2-2 企業の働きと労働の仕組み
―「働くこと」は社会とどうつながっているのか?
🔷 1. 企業とはなにか?
▶ 企業の定義:
企業とは、「商品やサービスを生産・提供して、利益を得ることを目的とする組織」のこと。
▶ 企業の種類:
種類 | 例 | 特徴 |
---|---|---|
私企業 | トヨタ、ユニクロ、ソフトバンクなど | 利益追求が目的。個人や会社が設立・運営する |
公企業 | JR、NHK、水道・電気などの一部 | 国や地方公共団体が運営。公共の利益のために活動 |
協同組合 | JA、生協、信用金庫など | 利用者が出資・運営し、利益を構成員に還元する |
✅ ポイント:
企業は経済を支えるエンジンであり、同時に人々の働く場所・生活の場でもあります。
🔷 2. 企業のはたらき(経済的機能)
▶ 企業が果たす3つの基本的役割:
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生産活動:商品やサービスをつくる
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雇用の創出:人々に働く場(仕事)を提供する
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所得の分配:働いた人に給料を払い、利益を株主などに分ける
▶ その他の社会的役割(CSR):
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環境保護への配慮(プラスチック削減、CO₂排出抑制など)
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地域貢献(イベント開催、寄付、雇用促進)
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労働者の安全や福利厚生の整備(育児休暇、健康管理など)
🔷 3. 働く人のしくみ=「労働」とは?
▶ 労働とは?
労働とは、「人が能力を使って働き、報酬(賃金)を得る活動」のこと。
▶ 労働の種類:
種類 | 内容 | 例 |
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正規雇用 | 長期的に働く契約で、安定した収入がある | 正社員、公務員など |
非正規雇用 | 契約期間が短く、条件が限定されることも多い | パート、アルバイト、派遣社員など |
✅ 最近は、正規・非正規の格差や、若者の不安定就労が社会問題になっています。
🔷 4. 雇用(働くこと)のしくみ
▶ 労働者と企業の関係
観点 | 内容 |
---|---|
労働契約 | 働く人と企業が「仕事の内容・時間・賃金」などについて結ぶ約束事 |
賃金 | 労働の対価として支払われる。最低賃金法によって下限が決められている |
労働時間 | 労働基準法で1日8時間・週40時間などの基準が定められている |
福利厚生 | 休暇、保険、育休など、労働者の生活を支える仕組み |
🔷 5. 労働者を守る法律と制度
制度名 | 内容 |
---|---|
労働基準法 | 労働条件の最低限のルールを定める(賃金・休憩・休日など) |
最低賃金法 | 地域ごとに賃金の最低額を定め、極端に安い賃金での労働を防ぐ |
雇用保険・労災保険 | 失業時やケガ・病気などの際に、労働者の生活を支える公的保険制度 |
労働組合 | 労働条件の改善などのために、労働者が団結して企業と交渉する権利(団体交渉権) |
✅ 労働者はただの「働く人」ではなく、権利をもった社会の担い手です。
🔷 6. 現代の労働をめぐる課題
課題名 | 内容 |
---|---|
ブラック企業 | 長時間労働・残業代未払い・パワハラなどの違法な職場環境 |
ワークライフバランス | 仕事と生活のバランスが取れず、心や身体を壊すケースが増えている |
働き方の多様化 | フリーランス・テレワーク・副業など、新しい働き方への法制度の整備が追いつかない |
ジェンダー格差 | 女性の管理職が少ない/育児と仕事の両立が困難 |
✅ まとめ:「働く」は、経済と人生の接点
働くことは、お金を得る手段であると同時に、自分の能力を発揮し、社会に参加することでもあります。
企業が果たす役割、労働のルールと権利を理解することは、
「どんな働き方を選び、どんな社会を作っていくか」を考えるための第一歩です。
🧠 発展的な探究・ワークの例
活動テーマ | 狙い・内容 |
---|---|
働く人インタビュー | 家族や地域の働く大人に話を聞き、働く意味や苦労を考える |
ブラック企業を見分けるワーク | 法的基準をもとに「働きすぎ」や「不当労働」などを見抜く力を育てる |
企業の社会的責任(CSR)調査 | 企業が環境・地域・労働環境のためにどんな活動をしているかを調べて発表 |
「将来なりたい職業と社会貢献」作文 | 自分の夢が、どんな形で社会につながるかを考える探究型学習 |
武蔵野個別指導塾
学校名 | 武蔵野個別指導塾 武蔵境校 |
所在地 | 〒180-0022 東京都武蔵野市境2-2-3 渡辺ビル4F |
TEL・FAX | TEL:0422-27-7828 FAX:0422-27-7829 |