2-5 国の財政と税金のしくみ
―「国のお金」は、どこからきて、何に使われているのか?
🔷 1. 財政(ざいせい)とはなにか?
▶ 定義:
**財政とは、政府が「税金などの収入」をもとに、「社会のためにお金を使う活動」**のこと。
✅ ポイント:
国の収入=「税金」、
国の支出=「公共サービス(教育・医療・安全保障など)」。
個人や家庭の家計と似ているが、**「全国民のための活動」**である点が異なります。
🔷 2. 国の予算のしくみ
▶ 予算(よさん)とは:
政府が1年間にどれくらいお金を「集めて・使うか」を計画したもの。
毎年、国会の審議と承認を経て決まる。
区分 | 内容の例 |
---|---|
歳入(収入) | 主に税金(所得税・法人税・消費税など)+借金(国債) |
歳出(支出) | 教育・医療・福祉・防衛・公共事業・国債の返済など |
✅ 国の予算は「一般会計」と「特別会計」に分かれており、一般会計はもっとも基本的な国家運営のための支出です。
🔷 3. 税金の種類としくみ
▶ 税金の2つの種類(分類方法):
分類 | 税の名前・例 | 説明 |
---|---|---|
直接税 | 所得税・法人税・住民税など | 納税者が自分で税金を払う(収入に対して) |
間接税 | 消費税・酒税・たばこ税など | 商品やサービスを買うときに間接的に払う(価格に含まれる) |
✅ 所得が多い人ほどたくさん納税する「累進課税制度」をとっており、所得の再分配機能もあります。
🔷 4. 税金の役割は?
役割 | 具体例 |
---|---|
社会インフラの整備 | 道路、橋、上下水道、公共交通、治水・防災など |
教育・福祉・医療の提供 | 義務教育の無償化、年金制度、健康保険、生活保護など |
安全保障 | 自衛隊、警察、消防、裁判所の運営など |
景気の調整 | 不況時の公共事業による雇用創出、補助金・減税などの経済対策 |
所得の再分配 | 高所得者から多く税を集め、低所得層にサービスや支援を提供する |
✅ 税金は「国民みんなで出し合って、みんなの暮らしを支えるしくみ」です。
🔷 5. 国の借金と財政赤字
▶ 国債とは?
政府が「足りないお金」をまかなうために発行する「借金の証書」。
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国債を買うのは銀行・保険会社・年金機構など
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将来、税金で返済する必要がある(=将来世代への負担)
▶ なぜ問題なのか?
問題点 | 内容 |
---|---|
財政の硬直化 | 借金の返済が重くなり、他の分野に使える予算が減る |
将来世代へのツケ回し | 今の便利さを、将来の人々の負担にしていないか?という倫理的問題 |
財政の信頼低下・金利上昇のリスク | 国が返せないと思われると、金融市場が不安定になる可能性あり |
✅ ただし、財政支出が経済を回す効果もあるため、「使い方の質」も重要です。
🔷 6. 公共のために“税をどう使うか”を考えるのが政治
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予算案は内閣が作り、国会が審議して決定します(国会の「最大の権限」の1つ)
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国民は選挙で代表を選び、間接的に税金の使い道に関わっています
✅ だからこそ、「税の使い道に関心を持つこと」は主権者としてとても大事です。
✅ まとめ:税金は「取られるもの」ではなく「支え合いのしくみ」
財政とは、みんなで負担して、みんなのために使うお金のシステム。
その使い道を学び、考えることが、よりよい社会を作る第一歩です。
🧠 発展的な探究・授業活動案
活動テーマ | 内容・ねらい |
---|---|
あなたなら税金をどう使う? | 模擬予算案を作成。支出の優先順位や使い道を議論し、発表形式で実施 |
税金の使われ方を調べよう | 地元の市区町村の予算書や国の予算を簡単に分析してみる |
公共サービスと税金の関係を探る | 実際に使っているサービス(学校・図書館・病院など)と税金のつながりを調査 |
国債と将来の負担について討論 | 借金をしてまで支出すべきか?財政の持続可能性について中学生なりに議論してみる |
武蔵野個別指導塾
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