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【物理】電磁誘導を図解で総まとめ—ファラデーの法則・レンツの法則・誘導起電力・自己 相互誘導|武蔵野個別指導塾

磁束の変化と電流の向きを図で結び、導体棒の起電力、自己誘導、相互誘導を例題で整理します。コイルに蓄えられるエネルギーまで、符号と単位を確かめながら学べます。
よくあるのは、美術室の床のタイルをコイルの枠に見立てて考えたとき、「枠の中に磁場があるのに、どうして電流が流れない場合があるのか」と止まる場面です。タイルの1枚を貫く磁力線を思い浮かべても、それだけでは誘導電流の有無は決まりません。電磁誘導の出発点は、磁場があることと、回路を貫く磁束が変わることを区別するところにあります。
さらに、電流の向きを決める問題では、磁場の向き、磁束の増減、誘導電流がつくる磁場を続けて考えます。この途中を省いて手の形だけで判断すると、磁石を遠ざける問題や導体棒を逆に動かす問題で向きが反転してしまいます。まず変化を言葉にし、それを妨げる磁場を描く順序を身につけましょう。
磁束の変化が読めれば、動く導体棒で発電する仕組みも、コイルが電流の変化を妨げる理由も、同じ法則で追えるようになります。数値を代入する前に「何が変化し、どの回路に起電力が生じるか」を整理することが、この単元を通して使える手順です。
この単元で身につけること
- 磁束を磁場と面積から求めます。回路の面に垂直な磁場の成分を選び、面積や向きが変わる場合も区別します。
- ファラデーの電磁誘導の法則で起電力の大きさを求めます。磁束の変化量だけでなく、その変化にかかった時間と巻数をそろえます。
- レンツの法則で誘導電流の向きを決めます。もとの磁場そのものではなく、磁束の変化を妨げる向きに注目します。
- 導体棒の起電力を、磁束の変化と棒の中の電荷が受ける力の両方から説明します。抵抗で生じる熱と棒を動かす仕事も結びつけます。
- 自己インダクタンスと相互インダクタンスを区別します。自分の電流による誘導か、別のコイルの電流による誘導かを整理し、コイルのエネルギーまで計算します。
前の単元で学んだ電流がつくる磁場と、磁場中の電流が受ける力が土台になります。電気回路のオームの法則や力学の仕事率も使うので、電磁誘導だけを独立した公式集にせず、すでに学んだ関係をつなぐつもりで進めると見通しが立ちます。
基本の考え方
磁束は回路の面を貫く磁場の量です
磁束とは、ある面を磁場がどれだけ貫くかを表す量です。磁束を Φ、磁束密度を B、面積を S とすると、一様な磁場が面に垂直な場合は Φ=BS です。B の単位は T、S の単位は m²、Φ の単位は Wb で、1 Wb=1 T・m² という関係があります。磁力線の本数は磁束を考えるための表現であって、空間に実際の糸があるわけではありません。
磁場が斜めに通る場合には、面に垂直な方向である法線を描きます。磁場と法線のなす角を θ とすれば、面を貫く成分は B cosθ なので、磁束は Φ=BS cosθ となります。面と磁場のなす角をそのまま θ に入れてはいけません。磁場が面に平行なとき、法線との角は90°であり、磁束は0です。
磁束には符号をつけられます。たとえば紙面の手前向きを法線の正の向きと決めれば、手前向きの磁場による磁束は正、奥向きによる磁束は負です。その法線に右手の親指を向けたとき、残りの指が曲がる向きを回路を回る正の向きとします。紙面の手前を正に選ぶ場合、正の回る向きは反時計回りです。この対応を保つことで、後に出てくる起電力の符号を電流の向きに翻訳できます。
閉じた導線の輪を貫く磁束が変わると、輪に起電力が生じます。この現象が電磁誘導で、生じる起電力を誘導起電力、閉回路を流れる電流を誘導電流と呼びます。起電力は、単位電荷を回路に沿って動かすために供給されるエネルギーに対応し、単位は V です。回路が切れていても誘導起電力が生じる場合はありますが、切れ目があれば導線を一周する電流は流れません。
図1のように、輪の面積と向きが同じでも、手前向きの磁場が強くなれば、手前向きの磁束は増えます。図の丸の中の点は手前向きの磁場を表し、線の密度が増す様子を記号の数で示しています。右側の赤い矢印は、閉じた輪に生じる時計回りの誘導電流です。

大きさはファラデーの法則、向きはレンツの法則で考えます
各巻きに同じ磁束 Φ が通る N 回巻きのコイルでは、時間 Δt の間に1巻きあたりの磁束が ΔΦ だけ変わると、平均の誘導起電力 e は e=−NΔΦ/Δt です。Δ は「変化量」を示し、ΔΦ は後の磁束から前の磁束を引いた値です。各巻きに生じる起電力が直列につながるため、全体の起電力は N 倍になります。NΦ は磁束鎖交数と呼ばれ、巻数を含めた磁束の結びつきの量です。
この関係がファラデーの電磁誘導の法則です。変化が一定の速さで進む区間では、その区間中の起電力も一定です。変化の速さが一定でない場合、有限の時間で計算した値は区間の平均になります。瞬間の値は、磁束と時間のグラフに引いた接線の傾きから考えます。ここでは等しい時間ごとに等しい量だけ変わる例を使い、変化量の割り算で扱います。
式の負号はレンツの法則を表しています。誘導電流は、それがつくる磁場によって、もとの磁束の変化を妨げる向きに流れます。図1では手前向きの磁束が増えているため、誘導電流は奥向きの磁場をつくります。右手の親指を奥に向けると、指の曲がる向きは時計回りなので、電流の向きが決まります。
逆に、手前向きの磁束が減っているなら、誘導電流は手前向きの磁場をつくって減少を妨げます。この場合は反時計回りです。「もとの磁場と必ず反対」ではなく、「増えるなら減らす側、減るなら補う側」と読みます。磁束の変化を完全に打ち消すという意味でもありません。普通の抵抗をもつ回路では、誘導電流の大きさは起電力と抵抗によって決まります。
磁束が変わる要因は B、S、θ のいずれにもあります。磁石を動かして B を変える、導体棒を動かして S を変える、コイルを回して θ を変える、という違いを整理しましょう。一様で時間変化しない磁場の中を、形も向きも一定の閉回路が全体として平行移動するだけなら、回路全体の磁束は変わらず、一周に沿った合計の誘導起電力は0です。
コイルの電流が変わる場合も同じ法則を使います
コイルの電流が変わると、そのコイル自身がつくる磁場も変わります。その結果、自分自身を貫く磁束が変わって起電力が生じる現象が自己誘導です。形が一定で、磁束と電流の比例関係が成り立つコイルでは、NΦ=LI と書きます。比例定数 L が自己インダクタンスで、単位は H です。1 H=1 V・s/A であり、L が大きいほど同じ電流の変化率に対する誘導起電力が大きくなります。
この関係をファラデーの法則に入れると、自己誘導の起電力は e=−LΔI/Δt となります。電流が増えるときは増加を妨げる向き、減るときは減少を妨げて元の電流を保つ向きです。直流で電流が一定になれば、自己誘導による起電力は0になります。ただし、実際の導線に抵抗があれば、抵抗による電圧降下は残ります。自己誘導と導線の抵抗は別の作用です。
近くの別のコイルに起電力が生じる現象は相互誘導です。コイル1の電流 I₁ がつくる磁束のうち、コイル2の各巻きを貫く分を Φ₂₁ とすると、結びつきの向きをそろえた場合に N₂Φ₂₁=MI₁ と表せます。M は相互インダクタンスで、単位は L と同じ H です。配置が一定で M が一定なら、コイル2の誘導起電力の大きさは M|ΔI₁|/Δt になります。M には巻数と磁束の結びつき方が含まれているため、さらに N₂ を掛ける必要はありません。
例題で解き方を確かめる
例題1 磁束の変化と電流の向きをそろえます
面積 2.00×10⁻² m²、巻数100回のコイルがあります。紙面に置いたコイルを垂直に貫く手前向きの一様な磁場が、0.200 s の間に 0.100 T から 0.400 T まで一定の割合で増加しました。コイル全体の誘導起電力の大きさと、回路を閉じたときの誘導電流の向きを求めます。ここからの数値解答は有効数字3桁で示し、巻数は正確な整数として扱います。重力加速度などの物理定数は、この問題群の計算には使いません。
- 手前向きを磁束の正と決めます。向きを最初に固定すれば、後の値から前の値を引く操作に一貫した意味を持たせられます。磁束密度の変化は ΔB=0.400−0.100=0.300 T です。
- 1巻きあたりの磁束の変化を求めます。面積も角度も変わらないため、ΔΦ=SΔB=2.00×10⁻²×0.300=6.00×10⁻³ Wb となります。
- 時間で割って巻数を掛けます。起電力の大きさは |e|=100×6.00×10⁻³/0.200=3.00 V です。Wb/s が V になることも確認します。
- 向きを別に判断します。手前向きの磁束の増加を妨げるには奥向きの磁場が必要なので、誘導電流は図1と同じ時計回りです。反時計回りを正にした式では、e=−3.00 V と表されます。
答え:誘導起電力の大きさは 3.00 V、誘導電流は紙面を見て時計回りです。
例題2 導体棒を動かす仕事が熱になります
図2のように、間隔 ℓ=0.400 m の平行なレールを抵抗 R=2.00 Ω でつなぎ、導体棒を右向きに v=3.00 m/s で動かします。紙面の奥向きに B=0.500 T の一様な磁場があり、棒とレールの抵抗、摩擦、回路の自己誘導は無視します。誘導起電力、電流、等速で動かすための外力、抵抗の消費電力を求めます。
図2のように棒が右へ動くと、抵抗と棒とレールで囲まれた面積が増えます。丸の中の交差線は奥向きの磁場です。棒上の緑の矢印は電流、左向きの赤い矢印 F は棒が磁場から受ける力を表し、外力はそれと反対向きです。

- 棒が時間 Δt に進む距離を vΔt とします。増える面積は ℓvΔt、磁束の変化の大きさは BℓvΔt です。これを Δt で割ると、起電力の大きさは |e|=Bℓv=0.500×0.400×3.00=0.600 V になります。この式は B、棒、速度の向きが互いに垂直な場合の式です。
- 閉回路にオームの法則を使います。I=|e|/R=0.600/2.00=0.300 A です。奥向きの磁束が増えるため、電流は手前向きの磁場をつくる反時計回りとなり、棒の中では下から上へ流れます。
- 棒が受ける磁力を求めます。電流と磁場が垂直なので F=BIℓ=0.500×0.300×0.400=0.0600 N です。向きは左で、運動を妨げます。等速運動には合力を0にする必要があるため、同じ大きさの外力を右向きに加えます。
- 抵抗の消費電力を計算します。P=I²R=0.300²×2.00=0.180 W です。一方、外力の仕事率も Fv=0.0600×3.00=0.180 W となり、外力が供給するエネルギーとジュール熱が一致します。
答え:起電力 0.600 V、電流 0.300 A(棒では上向き)、外力 0.0600 N(右向き)、消費電力 0.180 W です。
棒の起電力は、電荷に注目しても説明できます。棒とともに右に動く正電荷は、奥向きの磁場から上向きのローレンツ力を受けます。棒が開回路なら、上端が正、下端が負になるように電荷が分かれ、下向きの電場ができます。電気力と磁力がつり合うと qE=qvB、したがって E=vB です。端の間の電位差は Eℓ=Bℓv となり、磁束から求めた起電力と一致します。金属中で動きやすいのは電子ですが、電子の移動方向と電流の向きが逆である点をそろえれば、同じ端の極性になります。
例題3 自己誘導の起電力と蓄えるエネルギーを求めます
自己インダクタンス L=0.600 H のコイルで、電流が 0.100 s の間に 0 A から 2.00 A まで一定の割合で増えました。自己誘導の起電力の大きさと向き、電流が 2.00 A になったときに蓄えられるエネルギーを求めます。L は一定で、コイルの抵抗による損失は考えません。
- 電流の変化率を求めます。ΔI/Δt=2.00/0.100=20.0 A/s です。最終的な電流だけでは起電力は決まらないので、増える速さを先に出します。
- 自己誘導の式に代入します。|e|=L|ΔI|/Δt=0.600×20.0=12.0 V です。電流が増えているので、誘導起電力は電流の正の向きと逆向きです。これは、電源が流そうとする電流の増加を妨げる作用を示します。
- コイルに蓄えられるエネルギー U=LI²/2 を使います。U=0.600×2.00²/2=1.20 J です。このエネルギーはコイルの磁場に蓄えられます。抵抗で失われた熱を求めているのではないため、I²R と混同しないようにします。
答え:自己誘導の起電力は 12.0 V で電流の増加を妨げる向き、蓄えられるエネルギーは 1.20 J です。
エネルギーの式の理由も確認しましょう。電流が0から I まで一定の割合で増える時間を T とすると、電源が自己誘導に逆らって加える電圧は LI/T で一定です。この間の平均電流は I/2 なので、通過する電気量は Q=IT/2 です。供給されるエネルギーは電圧と電気量の積だから、U=(LI/T)×(IT/2)=LI²/2 になります。損失がない場合にはこれが磁場のエネルギーとして残り、電流を減らす際には回路へ戻されます。積分を使わなくても、一定の増え方と平均電流で係数の1/2を説明できます。
例題4 別のコイルに伝わる変化を求めます
位置を固定した2つのコイルの相互インダクタンスが M=0.0800 H です。コイル1の電流を 0.0200 s の間に 1.50 A から 0.500 A へ一定の割合で減らしました。コイル1がコイル2につくる磁場は紙面の手前向きです。コイル2に生じる誘導起電力の大きさと、コイル2を閉回路にした場合の誘導電流の向きを求めます。
- 原因となるコイル1の電流の変化を出します。ΔI₁=0.500−1.50=−1.00 A です。どちらのコイルの電流が変わったのかを添えると、自己誘導の式との取り違えを防げます。
- 変化率の大きさに M を掛けます。|e₂|=0.0800×1.00/0.0200=4.00 V です。M が与えられた段階で巻数の効果は含まれているため、追加の巻数は必要ありません。
- コイル2を貫く磁束の変化を読みます。手前向きの磁束が減るので、それを補う手前向きの磁場をつくる電流が生じます。したがって、紙面を見て反時計回りです。電流の大きさまで求めるには、コイル2の回路の抵抗や自己誘導などの条件も必要です。
答え:コイル2の誘導起電力の大きさは 4.00 V、閉回路にした場合の誘導電流は反時計回りです。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 磁場の存在だけで誘導を判断してしまいます
誤った書き方は「強い磁場の中にあるので、大きな誘導電流が流れる」です。どこが違うかというと、誘導起電力を決めるのは磁束そのものではなく、その変化率だからです。強い磁場であっても、動かない回路の面積と向きが一定で、磁場も時間変化しなければ、誘導起電力は0です。
正しい書き方は「B、S、θ のどれが変化するかを確認し、前後の磁束を比べる」です。磁場が一定でも棒が動けば面積が変わりますし、面積が一定でもコイルが回れば角度が変わります。問題文の「一様」は場所によって磁場が変わらないことを示し、「時間的に一定」とは別の条件である点にも注意しましょう。
誤り2 負号を電流の大きさにつけて終えてしまいます
誤った書き方は「レンツの法則があるので、電流の大きさは −0.300 A」です。どこが違うかというと、大きさは0以上で、負号はあらかじめ決めた正の向きとの関係を示すものだからです。さらに、誘導電流を常に外からの磁場と逆向きの磁場をつくるものと考えると、磁束が減る問題で答えを逆にしてしまいます。
正しい書き方は「電流の大きさは 0.300 A、向きは反時計回り」のように、量と向きを分ける形です。符号付きで表すなら「時計回りを正としたので I=−0.300 A」と基準を添えます。磁場の増減、誘導電流の磁場、電流の回る向きの3段階を紙に描くと、どこで逆転したかを確かめられます。
誤り3 電流が大きい区間ほど自己誘導も大きいと考えます
誤った書き方は「グラフで I が最も大きい平らな区間に、最大の自己誘導の起電力が生じる」です。どこが違うかというと、自己誘導の式が読むのは電流の値ではなく、電流と時間のグラフの傾きだからです。図3のように、電流が大きくても一定なら起電力は0です。

図3では、電流は 0〜2.00 s で 0 A から 2.00 A に増え、2.00〜4.00 s では一定、4.00〜6.00 s では 0 A まで減ります。L=0.300 H とすると、正しい書き方は「増加区間では e=−0.300 V、一定区間では e=0 V、減少区間では e=+0.300 V」です。起電力の正の向きは電流の正の向きに合わせています。折れ曲がる時刻そのものの値はこの理想化した折れ線だけでは一意に決めず、それぞれの区間の内部を読んでいます。
平らな区間でも、磁場のエネルギーは U=0.300×2.00²/2=0.600 J あります。「起電力が0」と「蓄えたエネルギーが0」は別です。増加を終えてもエネルギーは残り、減少区間ではそれを回路へ放出する側に働きます。電流、電流の変化率、エネルギーの3つを同じ量として扱わないことが修正の要点です。
練習問題
練習1
巻数50回、面積 3.00×10⁻² m² のコイルに、紙面の奥向きの一様な磁場が垂直に通っています。磁束密度が 0.150 s の間に 0.600 T から 0.200 T まで一定の割合で減るとき、誘導起電力の大きさを求めてください。回路が閉じている場合、電流の向きも紙面を見た向きで答えます。面積とコイルの向きは変わりません。
練習2
図2と同じ配置で、B=0.800 T、ℓ=0.250 m、v=4.00 m/s、回路全体の抵抗 R=4.00 Ω とします。磁場は奥向き、棒は右向きです。起電力、電流、棒が受ける磁力、抵抗の消費電力を求めてください。棒とレールの抵抗、摩擦、自己誘導は無視し、外力の仕事率と消費電力が一致することも確かめます。
練習3
自己インダクタンス L=0.400 H のコイルの電流が、0.0600 s の間に 3.00 A から 0 A へ一定の割合で減りました。自己誘導の起電力の大きさと、減少前に蓄えられていたエネルギーを求めてください。誘導起電力が元の電流を保つ向きか、逆向きかも答えます。L は一定で、エネルギーを求める際の損失は考えません。
練習4
相互インダクタンス M=0.120 H の2つのコイルがあります。コイル1の電流が 0.0400 s の間に 0.200 A から 1.00 A へ一定の割合で増えました。コイル2に生じる起電力の大きさを求めてください。コイル1による手前向きの磁束が増える場合、コイル2を閉回路にすると誘導電流はどちら向きになるかも答えます。
答えと解説
練習1:起電力は 4.00 V、電流は時計回りです。磁束の変化の大きさは1巻きあたり 3.00×10⁻²×(0.600−0.200)=1.20×10⁻² Wb なので、50×1.20×10⁻²/0.150=4.00 V です。奥向きの磁束が減るため、奥向きの磁場をつくって減少を妨げます。「減るから逆向き」と短縮せず、補う磁場を先に描きましょう。
練習2:起電力 0.800 V、電流 0.200 A(棒では上向き)、磁力 0.0400 N(左向き)、消費電力 0.160 W です。Bℓv=0.800×0.250×4.00=0.800 V、I=0.800/4.00=0.200 A となります。磁力は BIℓ=0.0400 N で、右向きの外力の仕事率は 0.0400×4.00=0.160 W です。I²R=0.200²×4.00=0.160 W と一致します。
練習3:起電力は 20.0 V、減少前のエネルギーは 1.80 J です。|e|=0.400×3.00/0.0600=20.0 V、U=0.400×3.00²/2=1.80 J となります。誘導起電力は、減りつつある元の電流を保つ向きです。起電力の向きが元の電流と同じでも、電流の減少を妨げているのでレンツの法則に合っています。
練習4:起電力は 2.40 V、電流は時計回りです。|e₂|=0.120×(1.00−0.200)/0.0400=2.40 V です。手前向きの磁束が増えるため、誘導電流は奥向きの磁場をつくります。コイル2の巻数が別に示されていても、与えられた M に巻数をもう一度掛けないことを確認しましょう。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
交流回路では、電流が繰り返し増減するため、コイルの自己誘導が継続して働きます。電流の値と変化の速さの違いが、コイルの電圧と電流の変化のずれを理解する土台になります。また、相互誘導は変圧器につながり、磁束を介して別の回路へエネルギーを伝える仕組みを考える際に使います。
家庭では紙と鉛筆だけで、各5分程度の確認ができます。1つ目は、輪の中に手前向きの磁場を描き、「増加」と「減少」の2枚にそれぞれ誘導電流を描くことです。回る向きだけでなく、誘導電流がつくる磁場も添えてください。2つ目は、図3の各区間について、電流の変化量を時間で割り、L を掛けることです。平らな区間の電流が0でないのに起電力が0になる理由を、言葉で説明してみましょう。
個別指導で答案を確かめる際には、向きの誤りなら右ねじの関係へ、量の誤りなら面積の単位換算や変化量の引き算まで戻って確認します。お子さまの説明を聞く場合も、答えの向きだけでなく「どちら向きの磁束が増えたのか」を聞くと、理解が止まっている場所を具体的に見つけやすくなります。
まとめ
誘導の問題で答案に残したいのは、使った公式の名前だけではありません。どの面を貫く磁束を選び、何が変わり、その変化に対してどんな磁場が生じるのかという筋道です。そこがつながれば、棒を引く手の仕事と抵抗の熱が一致する理由も、電流を減らすコイルがエネルギーを返す理由も説明できます。
電流の向きを言い当てたところで終わらず、変化を妨げる作用とエネルギーの行き先まで確かめましょう。レンツの法則の負号は、発電する回路でもエネルギー保存が成り立つことのしるしです。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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