3-8 外交と国際社会のしくみ
1．外交とは何か？
外交とは、
国家が他国や国際機関と関係を築き、国際社会での平和・安全・繁栄を目指す活動
のことです。
これは国家の主権に基づく行為で、外交は内政と並ぶ重要な政策分野です。憲法第73条で内閣が外交の実施機関とされ、条約の締結や国際協定の作成、外国との交渉などを担当します。
2．日本外交の基本方針と憲法の理念
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平和主義（憲法第9条）：戦争放棄・戦力不保持を明記。武力によらない平和的外交を基本とする。
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国際協調主義（憲法前文、第98条）：国際法を尊重し、国際社会との協力を重視。
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人間の安全保障：人権・環境・教育・ジェンダー平等などを国際援助や外交の目的に含める。
3．外交の目的と手段
| 目的 | 内容・手段 |
|---|---|
| 国家の安全保障 | 日米安全保障条約、PKO活動、地域の安定化支援 |
| 経済の発展 | 経済連携協定（EPA/TPP）、資源外交、貿易の促進 |
| 人権・環境 | 気候変動への対応（パリ協定）、SDGs推進、開発援助 |
| 文化発信 | クールジャパン政策、留学生交流、国際文化イベントの開催 |
4．国際機関と日本のかかわり
◆ 国際連合（UN）
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1945年に設立。日本は1956年に加盟。
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安全保障理事会：常任理事国（米・英・仏・中・露）＋非常任10か国
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日本は非常任理事国として平和維持活動に多数参加。
◆ その他の主要機関
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UNESCO：教育・文化の国際協力
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WHO：感染症対策、医療支援
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UNICEF：子どもの人権と保護
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WTO：貿易の自由化・ルール整備
5．現代の国際社会の課題
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軍事的緊張：ウクライナ情勢、北朝鮮のミサイル開発など
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地球温暖化と環境破壊：再生可能エネルギー、脱炭素政策の国際協力
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難民・貧困・感染症：国境を越える人道的支援とグローバル連帯
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国際格差とSDGs未達成：開発資金・人材支援の必要性
【まとめ】
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外交は国の独立と国民の安全・繁栄を守る重要な手段。
-
日本は憲法の平和主義と国際協調主義に基づき、国際連合をはじめとした多国間協力を重視している。
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グローバル課題への対応には、国際機関との連携だけでなく、市民の理解・参加も必要。
【要点整理】
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 外交 | 国家が国際社会で関係を築き、平和と利益を追求する行為 |
| 国際連合（UN） | 国際平和・人権・開発を目的とした国際機関 |
| 安全保障理事会 | 国連の中核機関。常任5か国と非常任10か国から構成 |
| ODA | 開発途上国に対する日本の政府開発援助 |
| SDGs | 2030年までの国際的な持続可能な開発目標（17分野） |
6．具体的な国際会議の事例と日本の関与
◆ G7（先進7か国首脳会議）
- 構成国：日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、＋EU
- 目的：
- 経済成長、貿易、外交、安全保障、地球環境など幅広い議題を討議
- 「自由・民主主義・法の支配」など価値観を共有する国家間の連携
- 日本の役割：
- 1979年に初めてサミットを主催、以降も議長国を複数回務める
- 国際課題におけるアジアの代表的な先進国として調整役を果たす
◆ G20（主要20か国・地域首脳会議）
- 構成国：G7＋BRICS（ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ）など
- 目的：
- 世界の金融・経済安定に関する協調
- 気候変動、税制、公平な開発支援なども議題に
- 日本の役割：
- 2019年に大阪でG20サミットを開催し、デジタル経済、環境、自由貿易などで主導
◆ COP（気候変動枠組条約締約国会議）
- 目的：地球温暖化対策に関する国際的な合意形成（パリ協定など）
- 日本の関与：
- 温室効果ガスの排出削減目標を表明
- 再生可能エネルギー政策・省エネ技術の普及を国際的に推進
◆ ASEAN＋3（東南アジア諸国連合＋日中韓）
- 目的：地域の平和・経済統合・感染症対策などにおける協力
- 日本の役割：
- 東南アジアへのODAや経済支援を通じ、信頼とパートナーシップを強化
- 教育・文化交流、人材育成支援も含む
◆ その他の国際会議と日本
| 会議名 | 内容と日本の関与 |
|---|---|
| 国連総会 | 各国首脳が演説し国際課題を議論。日本も毎年代表演説を行う |
| APEC | アジア太平洋地域の経済協力会議。自由貿易と技術協力を推進 |
| TICAD | アフリカ開発会議。日本主導でODAや医療支援、教育支援を展開 |
【まとめ（追加）】
- 日本は経済・技術・平和主義の価値を活かし、国際会議に積極的に関与
- 多国間会議を通じて、外交的信頼と国際協力の拡大を図っている
- 世界的課題の解決には、国単独ではなく「グローバル・ガバナンス」が鍵となる
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