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【物理】電子と光の粒子性を図解で総まとめ—電気素量・光電効果・光量子仮説・コンプトン効果|武蔵野個別指導塾

【物理】電子と光の粒子性を図解で総まとめ—電気素量・光電効果・光量子仮説・コンプトン効果のアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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光を強くしても電子が飛び出さない理由を、仕事関数と光子のエネルギーから考えます。比電荷・阻止電圧・X線の最短波長の例題と3枚の図で、実験結果を式に結びつける練習ができます。

よくあるのは、校庭のベンチで光電効果の問題を読み、「光を強くしているのに、どうして電子が飛び出さないのだろう」と手が止まる場面です。日差しが強ければ受け取るエネルギーも大きいはずですから、弱い光で起きなかったことが強い光なら起きると考えたくなります。その感覚と、問題文にある「振動数が小さいと放出されない」という結果を、どうつなぐかがこの単元の入り口です。

鍵になるのは、光全体のエネルギーと、光が電子に渡す1個分のエネルギーを分けることです。その前に電子の電荷と質量がどのように調べられたかを押さえると、登場する記号にも意味がつきます。電場と磁場で電子を調べる実験から始め、光電効果、光の粒子としての性質、X線の発生へと進みましょう。式を選ぶときには、毎回「何がエネルギーを受け取り、何に使ったか」を言葉にします。

この単元で身につけること

前の単元で学んだ電場の仕事、磁場中の円運動、波の速さと波長の関係が、この単元の計算の土台になります。新しい式だけを覚えるのでなく、既に知っている保存則に光子を加えると考えると、実験ごとの違いを追いやすくなります。

基本の考え方

電子の電荷と質量をどう調べたか

電子は負の電荷をもつ粒子です。電気素量eは電子1個の電荷の大きさを表す正の量で、電子の電荷そのものは−eです。比電荷は電荷の大きさを質量で割った量であり、電子ではe/mと書きます。単位はC/kgです。負の電荷であるという情報は力の向きを考える際に使い、比電荷の計算では大きさを扱います。

トムソンは、放電管の陰極から出る陰極線を電場や磁場で曲げ、その担い手が負の電荷をもつ粒子であることや、その比電荷を調べました。高校物理では、まず互いに直交する電場と磁場を用いて、電子が曲がらずに進む条件を考えると整理できます。電子の速度は両方の場に垂直で、電気力と磁気力が反対向きになるように配置します。

電場の大きさをE、磁束密度をB、電子の速さをvとすると、電気力の大きさはeE、磁気力の大きさはevBです。曲がらないときはeE=evBなので、両辺のeを消すとv=E/Bです。電荷や質量をまだ知らなくても、選ばれた電子の速さが求められるのが大事な点です。

次に電場をなくし、速度に垂直な磁場だけの領域へ電子を進ませます。磁気力は速度に垂直なので仕事をせず、速さを変えずに進む向きを変えます。半径rの円運動について、向心力の式はmv²/r=evBです。これを整理するとe/m=v/(Br)となり、先ほどの速さを使えばe/m=E/(B²r)です。この方法で測れるのは比であり、電気素量だけではありません。

ミリカンの油滴実験では、電荷を帯びた小さな油滴に電場をかけ、重力などとのつり合いや運動を調べます。浮力を無視できる簡単なモデルでは、油滴の質量をM、電荷の大きさをqとして、静止条件はqE=Mgです。油滴の電荷が負なら電場を下向きにするなど、電気力が上向きになる配置を選びます。ここに出るMは油滴全体の質量で、電子の質量mとは別物です。

実際の測定では、油滴の大きさや質量を調べる際に空気の粘性による抵抗を考慮し、必要に応じて浮力も補正します。いくつもの油滴や同じ油滴の電荷の変化を調べると、電荷の大きさは共通の最小単位eの整数倍として整理できます。この結果が電気素量の測定につながります。得られたeをトムソンの実験から得たe/mで割れば、電子の質量mが求められます。

以下の計算では教科書で用いる近似値として、e=1.60×10⁻¹⁹ C、プランク定数h=6.63×10⁻³⁴ J s、真空中の光速c=3.00×10⁸ m/s、電子の質量m=9.11×10⁻³¹ kgを使い、数値の答えは有効数字3桁にそろえます。途中の計算値はすぐに丸めず、最後にまとめて丸めます。

光子が電子へ渡すエネルギー

光電効果は、物質に光を当てると電子が外へ飛び出す現象です。このとき出てくる電子を光電子といいます。金属表面の光電効果を調べると、金属ごとに決まる限界振動数ν₀より低い振動数の光では、強くしても光電子が出ません。また、放出される光電子の最大運動エネルギーは光の振動数に依存し、振動数を固定したまま光を強くしても増えません。

これを説明するのが、光はエネルギーのまとまりとして吸収・放出されるという光量子仮説です。そのまとまりを光子と呼び、振動数νの光子1個のエネルギーはhνです。νはギリシャ文字のニューで、速さのvとは別の記号です。波の関係c=λνを用いると、真空中の波長λに対して光子のエネルギーはhc/λとも書けます。短い波長の光ほど、光子1個のエネルギーが大きくなります。

金属から電子を取り出すために必要な最小のエネルギーを仕事関数Wといいます。電子が1個の光子を吸収したとき、そのエネルギーの一部を脱出に使い、残りを運動エネルギーとしてもって外へ出ます。内部で余分なエネルギーを失わずに出た電子について保存則を書くと、hν=W+Kmaxです。したがって光電効果の式はKmax=hν−Wとなります。

図1のように、受け取った光子のエネルギーを脱出のための部分と残りに分けて描くと、引き算の意味が見えます。図の横幅はエネルギーに比例し、後の例題2で使う値に対応しています。すべての光電子が同じ運動エネルギーになるわけではありません。金属の内部でエネルギーを失う電子もあるため、式が示すのは最大値です。

図1 光子のエネルギーを仕事関数と運動エネルギーに分ける

放出が始まる境目ではKmax=0なので、hν₀=W、すなわちν₀=W/hです。対応する限界波長はλ₀=hc/Wです。νがν₀以上、またはλがλ₀以下で放出が可能になります。境目より振動数が小さい場合は光電子が出ないのであって、負の運動エネルギーをもつ光電子が出るのではありません。

光の強さは、単位面積に単位時間に届くエネルギーとして考えます。同じ振動数なら1個分のhνが一定なので、光を強くすることは同じ場所に同じ時間に届く光子を増やすことです。限界振動数を超えていれば、通常は放出される光電子の数が増えます。ただし振動数も変えるなら、同じ光の強さでも光子の数は同じとは限りません。高校で扱う通常の光電効果は、電子1個が光子1個を吸収する過程として考えます。

光子の運動量とX線の発生

光は干渉や回折では波としての性質を示し、エネルギーをやり取りする場面では粒子としての性質を示します。粒子性がわかったからといって波の性質が否定されるわけではありません。どの実験結果を説明するのかに応じて、必要な性質を使います。光子には静止質量がありませんが、運動量はあり、その大きさはp=h/λ=hν/cです。光子に電子用の式p=mvをそのまま当てはめないようにします。

コンプトン効果は、X線などが電子に散乱されると、散乱光に入射光より長い波長の成分が現れる現象です。ほぼ自由とみなせる静止した電子に光子が衝突すると、光子は電子にエネルギーと運動量を渡し、電子は反跳します。散乱後の光子のエネルギーが小さくなるため、hc/λの関係から波長は長くなります。光子にも運動量を認め、全体でエネルギーと運動量が保存されると考えることが説明の筋です。

この現象で変わるのは、真空中を進む光の速さではありません。散乱の前後で光子の振動数と波長が変わります。散乱方向の変化もあるため、運動量の保存は向きまで含めて考えます。数値計算のために角度と波長変化の詳しい式を暗記する前に、「電子が受け取ったエネルギーの分だけ、光子のエネルギーが減る」という関係を押さえましょう。

X線は波長の短い電磁波です。X線管では、陰極から出た電子を高電圧で加速し、陽極の金属に衝突させます。電子が急に減速するときに放射されるX線は制動X線と呼ばれ、光子へ渡すエネルギーに幅があるため、連続した波長分布を示します。加速電圧をV、加速前の運動エネルギーを無視できるとすれば、電子が得る運動エネルギーはeVです。

このエネルギーがすべて1個のX線光子に渡る場合が光子のエネルギーの最大値です。hc/λmin=eVを解くと、最短波長はλmin=hc/(eV)となります。これは発生するX線すべての波長ではなく、連続X線の短波長側の限界です。電子のエネルギーの一部だけが光子に渡れば、それより長い波長になります。

さらに、金属原子の内側にある電子がはじき出され、外側の電子が空いたところへ移ると、原子内のエネルギーの差に対応するX線が出ます。これは特性X線と呼ばれ、十分な加速電圧のもとで連続X線に重なって現れます。特性X線の波長は陽極の元素に固有です。最短波長は加速電圧で決まり、特性X線の位置は元素で決まるという違いを区別します。X線を発生させる装置の実験は、管理された設備と手順を必要とするため、家庭では式と図で確かめます。

例題で解き方を確かめる

例題1 曲がらない条件から電子の比電荷を求める

電子が互いに直交する電場と磁場の中を直進しています。電場は3.52×10⁴ V/m、磁束密度は2.00×10⁻³ Tです。電気力と磁気力は逆向きで、電子の速度は両方の場に垂直です。続いて同じ大きさの磁場だけをかけると、電子は半径5.00×10⁻² mの円運動をしました。電子の速さと比電荷を求めます。

  1. 最初の領域で力のつり合いを書きます。直進しているのでeE=evBであり、v=E/Bです。電荷の値を代入する前に消去すると、まだ測定していない量を使わずに速さを求められます。
  2. 数値を代入し、v=3.52×10⁴/(2.00×10⁻³)=1.76×10⁷ m/sを得ます。V/mは電場の単位であり、力を電荷で割ったN/Cと同じ意味です。
  3. 磁場だけの領域で、磁気力が向心力になる式mv²/r=evBを使います。e/m=v/(Br)に代入すると、1.76×10⁷/{(2.00×10⁻³)×(5.00×10⁻²)}=1.76×10¹¹ C/kgです。円の半径は磁場中の曲がり方を表す測定値なので、この段階で使います。

答え:速さは1.76×10⁷ m/s、比電荷は1.76×10¹¹ C/kgです。

この比電荷と油滴実験で得た電気素量から質量を求めると、およそ9.09×10⁻³¹ kgです。先に示した9.11×10⁻³¹ kgとの差は、例題の測定値を丸めていることによります。実験の数字を使った結果と定数の丸めた値が、最後の桁まで一致するとは限りません。

例題2 最大運動エネルギーと阻止電圧を求める

仕事関数が2.00 eVの金属に、振動数8.00×10¹⁴ Hzの光を当てます。光電子の最大運動エネルギーをJとeVで求め、阻止電圧も求めましょう。eVは電子ボルトというエネルギーの単位で、電子1個を1 Vの電位差で加速したときに得るエネルギーです。したがって1 eV=1.60×10⁻¹⁹ Jです。

  1. エネルギーの単位をJにそろえます。仕事関数はW=2.00×1.60×10⁻¹⁹=3.20×10⁻¹⁹ Jです。eVとJのまま引き算すると異なる単位の数値を混ぜることになるため、先に換算します。
  2. 光子1個のエネルギーを計算します。hν=6.63×10⁻³⁴×8.00×10¹⁴=5.304×10⁻¹⁹ Jです。ここでは途中の値を保持し、Wより大きいことを確かめてから引き算します。
  3. Kmax=hν−W=2.104×10⁻¹⁹ Jとなり、有効数字3桁では2.10×10⁻¹⁹ Jです。これを1 eVに相当するエネルギーで割ると、1.315 eVなので1.32 eVです。図1のエネルギー配分は、丸め前の値で作っています。
  4. 光電子を押し戻す向きの電圧をかけ、最も速い電子まで集電極に届かなくなるときの電圧の大きさを阻止電圧V₀といいます。電気力に逆らうために必要なエネルギーeV₀がKmaxに等しいので、V₀=Kmax/e=1.32 Vです。阻止電圧はここでは正の大きさで答えます。

答え:最大運動エネルギーは2.10×10⁻¹⁹ J=1.32 eV、阻止電圧は1.32 Vです。

「1.32 eV」と「1.32 V」は数値がそろっていますが、前者は電子のエネルギー、後者は装置にかける電位差です。単位が違うことを、等式eV₀=Kmaxと一緒に確認してください。集電極を光の当たる電極に対して負にして、負電荷の電子を押し戻す場面を考えると電圧の役割が見えます。

例題3 グラフと限界波長を読み取る

例題2と同じ金属について、振動数を変えて最大運動エネルギーを測定します。限界振動数と限界波長を求め、波長6.50×10⁻⁷ mの光で光電子が放出されるかを判定しましょう。図2の横軸は振動数を10¹⁴ Hz単位で表し、縦軸は最大運動エネルギーをeVで表しています。

図2 振動数と最大運動エネルギーの直線および限界振動数
  1. 境目ではKmax=0です。W=hν₀からν₀=3.20×10⁻¹⁹/(6.63×10⁻³⁴)=4.83×10¹⁴ Hzとなります。図2のように、放出を表す直線は横軸との交点から右側に描かれます。
  2. 限界波長をλ₀=c/ν₀=hc/Wで求めます。丸め前の値を用いるとλ₀=6.215625×10⁻⁷ mであり、答えは6.22×10⁻⁷ mです。振動数を波長へ変えると大小関係が逆になるので、ここで条件も言い直します。
  3. 与えられた波長6.50×10⁻⁷ mは限界波長より長いため、光子1個のエネルギーが仕事関数に足りません。光を強くしても、この通常の光電効果では光電子は放出されません。

答え:限界振動数は4.83×10¹⁴ Hz、限界波長は6.22×10⁻⁷ mで、指定の光では放出されません。

KmaxをJ、νをHzで描いたグラフなら、式Kmax=hν−Wから傾きはhです。ただし図2は軸の単位を換えているので、図の目盛りの数字どうしで計算した傾きが、そのままJ s単位のhになるわけではありません。また、直線を左に延長したときの縦軸切片は−Wに対応しますが、負の部分は実際の光電子の運動エネルギーを表しません。

例題4 X線の最短波長を求める

初めの運動エネルギーを無視できる電子を、加速電圧2.50×10⁴ Vで加速して金属に当てます。発生する連続X線の最短波長を求めましょう。最短という言葉を、光子の最大エネルギーへ読み替えるのが最初の判断です。

  1. 電場が電子にする仕事を求めます。eV=1.60×10⁻¹⁹×2.50×10⁴=4.00×10⁻¹⁵ Jです。ここでVは加速電圧の大きさであり、電子の電荷が負だから得るエネルギーも負になるわけではありません。
  2. 電子の運動エネルギーが1個の光子へすべて渡る上限を考え、hc/λmin=eVと置きます。波長を短くするほど光子のエネルギーは大きくなるため、この上限が最短波長を決めます。
  3. λmin=(6.63×10⁻³⁴×3.00×10⁸)/(4.00×10⁻¹⁵)=4.97×10⁻¹¹ mです。1 nm=10⁻⁹ mなので、nmでは4.97×10⁻² nmとなります。

答え:連続X線の最短波長は4.97×10⁻¹¹ m=4.97×10⁻² nmです。

この計算に陽極の仕事関数を引く操作はありません。光電効果では光子が金属から電子を取り出すためのエネルギーを供給しましたが、ここでは加速された電子が光子を作ります。同じhやeを使っていても、エネルギーを渡す向きが違うため、保存則に登場する項も変わります。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 光を強くすれば、必ず光電子の速さも増す

誤った書き方は「光の強さを2倍にすると、最大運動エネルギーも2倍になる」です。どこが違うかというと、光全体が運ぶエネルギーと、電子1個が光子1個から受け取るエネルギーを混同しています。振動数が一定ならhνは変わらず、同じ金属のWも変わりません。

正しい書き方は「振動数を固定して強さを2倍にすると、同じ面積・同じ時間に入射する光子の数が2倍になり、Kmaxと阻止電圧は変わらない」です。光電子が放出される条件を満たし、放出・収集の条件も同じなら、すべての光電子を集めた飽和電流は光の強さに比例します。任意の電圧で流れる光電流を、条件を確かめずに飽和電流と呼ばないようにします。

誤り2 eVは電圧の単位で、負の計算結果も答えにする

誤った書き方は「仕事関数は2.00 Vで、hν−Wが負なら運動エネルギーは負になる」です。前半はエネルギーの単位eVと電圧の単位Vの混同、後半は電子が出る条件を確かめていないことが誤りです。式に代入できることと、その結果が実際の状態を表すことは別です。

正しい書き方は「仕事関数は2.00 eVというエネルギーであり、hνがWに満たなければ放出されない」です。Jで計算するならWもJにそろえ、まず大小を比べます。また、比電荷のe/mも、電気素量eそのものではありません。記号に慣れないうちは、式の横にC、C/kg、J、Vを書き添えると、異なる量を等しいと置く誤りを見つけやすくなります。

誤り3 散乱後の光は、遅くなったから波長が変わる

誤った書き方は「コンプトン効果では光子が電子にぶつかって遅くなる」です。どこが違うかというと、光子のエネルギーの減少を、物体の速さが落ちる場合と同じ式で解釈しています。真空中の光速cは変わりません。減るのはhνであり、それに伴って振動数が小さくなり、波長が長くなります。

図3のように、入射光子の進行方向に対して、散乱光子と反跳電子は別々の方向へ進みます。矢印は進行方向を示す模式図で、長さは速さやエネルギーの尺度ではありません。電子の反跳を無視すると、光子が失ったエネルギーと運動量の行き先がなくなってしまいます。

図3 コンプトン効果で光子が散乱され電子が反跳する向き

正しい書き方は「光子が電子へエネルギーと運動量を渡し、散乱光子は波長が長くなって進む」です。図3では散乱角を60°にして進む向きの変化を示しています。コンプトン効果は、光子が吸収されて電子が金属から出る光電効果とは区別します。前者では散乱した光子が存在し、後者では電子が吸収した光子のエネルギーを脱出と運動に使います。

練習問題

練習1

油滴の電荷の大きさとして3.20×10⁻¹⁹ C、4.80×10⁻¹⁹ C、8.00×10⁻¹⁹ Cが得られました。それぞれが電気素量の何倍か求めてください。また、比電荷が1.76×10¹¹ C/kgのとき、電気素量から電子の質量を求めてください。電荷が整数倍であることと、質量を求める操作を分けて書きます。

練習2

仕事関数2.00 eVの金属に、波長4.00×10⁻⁷ mの光を当てます。光子1個のエネルギーと、光電子の最大運動エネルギーをeVで求め、阻止電圧も求めてください。真空中の波長とし、最初に放出条件を満たすかを確かめます。

練習3

練習2の光の振動数を変えず、光の強さを3倍にしました。入射面積は同じで、光電子の放出割合は一定、放出された光電子はすべて集電極へ届くとします。1秒間に入射する光子数、飽和電流、最大運動エネルギー、阻止電圧は、それぞれ何倍になりますか。各量が「個数」と「1個分のエネルギー」のどちらに結びつくかを説明してください。

練習4

X線管の加速電圧を5.00×10⁴ Vとしたときの連続X線の最短波長を求めてください。また、そのX線光子が静止した電子へエネルギーを渡して散乱された場合、散乱光子の波長は入射前と比べてどうなるかを答えてください。X線を作る過程と、そのX線が散乱する過程を別々に考えます。

答えと解説

練習1の答えは、順に2倍、3倍、5倍で、電子の質量は9.09×10⁻³¹ kgです。それぞれの電荷を1.60×10⁻¹⁹ Cで割ります。質量はm=e/(e/m)から求めます。今回の3つの値だけで実験上の最小単位を確定するのではなく、多数の測定で共通単位を確かめるのが油滴実験の考え方です。

練習2の答えは、光子のエネルギーが3.11 eV、最大運動エネルギーが1.11 eV、阻止電圧が1.11 Vです。hc/λ=4.9725×10⁻¹⁹ JをeVに換算すると、丸め前は3.1078125 eVです。2.00 eVより大きいので放出があり、差の1.1078125 eVを最後に丸めます。最初のエネルギーを丸めてから引く習慣を避けると、境目に近い問題でも精度を保てます。

練習3の答えは、光子数が3倍、飽和電流が3倍、最大運動エネルギーと阻止電圧がいずれも1倍です。振動数が同じなのでhνは一定です。電子1個の電荷も一定なので、単位時間に集まる電子が3倍になれば電流も3倍です。図2の直線上の位置を決める横軸は振動数であり、光の強さではありません。

練習4の答えは、最短波長が2.49×10⁻¹¹ mで、散乱後の光子の波長は長くなります。λmin=hc/(eV)を使います。例題4に比べて加速電圧が2倍なので、丸め前の最短波長は半分です。一方、散乱後については、電子へ渡した分だけ光子のエネルギーが減るので、hc/λの関係から波長が増えます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

次に学ぶ物質波では、電子にも波としての性質があることを扱います。また、原子内のエネルギーの違いと吸収・放出される光の振動数を結ぶときにも、光子のエネルギーhνを使います。特性X線で触れた「電子の状態の変化が決まったエネルギーの光につながる」という見方が、その準備になります。

家庭では、まず5分で紙に「光の強さ」「振動数」「光子数」「最大運動エネルギー」の4語を書き、振動数を固定したときにどの量が変わるかを矢印で結んでみてください。次の5分では、図2を見ずに横軸と縦軸の名前、限界振動数の位置、直線の始まる場所を描きます。限界より左側に負の運動エネルギーを描いていないかまで確かめます。

個別指導で考えが止まった箇所を確認するときは、式の暗記量だけでなく、電場の仕事qVや波の関係c=λνまで戻って意味をたどります。お子さまの学習を見守る際も、数値の正解だけでなく「この引き算で何を差し引いたのか」という説明に耳を傾けると、理解できた範囲を確かめられます。

まとめ

校庭のベンチで感じた「強い光なら電子が出そうだ」という疑問は、受け取るエネルギーを1個分で考える出発点になります。問題文にある光の強さ、振動数、加速電圧を、それぞれどの過程を変える条件なのかに結びつければ、似た記号が並ぶ式も選び分けられます。解答を見直すときは、計算した値の横に、エネルギーの渡し手と受け手を短く書き添えてみてください。

光電効果の理解が表れるのは、明るさを増しても越えられない境目を、光子1個のエネルギーで説明できる一文です。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

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