英文法講義~大学受験・高校受験に使える(8)不定詞1

01 不定詞の特徴

中学校時代は不定詞と動名詞が同じようなものと習ったことがあるかもしれません。たとえば、”He likes swim.”と” He likes swimming.”ですね。書き換え問題などでイコールと習ってしまった方もいるかもしれません。しかし、不定詞と動名詞は全く意味が違います。前者は、水泳が好き、という程度の意味で、後者は水泳の練習をするのが好き、なくらいのニュアンスの違いがあります。そこで、次のクイズを見てみましょう。

●問:自然な英文はどっち?
「私の夢は宇宙飛行士になることです」
1 My dream is to become an astronaut.
2 My dream is becoming an astronaut.

これは(1)が自然な英文になるわけですね。私のパソコンには英文のオートコレクト機能のあるアプリが入っているので、上のクイズを書いた段階で、becomingに修正すべきチェックは既に入ってしまっています。つまり、ネイティブはこういう使い方はしないのが、書いている途中でわかってしまうのと、また、こういう駄目な英文を書くと「直してください」というメッセージが出てくるので、それをDismissしないといけないので、ちょっと手間だったりします。

ところで、英語の動詞というのは、普通、主語や時制によって形が決定するいわば「定詞」で、たとえば主語がheならば、現在動詞はplays、過去動詞はplayedのように決まっていますが、不定詞はいつもVやto Vとなって、主語や時制では形が決まらない不定形なので、不定詞と呼ばれます。不定詞には、このように原形不定詞(V)とto不定詞(to V)の二種類があります。

ところで、不定詞のイメージというのは、基本的に前向きで明るい(単発的な)イメージに使われるものです。未来志向といってもよいですね。なので、例題の答えが(1)になるわけです。

希望・同意

want to ~「~したい」 hope to ~「~したい」

would like to ~「~したい」 wish to ~「~したい」

desire to ~「~したい」 long to ~「~したい」

agree to ~「~に同意する」 offer to ~「~しようと申し出る」

計画・決心

plan to ~「~する計画だ」 scheme to ~「~する計画だ」

promise to ~「~を約束する」 prepare to ~「~を準備する」

decide to ~「~に決める」 determine to ~「~に決める」

resolve to ~「~に決める」 expect to ~「~するつもり」

intend to ~「~するつもり」

チャレンジ

try to ~「~しようとする」 attempt to ~「~しようとする」

mean to ~「~しようとする」 seek to ~「~しようと努力する」

endeavor to ~「~しようと努力する」

積極的イメージ

manage to ~「何とか~やりとげる」 afford to ~「~する余裕がある」

come to ~「~するようになる」 get to ~「~するようになる」

learn to ~「~できるようになる」

単発的イメージ

happen to ~「たまたま~する」 pretend to ~「~のふりをする」

seem to ~「~のようだ」 appear to ~「~のようだ」

prove to ~「~だと判明する」 turn out to ~「~だと判明する」

否定的イメージ

hesitate to ~「~をためらう」 refuse to ~「~を拒む」

decline to ~「~を拒む」 fail to ~「~しない」

と大体のパターンを覚えておきましょう。必ず暗記しろという訳ではなく、あくまでも未来志向でポジティブなイメージが強いと覚えておくと良いと思います。なので、気をつけるべきは、否定的イメージだけはきちんと覚えておきましょう。

では、その確認に以下の問題を解いてみましょう。

(1) The businessman decided(   )a new car.
1. buy 2. to buy 3. buying 4. bought

(2) A: Will you be going to Rome this summer after all?
B: Iʼm still(   )to.
1. intending 2. supposing 3. visiting 4. wondering

(3) After a lot of problems she(   )to learn to drive a car.
1. gave up 2. managed 3. put off 4. succeeded

(4) When you(   )know him, youʼll find heʼs quite nice.
1. came to 2. get to 3. go to 4. set to

(5) I would like a faster computer, but I just canʼt(   )to buy one.
1. afford 2. achieve 3. access
4. award 5. ensure

(6) Our teacher’s words proved to be true when I passed the exam.
1. turned out 2. turned around
3. turned in 4. turned about

(7) I could tell he was only(   )to read because his book was upside down.
1. acting 2. behaving 3. deceiving 4. pretending

(8) Ken has never failed(   )a birthday present to his mother.
1. of giving 2. for giving 3. to give 4. give

上から解答は、(2)、(1)、(2)、(2)、(1)、(1)、(4)、(3)となります。

02 be to 構文

be to構文は色々意味がありますが(通常、「予定、運命」、「義務・命令」、「可能」などと訳し分けますが、ここでは三つのパターンを覚えるより核心を覚えましょう)、本質的なイメージは「これから~すること」ということです。”On the last day of the festival this year, a violin concert is to be held at this hall. (今年の祭りの最終日には,このホールでバイオリンコンサートが開催されることになっている。)となるわけですね。

I am to leave next week. (私は来週出発することになっている)

The day was to decide the fate of Japan. (その日は日本の運命を決することとなった)

You are not to avoid the trouble. (君はそのトラブルを避けてはならない)

Not a cloud was to be seen. (雲一つ見られなかった)

03 不定詞の三用法

不定詞は基本的にto+動詞の原形なので、to+動詞の原形を発見したら、不定詞と気づき、まずは、不定詞の三用法を思い浮かべましょう。to 不定詞は、名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の3つの用法に分かれます。このように言うと、難しく聞こえますが、単にto不定詞を「名詞」として用いるか。「形容詞」として用いるか、「副詞」として用いるかどうかの違いがあるだけです。ここで、一応確認しておきますが、英文法が苦手な生徒さんに多いのが、そもそも「名詞」とか「形容詞」、「副詞」ってなんなんだ、ということも多いので、ここで改めて説明しておきます。

まず、「名詞」というのは事物の名称を表すもので、OALD(オックスフォードアドバンスド英英辞典)で名詞を示すnounを引くと、” a word that refers to a person, (such as Ann or doctor), a place (such as Paris or city) or a thing, a quality or an activity (such as plant, sorrow or tennis)”と書かれています。人名や職業、場所や街、物、質や活動、たとえば植物や悲しみ、テニスというようなものを名詞というわけです。名詞は、S(主語)になったり、C(補語)になったりO(目的語)になったりします。たとえば、”The door opened.” (ドアが開いた)の「ドア」という主語になったり、” He is my son.” (彼は私の息子です)の「息子」という補語であったり、” I love my son.” (私は息子を愛しています)という愛する対象としての「息子」という目的語になったりするということです。

次に、「形容詞」ですが、OALDを引くと” a word that describes a person or thing, for example, bg, red and clever in a big house, red wine and a clever idea”という風に書かれています。人や物事を説明したりする言葉ということですね。たとえば、ワインという物を説明するのに「赤い」ワインであったり、家という物を説明する「大きな」家であったり、アイデアを「賢いアイデア」としたりするのが形容詞というわけですね。そして、この形容詞というのは、今のように名詞を直接修飾する” She is a young lady.”(彼女は若い女性です)というような「限定用法」と呼ばれる用法と、” She is young.” (彼女は若い)とように、補語となる叙述用法がありますが、限定用法とか叙述用法という言葉は覚えなくて良いので、名詞を直接修飾したり、名詞を補った説明してりするのだ、ということを理解しておきましょう。

そして、「副詞」は、場所・時間・様態・程度などを表し、動詞・形容詞・他の副詞・文全体などを修飾または形容するもので、OALDには、” a word that adds more information about place, time, manner, cause or degree to a verb, an adjective, a phrase or another adverb.”と説明されています。例えば、” He walked quickly.” (彼は速く歩いた)と「歩いた」という動詞を修飾したり、” She spoke quite clearly.” (彼女ははっきりと言った)というように、「言った」という動詞を強調するように修飾したり、” He is very diligent.” (彼は非常に勤勉だ)というように「勤勉だ」という形容詞を修飾したり、”Probably they will understand.” (たぶん彼らは分かってくれるだろう)という「彼らはわかってくれるだろう」という文自体を修飾したりします。

(1)名詞的用法

” My dream is to study music in Paris.” (私の夢はパリで音楽を勉強することだ)というような場合で、名詞的用法のto 不定詞は、S(主語)・C(補語)・O(目的語)として用いられ、「~すること」と訳されます。主語・補語・目的語の位置にto不定詞が来ていたら、すぐに名詞的用法と気づくことが大切です。今の文では、Cとして用いられていましたね。他の用例も見てみましょう。

To see is to believe. (百聞は一見に如かず)

To tell a lie is wrong. (嘘をつくことは悪いことだ)

To be with you is nice. (あなたと一緒にいることは楽しい)

To be a good teacher is not easy. It requires much self-sacrifice. (いい先生になることは易しくありません。それには多くの自己犠牲を要求されます)

後者の2つの用例は今ではあまり用いられず、後者は、” It’s nice to be with you.”であるとか、”It is not easy to be a good teacher.”というように形式主語のitを使った形に書かれることが多いです。類例を上げてみましょう。” It is a great pleasure to see you.” (お目にかかれて大変嬉しいです)、”It was impossible tp solve the problem.” (その問題を解くことは不可能だった)。次に、O(目的語)として使われる場合を見てみましょう。

Price continued to rise. (物価は上がり続けた)

I decline to accept. (受入れをお断りします)

I’d love to meet other Japanese students in this area. (このエリアの他の日本人に会いたいです)

So what do you propose to do next? (で、あなたは次は何を提案するの?)

He’s planning to publish a book next year. (彼は来年、本を出版しようと計画しています)

という形です。次は補語の形で使われる場合を見てみましょう。

To live is to fight. (生きることは戦いだ)

My hobby is to collect foreign stamps. (私の趣味は外国の切手を集めることです)

To live in the country is my dream. (田舎に住むことが私の夢です)

という形です。また、” I believe him to be honest.”ということは可能なのですが、一般的には、こうしたS+V+O+Cの形では、O+Cが実質的に主語・述語関係になっているので、” I believe that he is honest.”という方が一般的な表現方法です。同じように、” I think Mary to be an attractive person.”は” I think that Mary is an attractive person.”というわけですね。

また、「how to + 動詞の原形」という「どう~すべきか」「~の仕方」などというパターンも名詞句なので、S、O、Cの位置に置くことが出来ます。” Where to begin is more difficult than where to stop.” (どこから始めるかは、どこで辞めるかということよりも難しい)という場合や” She wants to talk but doesn’t know how to begin.” (彼女は話したがっていますが、どう始めてよいのかわからないのです)、” The question is how to do it.” (問題はそれをどうするかだ)という風になります。

また、”To live in the country is my dream.”(田舎で暮らすことが私の夢です)という分かりやすい名詞的用法の文章は、必ずしもこの形で登場することは少ないです。主語が長すぎるわけですね。なので、実際には、” It is my dream to live in the country.”と文章中では出てくることが多いです。Itが仮主語になるわけですね。

また、” I wanted to know how she felt.”(彼女がどう感じるかを知ることを望んでいた)という意味ですが、これは余りにもよく出てくるので、want to doで「~したい」と熟語のように覚えておくと訳しやすいです。また、同じタイプの丁寧な表現としては、would like to doで言い換えられることも覚えておきましょう。” I tried to write to her.”(私は彼女に手紙を書くことを試した)になりますが、try to doで「~しようとする」と覚えておきましょう。

I wanted to know how she felt. (私は彼女がどう感じているか知りたかった。)

I decided to go abroad. (私は外国へ行くことに決めた。

She began to run. (彼女は走り出した。)

同じ意味で少し固い意味で、attempt to doがありますので、これも覚えておきましょう。” I decided to go abroad.”(外国へ行くことを決めた)ですが、decid to doで「決めた」くらいで覚えておきましょう。determine to doも同じ意味として覚えておきましょう。make up one’s mind to doも同じ言い換えになるので三点そろって覚えておきましょう。” She began to run.”(彼女は走り始めた)ですが、これもbegin to doで「始める」と覚えておきましょう。これも同じもので、start to doも覚えておきましょう。以下に例文を幾つか挙げておきましょう。

It is not easy to find happiness in ourselves, and it is impossible to find it elsewhere. (自分の中に幸せを見出すことは難しく、他の場所に幸せを見出すのは不可能だ)

To die is difficult; to live is more difficult. (死ぬのは難しいが、生きていくのはさらに難しい)

We want to live as human beings. (人間らしく生きたい)

His dream is to become an astronaut. (彼の夢は宇宙飛行士になることです。)

My dream is to play basketball with my son. (私の夢は息子とバスケットボールをすることです。)

My aim is to study abroad. (私の目標は,留学することだ。)

(2)形容詞的用法

では、次に形容詞的用法について見ていきましょう。一般に「~するための」とか「~すべき」という意味で、名詞・代名詞の後ろに遅れてそれらを形容詞として修飾します。前に名詞がくるというのがポイントです。例文としては、”something to drink”は「飲み物」というのは中学時代にも習ったかと思います。「冷たい飲み物」といわれたら”something cold to drink”となります。後ろから名詞を修飾しているわけですね。このように、” Give me something to drink, please.” (何か飲み物をください)というときのsomethingを修飾する場合や、”There was not a man to help him.” (彼を助けてやる人はいなかった)というときのmanを修飾するような場合があります。

英語で日本人にとって分かりづらいのは名詞を修飾する形容詞が名詞の前じゃ無く後に付けられる点ですね。たとえば、” Dikens had a large family to support.” (ディケンズには養わなければならない大家族がいた)といように日本語で訳すなら「大家族(a large family)」のような名詞の前に形容詞が来るのでは無く、この名詞の後に” to support” (養うべき)という形容詞が後から来るわけですね。例文を見てみましょう。

I have no friends to help me.  (私を手伝ってくれる友達がいない)

I have no friend to help. (手伝ってあげる友達がいない)

という感じです。ちなみに、上の例文で知っておいた方が良いのは、2つの英文のうち、上のものが” no friends”がS(主語)のように働き、 “to help”がV(動詞)のようになる場合と、後者の文章のように、”no friend”がO(目的語)になり、”to help”がV(動詞)のようになる場合があるということです。なので、”I have no friend to play with.” (一緒に遊ぶ友達がいない)というような場合、文末がwithで終わるような一件気持ち悪い形になるのは、” to play with”がVとなって、” friend”(友達)がOとなっているわけですね。

同じパターンで、 ” I have a family to look after.”( 私には世話をする家族がいる。)と” I have a family to look after me.”( 私は世話をしてくれる家族がいる。)というのも同じです。

また、do と名詞の間に、VO 関係・VS 関係・同格関係・前置詞と O の関係が成立することも覚えておきましょう。まず、同格関係として、” She got the ability to speak French.”(彼女はフランス語を話す能力を習得した。)というように、ability=to speakと同格になるわけですね。以下に例文を挙げておきます。

We need our families to support us. (私たちは家族に支えてもらう必要がある)

I cannot find a house to live in. (住む家が見付けられない)

He was the first man to point out the fact to me. (彼がその事実を私に指摘した最初の男であった)

There was no chair to sit on. (腰を下ろす椅子はなかった)

He had some friends to talk it over with. (彼にはそのことを一緒に話し合う何人かの友達がいた)

Do you have any books to read on the train? (あなたは電車で読む本を持っていますか?)

(3)副詞的用法

それでは、副詞的用法について学びましょう。to不定詞の三用法の中で、一番間違えやすいのがこの副詞的用法なので、しっかり覚えておきましょう。例文を上げると、”He studied hard to pass the exam.” (試験に受かるために一生懸命勉強した)というように、「彼は一生懸命勉強した」という「勉強した」という動詞に” to pass” (受かるために)という形で副詞として修飾しているわけですね。こういう風に、不定詞と本動詞が目的と手段に該当します。例文を更に挙げると、”I got up early to catch the train.”(電車に間に合うために早く起きた)というように、不定詞to catchするために本動詞get upするわけですね。例文を挙げておきましょう。

He went to the station to meet her. (彼は彼女を迎えるために駅へ向かった)

I did my best to help them. (彼らを助けるために全力を尽くした)

I wrote to tell him about the incident. (その出来事を伝えるために手紙を書いた)

In order to succeed, your desire for success must be greater than your fear of failure. (成功するためには、成功への望みが失敗の不安よりも大きくなければならない)

I moved to a new apartment so as to be nearer to my work. (職場にもっと近くなるように新しいアパートに引っ越した)

とりわけ、in order to do、 so as to doというのは、副詞的用法で 「~するために」となるという風にもう、この表現自体で覚えておくと便利です。

それに加えて、”He grew up to be a scientist.” (成長して(その結果)科学者になった)や”My grandfather lived to be ninety.” (祖父は 90 歳まで生きた)というように、結果として「その結果~だ」という風に意味する場合があります。いわゆる結果の不定詞と呼ばれるものですね。

例文として、”He grew up to be a great athlete.”(彼は成長して、偉大なアスリートになった)とか” He lived to be eighty.” (彼は八十歳になった)、”I woke up to find myself lying on a bench.” (目覚めたらベンチで寝ていた)や” He worked hard, only to fail.” (彼は一生懸命働いたが、失敗しただけだった)、”He left his country, never to come back.” (彼は祖国を離れたが,二度と帰ってこなかった。)という表現も覚えておきましょう。後者の二つは、カンマ以下が逆説のようになっていることがポイントですね。

I got up early to catch the train. (私は電車に間に合うために早く起きた。)

We must study hard to pass the exam. (私達は試験に合格するために一生懸命勉強しなければならない。)

次に副詞的用法における「感情の原因・判断の根拠」です。” I’m glad to see you again.” (また敢えて嬉しいよ)という場合です。to seeが不定詞であることは直ぐに気づくと思いますが、glad(嬉しい)と書いてあるので、その理由を説明しているわけですね。「~して」という風に訳すと良いです。happyやsadなども同じ様に使いますので覚えておきましょう。

また、” He must be smart to solve the problem in such a short time.” (彼はその問題をそんな短時間で解くなんて賢いに違いない)という場合です。これは、must be smart(賢いに違いない)という判断の理由としてto solveがあるわけですね。

重要なパターンとして、~ enough to do, so ~as to do, so ~ thatの三つを覚えておきましょう。例文で示すと、” He was kind enough to show me the way.” (彼は私に道を教えてくれるほど親切だった。)、” She was so foolish as to leave her car unlocked.” (彼女は車に鍵をしないで放置するほど愚かだった。)、” He got up so early that he was in time for the train.” (彼はとても早く起きたので,電車に間に合った。)という具合です。もっとも、最期のso ~ thas構文は、to不定詞を使わないでSVという文構造が登場するので同じようなパターンですが、不定詞は使わないパターンなので覚えておきましょう。

また、too ~ toというのもあります。これは、「~過ぎてto以下できない」というものです。結構有名なので、知っている方は多いと想いますが、このtoが不定詞なんですね。例文で言うと、” The grass was too wet to sit on.” (草が濡れすぎていて座れなかった。)です。以下に例文を挙げておきましょう。

He must be stupid not to realize that. (それがわからないなんて彼はきっと間抜けなんだ)

He grew to be a great scientist. (彼は成長して偉大な科学者になった)

I woke to find all this a dream. (目を覚ますとこれはすべて夢だったことがわかった)

They parted, never to see each other again. (彼らは別れて、それっきり再び会うことはなかった)

He rose to his feet, only to fall as before. (彼は立ち上がったが、また前のように倒れるだけであった)

It was hot enough to burn my fingers. (それは指をやけどするくらい熱かった)

He was too excited to think about it. (彼は興奮しすぎていたので、そのことを考えられなかった)

He spoke so loud as to be heard by everyone. (彼は大声で話したので全員に聞こえた)

I have a family to look after.”koe

04 不定詞の主語・否定形・完了不定詞

まず、例文を見てみましょう。

It is dangerous for us to swim in this river. (私達がこの川で泳ぐのは危険だ。)

S+V for 不定詞のS + to 不定詞というパターンです。to swimという不定詞の主語は、for usになるわけですね。他の例文も見ておきましょう。” It is easy for bacteria to grow between 4℃ and 60℃. ”(4℃から60℃の間ではバクテリアが繁殖するのに容易である)、” It is necessary for you to obey the rules.” (君はルールを守る必要がある)です。”They stepped aside for her to pass.” (彼らは彼女が通り過ぎるために脇に寄った。)ですね。for herを「彼女が」と主格のように訳すのがポイントですね。不定詞の主語は主格のように訳すことを覚えておきましょう。

It is ~ of A to…のパターンも覚えておきましょう。これは、ofを用いる構文です。for+S’の構文は上で説明しましたが、このIt is ~ of A to…はまた違うものとなります。意味としては、「・・・するとはAは~だ」となります。これは、ある行為を通じて、その行為をする人物についての話し手の主観的な評価を述べるものです。例文を挙げます。

It was brave of the firefighters to dash into the burning building. (その消防士たちが燃えているビルに突入していったのは勇敢だった)

It was foolish of him to do such a thing. (あんなことをして、彼は馬鹿だった)

次は、不定詞の否定形ですが、既に例文で否定形が幾つか出ているので分かるかともいますが、「否定語 not を to do の前に置く」ということです。notをto不定詞の前に出すということですね。不定詞以外の動名詞など準動詞はすべて前に否定語を置くので共通していますので、覚えておきましょう。in order to do, so as to doもin order not to do, so as not to doとなります。

それでは、完了不定詞の用法を見てみましょう。完了不定詞というのは、動詞の表す「時」よりも以前の出来事であること、またはその「時」までの完了・継続・経験を示します。不定詞で、本動詞より以前を表す場合にはto have p.p. を使うと覚えておきましょう。例文として以下のものを挙げておきます。

He seems to have seen it. (彼はそれを見たらしい)

He claimed to have made discoveries in those regions. (彼はその地域色々な発見をしたと主張した)

It is one of the earlest materials to have been used for the purpose. (それはその目的に用いられた最も古い材料の一つである)

また、この用法では、実現されなかった意図や希望を表す場合もあります。たとえば、” He intended to have done so.” (彼はそうするつもりだったのだ)と「実際にはしなかった」ことを意味します。他にも” She was to have started for Kyoto. (彼女は京都へ行くはずになっていた)、” I should like to have seen it.” (私はそれを見たかった)などですね。

05 東大の要約問題

毎回恒例の東大の要約問題です。今回は、1993年の問題から出題します。

次の英文を読み、全文を80~100字の日本語に要約せよ。ただし、句読点も字数に数える。

Eight, five, seven, three, one, two. If I asked you now to repeat these numbers, no doubt most of you could. If I asked you again after a long talk, you probably couldn’t—you will keep the memory for a short time only.

It seems to be the case that two quite different processes are involved in the brain in memory storage, one for the short-term – that is about fifteen minutes to an hour – and one for long-term memory. Many items of information find their way briefly into our short-term; most are discarded, and only a few find their way into the long-term store. While memories are in this short-term store, they are easily destroyed: by distraction, for instance – do you remember the number sequence we started with? – or by interference with the brain: by an epileptic fit, “myself”  – a complex of past experience,past memories, held tight and firm within my brain ; only when I lose these do I cease to be myself.

(東京大学「英語」1993年)

英文法講義~大学受験・高校受験に使える(9)

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【監修者】 宮川涼
プロフィール 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員。元MENSA会員。早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。一橋大学大学院にてイギリス史の研究も行っている。

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早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。
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