2-3 市場のしくみと価格の決まり方
― ものの値段は誰が決めているの?そのしくみを見てみよう ―
🔷 1. 市場(しじょう)とは?
▶ 定義:
**市場(market)**とは、「商品やサービスを売る人(供給者)」と「買う人(需要者)」が出会って、価格と取引が決まる場のことです。
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実際のスーパーや商店街などの「物理的な場所」だけでなく、
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ネット通販や株式市場など「見えない場」も含みます。
✅ ポイント:
市場は、モノとお金の交換が起こる場所であり、経済の心臓ともいえる存在です。
🔷 2. 価格はどうやって決まるの?
▶ キーワードは「需要」と「供給」
用語 | 意味 | 例 |
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需要(じゅよう) | 商品を「買いたい」という人の数や量 | 暑い夏にアイスが売れる(需要が増える) |
供給(きょうきゅう) | 商品を「売りたい」という人の数や量 | トマトが豊作でたくさん出回る(供給が増える) |
▶ 価格の決まり方=需要と供給のバランス
状況 | 起こること | 理由 |
---|---|---|
需要が供給を上回る(品薄) | 価格が上がる(値上げ) | 欲しい人が多い→高くても買う人がいるから |
供給が需要を上回る(余る) | 価格が下がる(値下げ) | 売れ残ると困る→安くしてでも売りたいから |
📌 これを 「市場メカニズム(価格の自動調整機能)」 と呼びます。
🔷 3. グラフで見る「価格の決まり方」
市場では、**需要曲線(右下がり)と供給曲線(右上がり)**が交わるところ=均衡価格で取引が成立します。
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需要曲線:価格が高いと買う人が減る(右下がり)
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供給曲線:価格が高いと売りたい人が増える(右上がり)
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交点:ちょうど需要と供給が一致する価格・数量(バランスの取れた点)
✅ この仕組みが自然と働くことで、世の中の価格は「だれかが命令しなくても」整っていきます。
🔷 4. 市場の役割
役割 | 内容 |
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資源の適切な配分 | モノが必要なところへ行きわたるように、価格で調整される |
情報の提供 | 値段を見れば「人気がある/供給が少ない」といった情報も読み取れる |
意思決定の手がかり | 生産者も消費者も価格を見て「作る/買うか」を判断する材料になる |
🔷 5. 市場がうまくいかない場合(市場の失敗)
市場には便利な面だけでなく、**うまく機能しない場面(市場の失敗)**もあります。
問題 | 内容と例 |
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独占 | 特定の企業だけが商品を売ると、自由な価格競争がなくなり、価格が高止まりする |
公害 | 環境破壊など、コストを社会に押し付けて安く売られるケース(例:工場の排水) |
情報の非対称性 | 消費者が十分な情報を持たないことで、不利な契約やトラブルが起きやすくなる(例:中古車、ネット通販など) |
✅ こうした場面では、**法律や政府の介入(規制・税金・補助金など)**が必要になります。
🔷 6. 最近の話題との関連(探究・発展)
トピック | 関連する市場のテーマ |
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物価高・インフレ | 需要>供給 → 価格が上がる。円安や原材料費の上昇も関係。 |
ネット通販と価格競争 | Amazonや楽天などの価格比較が市場の透明性を高めている |
再エネ・電力自由化 | 電力も市場で売買されるように。供給の不安定さが価格に影響する場合も |
AI・デジタル市場 | データや情報そのものも「売り買い」される時代に |
✅ まとめ:価格は“社会の鏡”
値段は「誰かが決める」のではなく、「需要と供給の関係で自然に決まる」という仕組みを理解すると、
買い物も、ニュースも、社会の流れも、より深く読み取れるようになります。
🧠 発展的な探究・授業活動例
活動例 | 狙い |
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スーパーの価格変動を記録・分析 | 実際の需要と供給による価格変化を体感する |
模擬市場ワーク | 商品を自由に売買しながら「価格の決まり方」をシミュレーション |
コンビニの商品比較 | コンビニ・スーパー・ネットでの価格差と理由を考える |
市場が崩れたケース研究 | 原油・マスク・チップ不足など、現実の経済問題から市場の課題を探る |
武蔵野個別指導塾
学校名 | 武蔵野個別指導塾 武蔵境校 |
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TEL・FAX | TEL:0422-27-7828 FAX:0422-27-7829 |