【中3数学】関数 y=ax² を図解で総まとめ—放物線・変化の割合・変域まで|武蔵野個別指導塾

放物線の開き方を図で比べ、変化の割合や0をまたぐ変域、直線との交点を4つの例題で確かめます。落下や制動距離とのつながりも、式と数値からたどれます。

よくあるのは、休日の図書館の机で、関数の表は埋められたのに、点を直線で結んでよいか迷うという場面です。y=2x² に x=-2 を代入して y=8 と出せても、x が -2 から -1 に増えると y が減ることに戸惑うかもしれません。一次関数で使った「傾き」の考えをそのまま当てはめると、ここで手が止まります。

関数 y=ax² では、まず x を2乗してから a をかけます。この計算の順序が、左右対称の曲線や、場所によって異なる増え方を生みます。式、表、グラフを別々の知識として覚えるのではなく、同じ関係を違う形で表したものとして見ていきましょう。

目標は、式を求めることから、変域、変化の割合、直線との交点までを自分の手で確かめることです。途中で迷ったときも、具体的な x の値を代入すれば、考え直す足場を作れます。

この単元で身につけること

  • 関数 y=ax² の式を読むこと。y は x の2乗に比例し、a は0でない定数です。x が0でないときの対応する x と y が1組わかれば、代入して a を求められます。
  • 放物線をかくこと。原点を通り、y 軸について対称になる性質を使って、点の位置と曲線の形を確かめます。
  • a とグラフの関係を説明すること。符号で開く向きが決まり、絶対値で開き方が変わります。同じ x で高さを比べるのが出発点です。
  • 変域と変化の割合を求めること。変域は y のとりうる値の範囲、変化の割合は y の増加量を x の増加量で割った値です。
  • 放物線と直線の交点を求めること。2つの式で y が等しくなる x を探し、二次方程式を使って座標を求めます。

比例で学んだ座標、一次関数で学んだ変化の割合、二次方程式の解き方がつながる単元です。多くの教科書では中3で学びますが、計算が難しく感じるときは、負の数の2乗や式への代入まで戻って確かめると進みやすくなります。

基本の考え方

x の2乗に比例する関係

x の値を決めると、それに対応する y の値がただ1つ決まるとき、y は x の関数であるといいます。そのうち y=ax² と表される関係が、この単元の中心です。a=0 では y=0 となって放物線にならないので、ここでは a≠0 とします。

y=2x² について、x を -2、-1、0、1、2 と動かすと、x² は4、1、0、1、4、y は8、2、0、2、8となります。x=2 と x=-2 のように、符号だけが違う2つの値から同じ y が出ることに注目しましょう。2乗した時点で等しくなるためです。

正方形の1辺の長さを x cm、面積を y cm² とすると y=x² です。1辺を2倍にすると面積は4倍、3倍にすると9倍になります。一般に y=ax² でも、x を2倍にしたときの y は a×(2x)²=4ax² となり、もとの4倍です。ただし、正方形の長さを考える場面では x>0 であり、負の x は使いません。式の計算ができる範囲と、場面に合う範囲を区別します。

放物線と係数 a の働き

y=ax² のグラフを放物線といいます。原点を通り、y 軸を対称の軸とする曲線です。整数の x だけでなく、小数や分数の x にも対応する点があるため、表で求めた数点を折れ線で結ばず、その間をなめらかな曲線でつなぎます。

a>0 なら原点から上向きに開き、y≧0 です。a<0 なら下向きに開き、y≦0 になります。a の絶対値が同じで符号が反対の2つの放物線は、x 軸について対称です。図1の紺と赤の曲線は、この関係を表しています。

図1 係数の符号と絶対値による放物線の開き方

図1で y=x² と y=(1/2)x² を同じ x=2 で比べると、y はそれぞれ4と2です。a の絶対値が大きいほど、同じ x に対する y の絶対値が大きくなり、放物線の開き方は狭くなります。「数が大きいから広い」と語感で判断せず、まず1つの x を代入して点を比べましょう。

増減は原点を境に変わります。a>0 のとき、x が負の範囲では x が増えると y は減り、x が正の範囲では x が増えると y も増えます。a<0 のときは逆です。グラフを左から右へたどり、曲線が上がるか下がるかを見ると、式で求めた値の並びと結びつきます。

身近な現象を式で表す

物を静かに落とす場合、空気の抵抗を考えないなどの条件のもとで、落下した距離は時間の2乗に比例すると考えられます。時間を x 秒、距離を y m とし、練習用に y=5x² と表すと、1秒後は5m、2秒後は20mです。これは出発点からの距離であり、1秒ごとに5mずつ進むという意味ではありません。実際の場面では、地面に着くまでの時間に範囲を限ります。

自動車がブレーキをかけてから止まるまでの制動距離も、路面や車の条件をそろえると、速さの2乗に比例する関係で近似できます。速さを2倍にすると、この関係では制動距離は4倍です。危険に気づいてからブレーキをかけるまでに進む空走距離は別なので、停止距離全体をそのまま同じ式で扱わないようにします。

どちらの例でも、式だけでなく、x と y が表す量と単位を先に書くことが必要です。a の値は現象や単位の取り方で変わります。関数は現実を考える道具ですが、条件を外して同じ数値を当てはめることはできません。

例題で解き方を確かめる

例題1 対応する値から式を求める

y は x の2乗に比例し、x=-3 のとき y=18 です。y を x の式で表し、x=2 のときの y を求めましょう。

  1. 「x の2乗に比例する」ので y=ax² と置きます。比例の y=ax と取り違えないよう、何に比例するのかを式に残します。
  2. x=-3、y=18 を代入し、18=a×(-3)²=9a とします。負の数全体を2乗するため、かっこを付けます。
  3. 両辺を9で割ると a=2 です。したがって式は y=2x² となります。求めたいのは a だけでなく、関数の式です。
  4. x=2 を求めた式に代入すると、y=2×2²=8 です。元の条件も 2×(-3)²=18 と確かめられます。

答え:y=2x²、x=2 のとき y=8。

例題2 変化の割合を求める

y=2x² について、x が1から3まで増加するときの変化の割合を求めましょう。また、0から2までの場合と比べます。

  1. はじめと終わりの y を求めます。x=1 のとき y=2、x=3 のとき y=18 です。増加量を出すには、両端の値が必要です。
  2. x の増加量は3-1=2、y の増加量は18-2=16です。どちらも「終わりの値 – はじめの値」の順に引きます。
  3. 変化の割合は16÷2=8です。これは、この区間で x が1増えるあたり、y が平均して8増えることを表します。
  4. 0から2までなら y は0から8へ変わるので、変化の割合は(8-0)÷(2-0)=4です。区間が変われば値も変わると確かめられます。

答え:1から3までは8、0から2までは4。

一次関数と違い、y=ax² の a 自体を変化の割合とは呼びません。異なる2つの値 p、q の間なら、変化の割合は (aq²-ap²)/(q-p) です。分子を a(q-p)(q+p) と因数分解し、0でない q-p で約分すると a(p+q) になります。公式を使う場合も、p と q が x の両端の値であることを確かめます。

例題3 0をまたぐ変域を求める

y=(1/2)x² で、x の変域が -2≦x≦3 のとき、y の変域を求めましょう。

  1. x の範囲に0が含まれるかを調べます。-2 と3の間に0があるので、放物線の原点の部分も通ります。
  2. a>0 だから y は負にならず、x=0 のときに最小値0をとります。両端の代入だけでは、この値を見落とします。
  3. 両端では、x=-2 のとき y=2、x=3 のとき y=9/2 です。原点から遠い x=3 のほうが x² が大きく、ここで最大値9/2をとります。
  4. 曲線は途中で途切れないので、最小値0から最大値9/2までの値をすべてとります。両端を含む不等号で範囲を表します。

答え:0≦y≦9/2。

例題4 放物線と直線の交点を求める

放物線 y=x² と直線 y=x+2 の交点の座標を求めましょう。図2では交点を A、B としています。

図2 放物線と直線が共有する二つの交点の座標
  1. 交点では同じ x に対する y が等しいため、x²=x+2 と置きます。図の見た目から座標を決めず、両方の式を満たす条件を作ります。
  2. 移項して x²-x-2=0、因数分解して (x-2)(x+1)=0 とします。積が0になる条件から、x=2、-1 が得られます。
  3. それぞれを y=x+2 に代入します。x=-1 では y=1、x=2 では y=4 です。x の値だけでは交点の座標の答えになりません。
  4. 放物線の式にも代入すると、(-1)²=1、2²=4 です。両方を満たすので、図2の A(-1,1)、B(2,4) と一致します。

答え:交点は (-1,1)、(2,4)。

交点はいつも2個とは限りません。たとえば y=x² と y=0 は原点だけで交わり、y=x² と y=-1 は交わりません。2乗した値は負にならないという性質からも判断できます。

つまずきやすいところと直し方

負の数を2乗するかっこを落とす

誤った書き方は、y=2x² に x=-3 を代入して「y=2×(-9)=-18」とするものです。どこが違うかというと、(-3)² を -9 とした点です。(-3)² は (-3)×(-3)=9 なので、正しい書き方は「y=2×(-3)²=18」です。

一方、-3² は -(3×3)=-9 です。負の数を代入するときにかっこを省くと、2乗する範囲が変わります。計算の最後で符号だけ直すのではなく、代入した直後の行に戻って確認しましょう。

変域を両端の値だけで決める

誤った書き方は、y=-x²、-2≦x≦1 で「-4≦y≦-1」とするものです。どこが違うかというと、途中の x=0 で y=0 をとることが抜けています。図3のように、指定された部分には原点が含まれます。

図3 下向きの放物線で原点を含む範囲と最大値

正しい書き方は「x=0 で最大値0、x=-2 で最小値 -4 なので、-4≦y≦0」です。図3の緑の部分を左から右へ追うと、y はいったん増え、その後に減ります。x の両端が、必ず y の最大と最小の場所になるわけではありません。

まず0を含むかを調べ、含むなら原点と両端を比べます。含まない範囲、たとえば同じ式で1≦x≦3なら、y は減り続けるので、両端の -1 と -9 から -9≦y≦-1 と求められます。

変化の割合を y÷x で求める

誤った書き方は、例題2で終わりの点だけを使って「18÷3=6」とするものです。どこが違うかというと、始まりの点の値を使っていない点です。正しい書き方は「(18-2)÷(3-1)=8」で、2つの増加量を割ります。

また、y の増加量は負にもなります。y=x² で x が -3 から -1 まで増えるとき、変化の割合は (1-9)/(-1-(-3))=-8/2=-4 です。「増加量」という名前でも、減った場合は負の数で表します。分子と分母で引く順序をそろえましょう。

練習問題

例題の式を見ずに、最初の1行を自分で書いてみましょう。変域では0の位置を確かめ、交点では求めた座標を両方の式に代入します。

  • 練習1:y は x の2乗に比例し、x=2 のとき y=-8 です。式と、x=-3 のときの y を求めましょう。
  • 練習2:y=(1/2)x² で、x が -2 から4まで増加するときの変化の割合を求めましょう。
  • 練習3:y=-2x² で、-1≦x≦2 のときの y の変域を求めましょう。
  • 練習4:y=x² と y=2x+3 の交点の座標を求めましょう。

答えと解説

練習1:y=-2x²、y=-18。-8=4a から a=-2 です。x=-3 を代入すると -2×9=-18 となります。

練習2:1。y は2から8に変わるので、(8-2)/(4-(-2))=6/6=1 です。係数と両端の和を使っても (1/2)×(-2+4)=1 となります。

練習3:-8≦y≦0。x=0 で最大値0をとり、両端では y=-2、-8 です。下向きの放物線なので、原点から遠い側で最小になります。

練習4:(-1,1)、(3,9)。x²=2x+3 から (x-3)(x+1)=0 となり、x=-1、3 です。それぞれを直線の式に代入して y を求めます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

この単元は、座標を使って三角形の面積を求める問題や、動く点によって面積が変わる問題につながります。交点の座標が求まると、図形の底辺や高さを数値で扱えるようになります。

家庭では、5分でできる確かめ方が2つあります。1つ目は y=-x² に x=-2、-1、0、1、2 を代入し、点を打つことです。2つ目は、同じ式で x の範囲を -2≦x≦1 と1≦x≦2 に変え、それぞれの最大値を理由とともに説明することです。お子さまと確認する場合も、答えだけでなく「0は範囲に入るか」を聞くと考え方が見えます。

個別指導で確かめる際は、グラフの読み取りだけでなく、座標の順序、負の数の2乗、代入の行まで戻ります。どの段階で食い違ったかを確かめれば、解き直す場所を絞れます。

まとめ

放物線の問題で答えに自信が持てないときは、気になる点の x を式に戻してみましょう。変域の端、直線との交点、左右の対応する点を計算すると、図の読み取りが合っているかを自分で確かめられます。

難しい問題でも、最初から曲線全体をつかむ必要はありません。1つの点の座標がわかれば、次に比べる点を選べます。放物線を読めたという手応えは、その点がそこにある理由を式で説明できたときに生まれます。


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