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【物理】平面内の運動を図解で総まとめ—速度と加速度のベクトル・相対速度・放物運動|武蔵野個別指導塾

速度の成分分解から相対速度、水平投射、斜方投射へ順に進みます。4つの例題と放物線の図で、向きの符号や最高点の加速度を確かめ、座標と時刻から自力で立式する力を育てましょう。
よくあるのは、返されたテストの余白に放物線を描き直し、「最高点では止まるから、速度も加速度も0」と書いて、もう一度手が止まる場面です。上向きの動きがなくなるのは確かですが、その瞬間にも物体は横へ進んでいます。矢印を1本で眺めていると、この横向きの動きと、下向きに速度を変えるはたらきが見えにくくなります。
平面内の運動は、左右と上下の運動を分け、同じ時刻でつなぎ直すと見通しが立ちます。難しい公式を増やす前に、座標軸、観測する人、時計の出発点をそろえることが必要です。直線運動で学んだ式も、使う方向をはっきりさせればそのまま役立ちます。
ここでは、変位・速度・加速度の違いから始め、動いている人から見た相対速度、水平投射、斜方投射へ進みます。式の答えだけでなく、その符号や矢印が何を表すかまで説明できることを目指しましょう。テストの余白に残すべきなのは、記憶した放物線だけでなく、運動を読み解くための2本の軸です。
この単元で身につけること
- 変位と移動距離を区別します。出発点から到着点へ向かう矢印が変位であり、通った道筋の長さとは別の量です。
- ベクトルを成分で表します。向きと大きさを持つ量を、x方向・y方向の符号つきの値に分け、必要なときに合成します。
- 速度の変化から加速度を求めます。速さだけでなく進む向きが変わっても、加速度が生じることを理解します。
- 観測者を決めて相対速度を求めます。「Aから見たB」を、同じ基準で測ったBの速度からAの速度を引いて表します。
- 水平投射と斜方投射を共通の考え方で解きます。鉛直方向で決めた時刻を水平方向にも使い、到達位置やその瞬間の速度を求めます。
物理基礎の等速直線運動と等加速度直線運動が、この単元の土台です。直線上で1組だった位置・速度・加速度を、平面では方向ごとに2組用意します。ただし、物体も時計も1つです。x方向で使った時刻とy方向で使った時刻を別々に選んでは、同じ物体の位置を表せなくなります。
基本の考え方
位置、変位、速度を矢印で読む
平面に原点Oを取り、右をxの正方向、上をyの正方向と決めます。位置は「どこにいるか」を示す量で、座標の組(x, y)で表せます。原点からその点へ向かう矢印を位置ベクトルといい、ベクトルrと書きます。ベクトルとは、大きさと向きを持ち、矢印のつなぎ合わせによって足し算できる量です。
時刻t₁の位置がベクトルr₁、時刻t₂の位置がベクトルr₂なら、その間の変位はベクトルΔr=ベクトルr₂−ベクトルr₁です。Δは「後の値から前の値を引いた変化量」を表します。成分で書けばΔx=x₂−x₁、Δy=y₂−y₁です。原点を別の場所へ移しても、座標軸の向きが同じなら、この差は変わりません。
変位の大きさは√(Δx²+Δy²)です。x方向とy方向は直角なので、三平方の定理で求められます。一方、移動距離は実際に通った道筋に沿う長さです。曲がって進んだ場合には、移動距離が変位の大きさより大きくなります。出発点に戻れば変位は0ですが、移動距離まで0になるわけではありません。
時間Δt=t₂−t₁の間の平均の速度は、ベクトルΔrをΔtで割ったものです。成分は平均のvₓ=Δx/Δt、平均のvᵧ=Δy/Δtで、単位はm/sです。平均の速さは移動距離/Δtなので、曲がる運動では平均の速度の大きさと一致するとは限りません。瞬間の速度は、ごく短い時間の平均の速度を考えて得られる、その瞬間の動きを表す量です。軌道上では進行方向に向く接線の向きになります。
図1のように、速度の矢印を直角な2方向へ分けたものが速度の成分です。図ではvₓ=6.00 m/s、vᵧ=8.00 m/sで、速度の大きさ、つまり速さは√(6.00²+8.00²)=10.0 m/sです。横と縦の矢印は別の物体を表すのではなく、1つの速度を方向別に読み取ったものです。

速度の大きさをv、xの正方向から測る角をθとすれば、vₓ=v cosθ、vᵧ=v sinθです。直角三角形で、横の辺が斜辺のcosθ倍、縦の辺がsinθ倍になることから導けます。角度を鉛直方向から測る場合は対応する辺が入れ替わるため、図に角を記入してから決めましょう。成分から向きを求める際も、tanθ=vᵧ/vₓの比だけでなく、両成分の符号を確かめます。同じ比でも逆向きの矢印を表す場合があるためです。
加速度と運動の分解・合成
平均の加速度は、速度の変化を経過時間で割ったベクトルです。ベクトルaの平均は(ベクトルv₂−ベクトルv₁)/Δtで、成分ごとにはaₓ=(v₂ₓ−v₁ₓ)/Δt、aᵧ=(v₂ᵧ−v₁ᵧ)/Δtです。単位m/s²は、1 sごとに速度が何m/s変わるかを表しています。速度の矢印が向いている方向と、加速度の方向はいつも同じではありません。
加速度が一定なら、等加速度直線運動の式を各方向へ使えます。初めの位置を(x₀, y₀)、初速度を(v₀ₓ, v₀ᵧ)とすると、時刻tの速度はvₓ=v₀ₓ+aₓt、vᵧ=v₀ᵧ+aᵧtです。位置はx=x₀+v₀ₓt+aₓt²/2、y=y₀+v₀ᵧt+aᵧt²/2となります。
位置の式は、速度が一定の割合で変わるとき、各成分の平均の速度が初めと終わりの値の平均になることから導けます。例えばxの変位は(v₀ₓ+vₓ)t/2です。ここにvₓ=v₀ₓ+aₓtを入れれば、v₀ₓt+aₓt²/2が得られます。微分積分を使わなくても、速度と時間のグラフの台形の面積と同じ考え方で理解できます。
空気抵抗を無視でき、地表付近で重力加速度を一定とみなせる投射運動を扱います。数値計算には教科書で用いるg=9.8 m/s²を使い、途中の計算は丸めず、答えを有効数字3桁で示します。上を正とするとaₓ=0、aᵧ=−gです。したがって水平の速度は変わらず、鉛直の速度だけが時間とともに減ります。上昇中にも下降中にも加速度は下向きです。
投げた位置を原点にすると、水平投射はv₀ₓ=v₀、v₀ᵧ=0なので、x=v₀t、y=−gt²/2です。高さhだけ低い地面への到達条件はy=−hです。これを代入してt=√(2h/g)が得られ、水平方向の到達距離はv₀√(2h/g)です。同じ高さから同時に水平投射と自由落下を始めれば、鉛直方向の初速度がともに0なので、地面に着く時刻は同じです。
斜方投射では、水平から上向きに角θをつけて速さv₀で投げます。初速度を分けると、x=v₀ cosθ t、y=v₀ sinθ t−gt²/2、vₓ=v₀ cosθ、vᵧ=v₀ sinθ−gtです。初めに上向きの速度があっても、加速度の設定は水平投射と同じです。v₀ cosθが0でなければ、xの式からtを消去して、y=x tanθ−gx²/(2v₀² cos²θ)となります。yがxの2次式になるため、軌道は放物線です。真上に投げる場合は水平方向へ進まないので、この消去式で割り算をしてはいけません。
最高点はvᵧ=0となる時刻で、t=v₀ sinθ/gです。これをyの式へ入れると、投げた位置からの最高点の高さはv₀² sin²θ/(2g)です。同じ高さに戻る時刻は、y=0をtでくくり、出発時刻t=0以外を選んでT=2v₀ sinθ/gとなります。水平到達距離Rはv₀ cosθ Tなので、R=v₀² sin2θ/gです。この式を使えるのは、投射点と到達点が同じ高さで、空気抵抗を無視する場合です。同じ初速ならsin2θが最大になるθ=45°でRが最大ですが、高さが異なる投射にその結論を持ち込むことはできません。
相対速度は観測者の速度を引く
相対速度とは、ある物体から見た別の物体の速度です。地面から見たA、Bの位置をそれぞれベクトルr_A、ベクトルr_Bとすると、AからBへ向かう相対位置はベクトルr_B−ベクトルr_Aです。その変化を同じ経過時間で割るため、Aから見たBの速度はベクトルv_B−ベクトルv_Aとなります。
順序を覚えるには、「見られる側−見る側」と言葉を添えると確かめやすくなります。Aから見たBとBから見たAは、同じ大きさで反対向きです。計算では両者の速度を同じ座標軸の成分にしてから引きます。速さだけを引いてよいのは、運動が同一直線上で、向きも符号に反映されている場合です。
川を渡る船にも同じ考え方が使えます。岸から見た船の速度は、水から見た船の速度に、岸から見た水の速度を足したものです。これは相対速度の式を移項しただけです。流れが岸に平行なら、流れは下流へのずれに影響し、川幅方向へ進む成分が渡る時間を決めます。ただし流されないよう船首を上流へ向ける場合には、船の速度の川幅方向の成分も変わるので、船首の向きと実際の進行方向を区別します。
例題で解き方を確かめる
例題1 変位と平均の速度
ある物体が点A(1.00 m, 2.00 m)から点B(7.00 m, 10.0 m)へ2.00 sかけて移動しました。変位の成分と大きさ、平均の速度の成分と大きさを求めます。経路の形は与えられていません。
- 到着位置から出発位置を引きます。変位は移動後と移動前の位置の差なので、Δx=7.00−1.00=6.00 m、Δy=10.0−2.00=8.00 mです。
- 成分を直角な辺として合成します。変位の大きさは√(6.00²+8.00²)=10.0 mです。座標そのものの大きさではなく、座標の差を使います。
- 各成分を2.00 sで割ります。平均の速度は(3.00, 4.00)m/sで、その大きさは√(3.00²+4.00²)=5.00 m/sです。同じ時間で割るので、平均の速度は変位と同じ向きです。
答え:変位は(6.00, 8.00)m、大きさ10.0 m、平均の速度は(3.00, 4.00)m/s、大きさ5.00 m/sです。
この条件だけでは平均の速さを一意に決められません。直線に沿って戻らず進んだなら5.00 m/sですが、遠回りした可能性があるからです。また、この2.00 sの途中での瞬間の速度もわかりません。「平均」と書かれているかどうかは、計算前に確認する条件です。
例題2 直角に進む2物体の相対速度
地面から見ると、Aは東へ3.00 m/s、Bは北へ4.00 m/sで等速運動しています。Aから見たBの速度の成分、大きさ、向きを求めます。東をxの正方向、北をyの正方向とします。
- 両者を同じ成分表示にします。Aは(3.00, 0)m/s、Bは(0, 4.00)m/sです。進む向きが異なるので、3.00と4.00だけを直接引かないようにします。
- 観測者Aの成分をBの成分から引きます。相対速度は(0−3.00, 4.00−0)=(−3.00, 4.00)m/sです。x成分が負なので西へ、y成分が正なので北へ進んで見えます。
- 大きさと角度を求めます。大きさは√(3.00²+4.00²)=5.00 m/sです。西向きから北側へ測る角をφとするとtanφ=4.00/3.00よりφ=53.1°です。
答え:Aから見たBの速度は(−3.00, 4.00)m/s、大きさ5.00 m/s、西から北へ53.1°の向きです。
Aの立場では、自分の位置が動かないように周囲の位置を読み直します。そのためBの北向きの動きに加え、西向きの成分が現れます。Bが地面に対して本当に西へ進み始めたわけではありません。見る側をBへ変えるなら、引き算の順序も変わり、相対速度は(3.00, −4.00)m/sになります。
例題3 水平投射の到達時刻と速度
地面から19.6 mの高さで、小球を水平右向きに9.80 m/sで投げました。投げた点を原点、右をxの正方向、上をyの正方向として、地面に達する時刻、水平距離、衝突直前の速度を求めます。小球の大きさと空気抵抗を無視します。
- 鉛直方向の到達条件を書きます。地面の座標はy=−19.6 mであり、−19.6=−9.8t²/2です。投げた後の時刻なので正の解t=2.00 sを選びます。
- 同じ時刻を水平の式に入れます。x=9.80×2.00=19.6 mです。高さを決める式と横の距離を決める式の間を、共通のtがつないでいます。
- その時刻の速度を方向別に求めます。vₓ=9.80 m/s、vᵧ=−9.8×2.00=−19.6 m/sです。速さは√(9.80²+19.6²)=21.9 m/s、向きは水平右向きから下へ63.4°です。
答え:到達時刻2.00 s、水平距離19.6 m、速度(9.80, −19.6)m/s、速さ21.9 m/s、水平右向きから下へ63.4°です。
図2のように、同じ時間がたつごとに横へ進む距離は等しく、縦に落ちる距離は大きくなります。図の点は投射後0 s、0.500 s、1.00 s、1.50 s、2.00 sの位置です。点の間隔が軌道に沿って広がることからも、速さが増していく様子を読み取れます。

この図では上下左右に同じ縮尺を使っています。放物線を形だけ写すのではなく、時刻を1つ決めてxとyを別々に計算すれば、点の位置を再現できます。水平投射の「水平」は初速度の向きを表す言葉で、投げた後も速度が水平のままであるという意味ではありません。
例題4 斜方投射の最高点と水平到達距離
水平な地面から、小球を速さ19.6 m/s、水平から上へ30.0°の向きに投げました。最高点に達する時刻と高さ、最高点での速さ、同じ高さの地面に戻るまでの時間と水平到達距離を求めます。空気抵抗を無視します。
- 初速度を分けます。v₀ₓ=19.6 cos30.0°、v₀ᵧ=19.6 sin30.0°=9.80 m/sです。水平成分の表示値は17.0 m/sですが、後の計算には丸める前の値を使います。
- 最高点の条件vᵧ=0を使います。0=9.80−9.8tよりt=1.00 sです。高さはy=9.80×1.00−9.8×1.00²/2=4.90 mとなります。最高点をy=0と置くのではなく、鉛直速度が0になる点として探します。
- 最高点の速度を合成します。鉛直成分は0ですが、水平成分は変わらないので、最高点の速さは19.6 cos30.0°=17.0 m/sです。速度の向きは水平右向きです。
- 地面に戻る条件y=0を使います。0=9.80t−4.90t²=t(9.80−4.90t)より、出発時刻以外の解はT=2.00 sです。R=19.6 cos30.0°×2.00=33.9 mとなります。
答え:最高点まで1.00 s、高さ4.90 m、最高点の速さ17.0 m/s、地面に戻るまで2.00 s、水平到達距離33.9 mです。
出発点と到達点が同じ高さなので、上昇と下降にかかる時間が等しくなっています。崖の上から投げる場合や高い台に着地する場合は、この対称性をそのまま使えません。地面や台のy座標を到達条件に入れ、2次方程式を解く方法なら高さの異なる場合にも対応できます。
つまずきやすいところと直し方
最高点では速度も加速度も0にしてしまう
誤った書き方は「最高点でv=0、a=0」です。どこが違うかというと、上昇が止まることを、横向きの移動や重力による速度変化まで止まることと取り違えています。例題4では最高点の直前にも直後にも、水平速度は同じです。また、鉛直速度は上向きから0を経て下向きへ変わり続けます。
正しい書き方は「最高点でvᵧ=0、vₓ=v₀ cosθ、aₓ=0、aᵧ=−g」です。図3の赤い速度の矢印は水平に、緑の加速度の矢印は下に向いています。両者は単位の違う量なので、矢印の長さどうしを比べて大小を判断しません。図3は例題4の軌道上の最高点を示しており、投げた瞬間の方向と最高点での方向の違いも見比べられます。

速度0と加速度0が別の条件であることは、鉛直投げ上げでも確認できます。真上へ投げた場合には最高点で速度全体が0になりますが、その瞬間にも加速度は下向きです。「今どちらへ動くか」と「これから速度がどちらへ変わるか」を別々に問い直しましょう。
上向きを正にしたのに落下の変位を正にする
誤った書き方は、投射点を原点、上向きを正にしながら「h=−gt²/2」とすることです。どこが違うかというと、正の長さである高さhと、座標軸の向きに従う符号つきの変位yを混ぜています。このままではt²が負になり、現実の落下時刻が求まりません。
正しい書き方は「y=−hだから、−h=−gt²/2」です。下向きを正に取り直す方法もありますが、その場合は初速度・加速度・位置の符号をすべてその軸に合わせます。途中の1項だけを都合よく反転させてはいけません。式が不自然な解を出したときは、根号や計算を直す前に、原点と到達点の座標を図へ戻します。
相対速度を速さの差だけで求める
誤った書き方は、例題2に対して「4.00−3.00=1.00 m/s」とすることです。どこが違うかというと、東向きと北向きの量を同じ方向の量のように扱っています。速度は向きを含むため、数値の大きさだけを取り出すと観測者の違いを表せなくなります。
正しい書き方は「(0, 4.00)−(3.00, 0)=(−3.00, 4.00)m/s」です。まず引く順序を言葉で決め、次に各成分を引き、最後に必要なら速さへ戻します。同じ始点からAとBの速度の矢印を描くと、Aの矢印の先端からBの先端へ向かう矢印がAから見たBの速度になります。成分計算とこの作図が一致するかを確かめると、引き算の逆転を見つけられます。
練習問題
練習1 平均の加速度
速度が(6.00, 0)m/sから(0, 6.00)m/sへ3.00 sで変わりました。平均の加速度の成分と大きさを求めてください。前後の速さが同じことだけを理由に0としないよう、変化した速度を先に書きます。
練習2 川を渡る船
川幅は60.0 mで、水は岸に平行に下流へ2.00 m/sで流れています。船は水に対して岸と垂直に3.00 m/sで進み続けます。川幅方向をxの正方向、下流方向をyの正方向として、岸から見た速度の成分と速さ、渡り終わるまでの時間、下流へのずれを求めてください。流れと船の速度は一定とします。
練習3 初速の違う水平投射
高さ4.90 mから水平右向きに6.00 m/sで小球を投げます。地面までの時間、水平距離、衝突直前の速さを求めてください。さらに水平の初速だけを12.0 m/sに変えたとき、到達時刻と水平距離がどう変わるか答えてください。空気抵抗は無視します。
練習4 成分で与えられた斜方投射
地面から小球を投げたときの初速度が、水平右向きに14.7 m/s、鉛直上向きに19.6 m/sでした。最高点の高さ、投げてから3.00 s後の位置と速度、同じ高さの地面に戻るまでの時間と水平到達距離を求めてください。投射点を原点、右と上を正とし、空気抵抗は無視します。
答えと解説
練習1:平均の加速度は(−2.00, 2.00)m/s²、大きさ2.83 m/s²です。速度の差は(−6.00, 6.00)m/sなので、これを3.00 sで割ります。速さが同じでも向きが変われば速度は変化しています。ここで求められるのは区間全体の平均であり、途中の加速度が一定だったとまでは判断できません。
練習2:岸から見た速度は(3.00, 2.00)m/s、速さ3.61 m/sです。川幅方向の成分は3.00 m/sなので、渡る時間は60.0/3.00=20.0 s、下流へのずれは2.00×20.0=40.0 mです。60.0 mは斜めの経路の長さではなく川幅なので、合成した速さで割ってはいけません。
練習3:到達時刻は1.00 s、水平距離は6.00 m、衝突直前の速さは11.5 m/sです。時刻は4.90=9.8t²/2から求め、そのときの速度(6.00, −9.80)m/sを合成します。水平初速を12.0 m/sにしても鉛直の式は変わらないため、到達時刻は1.00 sのまま、水平距離が12.0 mへ2倍になります。
練習4:最高点の高さは19.6 mです。最高点の時刻は19.6/9.8=2.00 sであり、y=19.6t−4.90t²へ代入して求めます。3.00 s後の位置は(44.1, 14.7)m、速度は(14.7, −9.80)m/sです。投射点より高いところにいても鉛直速度は負なので、すでに下降中です。地面に戻るまでの時間は4.00 s、水平到達距離は58.8 mとなります。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
この単元で身につけた「速度の向きの変化を見る」という考え方は、等速円運動へつながります。速さが一定でも加速度が生じる理由を、ベクトルの差から説明する土台になります。また、衝突を平面で扱うときにも、向きを持つ量をx成分とy成分に分ける手順が役立ちます。
家庭での確かめ方の1つ目は、5分だけ使って例題3の式から時刻ごとの位置を方眼紙に打つことです。横の間隔がそろい、縦の落下量が増えることを、自分で計算した点で確認します。実際に高い場所から物を落とす必要はありません。2つ目は、例題2の「Aから見たB」を「Bから見たA」に変えて、式と矢印を両方描くことです。大きさが同じで向きだけが反転すれば、見る側を引く意味をつかめています。
個別指導でこの単元を確認するときは、誤答の原因に応じて、座標の差、符号つきの直線運動、三角比で辺を求めるところまで戻ります。お子さまの取り組みを見守る場合も、公式名を尋ねるだけでなく「そのマイナスはどちら向きか」と図を指して聞くと、理解している部分が見えやすくなります。
まとめ
返されたテストを直すとき、計算結果の横に丸をつけるだけでは、次の図で同じ迷いが戻ることがあります。軸を描き、観測者を記し、最高点や地面に着く条件を一言で添えると、数値が変わっても再び立式できます。余白は答えを写す場所から、自分の判断の根拠を残す場所へ変わります。
横向きの速度が残る最高点を説明できれば、放物線は覚えておく形ではなく、同じ時計で進む2方向の運動から描き出せる軌道です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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