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【物理】身近な物理を図解で総まとめ—交通 家電 スポーツ 天体に見る物理法則|武蔵野個別指導塾

【物理】身近な物理を図解で総まとめ—交通 家電 スポーツ 天体に見る物理法則のアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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自動車の制動、電子レンジとIH、ボールの軌道、衛星とGPSを物理法則で結びます。速度と時間のグラフや放物線の図、4つの例題を通して、現実の現象を式にする条件を確かめましょう。

よくあるのは、合唱コンクールの練習の合間の音楽室で、友人と帰り道の車の話をしていて、「速さが2倍なら、止まるまでの距離も2倍ではないか」と考え、運動エネルギーの式には速さの2乗があったことを思い出して迷う場面です。式を覚えていても、車が走る場面のどの部分に当てはめるのかが決まらなければ、説明は途中で止まってしまいます。

日常の現象には、複数の物理法則が同時に関わっています。車はブレーキを踏む前にも進みますし、食品が温まる仕組みと温まる速さは別々に考える必要があります。まず対象と時間の区間を決め、無視する影響を明らかにすると、教科書の式が現象を整理する道具になります。

交通、家電、スポーツ、天体を順に見ながら、「何が原因で、何が変化し、どの条件なら計算できるか」を確かめていきましょう。身近な物をすべて細かく再現する必要はありません。説明できる範囲と、まだ考慮していない影響を区別することが出発点です。

この単元で身につけること

物理基礎で学んだ等加速度直線運動、仕事とエネルギー、電力が土台です。そこに発展科目の物理で扱う電磁誘導、平面内の運動、万有引力をつなぎます。分野名が違っても、物体に加わる力やエネルギーの移り方を明らかにする手順は共通しています。

基本の考え方

車が止まるまでを2つの区間に分ける

危険に気づいてからブレーキが効き始めるまでに進む距離を空走距離、ブレーキが効き始めてから止まるまでに進む距離を制動距離と呼びます。その合計が停止距離です。空走中の速さを一定のv₀、空走時間をτとすれば、空走距離はv₀τです。ここでは、危険に気づいた時点を時間の原点にします。

制動中には、車の進行方向を正とし、加速度を−aと置きます。aは減速度の大きさを表す正の数です。加速度が一定なら、制動開始からt秒後の速度はv=v₀−atです。止まるときはv=0なので、制動時間はv₀/aとなります。制動中の平均の速さは、初めと終わりの速さの平均v₀/2です。これに制動時間を掛けると、制動距離d=v₀²/(2a)が得られます。

同じ関係を、仕事と運動エネルギーからも説明できます。質量mの車に一定の制動力Fが進行方向と逆向きに働くと、その仕事は−Fdです。仕事は運動エネルギーの変化に等しいので、−Fd=0−mv₀²/2となります。F=maを代入すれば、やはりd=v₀²/(2a)です。時間を問わない問題では、エネルギーを使うと短い道筋で距離が求まります。

図1のように速度と時間のグラフを描くと、空走距離は長方形、制動距離は三角形の面積に対応します。縦軸のm/sに横軸のsを掛けるとmになることも、面積が距離を表す理由です。この図では前進中の速度が負にならないため、面積はそのまま進んだ距離になります。

図1 空走中と制動中の速度の変化と面積が表す距離

図1は、初速20.0 m/s、空走時間0.800 s、減速度の大きさ5.00 m/s²のモデルです。色を塗った長方形と三角形は時間の区間が異なります。三角形だけを求めて停止距離と呼ばないようにしましょう。停止後まで下降する直線を延長すると車が後退する計算になるので、このモデルの制動区間は速度が0になったところで終えます。

水平な路面で制動力の大きさをμmgと近似できる場合には、ma=μmgからa=μgです。μは路面とタイヤの摩擦の大きさを表す係数です。ただし、転がるタイヤに働く摩擦をいつも動摩擦と呼ぶことはできません。滑っているか、滑らずに転がっているかで扱いは変わります。実際の制動には路面、タイヤ、制御、空気抵抗などが関わるため、一定のaによる計算は条件を整理したモデルとして使います。

電子レンジとIHでは、最初に温まる対象が違う

電子レンジはマイクロ波という電磁波を食品に与えます。電磁波には時間とともに変わる電場があり、水の分子などがその影響を受けます。水分子は分子の中で電荷の偏りを持ち、向きを変えようとする運動や周囲との相互作用を通して電磁波のエネルギーを吸収します。その結果、食品の内部エネルギーが増え、温度が上がります。熱は温度差によって移るエネルギーを指す語なので、「熱という物質が食品にたまる」とは考えません。

電子レンジの説明を「水分子だけが決まった固有振動数で共鳴するから」と言い切るのは適切ではありません。加熱の程度は水分だけでなく成分や状態、食品の形にも左右されます。また、電磁波は食品の奥まで無制限に届くわけではなく、内部での吸収や、温まった部分からの熱伝導も関係します。「中心から必ず先に温まる」とは限らないのです。

IHでは、コイルに流れる交流によって、鍋を貫く磁場が時間とともに変化します。磁場の変化に伴って起電力が生じる現象が電磁誘導です。金属の鍋には渦を巻くような電流である渦電流が流れ、電気抵抗によってジュール熱が発生します。高校物理ではこれを加熱の中心的な仕組みとして捉えます。磁性を持つ材料では磁化の変化による損失も関わりますが、まずは「交流、変化する磁場、鍋の電流、発熱」の順を押さえましょう。

鍋から食品へは、熱伝導や、液体の移動を伴う対流によってエネルギーが移ります。したがって、電子レンジとIHの違いは「どちらも電気で温まる」だけでは説明できません。前者では食品が電磁波のエネルギーを吸収し、後者では鍋の発熱を経て食品へ熱が移るという道筋が重要です。器具や容器の適否は構造にもよるので、この説明だけを根拠に未知の物を加熱せず、使用説明に従います。

温まる量の計算では、比熱cを使います。比熱とは、物質の単位質量の温度を1 K上げるのに必要な熱量です。温度差ΔT、質量mなら必要な熱量はQ=mcΔTです。単位時間当たりに移るエネルギーを電力Pとすると、一定のPが時間tだけ供給するエネルギーはPtです。このうち割合ηだけが対象の加熱に使われるなら、mcΔT=ηPtと結べます。仕組みの説明と量の計算をこの等式でつなげます。

ボールの軌道と衛星の軌道を力から見る

投げたボールを手が離れた後、空気の影響を無視すれば、働く力は鉛直下向きの重力だけです。投げた勢いを別の前向きの力として描き加える必要はありません。水平方向は力が0なので等速運動、鉛直方向は重力による等加速度運動になります。上向きを正とし、投げた位置を原点にすると、x=v₀ₓt、y=v₀ᵧt−gt²/2です。

この2式から時間tを消去すると、y=(v₀ᵧ/v₀ₓ)x−gx²/(2v₀ₓ²)になります。ただしv₀ₓは0でないとします。xの2乗を含む式なので、軌道は放物線です。水平方向と鉛直方向に同じ時間tを使うことが、別々の運動を1つの軌道へ結びつける要点です。以後の地表付近の計算では教科書で用いるg=9.8 m/s²を使い、数値の答えは有効数字3桁で示します。

回転するボールでは、空気の流れの変化によって、進行方向に垂直な成分を持つ力が生じることがあります。これをマグヌス効果と呼びます。例えば前へ進むボールのバックスピンでは、一般に上向きの力の成分が生じます。ただし、力の大きさは回転数だけでなく速さ、表面、空気の流れにも依存します。高校の放物運動の式に、いつでも同じ補正値を足せるわけではありません。空気の影響を除いた基準の軌道と、実際にずれる理由を分けて説明します。

衛星も力によって軌道の向きが変わる物体です。地球の中心からの距離をr、地球の質量をM、衛星の質量をmとすれば、万有引力の大きさはGMm/r²です。Gは万有引力定数です。円軌道では中心向きの加速度がv²/rなので、GMm/r²=mv²/rとなり、v=√(GM/r)を得ます。向心力は万有引力に追加される別の力ではなく、円運動に必要な中心向きの合力の呼び名です。

衛星は「重力のないところで静止している」のではありません。地球へ落ちる向きに加速しながら、横向きにも進み続けています。またrは地表からの高度ではなく、地球の半径と高度を足した距離です。地表のgを高い軌道でもそのまま使うと、この距離による重力の変化を取り落とします。

GPSは、衛星から届く電波の時刻情報などを使って、受信機の位置を求める仕組みです。電波が伝わった時間Δtがわかれば、距離は光速cを使ってcΔtと表せます。ただし受信機の時計にもずれがあるため、実際にはそのずれも位置と一緒に求めます。一般的な3次元の測位では、位置の3成分と時計のずれに対応する情報として、少なくとも4つの衛星からの信号を使います。

1つの衛星からの距離がわかるだけでは、受信機の位置は決まりません。同じ距離にある候補が球面上に残るためです。複数の距離条件を組み合わせる点が測位の中心であり、衛星が受信機を写真で見つけているわけではありません。実際の精密な処理には時計や電波の伝わり方の補正も含まれますが、ここでは距離と時間の関係を計算の入口にします。

例題で解き方を確かめる

例題1 車の停止距離を求める

車が20.0 m/sで走っています。危険に気づいてから0.800 sは同じ速さで進み、その後は大きさ5.00 m/s²の一定の加速度で減速して止まります。停止距離を求めましょう。車体の大きさは考えず、進んだ距離を1点の移動で表します。

  1. 空走区間と制動区間に分けます。前者にはまだ減速がないので、空走距離は20.0×0.800=16.0 mです。最初から制動の式を使わないことが大切です。
  2. 制動距離を求めます。d=v₀²/(2a)より、d=20.0²/(2×5.00)=40.0 mです。ここで使った初速は、危険に気づいた瞬間だけでなく制動開始時にも20.0 m/sであることを確認します。
  3. 2つの距離を足します。停止距離は16.0+40.0=56.0 mです。図1の長方形と三角形の面積を足しても、同じ値になります。

答え:停止距離は56.0 mです。

同じ空走時間と減速度で初速だけを2倍にすると、空走距離は2倍、制動距離は4倍です。この条件では停止距離は32.0+160=192 mとなり、元の停止距離の2倍でも4倍でもありません。異なる増え方をする2つの項を足しているからです。比例の判断は、合計する前の各項について行いましょう。

例題2 加熱に必要な時間を求める

質量0.250 kgの水を20.0 ℃から80.0 ℃まで温めます。加熱器が取り込む電力を600 W、そのうち水の温度上昇に使われる割合を0.700とします。水の比熱を4.20×10³ J/(kg·K)とし、容器の温度上昇や蒸発はこのモデルでは別に計算しません。必要な時間を求めましょう。600 Wは有効数字3桁として扱います。

  1. 温度差を求めます。ΔT=80.0−20.0=60.0 Kです。温度そのものは℃とKで数値が異なりますが、温度差の数値は同じなので、ここで273などを加える必要はありません。
  2. 水に必要な熱量を求めます。Q=mcΔT=0.250×4.20×10³×60.0=6.30×10⁴ Jです。温める対象を水と決めたので、水の質量と比熱を使います。
  3. 水に有効に伝わる電力を求めます。ηP=0.700×600=420 Wであり、t=Q/(ηP)=150 sです。効率が1より小さいため、Q/Pより長い時間が必要になります。

答え:必要な時間は1.50×10² sです。

この計算におけるPは取り込む電力です。機器に表示された「出力」が、食品などへ供給する側の電力を表している場合には、意味を確認せずに同じ効率をもう一度掛けてはいけません。電子レンジでもIHでも、問題で何を入力、何を有効な出力と定めたかを先に読み取ります。また、沸騰して状態変化が起きる条件なら、温度を上げる熱量とは別に、状態変化に必要な熱量を考える必要があります。

例題3 ボールの高さと飛ぶ距離を求める

水平な地面から、ボールを水平方向12.0 m/s、鉛直上向き9.80 m/sの初速度で投げます。空気の影響を無視し、投げた高さと同じ高さに戻るまでの時間、水平到達距離、最高点の高さを求めましょう。地面をy=0とします。

  1. 鉛直方向の位置を式にします。y=9.80t−4.90t²です。同じ高さに戻るときはy=0なので、t(9.80−4.90t)=0となります。t=0は投げた瞬間を表し、求めたい着地時刻はもう一方のt=2.00 sです。
  2. 水平方向の移動を求めます。水平速度は一定なので、x=12.0×2.00=24.0 mです。水平距離には、上昇する時間だけでなく下降する時間も含めます。
  3. 最高点の時刻を求めます。鉛直速度vᵧ=9.80−9.8tが0となるのはt=1.00 sです。この時刻を位置の式に戻すと、y=9.80−4.90=4.90 mとなります。

答え:戻るまで2.00 s、水平到達距離24.0 m、最高点の高さ4.90 mです。

図2のように、0.500 sごとの点を置くと、横方向の間隔は等しく、縦方向の間隔は変わります。最高点にある中央の点でも水平速度は残っています。頂点を「ボールが一瞬止まる場所」と説明すると、水平方向の運動を落としてしまいます。

図2 等時間ごとの位置で見るボールの放物線と最高点

図2では横軸と縦軸で1 mの描画上の長さを変えています。数値は各軸の目盛りから読み取り、紙面上の軌道の傾きをそのまま投射角とみなさないでください。実際のスポーツで空気抵抗や回転の影響がある場合は、この放物線からずれることがありますが、基準になる運動を計算できると、どの影響を無視したのかも明確になります。

例題4 衛星からの距離と時刻のずれを結ぶ

衛星から受信機まで電波が伝わる時間を、時計のずれなどの補正後に0.0700 sと求めたとします。電波の速さをc=3.00×10⁸ m/sとして、伝わった距離を求めましょう。また、伝わる時間の見積もりが1.00×10⁻⁶ s長すぎた場合、距離はどれだけ大きく見積もられるでしょうか。

  1. 速さ、時間、距離の関係を使います。距離はcΔtなので、3.00×10⁸×0.0700=2.10×10⁷ mです。衛星から受信機への片道の伝搬時間なので、2で割りません。
  2. 時間のずれに対応する距離のずれを求めます。3.00×10⁸×1.00×10⁻⁶=3.00×10² mです。同じ速さを使うため、時間のずれと距離のずれは比例します。
  3. 求めた距離の意味を確かめます。これは衛星と受信機の間の距離で、衛星の地表からの高度や受信機の位置そのものではありません。複数の方向からの情報を組み合わせて位置を絞ります。

答え:距離は2.10×10⁷ m、距離の過大な見積もりは3.00×10² mです。

ごく短い時間のずれでも、電波の速さを掛けると無視できない距離になります。ただし、この距離の誤差がそのまま同じ大きさの位置誤差になるとは限りません。衛星の配置や、ほかの信号と合わせた計算にも依存するため、1本の距離の計算と位置全体の計算は区別します。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 速さと停止距離を単純な比例にする

誤った書き方は「速さが2倍だから停止距離も2倍」です。どこが違うかというと、一定の減速度で止めるには、初速が大きいほど制動中の平均の速さも制動時間も増える点を無視しています。両方が2倍になれば、制動距離は4倍です。一方で空走時間が同じなら、空走距離は2倍にとどまります。

正しい書き方は「空走時間τと減速度の大きさaが一定なら、停止距離はv₀τ+v₀²/(2a)」です。比較するときには、何を一定にしたかを添えます。雨などで路面条件まで変えた場合に、速さだけの倍率を使って結論を出すことはできません。

誤り2 同じ電力なら同じ温度上昇になると考える

誤った書き方は「電力と加熱時間が同じなら、どの食品も同じだけ温まる」です。電力と時間の積が表すのはエネルギーであり、温度差ではありません。吸収して温度上昇に使われる割合η、質量m、比熱cが違えば、同じ入力エネルギーでも結果は変わります。

正しい書き方は、状態変化がなく比熱を一定とみなせる条件で「ΔT=ηPt/(mc)」です。同じ水でも量が増えれば、同じ温度差に必要な熱量は増えます。さらに、電子レンジとIHを比べるときは、最初にエネルギーを受け取る対象の違いと、効率の値の違いを混同しないようにしましょう。装置の仕組みだけで、すべての条件の加熱時間の優劣までは決まりません。

誤り3 衛星には重力が働かないと考える

誤った書き方は「衛星は宇宙にあるので重力が0になり、同じ場所を回れる」です。重力が0でほかの力もなければ、慣性の法則により直線運動を続けます。円運動をするには速度の向きを変える中心向きの加速度が必要です。また、速さが一定でも速度の向きが変われば加速度は0ではありません。

正しい書き方は「地球の万有引力が円運動の向心力として働く」です。図3のように、衛星の速度は円の接線方向、万有引力は中心方向を向きます。この図は地球に対して回転しない座標系での力を示しており、外向きの遠心力をつけ足してつり合わせません。

図3 円軌道の衛星に働く万有引力と接線方向の速度

図3のrは地球の中心から衛星までの長さです。地球と衛星の大きさは模式的で、実物の縮尺を表してはいません。図にある速度の矢印と力の矢印も、異なる物理量なので長さを直接比較できません。力の矢印を描く際は、向きだけでなく「何が何に及ぼす力か」を言葉にすると、向心力を新しい相互作用と誤解しにくくなります。

練習問題

練習1 停止距離の内訳

初速15.0 m/s、空走時間0.600 s、制動中の減速度の大きさ3.00 m/s²とします。空走距離、制動距離、停止距離を求めましょう。減速し始める時点を先に言葉で確認してから、2区間の式を書いてください。

練習2 水の温度上昇

水0.200 kgに、入力電力500 Wの加熱器で120 sの加熱を行います。水の温度上昇に使われる割合は0.560、比熱は4.20×10³ J/(kg·K)です。温度上昇を求めましょう。初めの水温は20.0 ℃とし、沸騰や蒸発は無視します。500 Wと120 sは有効数字3桁として扱います。

練習3 最高点での速度

空気の影響を無視し、水平方向8.00 m/s、鉛直上向き14.7 m/sでボールを投げます。最高点に達する時間、その高さ、最高点での速さを求めましょう。最高点で0になる量が何かを明示してください。

練習4 円軌道の半径を変える

同じ地球を回る2つの衛星が円軌道上にあります。衛星Bの軌道半径は衛星Aの4.00倍です。Bの速さはAの何倍でしょうか。また、1周の時間である周期は何倍でしょうか。軌道半径は地球の中心から測り、衛星同士の引力などは無視します。

答えと解説

練習1:空走距離は9.00 m、制動距離は37.5 m、停止距離は46.5 mです。空走距離は15.0×0.600、制動距離は15.0²/(2×3.00)で求め、最後に足します。制動距離の式に空走時間を代入しても、求めたい区間を表すことにはなりません。

練習2:温度上昇は40.0 Kです。水が受け取るエネルギーは0.560×500×120=3.36×10⁴ Jであり、これを0.200×4.20×10³で割ります。最終温度は60.0 ℃となり、設定した範囲では沸騰のための熱量を加える必要はありません。40.0 Kは温度差で、最終温度そのものではありません。

練習3:最高点まで1.50 s、高さ11.0 m、最高点の速さ8.00 m/sです。時刻は14.7/9.8、高さは14.7²/(2×9.8)から求めます。最高点で0になるのは鉛直方向の速度成分だけです。水平方向は等速運動を続けるため、全体の速さは0にはなりません。

練習4:速さは0.500倍、周期は8.00倍です。v=√(GM/r)から、半径が4.00倍なら速さは1/√4.00倍です。周期Tは、1周の道のり2πrを速さvで割ったT=2πr/vで求めます。道のりが4.00倍、速さが0.500倍なので、周期は4.00/0.500=8.00倍です。半径が大きいほど周回する道のりが長い上に速さも小さくなるため、周期は半径の倍率以上に増えます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

ここで扱った車、ボール、衛星の運動は、力学の総復習で運動方程式とエネルギーのどちらを選ぶかを考える材料になります。加熱の説明は電磁誘導や交流の復習へ、GPSの距離計算は波の伝わり方と測定の精度へつながります。現象の名前から公式を1つ決めるのではなく、問われた量と与えられた条件から選ぶ練習を続けましょう。

家庭で5分ほどでできる確かめ方の1つは、紙に速度と時間のグラフを描き、初速だけを2倍にしたときの長方形と三角形を描き足すことです。空走時間と減速度を変えずに比べれば、どの辺が何倍になるかを目で追えます。道路上で実際に制動を試す必要はありません。

もう1つは、家電の使用説明書にある消費電力と出力の表示を、加熱せずに読み分けることです。電源から入る側と加熱に使う側のどちらの量かを紙に書き、単位Wが1秒当たりのエネルギーを表すことを確かめます。表示だけで効率を判断できない場合は、わかっている量と追加で必要な量を分けて書けば十分です。

個別指導で式の選び方が止まるときは、単位の換算、力を受ける物体の選び方、速度の成分まで戻って確かめます。保護者がお子さまの説明を聞く場合も、公式名より「どの区間を計算したのか」を聞くと、理解できている部分が見えやすくなります。

まとめ

車の停止距離を説明するときには、減速する前の時間が残ります。ボールの最高点にも水平速度が残り、衛星の円軌道には中心へ向かう力が必要です。見た目だけでは隠れている条件を言葉にすると、式の意味がはっきりします。

身近な現象の説明には、計算で求められる部分と、追加の条件を知らなければ決められない部分があります。その境界まで書けた答案は、公式を現実の場面に結びつけています。物理の説明の確かさは、式の多さではなく、その式が成り立つ条件に宿ります。

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