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【物理】よくあるつまずきと直し方を図解で総まとめ—符号・座標軸・慣性力の扱い・位相の混同|武蔵野個別指導塾

負の加速度、作用反作用、加速するエレベーター、波の干渉を4つの例題で整理します。力の図と波形を照らし合わせ、単位換算まで含めて答案を自分で点検できるようにしましょう。
よくあるのは、塾の教材棚の脇で解き直し用の問題を選びながら、「重力は下向きだからマイナス」と書いた答案と、重力をプラスにしている解答を見比べ、どちらを覚えればよいのか迷う場面です。公式は思い出せても、式に入れる符号が違えば答えは変わります。ところが、符号だけを直すと、次の問題ではまた逆になることがあります。
この行き違いは、計算力だけの問題ではありません。「どちら向きを正にしたか」「どの物体に働く力か」「誰から見た運動か」が、式の前に決まっていないことが原因になります。波でも同じで、経路差だけを見て、波源の振動のずれや反射による変化を落とすと、強め合いと弱め合いを取り違えます。
つまずきを直すには、誤答を消して正答を写すだけでなく、式が表していた状況を描き直します。ここでは力学と波を中心に、誤りを見つける順番を具体化します。解き終わったあとに「この符号、この力、この単位でよい」と理由を添えられる状態を目指しましょう。
この単元で身につけること
- 座標軸を決めて、物理量の成分に符号を付けます。負の速度は負の向きへの運動を表し、負の加速度がいつも減速を表すわけではありません。
- 力を「誰が、誰に及ぼすか」で区別します。同じ物体に働く力のつり合いと、異なる物体の間に現れる作用反作用を分けて説明します。
- 観測する立場に合わせて運動方程式を立てます。加速する立場で導入する慣性力を、地上から見た式に重ねて入れないようにします。
- 波の位相と経路差を結びつけます。位相とは振動の一周期のうちの段階を表す量であり、強め合いの条件を使う前に波源と反射の条件を確認します。
- 単位換算を数値と単位の組で行います。長さの換算を面積にそのまま使わず、最後に式の両辺の単位が合うか点検します。
物理基礎で学んだ速度、加速度、運動方程式、波の重ね合わせが出発点です。発展科目の物理では、複数の物体や観測者を扱うため、その出発点をどの対象に適用しているかがいっそう重要になります。新しい公式を探す前に、既に知っている法則の適用先をはっきりさせます。
基本の考え方
符号は向きの約束から決まります
座標とは、基準となる原点から測った位置を数で表したものです。一直線上の運動なら、まず正の向きを矢印で描きます。上向きを正とした鉛直方向では、上向きの速度の成分は正、下向きの速度の成分は負です。速度の大きさである速さは、どちら向きに進む場合も負になりません。たとえば速度が −3.00 m/s なら、速さは 3.00 m/s です。
加速度は、速度が単位時間当たりにどれだけ変化するかを表します。一定の加速度なら、速度の変化は aΔt なので、変化後の速度は v=v₀+at になります。ここで v₀ は初速度、t は初めからの経過時間です。加速度の符号は速度の変化の向きを表すので、速度そのものの向きとは分けて考えます。上向きに投げた物体は重力によって速度が上向きから下向きへ変わりますが、重力の向きは途中で反転しません。
一直線上で速度が0でない瞬間を考えると、速度と加速度の向きが同じなら速さが増し、逆なら速さが減ります。上向きを正にして落下中の物体を見れば、速度も加速度も負なのに速さは増します。「マイナスだから遅くなる」と言い換えないことが大切です。折り返しでは速度が一瞬0になりますが、加速度まで0になるとは限りません。
一定加速度の位置の変化は、平均速度に時間を掛けて求められます。速度が時間に対して一定の割合で変わるので、平均速度は初速度と終速度の平均です。このことと v=v₀+at を合わせると、変位 Δx=v₀t+at²/2 が得られます。変位は終点の座標から始点の座標を引いた量であり、移動距離とは異なります。途中で向きを変える運動の移動距離は、折り返しの前後に分けて足します。
本文の重力加速度の大きさは、教科書で用いる g=9.8 m/s² とします。数値の答えは有効数字3桁にそろえますが、途中計算は丸めずに進めます。上向きを正にすれば重力加速度の成分は −g、下向きを正にすれば +g です。軸を変えても、実際に物体が上がるか下がるかという結論は変わりません。
力の矢印には作用先があります
力のつり合いとは、一つの物体に働く力のベクトル和が0になることです。ベクトルとは、大きさだけでなく向きも持つ量です。一直線上なら、それぞれの力を軸方向の符号付き成分で足せば判定できます。質量 m が一定の物体について、合力 F と加速度 a の関係は F=ma です。合力が0なら加速度が0であり、物体が必ず静止するとは限りません。初めに動いていれば等速直線運動を続けます。
作用反作用の法則では、物体Aが物体Bに力を及ぼすと、BもAに同じ大きさで反対向きの力を同時に及ぼします。この二つの力は作用先が異なります。したがって、Bだけの運動方程式に両方を入れて打ち消すことはできません。二つの物体をまとめて一つの系として扱うときには、この対は系の内部の力として相殺されます。対象を一つにする場合と、まとめる場合を混ぜないようにします。

図1のように、机上で静止する本には、地球から受ける重力 mg と、机から受ける垂直抗力 N が働きます。垂直抗力は接触面に垂直に物体を押す力です。左側の二つの矢印は同じ本に働くので、上下のつり合いを調べられます。一方、右側の二つの矢印は「机が本を押す力」と「本が机を押す力」で、作用反作用の対です。見やすく横に分けて描いてありますが、二つの力は同じ接触面で互いに及ぼされています。
本が受ける重力の反作用は、本が地球を引く力です。机からの垂直抗力ではありません。静止した本では重力と垂直抗力の大きさがたまたま等しくなりますが、その等しさはつり合いから出ています。作用反作用の等しさは、本や机が加速している場合にも成り立ちます。「大きさが等しく逆向き」だけで判定せず、相手と作用先を入れ替えた対になっているかを見ます。
観測する立場と波の位相も先に決めます
慣性系とは、外から合力を受けない物体が静止または等速直線運動をするように見える観測の立場です。ここでは地球の自転などの影響を無視し、地上を慣性系として扱います。地上に対して加速するエレベーター内は、一般に慣性系ではありません。地上では加速している物体が、床と一緒に動く人には静止して見えることがあります。
エレベーターの地上に対する加速度を A、内部の物体のエレベーターに対する加速度を a′ とします。軸を同じ向きにそろえ、エレベーターが回転せず上下に並進する場合、物体の地上に対する加速度は a=a′+A です。地上での式 F=m(a′+A) を移項すると、F−mA=ma′ になります。この −mA を慣性力として扱うと、エレベーター内の運動にも運動方程式の形を使えます。慣性力は観測する立場の加速度と反対向きであり、接触や重力のような相互作用の相手を持ちません。
波でも、何と何を比べるかが先です。同じ周期の二つの振動が常に同じ段階にあれば同位相、半周期ずれていれば逆位相といいます。一周期の位相変化は 2π rad です。波が一波長 λ 進む間に振動は一周期分進むので、経路差 ΔL による位相差の大きさは 2πΔL/λ になります。これは波の速さ v、周期 T、振動数 f の関係 v=λ/T=fλ からも、到着時刻の差 ΔL/v を周期で割ることで確かめられます。
同振動数で位相差が一定の二つの波を考えます。波源が同位相で、途中に相対的な位相の変化がなければ、経路差が波長の整数倍で強め合い、半整数倍で弱め合います。逆位相の波源ならこの対応は入れ替わります。弱め合っても振幅が等しくなければ完全には消えません。条件の式を選ぶ前に、出発時の位相、進む距離、反射による変化を順に調べます。
例題で解き方を確かめる
例題1 落下中の速度が負でも速さは増します
小球を鉛直上向きに 9.80 m/s で投げます。投げた点を原点、上向きを正とし、空気抵抗を無視します。1.50 s 後の速度、速さ、位置を求めます。この時刻まで床などにはぶつからないものとします。
- 軸に合わせて初速度 v₀=+9.80 m/s、加速度 a=−9.8 m/s² と書きます。向きの情報を数値に入れるためであり、重力の大きさ g 自体を負にするのではありません。
- v=v₀+at に代入すると、v=9.80−9.8×1.50=−4.90 m/s です。負号は下向きの運動を表します。速さはその大きさなので 4.90 m/s です。
- Δx=v₀t+at²/2 より、位置は 9.80×1.50−9.8×1.50²/2=3.675 m です。原点より上なので正になり、有効数字3桁で +3.68 m です。
- v=0 となる時刻は 9.80/9.8=1.00 s です。1.50 s 後は最高点を過ぎているので、「原点より上にありながら下へ動く」という結果が状況と一致します。
答え:速度 −4.90 m/s、速さ 4.90 m/s、位置 +3.68 m です。
位置が正だから速度も正だと思い込むと、ここで答えを不自然に修正してしまいます。位置は原点との関係、速度は進む向き、加速度は速度が変わる向きを表します。最高点の高さは 4.90 m なので、この時刻までの移動距離は 4.90+(4.90−3.675)=6.125 m、3桁で 6.13 m です。変位 3.68 m と一致しない理由も、折り返しを挟んでいることから説明できます。
例題2 等しい二つの力の関係を見分けます
質量 2.00 kg の本が水平な机の上で静止しています。本に働く重力と垂直抗力の大きさを求め、垂直抗力の反作用を説明します。本はほかの物体に支えられておらず、上下にほかの力を受けないものとします。
- 対象を本だけにします。図1の左側のように、本が受ける下向きの重力と上向きの垂直抗力を描きます。机が受ける力を混ぜないため、対象を先に囲みます。
- 上向きを正とすると、静止している本の運動方程式は N−mg=0 です。加速度が0なので右辺が0になり、N=mg が得られます。
- mg=2.00×9.8=19.6 N より、垂直抗力も 19.6 N です。この等しさは本のつり合いから導かれたもので、作用反作用を使って求めたものではありません。
- 「机が本を上向きに押す力」の主語と相手を入れ替えます。反作用は「本が机を下向きに押す力」で、大きさは 19.6 N です。
答え:重力も垂直抗力も 19.6 N で、垂直抗力の反作用は本が机を下向きに押す 19.6 N の力です。
もし机と本が一緒に上下へ加速すれば、本の重力と垂直抗力は一般に等しくありません。それでも本と机が互いに押す力の大きさは等しいままです。つり合いは運動状態に関する条件、作用反作用は二物体の相互作用に関する法則という違いを、言葉でも確かめましょう。
例題3 エレベーター内の静止を二つの立場で表します
質量 5.00 kg の荷物を載せたエレベーターが、上向きに 1.96 m/s² の加速度で運動しています。荷物は床に対して静止しています。床が荷物を押す垂直抗力を、地上からとエレベーター内からの両方で求めます。

図2の左側は地上からの見方、右側はエレベーター内からの見方です。赤は重力、紺は垂直抗力、橙は慣性力です。力の矢印は共通の尺度で、大きさに比例させています。どちらの図でも重力と垂直抗力は同じで、右側だけに観測の立場に応じた慣性力が加わります。
- 地上から見て上向きを正にします。荷物も床と同じ加速度 A=+1.96 m/s² を持つので、N−mg=mA と立てます。荷物が床に対して静止していることを、地上での静止と取り違えないためです。
- 移項して N=m(g+A) とし、5.00×(9.8+1.96)=58.8 N を得ます。上向きの合力が必要なので、N が mg=49.0 N より大きいことも確かめられます。
- エレベーター内では荷物の相対加速度 a′=0 です。上向きに加速する立場なので、下向きに大きさ mA=5.00×1.96=9.80 N の慣性力を加えます。
- 内部からの式は N−mg−mA=0 となり、同じ N=58.8 N が得られます。この立場では力の和を0にしていますが、慣性力を含めた和である点に注意します。
答え:地上からもエレベーター内からも、垂直抗力は上向きに 58.8 N です。
エレベーターが上昇しているか下降しているかだけでは、垂直抗力の大小は決まりません。下降しながら減速している場合にも加速度は上向きになります。逆に上昇しながら減速していれば加速度は下向きです。慣性力の向きは速度と反対なのではなく、観測する立場の加速度と反対です。
例題4 波長をそろえて経路差を判定します
同位相で振動する二つの波源から、同じ媒質中を速さ 3.20 m/s、振動数 8.00 Hz の波が伝わります。ある点Pまでの経路の長さは 1.20 m と 1.80 m です。反射による位相変化はなく、Pで各波の振幅は等しいとします。Pでは強め合うか弱め合うかを求め、片方の波源だけを逆位相にした場合も考えます。
- 波の速さは「一周期の間に一波長進む」ことから v=fλ です。したがって λ=3.20/8.00=0.400 m と求めます。経路差と比較するため、長さの単位を m にそろえます。
- 経路差は ΔL=1.80−1.20=0.600 m です。二つの経路の合計ではなく、到着する振動のずれを決める長さの差を使います。
- ΔL/λ=0.600/0.400=1.50 より、経路差は波長の半整数倍です。位相差は 3π rad で、一周期分の 2π rad を除くと π rad なので逆位相になります。同位相の波源から出た二つの波はPで弱め合い、振幅も等しいため打ち消し合います。
- 片方の波源の位相を π rad ずらすと、到着時の位相差も π rad ずれます。逆位相だった関係が同位相に変わり、Pでは強め合います。
答え:同位相の波源ならPで完全に打ち消し合い、片方の波源を逆位相にすると強め合います。
同じ経路差でも、波源の条件が変われば結論が逆になります。式だけを暗記すると、この変更を見逃しがちです。λ=0.400 m を 40.0 cm と書き換えてもよいですが、その場合は経路差も 60.0 cm に直して比を取ります。0.600 と 40.0 をそのまま割る計算には、同じ長さ同士を比較した意味がありません。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 向きの記号と単位の大きさを混ぜます
誤った書き方:「下向きに進むから加速度は −g」「1.00 cm²=0.0100 m²」と書きます。前者は進む向きを加速度の向きに置き換え、後者は面積を長さと同じ倍率で換算しています。どちらも記号が何を表すかを確かめずに操作した誤りです。
どこが違うか:加速度の符号は座標軸と速度の変化で決まります。また、1 cm² は一辺 1 cm の正方形の面積なので、縦と横の両方を m に直す必要があります。長さの換算係数を一度掛けるだけでは、片方の辺しか換算していません。
正しい書き方:上向きを正として重力だけを受けるなら、上昇中も下降中も a=−g とします。面積なら 1.00 cm²=1.00×(0.01 m)²=1.00×10⁻⁴ m² です。同様に 1.00 cm³=1.00×10⁻⁶ m³ となります。単位を省かずに途中式へ残すと、何回換算したかが見えます。
単位の一致は必要な確認ですが、それだけで正解とは言えません。運動方程式の左右がともに N になっていても、力の向きを逆にした式は誤りです。単位の点検と向きの点検は、別々の確認として行います。
誤り2 受ける力と観測の立場を混ぜます
誤った書き方:例題3で「荷物は床に対して静止しているから N−mg=0」としたり、地上から見て「N−mg−mA=mA」としたりします。最初の式は地上に対する加速度を落とし、後の式は加速する立場で使う慣性力を地上の式に入れています。
どこが違うか:地上から見た荷物は加速しており、実際の相互作用による合力が0ではありません。一方、エレベーター内では相対加速度を右辺に使い、左辺に慣性力を入れます。左右で異なる立場を使うと、同じ加速の影響を重ねて数えることになります。
正しい書き方:地上なら N−mg=mA、エレベーター内なら N−mg−mA=0 です。式の上に「地上」「床とともに動く立場」のどちらかを書き、加速度の意味を固定します。また、本と机の作用反作用を本だけの式に両方入れる誤りも、対象の混在です。力の横に「机→本」のように作用先を書けば、入れてよい力を選べます。
誤り3 経路差だけで強め合いを決めます
誤った書き方:「経路差が λ なら必ず強め合う」と判断します。波源が逆位相の場合や、片方だけが位相を反転させる反射をした場合には、この判断をそのまま使えません。経路差は、位相差を生む原因の一つです。

図3のように、同位相の二つの波は山と山、谷と谷が重なります。左側は紺の実線と赤の破線が同じ形に重なっています。右側は半周期ずれて、片方の山に他方の谷が対応します。縦軸 y は媒質の変位、横軸 x は位置で、同じ時刻の波形です。図では等しい振幅を A とし、波形の見た目で比較していますが、干渉の判定では観測点に到着した二つの振動の関係を調べます。
どこが違うか:経路差が一波長なら、伝わる間に生じるずれは一周期分です。それだけでは出発時の位相差は消えません。弦の変位について、固定端での反射は位相が反転し、自由端での反射は反転しません。反射を含む問題では、二つの波がそれぞれどんな反射を経たかも比べます。
正しい書き方:「同位相の波源で、相対的な位相反転がなければ、ΔL=nλ で強め合う」と条件まで書きます。ここで n は0以上の整数です。弱め合いは ΔL=(n+1/2)λ であり、完全に消えるには到着時の振幅が等しいことも必要です。同じ波長でも振動数や位相の関係を無視してよいわけではなく、安定した干渉を考えるときは同振動数で位相差が一定という前提を保ちます。
練習問題
練習1
下向きを正とし、小球を静かに放します。空気抵抗は無視し、落下開始から 0.500 s 後まで床に達しないものとします。この時刻の速度と落下距離を求めてください。さらに、軸を上向き正に変えた場合の速度と変位を書いてください。速さと落下距離が軸の選び方で変わるかも考えます。
練習2
質量 3.00 kg の箱が、上下に加速していない水平な床の上で静止しています。箱が受ける重力、床から受ける垂直抗力、箱が床を押す力の大きさと向きを求めてください。このうちつり合う対と作用反作用の対を区別し、重力の反作用がどこに働くかも説明してください。
練習3
質量 4.00 kg の荷物が、下向きに 2.45 m/s² の加速度で運動するエレベーターの床に対して静止しています。床からの垂直抗力と、エレベーター内で用いる慣性力の大きさと向きを求めてください。地上と内部で、それぞれ上向きを正とした式を書きます。
練習4
同振動数で逆位相の二つの波源から、波長 20.0 cm の波が伝わります。観測点までの経路差は 0.400 m で、反射による位相変化はなく、観測点で二つの波の振幅は等しいものとします。観測点では強め合うか弱め合うかを答えてください。また、別の単位換算として 2.50 cm² を m² で表してください。
答えと解説
練習1:下向き正の速度は +4.90 m/s、落下距離は 1.23 m です。v=gt=9.8×0.500、変位は gt²/2=1.225 m なので、3桁に丸めます。上向き正に変えると速度は −4.90 m/s、変位は −1.23 m になります。速さ 4.90 m/s と落下距離 1.23 m は、実際の運動を表す大きさなので変わりません。
練習2:重力は下向き 29.4 N、垂直抗力は上向き 29.4 N、箱が床を押す力は下向き 29.4 N です。箱に働く重力と垂直抗力がつり合います。床が箱を押す力と箱が床を押す力が作用反作用の対です。箱が受ける重力の反作用は箱が地球を引く力で、作用先は地球です。
練習3:垂直抗力は上向き 29.4 N、慣性力は上向き 9.80 N です。地上では A=−2.45 m/s² なので、N−4.00×9.8=4.00×(−2.45) です。内部では慣性力の成分が −mA=+9.80 N となり、N−39.2+9.80=0 です。下向きの加速中は、荷物の重力より垂直抗力が小さくなります。
練習4:弱め合い、完全に打ち消し合います。波長は 0.200 m、経路差は波長の2倍なので、伝わる間のずれは2周期分です。出発時の逆位相はそのまま残ります。面積の換算は 2.50×(0.01)²=2.50×10⁻⁴ m² です。経路差の単位換算と面積の単位換算では、換算係数を掛ける回数が異なります。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
ここで整理した符号と対象の区別は、円運動、電場内の運動、交流にもつながります。円運動では速度と加速度の方向が異なり、電場では電荷の符号によって力の向きが変わります。交流では電圧と電流の位相を比べます。新しい記号が出ても、最初に「何の向きか」「何と何のずれか」を言葉にする習慣は共通です。
家庭では、紙と筆記具だけでできる二つの確認を、それぞれ5分で試せます。一つ目は例題1の軸を下向き正に変え、初速度、加速度、答えの符号だけを書き直すことです。速さや原点からの高さまで変えてしまったら、成分と大きさの区別に戻ります。
二つ目は図1の各矢印について、「誰が誰に及ぼすか」を図を隠して書くことです。お子さまと確かめる保護者の方も、答えの数値を尋ねる前に、力を受ける物体を指してもらうと説明を追えます。個別指導で解き直す際は、最初に意味が変わった行を探し、必要なら座標軸の矢印や、力を受ける物体の選択まで戻って確認します。
まとめ
解答と符号が違うときは、すぐに計算を全部やり直す必要はありません。軸が逆なら両方の式が同じ運動を表すこともあります。一方、数値が一致していても、作用反作用をつり合いと呼んでいたら説明は直す必要があります。正誤を決める根拠を数値だけに置かず、その式に含めた対象と条件に戻しましょう。
解き直しのノートには、正しい式のそばに「上向き正」「荷物だけ」「地上から」「同位相の波源」のように、今回抜けた条件を短く残せます。次に似た問題を開いたとき、その言葉から図を再現できれば、訂正が次の判断につながります。符号の一文字にも、どこから何を見たかという物理の意味があります。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




