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【物理】電磁気の総復習を図解で総まとめ—電場 回路 磁場 誘導の地図と典型問題|武蔵野個別指導塾

【物理】電磁気の総復習を図解で総まとめ—電場 回路 磁場 誘導の地図と典型問題のアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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電場・回路・磁場・誘導を結ぶ関係図と4つの例題で、使う法則を選ぶ手順を整理します。コンデンサーの条件、荷電粒子の運動、導体棒の電磁誘導を、向きとエネルギーの両面から確かめられます。

よくあるのは、駅のホームのベンチで電磁気の復習ノートを開き、電場の式も回路の式も覚えているのに、金属棒が磁場の中を動く問題になると最初の1行を書けなくなるという場面です。電流が流れるならオームの法則、棒が動くなら運動方程式、と候補が増え、どこから始めればよいか迷います。式の数よりも、問題の中で何が原因になり、何が結果として生じるかが見えなくなっているのです。

電磁気は、電荷がつくる電場、電荷の移動である電流、電流がつくる磁場、磁束の変化による電磁誘導を順につなぐと見通せます。ただし、つながるからといってすべての式を同時に使うわけではありません。まず対象を決め、一定の量を見つけ、向きを定めてから必要な法則を選びます。ここでは典型問題を通じて、別々に覚えた公式を1本の解答へ組み直す練習をします。

この単元で身につけること

物理基礎で学ぶ電流・電圧・抵抗の関係に、力学の運動方程式とエネルギーの考え方を重ねるのが、この総復習の出発点です。微分積分を使わず、一定の量と有限の変化量を用いて追える範囲で整理します。

基本の考え方

電荷に働く力から電圧と蓄える量へ

電荷とは物体の電気的な性質を表す量で、正負があり、単位は C です。電場は、その場所に置いた正の電荷がどの向きにどれだけ力を受けるかを表します。正の試験電荷に働く力をその電気量で割って電場を定義するので、力を求めるときにはベクトル F=q ベクトル E と戻せます。大きさだけなら F=|q|E で、負電荷の力は電場と逆向きです。

点電荷どうしに働くクーロン力の大きさは F=k|Qq|/r² です。これを試験電荷の大きさ |q| で割ると、点電荷 Q が距離 r の場所につくる電場の大きさ E=k|Q|/r² が得られます。複数の電荷がある場合は電場を向きも含めて加えます。右向きと左向きの電場を、大きさだけ足さないようにします。

電位は、正の単位電荷あたりの電気的な位置エネルギーです。電位差、すなわち電圧の単位 V は J/C と同じ意味をもちます。電荷 q が電位 V₁ から V₂ へ動くとき、電場がする仕事は q(V₁−V₂) です。他の力が仕事をしなければ、その仕事が運動エネルギーの増加になります。電場の向きは電位の低くなる向きですが、負電荷が受ける力は反対向きです。向きと電位の高低を1つの暗記文に押し込まず、q の符号を介して結びつけます。

平行な2枚の板の間に、端の影響を無視できる一様な電場があるとします。板間隔を d、電圧の大きさを V とすると、正電荷を電場の向きに運んだ仕事は qEd です。一方、その仕事は qV なので、E=V/d となります。この式は一様な電場についての式であり、点電荷の周囲で距離をそのまま d に入れることはできません。

コンデンサーは、向かい合う導体に正負の電荷を蓄える装置です。片方の極板の電気量の大きさ Q と極板間電圧 V の比を電気容量 C と呼び、C=Q/V、つまり Q=CV と定義します。ここで文字 C は電気容量、単位の C はクーロンで、役割が違います。電気容量の単位は F です。平行板では C=εS/d で、ε は極板間の物質の誘電率、S は極板の向かい合う面積です。面積を増やすと同じ電圧で蓄えられる電荷が増え、間隔を広げると減る関係になっています。

電気容量が一定のコンデンサーを電荷ゼロから充電すると、電圧は電気量に比例して増えます。電気量を横軸、電圧を縦軸にした直線の下の三角形の面積が充電に必要な仕事なので、静電エネルギーは U=QV/2=CV²/2=Q²/(2C) です。最後の2つは Q=CV を代入した同じ式です。電池につないだままなら通常 V が一定、切り離して各極板が孤立していれば Q が一定という条件が、使いやすい形を決めます。

回路・磁場・誘導を因果関係でつなぐ

電流 I は、ある断面を単位時間に通過する電気量で、一定の電流なら I=ΔQ/Δt です。慣用的な電流の向きは正電荷の移動方向ですから、金属内の電子の移動方向とは逆になります。抵抗の両端の電圧と電流には、温度などの条件が一定なら V=RI というオームの法則が成り立ちます。接続点へ入る電流の和と出る電流の和が等しいのは、定常状態で電荷がたまり続けないためです。

電池の起電力 ℰ は、電池内部で単位電荷に与えるエネルギーです。起電力の単位は V で、名称に「力」とあっても N ではありません。閉じた回路を1周した電圧変化の和がゼロとなるキルヒホッフの第2法則は、1周した電荷のエネルギーの収支を表します。内部抵抗 r のある電池で外部抵抗 R に電流を流すなら、ℰ=Ir+IR です。電池の端子電圧は放電中には ℰ−Ir になり、起電力そのものより小さくなります。

図1のように、各分野の代表式を原因から結果へ結ぶと、復習の順序が見えます。上段は電場と回路、下段は誘導と磁場です。回路の電流が磁場をつくり、磁束が変化すると誘導起電力が生じ、それが閉回路の電流を生みます。図の式はそれぞれの入口であり、すべてを同じ条件で同時に使うという意味ではありません。力の式は大きさを示し、磁場の式は速度と磁場が垂直な場合です。

図1 電場と回路と磁場と誘導を結ぶ代表公式の関係図

磁場は、磁石や電流によって生じる空間の性質です。力の計算では磁束密度 B を用い、単位は T です。高校物理では B の向きを磁場の向きとして扱います。磁場内を運動する荷電粒子が受ける磁気的な力をローレンツ力と呼び、速度と磁場が垂直なら大きさは F=|q|vB です。力は速度にも磁場にも垂直なので、磁場だけなら粒子の速さは変わりません。向きを変える力を円運動の向心力に等置すると、|q|vB=mv²/r から半径 r=mv/(|q|B) が得られます。

電流が磁場をつくる関係では、長い直線電流から距離 r の磁束密度 B=μ₀I/(2πr) などを使います。ここで μ₀ は真空の透磁率です。一方、磁場から電流が力を受ける関係では、直線部分の長さ l が磁場と垂直なら F=IlB です。前者は「磁場をつくる側」、後者は「外から受ける側」の式です。電流を担う多数の電荷への磁気力を足し合わせたものが導線への力になり、粒子の F=|q|vB と別の現象ではありません。

磁束 Φ は、面を貫く磁場の量を表し、一様な磁場が面に垂直なら Φ=BS、面の法線と磁場の角が θ なら Φ=BS cosθ です。面積、磁場、面の向きのどれが変わっても磁束は変わり得ます。各巻きを貫く磁束が等しい N 巻きのコイルでは、平均の誘導起電力は ℰ=−NΔΦ/Δt です。一定の割合で磁束が変化する間は、その区間で一定の起電力を求められます。負号は磁束の増減を妨げる向きというレンツの法則を表し、「磁場に常に逆向き」という意味ではありません。

典型問題を見分ける問いと交流への広がり

問題文を読むときは、対象が粒子か回路かを最初に分けます。粒子なら電場で速さが変わるのか、磁場で向きが変わるのかを確認します。回路なら電源が電池なのか、運動や磁束の変化による誘導起電力なのかを確認します。コンデンサーでは電源との接続、コイルでは電流が変化しているかが判断の分かれ目です。

複数の抵抗をまとめる式も、この見方から導けます。直列では同じ電流が流れ、電圧降下を足すため R=R₁+R₂ です。並列では同じ電圧がかかり、電流を足すため 1/R=1/R₁+1/R₂ です。コンデンサーは並列なら電圧が同じで電荷を足すため C=C₁+C₂、直列なら中間の導体が初め中性で孤立している条件で各電気量の大きさが等しくなり、電圧を足すため 1/C=1/C₁+1/C₂ です。形の似た式を見た目だけで選ばず、何が共通で何を足すかを確かめます。

交流では電流や電圧の大きさと向きが周期的に変わります。抵抗は電流と電圧が同位相ですが、理想コイルでは自己誘導が電流の変化を妨げ、電流は電圧より4分の1周期遅れます。コンデンサーでは充放電により電流が電圧より4分の1周期進みます。コイルとコンデンサーを直流の抵抗と同じように扱わないことが、交流問題の第一歩です。

正弦波交流の実効値は、抵抗で同じ平均電力を生む直流の値として定義されます。電流の2乗の1周期平均が最大値の2乗の半分なので、I=I₀/√2、同様に V=V₀/√2 です。抵抗だけなら平均電力は VI ですが、位相差 φ のある回路では VI cosφ です。また、コイルの磁場とコンデンサーの電場の間でエネルギーが移り合う電気振動は、電磁波の学習へつながります。交流も「蓄える」「移す」「熱に変わる」を区別すれば、直流から断絶した分野ではありません。

例題で解き方を確かめる

例題1 電池を外して極板間隔を広げる

電気容量 2.00 μF の平行板コンデンサーを電圧 12.0 V の電池で充電し、電池を切り離します。その後、極板の面積と極板間の物質を変えずに間隔を2倍にします。変化後の電気容量、電圧、静電エネルギー、および外力の仕事を求めます。漏電と端の影響は無視し、極板はゆっくり動かします。μ は 10⁻⁶ を表し、数値の答えは有効数字3桁で示します。

  1. 一定の量を決めます。電池を切り離して各極板が孤立しているため、電気量の大きさ Q が保存されます。最初に Q=CV=2.00×10⁻⁶×12.0=2.40×10⁻⁵ C と求めます。電圧を一定にする電池が、もうつながっていないことが理由です。
  2. 形から電気容量を求めます。C=εS/d より間隔が2倍なら電気容量は半分の 1.00 μF です。Q は変わらないので、V=Q/C より変化後の電圧は 24.0 V です。
  3. エネルギーの増加を求めます。変化前は U₁=CV²/2=1.44×10⁻⁴ J、変化後は U₂=Q²/(2C)=2.88×10⁻⁴ J です。ゆっくり動かし、他にエネルギーの出入りがないので、外力の仕事は U₂−U₁=1.44×10⁻⁴ J です。

答え:電気容量 1.00 μF、電圧 24.0 V、静電エネルギー 2.88×10⁻⁴ J、外力の仕事 1.44×10⁻⁴ J です。

反対符号の極板は引き合うため、引き離す外力は正の仕事をします。電池がなくてもエネルギーが増えるのは、その仕事を受け取ったためです。電気の式だけでなく力学の仕事でも、答えの増減を確認できます。

例題2 内部抵抗を含む電池の電力

起電力 12.0 V、内部抵抗 1.00 Ω の電池に、5.00 Ω の抵抗をつなぎます。回路の電流、電池の端子電圧、外部抵抗の消費電力を求めます。導線の抵抗は無視し、定常状態を考えます。

  1. 電圧の収支を1周分書きます。外部抵抗と内部抵抗には同じ電流が流れるので、12.0=I(5.00+1.00) です。外部抵抗だけで割らないのは、電池内部でも電圧降下があるためです。
  2. 電流と端子電圧を求めます。I=2.00 A、端子電圧は V=IR=2.00×5.00=10.0 V です。別の求め方でも ℰ−Ir=12.0−2.00×1.00=10.0 V となります。
  3. 電力を求めます。単位時間の仕事は電圧と電流の積なので、P=VI=20.0 W です。V=RI を代入すれば P=I²R でも同じ値になります。電池が供給する電力 ℰI=24.0 W との差 4.00 W は、内部抵抗で熱になる電力です。

答え:電流 2.00 A、端子電圧 10.0 V、外部抵抗の消費電力 20.0 W です。

端子電圧と起電力を区別できると、電池から出るエネルギーをすべて外部抵抗の発熱と数える誤りを防げます。電圧計が理想的なら、測るのは接続した2点間の電位差であり、放電中の電池では端子電圧です。

例題3 電場で加速し、磁場で曲げる

電気量 +1.60×10⁻¹⁹ C、質量 3.20×10⁻²⁷ kg の粒子を静止状態から電位差 400 V で加速します。この 400 V は有効数字3桁の値とします。その後、磁束密度 0.200 T の一様な磁場へ磁場に垂直に入射させます。磁場に入る速さと円軌道の半径を求めます。重力は無視し、加速領域の後には電場がないものとします。定数を使う場合は教科書で用いる値に合わせ、ここで電気素量に相当する値は e=1.60×10⁻¹⁹ C とします。

  1. 加速領域ではエネルギーを使います。電場のする仕事 qV=6.40×10⁻¹⁷ J が運動エネルギーとなるため、mv²/2=qV です。移動距離や加速時間がなくても速さを求められるのが、この方法を選ぶ理由です。
  2. 速さを求めます。v=√(2qV/m) に代入すると、v=2.00×10⁵ m/s です。正電荷は電位の高い側から低い側へ加速されるので、ここで V はその電位の減少量の大きさです。
  3. 磁場内では円運動を考えます。ローレンツ力を向心力として |q|vB=mv²/r を立て、r=mv/(|q|B)=2.00×10⁻² m と求めます。磁場で速さが増えるわけではないため、手順2の速さをそのまま使います。

答え:速さ 2.00×10⁵ m/s、円軌道の半径 2.00×10⁻² m です。

この問題は、全区間に1つの式を当てはめるのではなく、電場の区間と磁場の区間を分けます。粒子の電気量の符号だけを逆にし、加速の向きも適切に変えて同じ速さで入射させるなら、磁場中で曲がる側は逆になりますが、半径の大きさは同じです。

例題4 動く導体棒から電流・力・仕事率へ

水平な平行レールの間隔を 0.400 m とし、左端を抵抗 2.00 Ω でつなぎます。レールをまたぐ導体棒を右へ速さ 3.00 m/s で動かします。磁束密度 0.500 T の一様な磁場は、レール面に垂直で紙面の奥向きです。棒とレールの抵抗、接触部の摩擦、自己誘導は無視します。起電力、電流の大きさと向き、等速を保つ外力、外力の仕事率を求めます。

図2のように、棒を右へ動かすと回路の面積が増え、紙面の奥向きの磁束が増えます。誘導電流は紙面の手前向きの磁場をつくる反時計回りとなり、棒の中では下から上へ流れます。青い十字は紙面の奥向きの磁場、赤い矢印は棒の速度、橙の矢印は棒が受ける磁気力を表します。

図2 磁場中を右へ動く導体棒の誘導電流と磁気力
  1. まず起電力を求めます。時間 Δt の間に棒が vΔt 進むため、回路の面積は lvΔt 増えます。磁束の変化量を時間で割ると |ℰ|=BΔS/Δt=Blv=0.600 V です。磁束から求めれば、棒の式を忘れても導き直せます。
  2. 次に回路の電流を求めます。誘導起電力が電源として働くので、I=|ℰ|/R=0.300 A です。向きはすでにレンツの法則から反時計回りと定まっています。大きさの計算結果だけから向きを推測しません。
  3. 棒への力を求めます。棒の電流は磁場と垂直なので、F=IlB=0.0600 N で、向きは左です。等速を保つには合力をゼロにする必要があるため、外力は右向きに 0.0600 N です。
  4. エネルギーの収支を確かめます。外力の仕事率は Fv=0.180 W、抵抗の消費電力は I²R=0.180 W です。棒の運動エネルギーが増えない条件なので、外力の仕事が抵抗の発熱に変わると説明できます。

答え:起電力 0.600 V、電流 0.300 A で反時計回り、外力は右向き 0.0600 N、仕事率 0.180 W です。

起電力、電流、力の順で未知量が減り、最後に仕事率で一貫性を点検できました。棒だけを見れば運動の問題、回路全体を見れば電気の問題です。対象を切り替える場所を明確にすると、複合問題の長さに振り回されにくくなります。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 電池を外しても電圧を一定にする

誤った書き方は「間隔を2倍にすると C が半分なので、U=CV²/2 よりエネルギーも半分」です。例題1の条件では、電池を外した後も V を一定としている点が違います。正しい書き方は「Q が一定なので U=Q²/(2C) を使い、C が半分なら U は2倍」です。公式そのものの誤りではなく、固定する量の取り違えです。

図3は、例題1と同じように電池を外した場合の、極板間隔と電圧の関係を表します。横軸は最初の間隔 d₀ に対する倍率 d/d₀、縦軸は電圧 V です。Q 一定のもとで C=εS/d を V=Q/C に入れると V=Qd/(εS) となり、電圧は間隔に比例します。原点は比例関係の数学的な延長を示すだけで、極板を接触させる操作を扱ってはいません。

図3 電池を外したコンデンサーの極板間隔と電圧の比例

図3の点は、間隔が最初の1倍、2倍、3倍のとき、電圧がそれぞれ 12.0 V、24.0 V、36.0 V となる関係です。電池につないだままの理想的な条件では、電圧は一定で、電気量が変わります。その場合は電池とのエネルギーの出入りもあるため、外力の仕事をコンデンサーのエネルギー変化だけと等置できません。

誤り2 磁場があるから速さが増えると考える

誤った書き方は「F=|q|vB という力が働くので、進むにつれて速さが増える」です。力があると速度は変わりますが、速度の変化には向きの変化も含まれます。磁気力は瞬間の速度に垂直なので仕事をせず、速さを増やしません。正しい書き方は「一様な磁場へ垂直に入射し、他の力を無視できるなら、速さ一定の円運動をする」です。

ここでは力学へ戻り、速度の向きに平行な力と垂直な力を分けると整理できます。磁場に平行な速度成分もある場合、軌道全体は円ではありません。円運動の公式に全速度をそのまま入れる前に、入射方向が磁場に垂直という条件を読み取ります。

誤り3 誘導電流はいつも元の磁場と逆向きだとする

誤った書き方は「紙面の奥向きの磁場があるので、誘導電流は必ず手前向きの磁場をつくる」です。レンツの法則が妨げるのは、元の磁場そのものではなく磁束の変化です。正しい書き方は「奥向きの磁束が増えるなら手前向き、奥向きの磁束が減るなら奥向きの磁場をつくる」です。

例題4で棒を左へ動かすと、回路を貫く奥向きの磁束は減ります。その減少を妨げるには奥向きの磁場を補う必要があるため、電流は時計回りです。棒の磁気力も右向きになり、やはり運動を妨げます。なお、閉回路を切れば起電力が生じても継続的な電流は流れません。「起電力がある」と「電流がある」も区別します。

練習問題

例題の式をすぐ写す前に、一定の量、使う法則、向きの根拠をそれぞれ短く書いてみてください。答えの数値は有効数字3桁とし、理想化の条件は各問の記述に従います。

練習1

電気容量 3.00 μF の平行板コンデンサーを 6.00 V で充電し、電池を外してから極板間隔を3倍にします。面積と誘電率は一定、漏電と端の影響は無視します。変化後の電気容量、電圧、静電エネルギーを求めてください。さらに、ゆっくり引き離す外力の仕事を求めてください。

練習2

起電力 9.00 V、内部抵抗 0.500 Ω の電池で、4.00 Ω の抵抗に電流を流します。導線の抵抗は無視します。電流、端子電圧、外部抵抗の消費電力を求めてください。端子電圧を起電力より小さくする原因も述べてください。

練習3

例題3と同じ電気量と質量の正の粒子を、静止状態から電位差 1.00×10² V で加速します。その後、磁束密度 0.400 T の一様な磁場へ垂直に入射させます。重力を無視し、加速後に電場はないものとして、速さと円軌道の半径を求めてください。

練習4

図2と同じ配置で、磁束密度を 0.800 T、レール間隔を 0.250 m、抵抗を 4.00 Ω とします。棒を左へ速さ 2.00 m/s で動かしている間の起電力の大きさ、電流の大きさと向き、等速を保つ外力の大きさと向き、仕事率を求めてください。棒は左端に達しておらず、他の抵抗、摩擦、自己誘導は無視します。

答えと解説

練習1:電気容量 1.00 μF、電圧 18.0 V、静電エネルギー 1.62×10⁻⁴ J、外力の仕事 1.08×10⁻⁴ J です。最初の Q=1.80×10⁻⁵ C が保存されます。初めの静電エネルギーは 5.40×10⁻⁵ J なので、その増加分が外力の仕事です。間隔が3倍になると電圧もエネルギーも3倍になるという比例関係でも点検できます。

練習2:電流 2.00 A、端子電圧 8.00 V、消費電力 16.0 W です。全抵抗 4.50 Ω で起電力を割って電流を求めます。内部抵抗の電圧降下は 1.00 V なので、端子電圧は 9.00 V より小さくなります。電池の供給電力 18.0 W のうち 2.00 W は内部抵抗で消費されます。

練習3:速さ 1.00×10⁵ m/s、半径 5.00×10⁻³ m です。まず mv²/2=qV、次に r=mv/(qB) を使います。例題3に比べ、加速電圧が4分の1なら速さは半分、磁束密度が2倍なら半径はさらに半分です。半径が例題3の4分の1となることからも、桁を点検できます。

練習4:起電力 0.400 V、電流 0.100 A で時計回り、外力は左向き 0.0200 N、仕事率 0.0400 W です。奥向きの磁束が減るため、誘導電流は奥向きの磁場をつくります。棒が受ける磁気力は右向きなので、それとつり合う外力は左向きです。外力と速度が同じ向きだから仕事率は正となり、I²R とも一致します。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

電場での加速と磁場での円運動は、電子の性質を調べる実験や原子分野の理解につながります。また、電気振動から電磁波へ進むと、回路で扱ったエネルギーが空間を伝わるという見方が必要になります。次へ進む前に、電場は粒子の速さを変え得ることと、磁気力だけでは仕事をしないことを言い分けられるか確認します。

家庭での5分の確かめ方は2つあります。1つ目は、白紙に図1の4つの分野名を書き、各分野について「求める量」と「使う条件」を1組ずつ添える方法です。公式を書けても条件が書けなければ、その条件を基本の考え方の節で探します。2つ目は、図2の棒の速度だけを逆に描き、磁束の増減、電流、磁気力の順に矢印を入れる方法です。実物の電源や配線を扱わず、紙の図だけで確認できます。

個別指導では、止まった式の直前に戻り、電圧の意味、電流の向き、力と速度の違いのどこが曖昧なのかを確かめます。保護者がお子さまの復習を見る場合も、公式の暗唱より「今は何が一定なのか」という説明を聞くと、理解している範囲が見えます。

まとめ

電磁気の複合問題では、計算が長くなる前に、接続や運動の条件が変わる境目があります。そこに線を引き、電荷を追う場面、エネルギーを追う場面、力の向きを追う場面を分ければ、解答の次の1行には理由が生まれます。数値が合っていても条件を説明できない式は、配置を変えた問題で使い直せません。白紙から立式するときは、式の横に「なぜ今これが使えるか」を残してみてください。

電磁気の解答をつなぐのは、公式の多さではなく、その間に書かれた条件です。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

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