3-1 日本国憲法の基本原則

― なぜ「憲法」が国のルールの土台なのか?


🔷 1. 憲法とはなにか?

▶ 定義:

憲法とは、「国家のしくみ」と「国民の権利」を定める、国の最高のルールです。

  • 通常の法律より上にあり、「すべての法律は憲法に従わなければならない」

  • 政治のルール、権力の制限、人権の保障を目的とする

✅ ポイント:

憲法は「国民が国家に守らせるルール」=国民が主役の政治の道具


🔷 2. 日本国憲法の三つの基本原則

原則 内容
国民主権 国の政治の決定権は国民にある(憲法前文・第1条)
基本的人権の尊重 すべての人が生まれながらに持つ権利は、最大限に尊重される(第11条・第13条など)
平和主義 戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定める(第9条)

✅ この3つは、どれも「国家の力をしばって、国民を守る」という立憲主義の考えに基づいています。


🔷 3. 日本国憲法の成立と背景

時代背景 内容
第二次世界大戦の反省 軍国主義・言論統制・戦争による被害を二度と繰り返さないため
GHQの占領下(1946年) 連合国軍(GHQ)の指導のもと、民主的な憲法草案がまとめられた
1947年5月3日施行 現在も続く日本国憲法がスタート。主権在民・平和主義・人権尊重を基本に据える

🔷 4. 日本国憲法と法律の関係

  • 憲法は「すべての法律の上位にある」

  • 法律・条例・政令などは、すべて憲法に反してはならない(=違憲立法審査制)

✅ このしくみを**立憲主義(憲法に基づく政治)**と呼び、現代民主主義国家の基本です。


🔷 5. 国民主権の具体的なしくみ

内容 具体例
選挙による代表選出 国会議員や地方議員を国民が直接選ぶ
国民投票 憲法改正の際、最終的に国民の賛否で決定(=国民が主権者)
情報公開・請願・審査制度 政治に対して意見を出すしくみが制度として認められている

✅ まとめ:憲法は「国民を守る盾」であり、「国のかたちの設計図」

憲法は、私たちの自由や平和な暮らしを守る“最高のルール”であり、
政治家や国家が「やってよいこと」「やってはいけないこと」を明確に定めたものです。


🧠 発展学習・探究活動例

活動テーマ 内容・ねらい
憲法前文の現代語訳をつくってみよう 難しい言葉を自分たちの言葉に言い換えて、平和と民主の意味を実感する
憲法と法律のちがいを事例で調べる 「違憲判決」が出た具体例を通して、憲法の力を実感する
他国の憲法と比較してみよう アメリカ・ドイツなどの憲法と比較して、日本国憲法の特徴を探る
あなたがつくる理想の憲法前文 未来にふさわしい「国の姿」を言葉で表現する創作型ワーク
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ryomiyagawa Founder
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。
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