【中3数学】平方根を図解で総まとめ—√の意味から有理化・近似値まで|武蔵野個別指導塾

面積から√の意味を確かめ、有理化や根号の計算を例題でたどります。数直線による大小比較から近似値と有効数字まで、答えの理由を自分で説明できるところまで進めてみてください。

よくあるのは、雨の日の図書館の机で、「9の平方根」と「√9」をどちらも3と書き、答え合わせで片方だけに直しが入るという場面です。同じ9が出てくるのに、なぜ答えの数が変わるのでしょうか。これは計算の速さではなく、「何を求める問いか」と「記号がどの数を表すか」の違いです。

平方根では、2乗すると元の数になる数を考えます。面積が9の正方形なら1辺は3ですが、2乗して9になる数には-3もあります。この区別を押さえると、±を付ける場面と付けない場面が整理できます。

そこから、√の中を簡単にする計算、分母の有理化、近似値へ進みます。途中で迷ったら、根号を外す前後で同じ数を表しているかを確かめましょう。図と式を行き来しながら、最後には小数で表すときの精度まで判断できることを目指します。

この単元で身につけること

  • 平方根と根号の意味を区別します。正の数の平方根は正負の2つあり、√はそのうち正の数を表します。
  • 有理数と無理数を見分けます。小数が終わるかだけでなく、整数の分数で表せるかを基準にします。
  • 平方根の大小を比べます。正の数は2乗して比べられ、負の数は符号を付けたときに大小が逆になります。
  • 根号を含む式を整理します。乗除、有理化、加減を区別して、計算に合った決まりを選びます。
  • 近似値と有効数字を扱います。正確な値と丸めた値を分け、どの位まで示した数かを読み取ります。

これまでの正負の数、素因数分解、分配法則が土台になります。多くの教科書では中3で学びますが、新しい計算を全部覚え直すわけではありません。特に、4、9、16、25などの「整数を2乗してできる数」を見つける力が役立ちます。計算中も、加法なのか乗法なのかを先に見る習慣を付けましょう。

基本の考え方

面積から平方根と根号を考える

ある数を2乗してaになるとき、その数をaの平方根といいます。3²=9、(-3)²=9なので、9の平方根は3と-3です。まとめて±3と書き、「プラスマイナス3」と読みます。±3は2つの数をまとめた表し方で、3と-3を足す指示ではありません。

正の数aについて、正の平方根を√a、負の平方根を-√aと表します。√を根号といいます。したがって、√9=3であり、√9=±3とは書きません。0の平方根は0だけです。また、正の数も負の数も2乗すれば正になり、0の2乗は0なので、中学校で扱う数の範囲では負の数の平方根はありません。

図1のように、面積が2の正方形の1辺は√2です。1²=1、2²=4なので、√2は1より大きく2より小さい数だとわかります。長さとして考えると、√2が正の数を表す理由もつかめます。ただし「2の平方根」をすべて答えるときには-√2も必要です。

図1 同じ縮尺で面積と平方根の関係を示した正方形

図1の正方形は同じ縮尺です。面積が2倍になっても1辺は2倍ではありません。1辺を2倍にすると面積は4倍になるためです。「面積の倍率」と「長さの倍率」を区別することが、根号の計算にもつながります。

有理数・無理数と大小

整数の分数で表せる数を有理数といいます。ただし分母は0にしません。3=3/1、0.5=1/2であり、整数や有限小数は有理数です。0.333…のように同じ並びを限りなく繰り返す循環小数も、1/3と表せるので有理数です。

整数の分数で表せない数を無理数といい、√2や√3などが当てはまります。無理数の小数は、終わりがなく、同じ並びの繰り返しにもなりません。根号があるだけで無理数と決めないようにしましょう。√4は2に等しいので有理数です。√2を約1.41と書いても、√2そのものが有限小数になったわけではありません。

正の数どうしでは、根号の中が大きいほど値も大きくなります。2<3から√2<√3です。整数と比べるなら、その整数を根号の形にそろえる方法があります。3=√9なので、9<10から3<√10と判断できます。負の数では、-√3<-√2です。数直線で0から左へ遠い数ほど小さいことを思い出しましょう。

乗除・加減には異なる決まりがある

a、bが0以上なら√a×√b=√(ab)です。さらにb>0なら√a÷√b=√(a/b)です。例えば√3×√12=√36=6になります。積の形で4や9などの2乗の数を見つければ、√12=√(4×3)=2√3のように根号の外へ出せます。2√3は2×√3を省略した書き方です。

一方、加減は根号の中を簡単にして、同じ根号の部分を持つ項だけまとめます。2√3+5√3=(2+5)√3=7√3です。これは2x+5x=7xと同じ分配法則です。√2+√3は根号の部分が違うため、このままにします。乗法の決まりを足し算に持ち込まないことが大切です。

逆に、正の係数を根号の中へ入れるときは2乗します。2√3=√12であって、√6ではありません。負の符号は残して、-2√3=-√12とします。根号の外と中の移動は、数をそのまま移す操作ではなく、同じ値を別の形で表す操作です。

例題で解き方を確かめる

例題1 平方根を答え、大小を比べる

25の平方根と√25をそれぞれ求めます。また、√7、2、√5を小さい順に並べましょう。

  1. 2乗して25になる数を調べます。5²=25、(-5)²=25なので、25の平方根には正負の2つがあります。
  2. √25は正の平方根だけを指すため、5を選びます。問題文に「平方根」とあるか、記号の値を尋ねているかを分けます。
  3. 大小比較では2=√4と直します。すべて正の数になっているので、4<5<7の順に根号を付けても大小は保たれます。

答え:25の平方根は±5、√25=5、大小は2<√5<√7です。

大小を判断するとき、必ず小数に直す必要はありません。整数を根号の形にそろえるほうが、丸めによる誤差もなく比較できます。

例題2 根号の中を簡単にして加減する

√18+√8-√2を計算しましょう。図2は、√18=3√2を面積から確かめる図です。

図2 面積2の正方形9個から√18を読み取る面積図
  1. 根号の中を、2乗の数との積に分けます。18=9×2、8=4×2なので、√18=3√2、√8=2√2になります。
  2. 式を書き換えます。3√2+2√2-√2となり、同じ√2の何個分かという計算にそろいました。
  3. 係数だけを加減します。(3+2-1)√2=4√2です。√2の前に数字がない場合の係数は1です。

答え:4√2です。

図2では、1辺が√2の正方形を縦横に3個ずつ並べています。大きな正方形の面積は2×9=18、1辺は3√2なので、√18=3√2と確かめられます。面積が9倍なら1辺が3倍になるという関係が、係数3の理由です。

計算を簡単にする際は、根号の中にまだ2乗の因数が残っていないかも確認します。例えば√72=√(4×18)=2√18で止めず、2×3√2=6√2まで直します。最初から72=36×2に気付けば、1回で6√2になります。

例題3 乗除と分母の有理化

(√6×√8)/√3を計算しましょう。分母に根号を含まない形に直すことを、分母の有理化といいます。

  1. 分子の積を先に整理します。√6×√8=√48=4√3なので、式は4√3/√3です。分子と分母の共通な因数√3を約分できます。
  2. 約分して4になります。√3は0ではないため、同じ数で割る操作ができます。
  3. 有理化でも確かめます。最初の式の分子・分母に√3を掛けると、(√6×√8×√3)/(√3×√3)=√144/3=12/3=4です。分子にも同じ数を掛けるので、分数の値は変わりません。

答え:4です。

分子が整数でも考え方は同じです。5/√2なら、(5×√2)/(√2×√2)=5√2/2と直します。分母に2乗の因数があるときは、先に簡単にすると計算が軽くなります。1/√12=1/(2√3)=√3/6です。

かっこを含む式でも分配法則が使えます。(√3+2)²は√3だけを2乗するのではなく、3+4√3+4=7+4√3です。また、(√5+√2)(√5-√2)=5-2=3のように、展開すると根号の項が打ち消し合う場合もあります。先に展開の形を見てから計算しましょう。

例題4 近似値と有効数字

√5を小数第3位で四捨五入し、小数第2位まで求めましょう。近似値とは、真の値に近い数で表した値です。

  1. 整数の位置を確かめます。2²<5<3²なので、2<√5<3です。小数を調べる前に、大まかな範囲を押さえます。
  2. 2乗して範囲を狭めます。2.236²=4.999696、2.237²=5.004169なので、2.236<√5<2.237です。この範囲なら小数第3位は6と確定します。
  3. 小数第3位で四捨五入し、2.24にします。√5と2.24は等しい値ではないので、「√5は約2.24」と表します。

答え:約2.24です。

有効数字は、近似値で意味のある数字です。最初の0でない数字から数え、2.24は有効数字3桁です。一方、0.0224も最初の2から数えるので3桁であり、小数点から数えた桁数とは違います。2.20を有効数字3桁で示している場合、最後の0は百分の一の位まで示したことを表すため、省きません。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 根号を外すと符号も消えると思う

誤った書き方は「√((-4)²)=-4」です。根号の中を2乗する操作と、正の平方根を選ぶ操作を一度に済ませたことが原因です。正しくは√((-4)²)=√16=4となります。

文字の場合も、√(a²)がいつでもaになるわけではありません。aが0以上ならa、aが負なら-aです。例えばa=-4なら-a=4になります。根号の値は0以上になる、という意味へ戻ると判断できます。

誤り2 足し算でも根号の中をまとめる

誤った書き方は「√2+√3=√5」です。√a×√b=√(ab)という乗法の決まりを加法に使っています。正しくは√2+√3のままで、それ以上1つの根号にまとめることはしません。

図3のように数直線で位置を調べても、左辺は3より大きく、右辺の√5は3より小さいため、等しくありません。√2>1.4、√3>1.7より、左辺は3.1より大きいと確認できます。

図3 √2と√3の和が√5と異なる位置にある数直線

図3の点は各数の値に対応し、目盛りは等間隔です。根号が異なっても、√12+√3なら2√3+√3=3√3に直せます。「そのままでは違う根号」と「簡単にしても違う根号」を区別しましょう。

誤り3 有理化で分母だけを変える

誤った書き方は「3/√5=3/5」です。分母だけに√5を掛けたので、分数の値が変わっています。正しくは、分子・分母に√5を掛け、3/√5=3√5/5です。

分数の値が変わらないのは、√5/√5、つまり1を掛けているからです。有理化の途中では分子側の掛け算も1行残しましょう。答えが元の数より不自然に小さくなった場合にも、分子を掛け忘れていないか確認できます。

練習問題

計算する前に、求めるものが平方根の全体なのか、式の値なのかを確認しましょう。加減では根号の整理、有理化では分子と分母の両方への掛け算を途中式に残します。

練習1

49の平方根と√49をそれぞれ求めましょう。

練習2

√27-√12+√3を計算しましょう。

練習3

6/√8を、分母を有理化して簡単にしましょう。

練習4

1.732<√3<1.733を使い、√3を有効数字3桁の近似値で表しましょう。また、-√3と-√2ではどちらが小さいでしょうか。

答えと解説

練習1:49の平方根は±7、√49=7です。7と-7はともに2乗すると49になりますが、根号は正のほうを表します。

練習2:2√3です。3√3-2√3+√3=(3-2+1)√3と、同じ根号の係数を計算します。

練習3:3√2/2です。6/√8=6/(2√2)=3/√2と約分してから、分子・分母に√2を掛けます。

練習4:約1.73、小さいのは-√3です。最初の1から3桁を残し、次の位の2で四捨五入します。√3>√2ですが、両方に負の符号を付けると大小が逆になります。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

平方根は、x²=5のような二次方程式や、三平方の定理で長さを求めるときに使います。方程式では正負両方を候補にし、長さなら正の値を選ぶなど、求める対象の確認が欠かせません。

家庭では5分で次の2つを試せます。まず、16の平方根と√16の答えを別々に書き、違いを言葉で説明します。次に、√20を簡単にし、その結果を2乗して20へ戻るか確かめます。どちらも、答えを覚えるだけでなく理由を確かめる練習です。

個別指導で確認する際には、有理化で止まるなら分数の性質へ、√20の整理で止まるなら素因数分解へ戻ります。お子さまの途中式を見るときも、最終的な答えだけでなく、値が変わった最初の行に注目すると、練習する場所を絞れます。

まとめ

平方根の計算で手が止まったときは、次の記号を動かす前に、今の式がどんな数を表しているかを確かめてみましょう。面積、数直線、2乗による確認のうち、1つでも根拠があれば、途中式の誤りに自分で気付けます。

答えに根号が残ることは、計算が終わっていないという意味ではありません。√2はそれだけで正確な1つの数です。根号を消せることだけでなく、消してはいけない理由を説明できることが、平方根を理解した確かな証拠です。


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