスが多い傾向がある子供を指します。このような子供たちが意外にもメタ認知機能が高く、学習において伸びることがあるんです。

メタ認知機能や学習における成果は、単純な作業能力だけではなく、学習意欲や自己効力感といった要素にも依存しています。雑な子は作業においてミスをしやすいですが、それによってすぐさま自己効力感や学習意欲が低下するわけではありません。

実際に、ミスを犯した後に、きちんと復習などでミスした問題に対してより今度は真剣に取り組むことがあるため、雑さが学習意欲を高めるきっかけとなることがあります。また、雑な子がミスをすることで自己効力感が低下する場合でも、挫折を経験し再度チャレンジする機会を得ることで、メタ認知機能や学習が向上する可能性があります。

また、行動経済学の視点から見ると、雑な子がメタ認知機能や学習で伸びる理由として、遅延的な報酬の重要性が考えられます。雑な子は短期的な報酬には敏感ですが、長期的な報酬に対する意識が低い傾向があります。しかし、メタ認知機能の向上や学習を通じて、自己制御能力が向上することで、長期的な報酬を重視するようになる可能性があります。つまり、初めは手抜きをするかもしれませんが、長期的な目標に向けて努力することで、メタ認知機能や学習の成果を上げることができることになるわけです。

認知心理学の観点から見ると、雑な子がメタ認知機能や学習で伸びる理由として、認知負荷理論が関連しています。認知負荷理論は、作業における認知的な負荷が学習に与える影響を説明するモデルです。雑な子は作業中にミスをすることが多く、認知的な負荷が増加します。しかし、認知負荷が高い状況では、より多くの情報を処理する必要があり、結果として学習の効果が高まることがあります。つまり、雑な子は作業中にミスをすることで認知的な負荷が増加し、その結果、より多くの情報を処理し学習することができる可能性があるのです。

話をまとめます。一般に、生徒さんは大きく、全体像をざっくりつかむのが得意な生徒、細かいことを丁寧にやるのが得意な生徒さんに分かれます。

細かいことが苦手な大雑把タイプはやることがいい加減なので、テストのような形式が決まったもの、とりわけ学校の定期テストのような単元や範囲が限定的で決まった形式のものでは力が発揮辛い傾向があります。しかし、その一方で、全体像は掴んでいるので、それからきちんと細かいこと頃に目を向けるようになれば、点数が上がっていくんです。

今まで習ったことを学校の定期テストのような単元別の細かいレベルでは覚えていないものの、ざっくりと概要は理解していたりするので、後はその理解していることをきちんと細かく分類して解き方の手順を確認したり名前を正確に覚えたりするのは意外と時間がかかりません。

もちろん、そうはいってもきちんと解き方の手順を確認したり名前を正確に覚えていくと言った復習が大切です。しかし、復習をしっかり行えば、意外と挽回が早かったりするわけです。当然、いい加減なままでは、成績が上がらないまま入試が終わるということはあります。なので、夏期講習のような機会で、しっかりとこれまでなんとなくは分かっていたことを、細かくしっかりと復習していくことで大幅に学力が向上する可能性があります。

とはいえ、いい加減であることを推奨しているわけではありません。ただ、いい加減で雑な子はきっかけさえ掴めば成績が急上昇する可能性ある一方、いつまでも成績が上がらないという極端な傾向にある場合が多いということです。なので、しっかり夏休み中にそこを補っていきましょう。

02 後伸びする子の特徴第9

 第9位は「睡眠時間を削っていない子」です。睡眠時間を削らないでたっぷり寝ている子はそれだけで余裕があるわけです。そういう生徒は、何かをきっかけに成績が上がっていく傾向にあります。もちろん、たっぷり寝ている子が必ず伸びていくというわけではありませんが、寝不足のお子様はいずれ成績が伸び悩むというケースが少なくありません。武蔵野個別指導塾では授業中、生徒さんに退屈させないように様々な工夫をして授業や指導を行っているものの、寝不足が続いている生徒さんは授業中にまるで電池が切れたようにぱたりと寝てしまうことがあります。

そういう生徒さんは夜遅くまで親御さんが監視して勉強をしているというケースが多く、本人が眠たいところをさまざまなプレッシャーから無理して起きて勉強しているということが多いんです。睡眠時間を削って、勉強するのは、明日テストに出される暗記物でしたら効果はありますけど(たとえば、学校の定期試験の理社など)、結局は一夜漬けでしかありません。授業の復習はともかく、塾や学校の膨大な宿題が終わりきらなくて、睡眠時間を削るというのは、あまりお勧めできません。

眠いのを我慢しながら取り組んでも「睡眠不足」の状態では、適切な学習効果は得られません。以前、世界的にベストセラーとなった『アウトプット大全』を書いた精神科医樺沢紫苑の『ブレインメンタル強化大全』によると毎日6時間睡眠時間の人は日本酒1~2合飲んだのと同じくらいパフォーマンスが低下するといわれています。

生徒さんが、睡眠6時間以下で勉強してるという状態は、お子様が日本酒飲みながら勉強しているようなものというのは多少大げさかもしれませんが、眠くなると工夫をしようとする発想力やクリエイティビティが低下して、やっていることが「ただの作業」になってしまうんです。これは何もお子様に限らず親御さんにも経験があることだと思います。

私なども以前ベンチャー企業などでIPO準備(株式新規上場のことです)の責任者をしていた頃など、とりわけ、決算期などは睡眠時間1時間半~2時間程度で、ひたすら決算整理仕訳や連結子会社の組替表や連結消去仕訳などをひらすら入力したり、仕訳のミスチェックなどをするような「ひたすらな作業」はかろうじてできるものの、監査法人のショートレビューで指摘された業務管理体制の整備やら組織運営体制の整備などの仕事はもう眠くて、手かつかず、監査法人のマネジメントレターから「まだ直っていない」「まだ未着手」「まだ改善の余地在り」と手痛い指摘を繰り返し受け、VC(ベンチャーキャピタル)や創業者社長にぼろくそに怒られたりしたものです。

話を戻しますが、昨今の入試問題は知識の詰め込みよりも、深く考えられる力や乗法の編集力、豊かな表現力など、豊かな発想力が求められる問題が出題される傾向にあります。私と同世代(40代)あるいはそれ以上という保護者の皆様の中には「四当五落」という言葉を聞いたことがあると思います。4時間しか寝ていない人は合格できて、5時間も寝ている人は落ちるという言葉ですね。この言葉、もう古い発想です。

睡眠時間を削って勉強するということをお子様に求めたり強制するというやり方は、スポーツで水を飲むのを我慢して走り込みをしたり、足腰の訓練だといってウサギ跳びを強要するのと同じ昭和のやり方です。これらのトレーニング方法は効果がないどころか逆効果であったり、最悪の場合体を故障することは現在のスポーツ科学の常識になっています。もちろん、ただ眠れば成績があがるというわけではありません。

睡眠時間を削っている生徒は、まず「勉強の仕方を変える」必要があります。宿題が終わらない、あるいは復習に取り組めないと焦って睡眠時間を削って闇雲に勉強するよりも、ポイントや正解に繋がる効率的な解き方などを学ぶことができる学習の仕方やそういう宿題、勉強に絞っていきましょう。何事も取捨選択、トレードオフする勇気と賢明さが大切です。1~100までを丸暗記するのではなく、それらの理解を支えている土台や、物事を関連付けて覚える量を減らすなど、工夫をしていきましょう。睡眠時間は充分取れていることが勉強ができるようになる最低限必要条件であることを忘れないでください。

03 後伸びする子の特徴第8

です。次に行きます。第8位、それは、「(なにか)夢中になっているものがある子」です。水泳やピアノやダンスなどの習い事、野球、サッカーなどのクラブチーム、中学生や高校生であればハードな部活に入っていて、受験が近づいてきたので、受験終了までは一旦中断、そして、受験勉強に集中することになった子どもは、情熱を注ぐ対象が受験勉強に切り替わることで、成績が急激に上がっていくケースが多いです。

有名な受験マンガ『ドラゴン桜』でも、高3の秋以降突然強力なライバルが増え、夏休み前は偏差値60くらいをキープしていたお子さんが、夏休みをのんきに過ごしていると、部活を辞めて勉強に専念した子に追い抜かれ、偏差値が5~10くらい下降してしまう危険がある話などが紹介されていますが、あれは実際によくあることです。

人の精神的なエネルギー量というのは、どれだけ夢中になっているかという情熱の熱量で決まると思います。水泳、ピアノ、野球、サッカーというメジャーなものから、あるいはペットに惜しみない愛情を注ぐとか、車が大好きで大人向けの車雑誌を読む子とか、小学生で韓流アイドルに憧れてメイク技術に関心がある女の子の話も聞いたりします。そういう夢中になるものがある子は精神的なエネルギーに満ちています。

一方なかに何にも関心を示さない子もいるんですね。何にも関心を示さない無気力なお子さんに会って、「何か好きなことある?」って聞いても、「いや別に・・・」と言う反応しかないことがあります。「家でどんなことしてることが多いの?」と聞いても「特に何も・・・」といわれ、「それなら、ゲームしたりYouTubeの動画見たりしているの?」と聞いても「昔はゲームをしたり動画も見たりしてたんだけど、飽きちゃって、今はとくに何にも興味はない」といわれます。そこどで、それなら「晩御飯までどうやって過ごしてる?」と聞くと、「これといって特にはないかな。ぼーっとしている。」という回答が。

こんな感じで好きな事は何もないお子様は、強勉以前に何でもいいので外界への関心を引き出すところから始める必要があり、勉強をするエネルギーを貯めるまでには相当時間がかかります。一方、たとえ今は勉強に関心はないものの、何かに夢中になっている子は精神的なエネルギーがあるので、そのエネルギーを注ぐ先を勉強に向かせるサポートをするのは意外と難しくないんです。

もしお子さんが何か好きなことがある状態であれば、ぜひそれを大事にしてあげてください。好きなものがあるって人生を楽しくする最高の才能だと思います。

お子様の好きなことは何でしょうか?

04 後伸びする子の特徴第7

第7位は、「個性が強い子」です。一般論で言うと、個性が強い子は、成績がなかなか伸びないものです。結構「うちの子は個性が強くて」とお悩みの親御さん多いかと思います。なぜなら、学校や集団授業塾などでは、「一般的な性格の生徒さんに向けて」説明したり指示を出したりするわけで、それぞれの多様な個性を尊重したり、一人一人にカスタマイズした授業を行うわけではないからです。そんなことをしていたら授業は当然進みませんよね。

社会でも個別相談会のような物でもない限り、展示会であろうが講演会であろうが、メインターゲットを決めた上で、そうしたメインターゲットの標準的なモデル(いわゆるペルソナ)に向けてスピーチをしているわけで、そのペルソナとズレる方には全く話も響きません。同じように、学校の授業や集団授業を行っている通常の学習塾や予備校では、そこまで個性の強くない一般的な性格の生徒に向けて指導したり教育を行ったりするあけですから、一般的ではない、個性が強すぎる子ははみ出しちゃうんですね。

はい、私もそういう子どもでした。私も小さい頃から学校の先生に「なんであなたがそれができないの?ほら周りと同じようにやるだけでしょう!」と怒られ続けてきたものです。でも、できない人にはそれがなかなか難しいことなんです。これは、私の実体験ではないのですが、同じような境遇の生徒さんが「人と同じことならわざわざ自分がやる必要ないでしょ」と反論するのを聞いたことはありますし、「そもそも先生が言っていることが耳に入らない」ということはよく聞くことです。

周囲で他の子たちがやっていることが気にならないんですよね。だから、学校の先生の指示とは違うやり方、周囲とは違うことをして、先生から怒られる。集団授業についていけずに、いや、むしろ自らついていかずにはみ出ちゃう、こういう私のようなお子さん意外と少なくないんですね。で、自分には勉強は向いていないと思い込んじゃうんですね。でも、実は勉強が向いていないのではなくて、「一般的な多数派に属する勉強の仕方が向いていないだけ」なんです。自分に向いている勉強法が分かって実践すれば勉強できるようになります。

勉強法なんて無限にあるわけですから、一般的な勉強方に固執する必要は全くないわけです。

ちなみに、私は大勢に向けられた話を聞いたり、出された指示を守ったりするのは苦手で、朝がめちゃくちゃ苦手で、朝は顔が腫れたアンパンマン以上に力を発揮できません。サラリーマン時代も、立場上役員であることが多く、そうでない場合もフレックスであったことが多かったので、朝ではなく、昼以降から夜まで仕事に励んでおりました(もっとも、上場準備直前期にはそうも言ってはいられず、朝八時から深夜四時くらいまで働いておりましたが)。

その一方、人にわかりやすく面白く説明する事は、割と得意で、そして夜が深まるほど元気が出てきます。そこで、授業で先生が説明するような説明の内容をそのまま文章にしているようなタイプの参考書を読んでその内容をそのまま頭に入れて、夜に一人で自分にその内容を説明することにしたら、びっくりするぐらい学習内容が頭に入るようになりました。自分に合ったやり方を見つければ成績上がるのです。

05 後伸びする子の特徴第6

次、行きます。それは「暇な時間がある」子です。習い事を週に4つも6つも、中には8つも習い事をしているお子様がいて、1週間って7日間だよね、って確認したくなるお子様よくいます。我が子にそれだけ習い事をさせることができる経済力があって、お子さんも積極的にその習い事を楽しんで通っているなら、それは最高でしょう。

一方で1週間のスケジュールがスカスカの子、そういうお子様も多くいらっしゃいます。そういうお子さんが無駄な時間を過ごしているのかというと、そうでもないんですよね。私は、ひとりで過ごす時間って意外と大事な時間だと思っています。

子どもは暇になると、その暇を埋め合わせようとしておかれた環境で工夫をし始めます。子どもは遊びの天才です。大人が考えもしなかったような遊びを考え始めます。そうやって子どもが能動的に自分が楽しむ方法を考えることが発想力、思考力、創造力になっていくんです。

逆に「何しようかな・・・」だなんて考える暇が無く、次々とやらないといけないことが連続すると受け身の姿勢に鳴って、ひとりで過去を振り返ったり、将来を夢想して、思索を深めたり、何か面白いことはないかなと好奇心のアンテナ感度を高めたりする余裕がなくなってしまうわけです。ひとりのんびりと過ごす時間も成長するための大事な時間です。

未だに成長し切れていない私が何よりも好きなのは、実は「勉強すること」なのですが、サラリーマン時代は、LECで司法試験の勉強、TACで公認会計士の勉強(どちらも短答試験しか受からず、挫折しておりますが)、ビジネススクール大学院(MBA)、グロービス大学院(MBA)、早大(文学)、早大大学院(哲学)、東大大学院(哲学)、学習院大学院(心理学)、一橋大大学院(社会学)などで研究し続けて今でもしているのは、未だ自分が知らないことがあることを知るワクワクした好奇心や、これまでは考えもしなかったような視点を身につけることが楽しくてしょうがないんですね。ひとりの時間は思考を深めてくれます。

06 後伸びする子の特徴第5

次は、「体力がある子ども」です。体力がある子が最後伸びるんです。勉強するにも体力を使います。体力が切れた子から集中力が切れます。体力がある子は集中力が続きます。『一流の頭脳』という本を執筆したノーベル賞決定機関カロリンスカ研究所で研究を重ねたアンダース・ハンセンによるとアメリカ・ネブラスカ州で行われた一万人近くの子どもを対象として調査・研究で体力的に優れた子どもは体力のない子どもより算数や英語の試験の得点が高く、試験の難易度がたかくなるほど体力的に優れた子どもとそうでない子どもの点差が開いたそうです。

このよな調査をするまでもなく、中学三年生や高校三年生の受験指導をしている講師やそういうお子様を育てた親御さんは、8月以降それまでハードな部活で体力をつけた子どもたちが夏の大会を機に部活を引退し、受験勉強に集中するようになって、すごい勢いで成績を上げていく姿を目の当たりにしたことがあると思います。

体力、集中力、学力は連動しているんです。最後は体力勝負。体力は大事です。

07 後伸びする子の特徴第4

後伸びする子の特徴、第4位のお子さんは、「多くの本を読んでいるお子さん」です。幼い頃から読書習慣がある方は、読書がどれだけの知識と広い視野、深い思考が得られ、人生を豊かにしてくれたのかを実感しているかと思います。読書習慣のある人は話す際の言葉の選択、各文章の切れ味、物事の洞察の鋭さ、思考の深さが違います。

「じゃあ、我が子にもっと読書をさせて、うちの子も勉強できるようにしよう」と思うと、そうはいかないんですよね。読書で得られる知識、価値観、思考というのは果てしなく幅広いものです。果てしなく幅広いので、受験勉強のように限定された内容にはすぐには生きないんですね。長い時間かけて何冊も本を読んでいくことで、ゆっくりと、でも確実に本から得られたことが読んだ人の血肉になっていくんです。

また、少し別の角度になりますが、本を一冊仕上げるのはめちゃくちゃ労力と時間がかかります。著者はこれまでの自分の人生で得たすべてを総動員した上で、本にする内容を考え、その考えた内容を絞りに絞って一冊の本にまとめます。そうやって完成した本を一冊数百円から千円くらいで買えるわけですから、私は本ほどコスパの良いものはこの世にないと思っています。

私が今こうしてコラムを書いていられるのも、これまで読んできた本のおかげです。お子さんに本をぜひ読ませてあげてください。全然読書をしない子には、最終手段をご面談等でお伝えします。読書好きにさせてもらえたら幸いです。

08 後伸びする子の特徴第3

トップ3です。第3位は、「いろいろな体験をしている子」です。閃緑岩って知っていますでしょうか。閃緑岩というのは、溶岩が冷え固まったときにできる火山岩の中でも地下深くで固まる深成岩の一種で、中学受験理科の定番です。たとえば、この閃緑岩、火成岩のなかの閃緑岩、深成岩の中の閃緑岩などど念仏のように唱えながら覚えた人、写経するように閃緑岩と何度も書いて覚えた人、それに対して、

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「ああ、こういうのは閃緑岩で、こういう白黒混じりの色をしている岩が閃緑岩なんだな」と実感した人、マインクラフトというゲームの中に出てくる閃緑岩を使って階段を作って遊んだ人、実際に閃緑岩を見て、手で触れて慣れたことがある人。どの人の閃緑岩についての記憶が後まで残るか明白ですよね。

体験から身についた知識は記憶に残りやすく、ほかの知識と結びついて広がりやすいんですよ。机上の勉強による理解には限界があります。幼い頃からいろいろな体験をしてきた子は今はまだ机上の勉強中心の子に遅れをとっているかもしれませんが、いずれ追い抜きます。体験は大事です。

09 後伸びする子の特徴第2

トップ10の第2位は、「親子のコミュニケーションが多い子」です。『偏差値40台から開成合格!おうち遊び勉強法』という本のお母さんのように我が子のために惜しみなく時間とお金を使って、色々と体験させて上げて買ってあげて、勉強になることを工夫しサポートしてあげれば、子どもの成績はやがって上がっていくでしょう。しかし、そこまでしてあげられる親御さんはそうそういるものではないですよね。普通は無理です。『3男1女東大理Ⅲ合格百発百中』を書いたお母さんのような熱心なサポートも極めて特殊な事例で在り、再現不可能といいますが、そんな異常なまでの熱心なサポートをするというのは無理でしょう。

では、どうするのか?良い方法があります。それは「子どもの話をただ聞く」です。塾や学校での三者面談で子どもよりも親御さんがたくさん話すケースよりも、子どもが沢山話して、子どもが話しているのを笑顔で見ているご家庭のお子さんの方が最終的には成績が伸びるケースが多いのです。成績が良いお子さんの親御さんに、何か気をつけているポイントはありますか、とお伺いすると、「いやあ、私は特別なことは何もしていないんです。私は地方出身で、公立中ですし、高校も大学も推薦だったので、受験経験がなくて・・・。だから、娘が塾から帰ってくるとその話を聞かせてもらっているだけなんですよ」ということをおっしゃるんです。

聞くに徹して子どもに話させる、今風にいうとアクティブ・リスニングとか流行しておりますが、子どもの話に耳を傾け、ちゃんと話を聞いてあげる、そういう姿勢が、子どもの勉強意欲と学習効果を高めるわけですね。ただ、たいていの人って、他人が話すことを聞くよりも自分が話すことの方が好きですし、話したがるものです。そして、話すことで話した内容が頭に入るのは、聞く側よりも話す側なんです。子どもが話したくなるように聞く。子どもが話し始めたら聞くことに徹する。これができる親御さんのお子さんは伸びていきます。

この「聞く」というのは難しいです。親は子どもの話を聞くよりも、子どもへ言い聞かせたくなるものです。そこを我慢して、子どもに話させることができる親御さんの子は、やがて伸びていくのでは、今後は「どう話すか?」というよりも「どう聞くか?」を意識してみてはいかがでしょうか?

10 後伸びする子の特徴第1

後伸びする子トップ10、第1位です。第1位は、「楽しんでいる子」です。論語でも有名な一節で、中学3年生の国語の教科書にも載っている言葉で「之を知る者は、之を好む者に如かず、之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」という言葉があります。これは、「学ぶことにおいて、その知識を知っているということは、勉強を好きな人間には及ばない。勉強を好きな人間は、勉強を楽しんでいる人間には、及ばない。」という意味ですが、まさに楽しんでいる人が最高に学んでいるということです。

成績が上がっていく子は授業中の様子を見れば一目瞭然で分かります。楽しそうなんです。最難関の予備校のクラスなどではお笑い芸人のライブ会場かのように盛り上がっています。成績が良い子は勉強を楽しんでいるのです。逆に勉強を楽しめないでいるうちは、なかなか成績が伸びません。勉強を頑張っているのは周りも同様だからです。偏差値という考え方が分かりやすいかと思いますが、いくら点数が伸び、いくら苦手単元を克服しても、周りの生徒も頑張っています。なので、周りの子も同じように点数が伸び、苦手単元を克服し、学力を向上させているわけです。すると、自分は頑張っていると思っても、偏差値は一向に変わらない、あるいは下がってしまうということが起きてしまいます。成績、偏差値をあげるには、同じように頑張っている子たちよりも頑張り、周りの子を上回るためには、周り以上に頑張るしかありません。

だからこそ、楽しんで学ぶしかないのです。しかし、多くの人は楽しんで勉強する方法がわからないので、とにかく周り以上に頑張って勉強することを選択します。しかし、頑張るのってメンタルも体力も削られるので、長続きしません。さらに、昨今の入試の傾向、それは、中学入試、高校入試、大学入試、大学院入試全般にいえる傾向ですが、学校側の「こういうことに関心をもって日頃から深く考えている生徒に来て欲しい」というメッセージを元に試験が作られています。関心が無いことを気合いと根性で頭に詰め込んだくらいの表面的な理解では歯が立たないんですね。

じゃあ、どうすれば勉強を楽しめるようになれるかというと、具体と結びつけることです。テキストや教科書に載っているような受験勉強の内容というのは、いわゆる「抽象(概念)」です。抽象はつまらないんです。面白い具体がそぎ落とされています。机上の抽象的な受験勉強はもちろん大事なんですけれど、日本人は具体的な体験から得られる学びよりも机上の勉強を優先させすぎのように思います。人生の中で具体的な体験から学び取る力がある10代、いや下手をすると幼少期から、机上の勉強を効率的に取り組ませる学習塾に入塾させたがる傾向があるかと思います。

しかし、それこそ国数英理社の基本、まさに問題文を読み解く力、出題者の意図を見抜き、出題者の意図に応える力、人と対話し、相手の意図を見抜き、相手と協調できる妥協点を見いだすような力の基礎になるような論理的思考能力や人間関係調整能力の基礎となるような国語力をつけるのであれば、もっと本を読んで、もっといろんな人の考えを聞いて、もっといろんな世界を知ってほしいです。

数学や算数の力を養うなら、もっと数字や図形の面白さや神秘、不思議さ、目に見える手で触れる物を通じて、テレビ番組ならNHKの「笑えない数学」を観る、雑誌の『ニュートン』などを読む、大阪大学基礎工学部卒同大学同大学院同学科修士課程修了後、三洋電機ニューマテリアル研究所で開発者として従事した後、斬新なSF小説の旗手となった小林泰三の今話題の量子力学を基礎に据えた推理小説や、若き数学者たちの青春と苦悩を描いた岩井圭也(北大農学大学院卒)の小説『永遠についての証明』(角川書店)や著名な作家小川洋子の『博士の愛した数式』を通して数学のロマンを感じる、楽しむ。いや、ゲームやパズルなどでも良いので楽しんでもらいたいです。

また、社会の力をつけるのであれば、さまざまな地域に旅行をしたり、テレビ番組で「ブラタモリ」とか「歴史探偵」を観たりでもよいと思います。旅行に行けなかったら、「桃鉄」などのゲームで疑似体験をしたりするのでさえ良いかと思います。マンガを読むのも有効です。私の個人的なお勧めで言えば横山光輝の『三国志』、王欣太『蒼天航路』、最近のものではドラマ化も予定されている『パリピ孔明』、あるいはマンガ『寄生獣』で一躍有名になった岩城均の『ヒストリエ』、映画化もされて話題となったヤマザキマリの『テルマエ・ロマエ』、NHKでアニメ放映中の『キングダム』、フランス革命の内情を描き、第17回文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品に選出された坂本眞一による『イノサン』、手塚治虫の不朽の名作『アドルフに告ぐ』、コペルニクスに至るまでの科学革命や地動説をテーマにした『チ。』、北斗の拳でも有名な原哲夫による戦国時代を描いた『花の慶次』など、お勧めです(ちなみに、全て武蔵野個別指導塾に1巻のみ置いてありますので、お子様に手に取って頂き、気に入ったものがあればそこからぜひ続きを購入し読んでいただき歴史への興味を育んでもらいたいです。

理科であれば、親子で料理をしたり、家庭菜園をしたり、生き物を育てたり、お風呂でペットボトルで遊ぶのでも立派な理科の実験ですし、花火を観ながら、花火がどんな色の光を出すかは,花火に含まれている「元素」によって決まっていることを知り、シュウ酸ストロンチウムは白い粉だけれど,ストロンチウム(Sr)が入っているから燃えると赤い光を出すんだ、とか、硝酸ナトリウムはナトリウムによって黄色の光を、銅粉は青緑色の光をそれぞれ出すのかということを知ってもらう。

こうしたさまざまな具体的な体験をすれば、その経験がいずれ机上の勉強をした際に、「これは、あのときの、あれだー!」と、まさに、エウレカ(古代ギリシア語: εὕρηκα)ですね。古代ギリシアの哲学者であり、アルキメデスの原理を残したアルキメデスが、お風呂に入ったときに、薬草に入ると水位が上昇することに気づき、上昇した分の体積が彼の体の水中に入った部分の体積に等しいと理解し、二度叫んだと言われる有名な言葉ですね。体験したことを思い出して深い理解に繋がっていくわけです。そして、机上の勉強から得た知識がその後の体験をより感動的なものにします。私はビブリオマニアで古書を集めるのが好きだった頃があり(今は蔵書をしまうスペースの問題から電子書籍に変えていますが)、神田や早稲田の古本屋街、あるいはいろいろな街のブックオフに行っては、稀覯本を探したものです。しかし、売れ筋のベストセラーやベスト10にランキングされるような本以外には興味の無い人にとっては、汚い本でしかないです。

また、私の友人で歴史学を研究している人間は遺跡巡りが大好きですが、これも興味の無い人にとってはただの崩れた石の残骸でしかありません。しかし、歴史や地理を知っていると1時間でも2時間でも居座って一人眺めることで、これ以上ない豊かな気持ちになる素晴らしい体験になるわけです。

私は、これこそが勉強の醍醐味だと思っています。勉強は楽しいのが最高です。勉強を楽しんでいる子はいずれできるようになります。というか、学ぶ楽しさを知ることができれば、もはや偏差値がどうとかどこの学校に合格するとかさえ、もはや些末なことになるかもしれません。豊かな人生を歩み始めているわけですからね。

ぜひ、この夏、さまざまな体験をし、学ぶ楽しさに気づいてくれることがあることを願ってやみません。

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【監修者】 宮川涼
プロフィール 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員。元MENSA会員。早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。一橋大学大学院にてイギリス史の研究も行っている。

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ryomiyagawa
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。
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