4-2 人権と共生社会
― すべての人が尊重される社会をつくるために ―
🔷 1. 人権とは何か?
▶ 定義:
人権とは、「すべての人が生まれながらにして持っている基本的な権利」。
憲法では「基本的人権」として、最大限に尊重されることが保障されています(日本国憲法第11条、第13条)。
✅ すべての人が「人間としての尊厳」をもって、平等に生きる権利です。
🔷 2. 日本国憲法が保障する人権の例
人権の種類 | 内容と例 |
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精神の自由 | 思想・信教・表現・学問の自由など(例:自分の意見を自由に言える) |
身体の自由 | 奴隷にならない、拷問を受けない、無実なのに逮捕されない権利など |
経済活動の自由 | 職業選択の自由、財産権、住む場所を選ぶ自由など |
社会権 | 教育・医療・労働・福祉を受ける権利(生存権、労働基本権など) |
参政権 | 選挙や国民投票を通して政治に参加する権利 |
請求権 | 裁判を受ける権利、国家賠償請求権など |
🔷 3. 差別や人権侵害の例と対策
差別の種類 | 内容と例 |
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部落差別 | 出身地域を理由にした差別。歴史的な背景から今も残る偏見 |
女性差別 | 賃金格差、進学や昇進の不平等、性別による固定的役割の押し付けなど |
外国人差別 | 国籍や文化の違いを理由にした偏見や排除 |
障害者差別 | 障害を理由に社会参加や就職、教育の機会が不平等になること |
インターネットでの人権侵害 | 誹謗中傷・個人情報の暴露・差別的な書き込みなど |
✅ 差別のない社会を目指すには、制度の整備とともに、一人ひとりの意識が大切です。
🔷 4. 多文化共生社会とは?
国籍・人種・宗教・性別などに関係なく、多様な背景を持つ人たちが尊重し合いながら生きる社会。
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外国人労働者・技能実習生・留学生の増加
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言葉や文化の違いをどう理解し、共生していくか?
✅ 多文化共生は、「違いを認めて、共に生きる力」を育てる実践です。
🔷 5. ジェンダー平等の視点
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「男らしさ」「女らしさ」ではなく、「その人らしさ」を尊重する社会へ
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法整備:男女雇用機会均等法、LGBTQ+への理解促進なども進んでいる
✅ 誰もが性別や性的指向を理由に差別されない社会が、国際的にも求められています。
🔷 6. 子どもの権利と私たち
▶ 子どもの権利条約(国連・1989年)
子どもも大人と同じように「人権の主体」であるという考えに基づく国際的な約束。
保障される4つの柱 | 内容例 |
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生きる権利 | 命を守られ、健康に生きること |
育つ権利 | 教育・遊び・情報へのアクセス |
守られる権利 | 暴力・虐待・搾取から守られること |
参加する権利 | 自分の意見を表す・社会に参加する権利 |
✅ 中学生であっても、自分の意見を持ち、社会にかかわる力と責任があると認められています。
✅ まとめ:人権は「自分のもの」であり「他人のもの」でもある
差別のない社会、すべての人が尊重される社会は、知ること・考えること・行動することから始まります。
一人ひとりが「人権の担い手」であり、「守る責任」も持つ存在です。
🧠 発展的な探究・授業活動例
活動テーマ | 内容・ねらい |
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「人権新聞」を作ってみよう | 身近な差別や権利侵害の問題を取材し、記事にして発信する |
ヘイトスピーチ・SNSいじめの裁判事例を調べる | 表現の自由と人権のバランスを考える |
模擬裁判:人権侵害はあったか? | 判例に基づいて事実関係を整理し、自分の意見を持って議論する |
自分が守りたい「身近な人権」をテーマにスピーチ | 自分の経験や気づきをもとに、人権に関する意見を表明する |
武蔵野個別指導塾
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