【中3数学】二次方程式を図解で総まとめ—因数分解・平方根・解の公式の使い分け|武蔵野個別指導塾

平方完成を面積図で確かめ、因数分解・平方根・解の公式の選び方を例題でたどります。長方形の文章題や、負の解を残すか判断する練習にも取り組めます。

よくあるのは、祖父母の家の客間で宿題を広げ、x²=9 の下に x=3 と書いたあと、答えの「-3」を見て手が止まるという場面です。長さを求めているつもりなら負の数は不自然ですが、式だけを見れば (-3)² も9です。二次方程式では、計算で得られる解と、問題の条件に合う答えを順に考える必要があります。

さらに、x² がある式でも、いつも同じ解き方が便利とは限りません。積の形にできる式、平方根を使えばすぐに解ける式、そのままでは扱いにくい式があります。最初から解の公式を選ぶ前に、式の形を眺めることが助けになります。

ここでは、解が何を意味するかを出発点に、3つの解法と、その土台となる平方完成をたどります。最後には、数や長方形の条件を式にして、得られた解を元の場面に戻して確かめましょう。

この単元で身につけること

  • 二次方程式を見分けます。移項して整理したときに、x² の項が残るかを調べるのが出発点です。
  • 平方根の考えで解きます。x²=k や (x+p)²=k の形から、正負の両方を考えて x を求めます。
  • 因数分解を利用します。右辺を0にして積の形をつくり、積が0になる条件から解を取り出します。
  • 平方完成と解の公式を結びつけます。足りない数を両辺に加える変形が、どんな二次方程式にも使える公式につながります。
  • 文章題の答えを判断します。何を x と置いたかを記録し、整数や長さといった条件に照らして解を選びます。

これまで学んだ等式の性質、展開と因数分解、平方根の計算を組み合わせる単元です。多くの教科書では中3で学びますが、途中で止まったら、新しい公式を増やすよりも、移項や符号の計算を確かめる方が進みやすくなります。

基本の考え方

二次方程式と解の意味

移項して整理すると ax²+bx+c=0 の形になる方程式を、x についての二次方程式といいます。ただし a≠0 です。a、b、c は数で、b や c は0でもかまいません。x²=9 は x²-9=0 と書けるので二次方程式です。

式を成り立たせる x の値を「解」といいます。x²=9 なら x=3 と x=-3 の両方が解です。x=±3 という書き方の ± は、+と-の2通りをまとめた記号です。一方、x²=0 の解は x=0 だけです。二次方程式だから異なる解が必ず2つある、と決めつけないようにします。

また、実際に整理すると x² の項が消えることもあります。x²+x=x²+2 なら両辺から x² を引いて x=2 となり、二次方程式ではありません。見た目に x² があるかではなく、整理した後に何が残るかで判断します。

平方根と因数分解を使う条件

x²=k で k>0 なら、解は x=±√k です。√k という記号そのものは正の平方根を表すため、方程式を解くときは負の方も加えます。かっこ全体が2乗されている (x+p)²=k でも、まず x+p=±√k としてから p を移項します。

因数分解を使うときは、AB=0 なら A=0 または B=0 という性質を使います。0でない数どうしをかけて0にはならないためです。たとえば (x-2)(x-3)=0 なら、x-2=0 または x-3=0 より x=2、3 です。「または」なので、2つのかっこを同時に0にする必要はありません。

この性質は、積が0であることが条件です。(x-2)(x-3)=6 を見て、それぞれのかっこを6と置くことはできません。まず展開し、右辺を0にして整理します。解く前に右辺を確かめる習慣が、因数分解の使い間違いを防ぎます。

平方完成から解の公式へ

x²+6x=7 は、そのまま平方根を使える形ではありません。x²+6x+9=(x+3)² に注目し、両辺に9を加えると (x+3)²=16 となります。このように、式の一部を2乗の形に直すことを平方完成といいます。x の係数6を半分にした3を2乗するのが、加える数を見つける手がかりです。

図1のように、面積 x² の正方形に、面積3xの長方形を2つ添えると、角の3×3の部分が足りません。9を足して初めて、一辺 x+3 の正方形になります。図では長さとして x>0 を表していますが、展開で確かめた等式は負の x にも成り立ちます。

図1 平方完成で足す九を正方形の不足部分で表す面積図

一般の ax²+bx+c=0 も、a で割ってから同じ操作を行えます。x²+(b/a)x=-c/a の両辺に (b/(2a))² を加えると、(x+b/(2a))²=(b²-4ac)/(4a²) です。両辺を4a²倍すると (2ax+b)²=b²-4ac になります。

ここで平方根の考えを使うと、2ax+b=±√(b²-4ac) です。b を移項して2aで割れば、解の公式 x=(-b±√(b²-4ac))/(2a) が得られます。分子全体を2aで割る点に注意しましょう。公式は、平方完成の手順をまとめたものです。

根号の中が0なら解は1つです。根号の中が負になる場合は、2乗して負になる実数はないので、実数の範囲では解がありません。まずは式を整理し、平方根、因数分解、解の公式のうち、計算を短くできるものを選びます。

例題で解き方を確かめる

例題1 平方根を使う

2(x-1)²=18 を解きます。かっこ全体が2乗されているので、展開する前に、その2乗だけを左辺に残します。

  1. 両辺を2で割って (x-1)²=9 とします。等式の両辺に同じ計算をするので、成り立つ x の値は変わりません。
  2. x-1=±3 とします。2乗して9になる数は3と-3だからです。
  3. それぞれに1を加え、x=1+3=4、x=1-3=-2 とします。±の計算が不安なら、2本の式に分けると符号を追いやすくなります。

元の式で x=-2 を確かめると、2×(-2-1)²=2×9=18 です。x=4 でも2×(4-1)²=18となるため、両方を残します。

答え:x=4、-2。

例題2 因数分解を使う

x²-5x=-6 を解きます。左辺だけを見て因数分解しようとせず、まず積が0になる形を目指します。

  1. -6を左辺に移項し、x²-5x+6=0 とします。移項によって定数項の符号は+になります。
  2. 積が6、和が-5になる2数を探し、-2と-3を選びます。(x-2)(x-3)=0 と因数分解でき、展開すると元の左辺に戻ります。
  3. x-2=0 または x-3=0 と分け、x=2、3 を得ます。積が0という条件を、それぞれの一次方程式へ移しています。

代入すると、x=2 では4-10=-6、x=3 では9-15=-6です。因数分解した式だけでなく、問題に書かれた元の式に戻ると、移項の誤りも見つけられます。

答え:x=2、3。

例題3 解の公式を使う

2x²+3x-1=0 を解きます。整数の組で簡単に因数分解できる形が見つからないので、解の公式を選びます。

  1. a=2、b=3、c=-1 と読み取ります。定数項は符号ごと c に入れるため、c=1 としないことが大切です。
  2. 根号の中を先に計算し、b²-4ac=3²-4×2×(-1)=9+8=17 とします。引く数が負なので、後半は足し算になります。
  3. 公式に入れて x=(-3±√17)/4 とします。√17はこれ以上簡単にできず、分子の-3と√17もまとめられません。

答えの意味は x=(-3+√17)/4 と x=(-3-√17)/4 の2つです。確かめるときは t=±√17 と置けば、2×((-3+t)/4)²+3×((-3+t)/4)-1=(t²-17)/8=0 となり、両方の解が式を成り立たせます。

答え:x=(-3±√17)/4。

例題4 長方形の面積から考える

縦より横が3cm長い長方形の面積が40cm²です。縦と横の長さを求めます。図2のように縦を x cm とすると、横は (x+3)cm で、最初に x>0 と書けます。

図2 縦をエックスとして横の長さと面積を結びつける長方形
  1. 縦×横が面積なので、x(x+3)=40 と立式します。周の長さではなく面積が与えられているので、足し算ではなくかけ算で結びます。
  2. 展開して移項し、x²+3x-40=0 とします。積が-40、和が3になる2数は8と-5なので、(x+8)(x-5)=0 です。
  3. x=-8、5 を求め、x>0 に合う5を選びます。x=-8も方程式の解ですが、縦の長さにはできません。
  4. 横を5+3=8と求めます。5×8=40、8-5=3を確認すれば、面積と長さの差の両方が問題の条件に合います。

答え:縦5cm、横8cm。

図2は答えに対応して、縦5に対して横8の比で描いています。文章題では最後に x の値だけで止めず、問われている量を単位つきで答えます。「方程式を解く」と「問題に答える」を分けて考えましょう。

つまずきやすいところと直し方

平方根の正負を落としてしまう

誤った書き方は「x²=9 → x=√9=3」です。√9=3 という計算は正しいのですが、「2乗して9になる数」をすべて答えていません。正しくは x=±√9=±3 です。図3のように数直線の3と-3は0から同じ距離にあり、どちらも2乗すると9になります。

図3 零から同じ距離にある正負三がともに解になる数直線

また、x²=0 に機械的に「解は2つ」と書かないようにします。+0も-0も同じ0です。±は、必ず異なる2個の数があるという記号ではありません。

x で割って解を消してしまう

誤った書き方は「x²=5x → x=5」です。両辺を x で割っていますが、x=0 の可能性があり、0では割れません。実際、元の式は x=0 でも成り立っています。

正しくは x²-5x=0 と移項し、x(x-5)=0 より x=0、5 とします。共通因数 x を外に出す操作なら、0という解を保てます。文字で割りたくなったら、その文字が0になる可能性を先に点検しましょう。

解の公式で分母の範囲を間違える

誤った書き方は「x=-3±√17/4」です。この書き方では、4で割るのが√17の部分だけになり、例題3の答えとは違う数になります。解の公式では、-bと±√(b²-4ac)を合わせた分子全体を2aで割ります。

正しくは x=(-3±√17)/4 です。横一列で分数を書くときのかっこは飾りではなく、計算のまとまりを指定しています。公式へ代入する前に分母と分子のかっこを先に書けば、途中で範囲が曖昧になりません。

誤り直しでは、正解を写すだけで終えず、「負の解を落とした」「0で割った」「分子の範囲を変えた」のどれかを言葉にします。原因が違えば、見直す行も違います。最初に正しさが崩れた行まで戻ることが、次の一問で役立ちます。

練習問題

まず各問について、使う解き方とその理由を短く書いてから計算しましょう。練習4では整数を求めるので、負の数を最初から除かないことも大切です。

  • 練習1:x²+4x=1 を、平方完成して解きます。
  • 練習2:x²=7x を解きます。
  • 練習3:3x²+2x-2=0 を、解の公式で解きます。
  • 練習4:連続する2つの整数の積が56です。この2つの整数をすべて求めます。

答えと解説

練習1:x=-2±√5 です。両辺に、4の半分の2を2乗した4を加えると (x+2)²=5 です。x+2=±√5 として2を移項します。

練習2:x=0、7 です。移項して x(x-7)=0 とし、それぞれの因数が0になる場合を考えます。x で割ると0という解が消えます。

練習3:x=(-1±√7)/3 です。公式では x=(-2±√28)/6 となり、√28=2√7 を使って分子全体と分母を2で約分します。

練習4:7と8、-8と-7の2組です。小さい方を x とすると x(x+1)=56、(x+8)(x-7)=0 より x=-8、7 です。どちらの組も差が1で積が56なので、両方とも条件に合います。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

二次方程式は、関数の式にある値を代入して x を求める場面や、図形の面積・長さを求める場面で使います。式を解けても、求めた値が何を表すかを忘れると、答えの選び方が変わってしまいます。

家庭での5分の確認は2つあります。1つ目は、例題の式を見て「平方根」「因数分解」「解の公式」のどれを選ぶか、その理由だけを話すことです。2つ目は、求めた解を元の式に代入し、左右が同じになるかを確かめることです。

お子さまと確認するときは、速さよりも「その数は何を表すのか」を尋ねると、条件の読み落としを見つけやすくなります。個別指導では、途中式のどこで止まったかに応じ、移項、積が0になる性質、平方根の正負まで戻って確かめます。

まとめ

答えが2つ出たとき、その一方を消してよいかどうかは、見た目の不自然さでは決められません。式だけの問題なら負の解も残り、長さなら正である条件を確かめ、整数なら負の組も調べます。解法を選ぶ力と、解の意味を読む力がそろうことで、計算が問題の答えにつながります。

二次方程式の解を選ぶ根拠は、符号の好みではなく、元の式と問題の条件です。


Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/musasinokobetu.com/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

PAGE TOP
お電話 チャットで質問チャット