【中1数学】データの活用を図解で総まとめ—ヒストグラム・相対度数から起こりやすさまで|武蔵野個別指導塾

読書時間の度数分布表からヒストグラムや代表値を読み取り、硬貨を投げる実験で相対度数と起こりやすさの関係まで確かめられます。

よくあるのは、朝のホームルーム前に読書時間の表を見直し、「平均は同じなのに、どうしてグラフの形が違うのだろう」と手が止まる場面です。平均を計算することと、集団の様子を説明することは、つながっていますが同じ作業ではありません。数を小さい順に並べたり、一定の区間に分けたりすると、平均だけでは見えなかった偏りが見えてきます。

データの活用では、集めた数値を目的に合わせて整理し、そこからいえることを言葉にします。「多い」を人数で比べるのか、全体に対する割合で比べるのかによっても、選ぶ計算は変わります。表とグラフを行き来できれば、計算した数が何を意味するのかを説明しやすくなります。

後半では、硬貨を繰り返し投げる実験を使って、割合から起こりやすさを考えます。まずは、1つの数値をどこへ入れるかという小さな判断から始めましょう。

この単元で身につけること

  • 度数分布表を作ること。数値を階級に分け、各区間に入る個数を数えて、集団の分布を整理します。
  • ヒストグラムと度数折れ線を読むこと。柱の高さや線の形から、どのあたりにデータが集まっているかを捉えます。
  • 相対度数と累積度数を求めること。全体に対する割合と、小さい方から積み上げた個数を使い分けます。
  • 代表値と範囲を求めること。平均値・中央値・最頻値で中心の特徴を、範囲で散らばりの一面を表します。
  • 多数回の試行から確率を考えること。実験で得た相対度数を、ある結果の起こりやすさを判断する手がかりにします。

小学校で学んだ平均や割合、棒グラフが土台になります。割合の式を覚えていても、分母に置く「全体」が何かを取り違えると答えの意味が変わります。計算前に、何を調べたデータで、何個あるのかを確かめる習慣をつけましょう。

基本の考え方

数値を区間に分けて分布を見る

データとは、調べて集めた数値などのことです。ここでは12人のある日の読書時間を、分を単位として考えます。小さい順に並べると、12、13、14、15、15、16、17、18、18、19、22、25です。順序を整えるだけでも、15分から19分に数値が集まり、22分や25分もあることが読み取れます。

数値を区切った区間を階級といい、その区間の幅を階級の幅といいます。「10分以上15分未満」の幅は15 – 10 = 5分です。「以上」は境界の値を含み、「未満」は含みません。15分はこの階級には入らず、次の「15分以上20分未満」に入ります。境界をそろえると、同じデータを二重に数えたり、数え落としたりするのを防げます。

各階級に入るデータの個数が度数です。階級と度数をまとめたものが度数分布表で、今回の表は次のようになります。度数の合計が元のデータの個数と一致するかも確認します。

読書時間(分) 度数(人)
10以上15未満 3
15以上20未満 7
20以上25未満 1
25以上30未満 1
合計 12

図1のように、横軸に階級、縦軸に度数をとり、柱を隙間なく並べた図をヒストグラムといいます。ここでは階級の幅が等しいので、柱が高いほど度数が大きいと読めます。種類ごとの数を離れた棒で表す棒グラフとは違い、横軸は連続した数値の区間を表しています。

図1 読書時間の度数を柱と折れ線で表したグラフ

図1の赤い線は、各柱の上の辺の中点を順に結んだ度数折れ線です。両端では、隣に度数0の階級があると考えて、その階級の中央で横軸につなぎます。柱の境目ではなく中央を結ぶ点に注意しましょう。線の頂点は17.5分の位置ですが、17.5分の人が7人いたという意味ではありません。

割合と積み上げた個数を区別する

相対度数は、ある階級の度数を度数の合計で割った値です。「相対度数 = その階級の度数 ÷ 度数の合計」となり、単位はつきません。小数を100倍すれば百分率で表せます。全部の階級の相対度数を足すと1になりますが、小数を丸めて表示した場合には、表示された数の合計が1と少しずれることがあります。

累積度数は、最も小さい階級から、その階級までの度数を足したものです。今回なら3、10、11、12と増えます。2番目の10は「20分未満の人が10人」という意味です。累積度数を全体の12で割れば累積相対度数になり、「20分未満の人の割合」を表せます。1つの階級だけを見るのか、そこまでをまとめて見るのかを区別します。

中心と散らばりを数で表す

データの特徴を代表する値を代表値といいます。平均値は合計を個数で割った値、中央値は小さい順に並べたときの中央の値、最頻値は最も多く現れる値です。個数が奇数なら中央の1個、偶数なら中央の2個の平均を中央値とします。最頻値は同じ最多回数の値が複数あれば、1つに限りません。

最大値から最小値を引いた差が範囲です。平均値などが中心の位置を示すのに対して、範囲は両端がどれだけ離れているかを示します。ただし、途中の数値がどこに集まるかまでは表せません。代表値や範囲と、分布の形を組み合わせて判断します。

例題で解き方を確かめる

例題1 度数分布表から割合と人数を求める

先ほどの12人の表から、10分以上15分未満の相対度数と、25分未満の累積度数を求めましょう。

  1. 相対度数に使う階級の度数3と、全体の度数12を取り出します。「全体のうちどれだけか」を求めるため、階級の幅5ではなく、個数12を分母にします。
  2. 3 ÷ 12 = 0.25と計算します。百分率では25%なので、12人のうち4分の1がこの階級に入っています。
  3. 25分未満に当たる最初の3階級を足し、3 + 7 + 1 = 11とします。25分ちょうどの人は含まないため、最後の階級は足しません。

答え:相対度数は0.25、25分未満の累積度数は11人です。

例題2 代表値と範囲を求める

12、13、14、15、15、16、17、18、18、19、22、25の平均値・中央値・最頻値・範囲を求めましょう。

  1. 全部を足すと204です。平均値は1人当たりにならした時間なので、204 ÷ 12 = 17より17分です。途中で同じ値が出ても、別の人の記録なので省かず足します。
  2. 個数が12個なので、中央の6番目と7番目を選びます。図2のように16と17の間が中央になり、中央値は(16 + 17) ÷ 2 = 16.5分です。最小値と最大値の平均をとるのではありません。
  3. 値ごとの出現回数を数えます。15と18がそれぞれ2回で最多なので、最頻値は15分と18分です。回数の2ではなく、時間の値を答えます。
  4. 両端の値を読み、25 – 12 = 13より範囲を求めます。データの個数12とは別の量で、元の時間と同じ単位をつけます。

答え:平均値17分、中央値16.5分、最頻値15分と18分、範囲13分です。

図2 小さい順に並べた十二個の値と中央の二個

図2の横の間隔は順位を表し、時間差を表す目盛りではありません。中央値16.5分は実際の記録にない値ですが、それでかまいません。もし最後の25分だけが49分に変わると、合計が24増えて平均値は19分になります。一方、中央の2個は変わらず、中央値は16.5分のままです。大きく離れた値の影響を考えるときには、この違いが役立ちます。

例題3 度数分布表から平均値を見積もる

元の12個の記録が手元になく、度数分布表だけがあるとします。階級値を使って平均値を求めましょう。

  1. 階級の中央の値である階級値を求めます。最初は(10 + 15) ÷ 2 = 12.5で、残りも同様に17.5、22.5、27.5です。区間内の細かい値が不明なので、各階級のデータを中央の値で代表させます。
  2. 階級値にその度数をかけて足します。12.5 × 3 + 17.5 × 7 + 22.5 × 1 + 27.5 × 1 = 210です。階級値をそのまま足すと、人数の違いを反映できません。
  3. 210 ÷ 12 = 17.5と計算します。実際の各記録を階級値に置き換えているので、元のデータから求めた17分とは異なる近似値です。

答え:階級値を使って求めた平均値は17.5分です。

度数分布表から最頻値を求める場合は、度数が最大の階級の階級値を用います。この表なら17.5分です。元の記録で最も多かった15分と18分とは、求め方が異なります。問題が元のデータを示しているのか、階級に整理した表を示しているのかを先に確かめましょう。

例題4 実験の結果から起こりやすさを考える

同じ硬貨を同じ条件で繰り返し投げます。10回までに表が6回、1000回までに表が502回出ました。それぞれの段階の相対度数を求め、読み取れることを述べましょう。

  1. 10回時点では6 ÷ 10 = 0.6です。ある結果が出た回数を、その段階までの試行回数で割るので、分子と分母の集計範囲をそろえます。
  2. 1000回時点では502 ÷ 1000 = 0.502です。「1000回まで」は最初の10回も含むため、分母を1010にはしません。
  3. 0.6と0.502を比べます。この記録では、1000回時点の方が0.5に近く、表の起こりやすさを約0.5と考える手がかりになります。ただし、この結果だけで確率が正確に0.502だと決まるわけではありません。

答え:相対度数は0.6と0.502で、表の起こりやすさは約0.5と考えられます。

つまずきやすいところと直し方

境界の値を両方の階級に入れる

誤った書き方は「15分を10分以上15分未満にも入れる」です。「未満」は15分を含まないので、これでは同じ記録を2回数えることになります。正しくは「15分は15分以上20分未満に入れる」です。迷ったら、階級を10 ≦ x < 15のように不等号で書き、境界を代入して確かめます。

度数だけで集団を比べる

誤った書き方は「Aの30人中9人より、Bの20人中8人の方が人数が少ないので、割合も小さい」です。全体の人数が異なるため、9と8だけでは割合の大小は決まりません。正しくは、Aが9 ÷ 30 = 0.3、Bが8 ÷ 20 = 0.4なので、Bの割合の方が大きいと説明します。人数を比べたい問いと、割合を比べたい問いを読み分けましょう。

実験の割合を次の結果の約束にする

誤った書き方は「表の割合が約0.5だから、次の10回は必ず5回表になる」です。多数回の試行で見える傾向は、短い区間の結果を固定するものではありません。正しくは「多く繰り返したとき、表の相対度数はある値の近くで安定する傾向がある」です。この起こりやすさを表す数が確率です。

図3は、例題4の途中の記録も加えたものです。50回で26回、100回で49回、500回で253回、1000回で502回が表だったとすると、相対度数は0.52、0.49、0.506、0.502です。図3のように上下するので、毎回必ず0.5へ近づくともいえません。点を結ぶ線は記録した段階のつながりを示しており、間の全試行の値ではありません。

図3 試行回数に応じて変化する表の相対度数

確率は0以上1以下で表し、大きいほど起こりやすいと考えます。実験から判断するときは、同じ条件を保って十分な回数を重ねることが必要です。少ない回数の偏りだけで、起こりやすさを決めつけないようにします。

練習問題

練習1 20個の記録を小さい階級から順に整理したところ、度数は4、9、5、2でした。2番目の階級の相対度数と、3番目までの累積度数を求めましょう。

練習2 データ3、5、5、7、10について、平均値・中央値・最頻値・範囲を求めましょう。

練習3 ある実験を200回行い、目的の結果が46回出ました。相対度数を求め、「次の100回で必ず23回出る」といえるか説明しましょう。

答えと解説

練習1 相対度数は9 ÷ 20 = 0.45、累積度数は4 + 9 + 5 = 18です。2番目だけの割合と、3番目までの合計を区別します。

練習2 平均値は30 ÷ 5 = 6、中央値は3番目の5、最頻値は2回現れる5、範囲は10 – 3 = 7です。中央値と最頻値が同じでも、意味は異なります。

練習3 46 ÷ 200 = 0.23です。次の100回で必ず23回出るとはいえません。実験で得た割合は、今後の回数を保証するものではないからです。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

分布を比べる見方は、これから学ぶ箱ひげ図や標本調査につながります。起こりやすさについても、実験の割合を調べる方法に加え、条件を確かめて場合の数から確率を求める方法へ進みます。

家庭では、それぞれ5分ほどで2つの確認ができます。1つ目は、身近な5つの数値を並べ、中央の値と平均を求めることです。最大の値だけを変えたとき、どちらが変わるかも確かめます。2つ目は、硬貨を20回投げ、10回目と20回目の表の割合を比べることです。この少ない回数だけで確率を決めず、揺れを観察しましょう。

個別指導では、表の合計が合わなければ境界の数え方へ、相対度数が合わなければ割合の分母へ戻ります。計算と読み取りのどちらで止まったのかを、元の記録と照らして確かめます。

まとめ

データについて説明するときは、「平均が高い」「この結果が出やすい」の後に、根拠となる値や図を添えてみましょう。同じ表でも、人数を尋ねる問いと割合を尋ねる問いでは、使う数が違います。答えを出した後に、その数が何を表すのかを一文で書ければ、読み違いにも気づけます。

12人の記録を1つの平均に縮めても、12人の違いは消えません。平均の一行に収まらない違いを読むために、分布の図があります。


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