2-6 経済成長と景気変動
―「景気」や「経済成長」は、私たちの暮らしにどう関係しているのか?
🔷 1. 経済成長とはなにか?
▶ 経済成長の定義:
経済成長とは、国全体で生み出す「財やサービスの量(GDP)」が増えること。
▶ GDP(国内総生産)とは?
国内で1年間に生産された「商品やサービスの総額」を示す指標。
GDPが増えると、「経済が成長している」とされる。
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個人消費(家庭の支出)
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企業の投資
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政府の支出
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輸出-輸入 の差
これらを合計したものがGDPです。
✅ 経済成長すると「所得が増える」「雇用が生まれる」「税収が増える」などの良い効果があります。
🔷 2. 景気変動とはなにか?
▶ 景気とは?
経済の「調子」や「元気さ」を表す言葉。
好調=景気がいい/不調=景気が悪い
▶ 景気変動の4つの局面:
局面 | 内容 |
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好況 | 生産・消費・雇用が活発。物価も上がることがある |
後退 | 経済活動が弱まり、企業の投資や消費が減ってくる |
不況 | 生産や雇用が落ち込み、企業の倒産や失業が増える |
回復 | 景気が持ち直し、生産や雇用が再び増えはじめる |
✅ この波のような動きを 景気循環 と呼びます。
🔷 3. 景気と私たちの生活の関係
景気がよいとき | 景気が悪いとき |
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会社の売上が増える → 給料も増える | 会社の売上が減る → 給料やボーナスが減る |
新卒採用やアルバイトの求人が増える | 就職が難しくなり、非正規雇用が増える |
税収が増える → 国の予算にゆとりができる | 税収が減る → 公共サービスの予算が削減される可能性 |
物価も上がることがある(=インフレ) | 物価が下がることもある(=デフレ) |
🔷 4. 政府や中央銀行が行う「景気の調整」
▶ 財政政策(政府)
方法 | 内容 |
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不況のときの対応 | 公共事業を増やす/減税して家計にゆとりを持たせる |
好況すぎるときの対応 | 支出を抑えて物価の上昇を防ぐ(インフレ対策) |
▶ 金融政策(日本銀行)
方法 | 内容 |
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金利の引き下げ | お金を借りやすくして企業や個人の投資・消費を促す |
金利の引き上げ | 過熱した経済を落ち着かせ、インフレを防ぐ |
✅ 政府や中央銀行は「経済が冷えすぎないように」「熱くなりすぎないように」景気を調整しているのです。
🔷 5. バブル経済とデフレの例(日本の経験)
現象 | 内容 |
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バブル経済 | 1980年代後半、株や不動産の価格が実体以上に高騰し、崩壊後に深刻な不況に |
デフレ | 物の値段が下がり続け、企業の利益が減り、給料も下がる悪循環が起きた(平成不況) |
✅ 経済成長の「質」や「持続可能性」も重要であることが、こうした歴史から学べます。
✅ まとめ:景気や成長は、社会全体の“体温計”
経済の調子(景気)は、私たちの暮らし・仕事・将来に直接つながっている。
そのしくみを知ることで、「ニュース」や「政策」を自分ごととして考える力が身につきます。
🧠 発展的な探究・授業活動例
活動テーマ | ねらい・内容 |
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景気と生活のつながりマップ | 景気の変動が「どんな分野にどう影響するか」をグループで可視化する |
経済ニュースを読み解くワーク | 最新の物価、株価、失業率などのデータをもとに景気の状態を分析する |
模擬財政会議シミュレーション | 公共事業、減税、支援策などの政策を選び、「財政と景気のバランス」を考える |
GDPの推移から見る日本の課題 | 高度経済成長・バブル・デフレなどの歴史をグラフで分析して発表する |
武蔵野個別指導塾
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