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【物理】物理の実験と測定を図解で総まとめ—有効数字・誤差・グラフの引き方・代表的な実験|武蔵野個別指導塾

ものさしの読み取り、単振り子のグラフ、比熱の熱収支、回折格子の光路を図と例題でたどり、有効数字と誤差を根拠に測定結果を説明する力を育てます。
よくあるのは、放課後の廊下の掲示板の前で実験レポートの見本を読み、「同じ振り子を測ったのに班ごとに値が違うのは、だれかの計算が間違っているからですか」と立ち止まる場面です。式に数値を入れることはできても、測定値をどこまで信用し、どの桁まで書くのかとなると、判断の根拠が見えにくくなります。
実験は、公式に合う数値を出す作業ではありません。何を直接測り、どの法則を使って別の量を求め、結果のずれをどう説明するかを組み立てる学習です。わずかなばらつきがあっても、測る条件と読み方が明確なら、物理法則との対応を考えられます。反対に、計算機の表示を長く写しただけでは、測定の確かさは増えません。
有効数字、誤差、グラフの扱いをつなぐと、単振り子で重力加速度を求める実験も、水と金属の温度変化から比熱を求める実験も、共通の手順で読めます。測定値から結論までの道筋を、一つずつ確かめていきましょう。
この単元で身につけること
- 測定器の目盛りを適切に読みます。最小目盛り、目線の位置、測定の始点を区別し、記録には数値と単位をそろえます。
- 有効数字を根拠に答えの桁を決めます。末尾の0の意味と、足し算・掛け算で異なる処理を理解し、途中計算では桁を残します。
- 誤差の原因を分けて考えます。繰り返しによるばらつきと、器具や手順による一定方向のずれでは、必要な改善が異なります。
- グラフを直線化して物理量を求めます。横軸と縦軸を公式から決め、傾きの数値だけでなく単位と切片にも注目します。
- 代表的な実験の測定条件を説明します。単振り子では長さと振れ幅、比熱では熱の出入り、回折格子では角度と距離の関係を押さえます。
物理基礎で学んだ単位換算、熱量、波の性質と、物理で学ぶ単振り子や光の干渉が、この単元で測定という一つの作業につながります。式を覚えているかだけでなく、その式のどの量が器具で読めるのかを説明することが目標です。
基本の考え方
測定器の読みと有効数字をそろえる
測定値とは、器具と測り方に基づいて得られた値です。ものさしなら長さ、ストップウォッチなら時間を直接読みます。これに対し、長さと周期から求める重力加速度は、直接読んだ量を公式に入れて得る値です。まず「測った値」と「計算した値」を記録の中で区別すると、ずれの原因を探しやすくなります。
アナログの目盛りでは、読み取れる条件のもとで最小目盛りの10分の1まで目分量で読むのが基本です。最小目盛りが1 mmのものさしなら、0.1 mm、つまり0.01 cmの桁まで記録します。ただし、物体の端がぼやけている、目盛りが太いなどの事情があれば、その限界も考えます。細かい桁を書けば、必ずそこまで正しいという意味ではありません。
図1のように、物体の左端がものさしの0にない場合は、右端の読みから左端の読みを引きます。図の細かい目盛りは0.1 cm間隔で、左端12.30 cm、右端15.70 cmです。したがって長さは15.70 − 12.30 = 3.40 cmとなります。右端の読み15.70 cmをそのまま長さにしてはいけません。

ものさしの面に対して斜めから見ると、物体の端と目盛りの位置がずれて見えることがあります。これが視差です。目線を読み取る目盛りに対して垂直にし、物体を目盛りに近づけると抑えられます。デジタル計器は表示された桁を記録し、表示されていない桁を勝手に付け足しません。また、表示の細かさと器具自体の正確さは同じではありません。
有効数字は、測定値のうち意味をもつ数字の並びです。3.40 cmは3桁で、最後の0は百分の一の位まで読んだことを表します。0.00340 mでも有効数字は3桁です。先頭の0は位を示すだけですが、4の後ろの0は測定の情報を含みます。大きな数の末尾の0が紛らわしいときは、3.40×10³のような書き方で桁数を明らかにできます。
計算結果の桁の扱いは、高校の実験では次の規則を基本とします。掛け算・割り算では、もとにした測定値の有効数字のうち最も少ない桁数に合わせます。足し算・引き算では、有効数字の個数ではなく、最も粗い位に合わせます。例えば12.3 cmと0.45 cmの和は、計算上12.75 cmですが、小数第1位に丸めて12.8 cmと書きます。この例は丸め方を示すためのものです。以下の例題・練習の最終数値は、与えた測定条件に合わせて有効数字3桁で示します。
途中で何度も丸めると、最後の桁に余計なずれが生じます。計算中は余分な桁を残し、答えでまとめて丸めます。また「20回の往復」の20のように正確に数えた個数は、測定値と違って有効数字を制限しません。測定時間を20で割ったからといって、答えが1桁や2桁になるわけではありません。
誤差を原因と結びつける
誤差は、測定値と真の値との差です。ただし真の値は普通はわからないため、実験では繰り返し測定のばらつきや、条件のわかった基準値との違いを調べます。基準値との差をすぐ「真の誤差」と決めつけず、比較の相手を明記することが大切です。
偶然誤差は、測るたびに不規則に変動する原因によるずれです。例えばストップウォッチの押し方のばらつきが当たります。同じ条件で独立に繰り返し測り、平均を取ると、その影響を小さくできることがあります。平均は、測定値の合計を測定回数で割った値です。全記録を残してから計算し、都合のよい値だけを選ばないようにします。
系統誤差は、目盛りのずれや一定の手順の偏りなどにより、同じ条件で一定の傾向をもって生じるずれです。振り子の長さを毎回おもりの上端までしか測らない場合などが当たります。同じ間違いを繰り返して平均しても、その偏りは消えません。器具の零点、測る位置、理論が成り立つ条件を別に確認する必要があります。
繰り返しの値がよくそろうことと、真の値に近いことは区別します。ずれた目盛りを使っても、毎回ほぼ同じ値が出ることはあります。また、読み間違いや転記ミスは、平均で解決する問題ではありません。大きく離れた値があったら、単位や記録を確認し、除くなら測定上の理由を残します。
基準値とのずれを比べるには、差の大きさを基準値で割った相対的なずれも役立ちます。百分率で表すなら、相対的なずれ = |測定から求めた値 − 基準値|÷ 基準値 × 100 です。縦線は差の絶対値、つまり正負を除いた大きさを表します。同じ0.1という差でも、比較する量の大きさと単位が違えば意味が変わるため、この比を使います。
法則をグラフで調べるための準備
グラフには物理量の名前や記号と単位を書き、同じ軸上の目盛りを等間隔にします。縦軸と横軸で紙面上の1 cmが表す数値は異なって構いませんが、途中で目盛りの間隔を変えてはいけません。測定点はまず点として示し、関係が直線と考えられるなら、点全体の傾向に合う直線を引きます。点を測定順に折れ線で結ぶこととは目的が異なります。
直線化とは、量の組み合わせを変えて、法則を直線として表すことです。小さい振れ幅の単振り子では、周期Tと長さlの間にT = 2π√(l/g)が成り立ちます。周期は1往復にかかる時間、長さlは支点からおもりの重心までの距離、gは重力加速度です。糸の質量や空気抵抗の影響を小さいとみなし、振れ幅を小さくすることがこの式の条件です。
この関係は、振れ角が小さいとき、おもりを戻す向きの重力の成分が変位にほぼ比例し、単振動になることから得られます。式を2乗するとT² = (4π²/g)lです。横軸をl、縦軸をT²にすれば、比例関係を表す直線となり、傾きa = 4π²/gからg = 4π²/aを求められます。Tとlをそのまま直線で結んで傾きを求めるのとは違います。
実測では、直線が原点からずれることにも意味があります。測った長さがいつも短い場合などは、切片、つまり横軸が0のときの縦軸の値にずれが現れることがあります。ただし切片だけで原因を断定せず、器具と手順を確かめます。理論で原点を通るはずだからといって、実験で得たずれを消すように点を動かしてはいけません。
例題で解き方を確かめる
例題1 20往復の測定から周期を求める
同じ長さの振り子について、20往復にかかった時間を3回測ると、39.8 s、40.0 s、40.2 sでした。平均時間と周期を求めます。各回とも同じ位置を同じ向きに通過した瞬間から数え始め、20往復後に止めたものとします。
- まず測定対象を確認します。記録されているのは1往復の時間ではなく、20往復の合計時間です。左右への片道を1回と数えていないかを確認するため、出発位置と運動の向きをそろえます。
- 平均時間を求めます。(39.8 + 40.0 + 40.2) ÷ 3 = 40.0 sです。同じ条件で得た値を平均することで、押すタイミングの不規則なばらつきの影響を抑えます。
- 平均時間を20で割ります。T = 40.0 ÷ 20 = 2.00 sです。20は正確に数えた往復数なので、もとの時間がもつ3桁の情報を保って表します。
答え:20往復の平均時間は40.0 s、周期は2.00 sです。
1往復だけ測るより、複数往復をまとめて測る方が、開始と停止で生じる時間のずれの相対的な影響を小さくできます。ただし回数を増やしすぎて振れ幅が大きく変わる、途中で数え間違えるといった問題もあります。毎回同じ往復数と条件で測り、開始時のおもりは押さずに静かに放します。
例題2 直線の傾きから重力加速度を求める
長さlを変えて周期を測り、横軸l、縦軸T²のグラフを作りました。測定点全体から引いた直線上で、点Aを(0.200 m, 0.806 s²)、点Bを(1.000 m, 4.030 s²)と読みました。重力加速度を求めます。
図2のように、傾きは直線上で離れた2点を選び、大きな直角三角形の縦の差と横の差から読み取ります。図の直線と点は、この例題のa = 4.03 s²/mという関係を表しています。AとBは直線を読むための点であり、必ず実際の測定点である必要はありません。

- 縦軸と横軸の差を求めます。ΔT² = 4.030 − 0.806 = 3.224 s²、Δl = 1.000 − 0.200 = 0.800 mです。Δは2点の値の差を表します。ここでは途中の丸めを避けて数値を保持します。
- 傾きを計算します。a = ΔT²/Δl = 3.224 ÷ 0.800 = 4.03 s²/mです。縦軸が時間の2乗なので、傾きの単位もs/mではなくs²/mになります。
- 法則の係数と対応させます。T² = (4π²/g)lよりg = 4π²/aです。πの桁を十分残して計算すると、g = 9.796… m/s²となります。
- 求める量に単位を付けて丸めます。1 ÷ (s²/m)はm/s²で、重力加速度の単位に一致します。結果を有効数字3桁で表します。
答え:重力加速度は9.80 m/s²です。
重力加速度の比較には、教科書で用いるg = 9.8 m/s²を基準とします。ただし、比較用の値を最初から代入して実測結果を作ってはいけません。この例では、グラフから求めた値を最後に基準と比べています。単振り子の測定では、おもりが床や人に当たらない空間を確保し、支点が緩んでいないことも先に確認します。
例題3 水と容器が受け取る熱から比熱を求める
質量0.100 kgの金属を85.00 ℃にして、20.00 ℃の水0.100 kgに入れたところ、金属、水、容器が25.00 ℃で同じ温度になりました。容器の熱容量は42.0 J/Kです。水の比熱は教科書の値として4.20×10³ J/(kg K)を使い、外への熱の流出、蒸発、移す間の金属の温度低下は無視します。金属の比熱を求めます。
比熱cは、物質1 kgの温度を1 K上げるのに必要な熱量です。質量がm倍、温度変化がΔθ倍なら必要な熱量もそれぞれに比例するので、熱量Q = mcΔθとなります。一方、熱容量Cはその物体全体を1 K温めるための熱量なので、容器ではQ = CΔθを使います。温度差の数値は℃で引いてもKで表しても同じです。
- 熱を失う物体と受け取る物体を分けます。高温の金属が失う熱を、水と容器が受け取ります。外部との熱のやり取りを無視する条件から、失った熱量と受け取った熱量の和が等しくなります。
- 水と容器の温度上昇を求めます。25.00 − 20.00 = 5.00 Kです。水が受け取る熱は0.100 × 4.20×10³ × 5.00 = 2100 J、容器が受け取る熱は42.0 × 5.00 = 210 Jです。これらは途中計算の値として保持します。
- 金属の温度低下を求めます。85.00 − 25.00 = 60.00 Kなので、金属が失う熱は0.100 × c × 60.00です。熱収支は0.100 × c × 60.00 = 2100 + 210となります。
- cについて解きます。c = 2310 ÷ 6.00 = 385 J/(kg K)です。温度差5.00 Kと質量などの有効数字に合わせ、答えは3桁で示します。温度計の細かい表示を使う場合も、器具の精度が十分かを併せて検討します。
答え:金属の比熱は385 J/(kg K)です。
実験では、温度計が示すのはその先端付近の温度です。水を穏やかに混ぜ、温度が全体でそろうようにしないと、熱平衡に達した温度として扱いにくくなります。加熱と移動は教員の管理下で、適切な器具を使って行います。熱した金属や容器には直接触れず、ここに示した計算を家庭での加熱実験の手順に読み替えないでください。
例題4 回折格子の明線から波長を求める
1 mm当たり1.00×10³本の線がある回折格子に、単色光を垂直に入射させます。格子と平行なスクリーンまでの垂直距離Lは1.20 m、中央の明線から1次の明線までの距離xは0.900 mでした。光の波長を求めます。光源と格子は、明線の方向から回折角を読み取れる配置に調整してあるものとします。
回折格子は、等間隔の多数の細いすき間などをもつ光学素子です。隣り合うすき間の間隔dを格子間隔といいます。垂直入射では、角度θの方向へ出る隣同士の光の道のりの差がd sinθです。この差が波長λの整数倍になると波の山同士が重なって強め合うので、明線の条件はd sinθ = mλとなります。mは中央から数えた次数で、中央が0次、その隣が1次です。
- 線の本数から格子間隔を求めます。1 mm = 1.00×10⁻³ mを使い、d = (1.00×10⁻³) ÷ (1.00×10³) = 1.00×10⁻⁶ mです。単位長さ当たりの本数が多いほど、間隔は狭くなります。
- 光路の直角三角形から角度を求めます。斜辺は√(L² + x²) = √(1.20² + 0.900²) = 1.50 mなので、sinθ = x/√(L² + x²) = 0.600です。角度そのものを求めなくても計算できます。
- 1次の明線なのでm = 1を入れます。λ = d sinθ = 1.00×10⁻⁶ × 0.600 = 6.00×10⁻⁷ mです。1 nm = 10⁻⁹ mより、6.00×10² nmとも書けます。
答え:光の波長は6.00×10⁻⁷ m、すなわち6.00×10² nmです。
光学実験では、光源を直接のぞき込まないことが基本です。特にレーザー光は、人の目に入らない配置にし、鏡面での反射先にも注意して、教員の指示のもとで扱います。スクリーン上の明線を観察し、光源側をのぞいて明線を探してはいけません。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 回数を増やせばどんなずれも消える
誤った書き方は「振り子の長さを毎回おもりの上端まで測っても、何回も測定して平均すれば正しい値になる」です。どこが違うかというと、支点から重心まで測るべき長さを、毎回同じ向きに短く記録している点です。平均は不規則なばらつきの影響を抑えるための方法で、長さの定義の取り違えは修正できません。
正しい書き方は「支点からおもりの重心までの長さを測り直し、同じ条件で周期を繰り返し測る」です。例えばg = 4π²l/T²を使うとき、Tが同じでlだけが小さければ、求まるgも小さくなります。ずれの向きを式から予想すると、点検すべき箇所を絞れます。ただし、糸の伸びや支点の揺れなど複数の原因が重なる場合もあるので、方向が合うことだけで原因を決めないようにします。
誤り2 比熱の計算で容器を消してしまう
誤った書き方は「金属が失った熱量 = 水が受け取った熱量」とだけ書き、例題3でも容器の熱容量を使わないことです。どこが違うかというと、容器も20.00 ℃から25.00 ℃へ温まっているため、その温度上昇にも熱が必要な点です。水に入った熱だけを数えると、金属が失った熱の総量を小さく見積もります。
正しい書き方は「金属が失った熱量 = 水が受け取った熱量 + 容器が受け取った熱量」です。例題3で容器を無視すると350 J/(kg K)となり、385 J/(kg K)より小さい値になります。また、外への放熱が無視できないのに無視した場合も、この高温金属を水に入れる配置では、金属が失った熱を過小評価する方向になります。先に熱の受け渡しの相手を列挙してから式を立てましょう。
誤り3 スクリーンの距離比をそのままsinθにする
誤った書き方は「sinθ = x/Lだから、例題4の波長は7.50×10⁻⁷ m」です。どこが違うかというと、x/Lは直角三角形の向かい側と隣り側の比、つまりtanθである点です。sinθは向かい側と斜辺の比なので、分母が異なります。
図3のように、Lは格子からスクリーンへの垂直距離、xはスクリーン上の中央から明線までの距離です。斜めに進む光の長さは√(L² + x²)となります。図は例題4のL : x = 4 : 3を保って描いてあり、斜辺と横の辺を取り違えないために使えます。

正しい書き方は「sinθ = x/√(L² + x²)を使う」です。xがLに比べて十分小さいときだけ、斜辺をLとほぼ同じとみなし、sinθ ≈ tanθ ≈ x/Lと近似できます。例題4ではx/L = 0.750で、sinθ = 0.600との差を無視できません。近似を使う前に距離の比を確かめる習慣が、もっともらしい計算ミスを防ぎます。
練習問題
練習1 両端の読みと単位換算
最小目盛り1 mmのものさしで、棒の左端を4.20 cm、右端を9.86 cmと読みました。棒の長さをcmとmで表してください。ものさしと棒は平行で、目線は目盛りに対して垂直だったものとします。どちらの答えでも有効数字が同じかを確かめましょう。
練習2 周期と基準値との比較
ある長さの振り子の25往復を3回測ると、49.8 s、50.0 s、50.2 sでした。平均の周期を求めてください。また、長さを変えた実験のグラフからg = 9.600 m/s²が得られたとき、基準値9.8 m/s²に対するずれの大きさを百分率で求めてください。ここでは基準値は比較の基準として扱い、百分率も3桁で示します。
練習3 水だけが熱を受け取る場合
80.00 ℃の金属0.200 kgを20.00 ℃の水0.150 kgに入れると、24.00 ℃で熱平衡になりました。水の比熱を4.20×10³ J/(kg K)として、金属の比熱を求めてください。この問題では容器の熱容量、外部との熱のやり取り、移動中の温度低下は無視します。例題3とは、容器の条件が異なることに注意しましょう。
練習4 回折格子と次数
1 mm当たり5.00×10²本の線がある回折格子に、波長5.00×10⁻⁷ mの光を垂直に入射させます。2次の明線の方向についてsinθを求めてください。また、5次の明線が現れる方向はあるでしょうか。sinθが取り得る値の範囲から理由も説明してください。
答えと解説
練習1:長さは5.66 cm = 5.66×10⁻² mです。9.86 − 4.20を計算し、どちらも百分の一の位まで読んでいるので、その位まで答えます。cmからmへの換算は正確な単位の関係なので、有効数字3桁は変わりません。
練習2:周期は2.00 s、基準値に対するずれは2.04 %です。25往復の平均時間は50.0 sなので、50.0 ÷ 25を計算します。ずれは|9.600 − 9.8|÷ 9.8 × 100 = 2.0408… %です。この値だけで実験の良し悪しを決めず、長さと時間の読みの確かさに照らして考えます。
練習3:比熱は225 J/(kg K)です。水の受け取る熱量は0.150 × 4.20×10³ × (24.00 − 20.00) = 2520 J、金属の温度低下は56.00 Kです。0.200 × c × 56.00 = 2520より求めます。容器を無視することはいつでも許されるのではなく、この問題に明示された条件です。
練習4:2次ではsinθ = 0.500、5次の方向はありません。格子間隔は2.00×10⁻⁶ mなので、2次ではsinθ = 2 × 5.000×10⁻⁷ ÷ (2.00×10⁻⁶)です。5次では同じ式から1.25となりますが、sinθは1を超えられません。計算で値が出ても、それを満たす角度があるかを確かめる必要があります。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
直線の傾きから係数を求める見方は、電流と電圧から抵抗を調べる実験や、力と伸びからばね定数を求める実験にも使えます。どちらを縦軸にするかによって傾きが表す量は変わるので、公式を「縦軸の量 = 係数 × 横軸の量」の形にしてから描き始めます。比熱の実験で使った熱収支も、エネルギーの出入りを調べる問題へつながります。
家庭で5分ほど確かめるなら、一つ目はものさしで紙の幅を測り、紙を少しずらして両端の読みの差を取り直す方法です。端を0に合わせた場合と結果を比べ、最後の桁まで記録します。二つ目は、ノートにlとT²の軸を描き、傾きの単位を言葉で説明する方法です。「縦の差を横の差で割る」を式に戻せるかを確認できます。加熱器具やレーザーを家庭で用意する必要はありません。
個別指導で確かめるときは、計算の手前にある「どこからどこまで測ったか」と「どの物体の温度が変化したか」まで戻ります。お子さまのレポートを見る保護者の方も、数値が合ったかに加え、軸の単位や熱の受け渡しの相手を本人が説明できるかに目を向けると、理解の止まった箇所をつかみやすくなります。
まとめ
測定結果が理論値と少し違ったとき、その差は消すべき汚れではありません。読み取る位置、平均の取り方、式の条件、熱の逃げ道を問い直す入口です。逆に、答えが理論値と一致しても、単位や測り方を説明できなければ、偶然の一致を見逃すことがあります。
レポートには、数値だけでなく、その数値を得るまでの判断を残しましょう。最後の0を残す理由や、直線の傾きにs²/mが付く理由まで伝われば、読み手は測定から結論までをたどれます。実験の説得力は、そろった答えではなく、ずれを説明できる測定の筋道に宿ります。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




