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【物理】コンデンサーを図解で総まとめ—電気容量・直列 並列・エネルギー・誘電体 極板間隔|武蔵野個別指導塾

電池をつないだままか、切り離したかで変わる保存量を整理します。平行板・直列並列・静電エネルギーの図と4つの例題から、誘電体や極板間隔を変える問題の判断を練習できます。
よくあるのは、保健室の前の長椅子で物理のノートを見返し、「電池を外して極板を離す」と書かれた問題に、電圧は一定だろうと思って数値を入れ、解答と合わなくなるという場面です。Q=CVは覚えていても、Q、C、Vのどれを最初に決めればよいのか迷います。同じコンデンサーなのに、電池の接続を変えただけで答えが変わる点が、この単元の難しさです。
コンデンサーの問題では、形や材料が電気容量を決め、回路のつながり方が電荷や電圧の条件を決めます。この2つを分けると、式に入れる順序が見えてきます。公式を増やす前に、電荷が外へ出入りできるかを図に書き込むことから始めましょう。
ここでは、電気容量の意味から直列・並列の合成、蓄えられるエネルギー、誘電体と極板間隔の変化までをつなげます。計算の結果だけでなく、「なぜその量を一定としてよいか」を短い言葉で説明できることを目標にします。
この単元で身につけること
- 電気容量Cを、電圧1 Vあたりに蓄えられる電気量として読み取ります。Q=CVのQが片方の極板の電気量の大きさであることも確かめます。
- 平行板コンデンサーのC=εS/dを使い、面積・間隔・材料が容量をどう変えるか判断します。電圧を上げたことと、容量が増えたことを区別します。
- 直列では各コンデンサーの電気量が等しくなる条件を、並列では電圧が等しい理由を説明します。合成容量を出した後、個々の電圧と電気量へ戻れるようにします。
- 電荷と電圧のグラフの面積から、静電エネルギーU=QV/2を求めます。電池がした仕事とコンデンサーに残ったエネルギーを分けて考えます。
- 電池の接続を確認してから、誘電体の挿入や極板間隔の変更を計算します。変化前後の表を使って、容量・電荷・電圧・エネルギーを順に追います。
物理基礎で学んだ電圧と電気量、電場と電位の単元で学ぶ一様な電場の関係V=Edが土台になります。とくに電圧は、単位電気量あたりのエネルギーの差を表す量だったことを思い出すと、充電に必要な仕事も理解しやすくなります。
基本の考え方
電荷を分けて蓄える装置と電気容量
コンデンサーは、向かい合う2つの導体の間に、電気を通しにくい物質や真空のすき間を設けた装置です。導体の板を極板と呼びます。はじめに帯電していないコンデンサーを電池につなぐと、電子が導線を通って移動し、一方の極板は正、他方は負に帯電します。充電とは、このように電荷の偏りを作ることです。理想的なコンデンサーでは、電子が極板間のすき間を渡って移動するわけではありません。
両極板の電荷が+Qと−Qなら、「蓄えられた電気量」は正の量Qで表します。2枚の符号つき電荷の和は0ですが、それを蓄えられた電気量とは呼びません。また、両極板の電荷の大きさを足した2QをQ=CVに代入することもしません。電荷が分かれていることが、極板間の電場と電位差を生みます。
形と材料を変えず、材料の性質が電場によって大きく変わらない範囲では、蓄える電気量Qは極板間の電圧Vに比例します。その比例定数が電気容量Cです。
Q=CV、すなわちC=Q/V
電気容量の単位はF(ファラド)で、1 F=1 C/Vです。ここで式のCは電気容量という物理量、単位のCは電気量の単位クーロンなので、同じ文字でも役割を区別します。実際の計算ではμFやpFもよく使い、1 μF=10⁻⁶ F、1 pF=10⁻¹² Fです。電気容量は「今、何C入っているか」ではなく「同じ電圧でどれだけ蓄えられるか」を表します。
水を入れる容器で、同じ高さまで入れたときに広い容器ほど多くの水が入ることを思い浮かべると、容量の意味をつかみやすくなります。ただし、コンデンサーでは正負の電荷が対になって分かれるので、水の量と電荷をそのまま同一視することはできません。たとえ話は比例関係を考える入口として使います。
平行板の形と材料が容量を決める
平行板コンデンサーは、同じ大きさの平らな極板を平行に向かい合わせたものです。向かい合う部分の面積をS、極板の内側どうしの距離をd、間を満たす物質の誘電率をεとすると、端の電場の乱れを無視できる場合の容量は次の式です。
C=εS/d
誘電率は、その物質の中で電場ができる際の性質を表す量です。真空の誘電率をε₀と書き、以下の数値計算では教科書で用いる近似値ε₀=8.85×10⁻¹² F/mを使います。空気の誘電率は、この範囲の問題では真空とほぼ同じとして扱います。極板の厚さではなく、向かい合う内面の間隔をdとする点も確認しましょう。
この式は、極板間の一様な電場の強さE=Q/(εS)と、電圧V=Edを結ぶことで得られます。前者は、単位面積あたりの電荷が多いほど電場が強くなり、同じ電荷でも誘電率が大きいほど電場が弱くなるという平行板の関係です。Vに代入するとV=Qd/(εS)なので、C=Q/V=εS/dとなります。極板の広がりに比べて間隔が十分小さいこと、間が同じ物質で満たされていることが前提です。
図1のように、電場の向きは正の極板から負の極板へ向かいます。図では内面間の距離を両矢印で示し、端から離れた位置の電場を等間隔の矢印で描いています。極板の正負と電場の向きを対応させると、正電荷を正の極板側へ運ぶには、電場に逆らう仕事が必要だとわかります。

面積Sを2倍にするとCは2倍、間隔dを2倍にするとCは半分です。同じQを蓄えたまま間隔を広げると、電場の強さが変わらなくても、電場に沿う距離が長くなるため電圧が高くなります。したがってQ/Vは小さくなります。「離すと蓄えにくい」という説明を、電圧まで含めて言い直したものがこの関係です。
誘電体と、変化前に選ぶ一定量
誘電体は、通常は電流をほとんど通さない物質で、電場を加えると内部の正負の電荷の位置にわずかな偏りが生じます。この現象を誘電分極と呼びます。極板間に誘電体を入れると、分極によって元の電場を弱める向きの電場が生じます。ここで「弱まる」と言うときは、極板の自由に移動できる電荷Qを同じにして比べています。
比誘電率εᵣは、真空に対して誘電率が何倍かを表す、単位のない量です。ε=εᵣε₀なので、真空だったすき間全体を比誘電率εᵣの誘電体で満たすと、極板の面積と間隔が同じなら容量はεᵣ倍になります。一部だけを満たす場合には、そのまま全体をεᵣ倍にはできません。ここで扱う挿入は、すき間全体を満たす場合にそろえます。
電池につないだままなら、理想的な電池が端子間の電圧を保つためVが一定です。Cが増えると、Q=CVに従って電池から電荷が供給されます。一方、充電後に電池を切り離し、両極板から電荷が漏れたり他の導体へ移ったりしなければ、各極板のQが一定です。この場合、Cが増えるとV=Q/Cが小さくなります。
理想的なコンデンサーを一定の直流電圧につないで十分に時間がたつと、充電のための電流は流れなくなります。ただし、極板の形や材料を途中で変えれば、電池につながっている間は再び電荷が移動できます。「電流が止まっていた」と「今後も電荷が移動できない」は別の条件です。問題文にある接続の状態を、変化の直前で確かめる必要があります。
例題で解き方を確かめる
例題1 面積と間隔から電気量を求める
真空中の平行板コンデンサーの極板面積が2.00×10⁻² m²、極板間隔が2.00×10⁻³ mです。端の影響を無視して、電気容量を求めます。また、1.00×10² Vの電池で充電したときの電気量と電場の強さを求めます。以下の例題・練習の数値の答えは有効数字3桁で表します。
- まず形と材料からCを求めます。電圧を知らなくても容量は決まり、C=ε₀S/d=8.85×10⁻¹²×2.00×10⁻²/(2.00×10⁻³)=8.85×10⁻¹¹ Fです。これは88.5 pFです。
- 次にQ=CVを使います。Q=8.85×10⁻¹¹×1.00×10²=8.85×10⁻⁹ Cです。電池の電圧が与えられているので、この段階で電気量が決まります。
- 電場はV=EdからE=V/d=1.00×10²/(2.00×10⁻³)=5.00×10⁴ V/mです。極板間が一様な電場という前提があるので、電圧を距離で割ることができます。
答え:C=88.5 pF、Q=8.85×10⁻⁹ C、E=5.00×10⁴ V/mです。
単位も式の一部として点検します。ε₀S/dの単位は(F/m)×m²/m=F、CVの単位はF×V=Cです。数値だけを追っていると、面積をcm²からm²に直すときの誤りを見落としがちです。長さの換算係数は面積では2回掛かるので、単位を先にそろえてから計算しましょう。
例題2 同じ2個を直列と並列につなぐ
電気容量C₁=3.00 μF、C₂=6.00 μFのコンデンサーがあり、初めはどちらも帯電していません。これらを直列、または並列につないで12.0 Vの電池で充電します。それぞれの合成容量、各コンデンサーの電圧と電気量を求めます。
図2の左側は直列、右側は並列です。図のAとBを電池につなぐ端子と考えます。直列では2個の間の導体が外部につながらず、その部分の電荷の総和が0に保たれます。並列では、どちらのコンデンサーも同じAとBの間につながっています。図の線が長いか短いかではなく、同じ導線で結ばれた点をたどるのが読み取りの要点です。

- 直列では、中央の導体の総電荷が初めに0なので、中央に向かい合う2枚の極板の電荷は−Qと+Qです。その結果、各コンデンサーに蓄えられる電気量の大きさが等しくなります。全電圧V=V₁+V₂=Q/C₁+Q/C₂と、全体を1個と見たV=Q/Cを比べると、1/C=1/C₁+1/C₂を得ます。よってC=C₁C₂/(C₁+C₂)=2.00 μFです。
- 電池から端子へ移った電気量はQ=CV=2.00×12.0=24.0 μCです。それぞれに同じQを使い、V₁=24.0/3.00=8.00 V、V₂=24.0/6.00=4.00 Vです。容量の小さい方の電圧が高くなり、和は12.0 Vに戻ります。
- 並列ではV₁=V₂=Vです。全体に供給される電気量QはQ₁+Q₂=C₁V+C₂Vなので、Q=CVと比べるとC=C₁+C₂=9.00 μFです。電圧が共通になることから、容量の和が導かれます。
- 個々の電気量はQ₁=3.00×12.0=36.0 μC、Q₂=6.00×12.0=72.0 μCです。合計は108 μCで、合成容量9.00 μFに12.0 Vを掛けた値と一致します。
答え:直列はC=2.00 μF、Q₁=Q₂=24.0 μC、V₁=8.00 V、V₂=4.00 V、並列はC=9.00 μF、V₁=V₂=12.0 V、Q₁=36.0 μC、Q₂=72.0 μCです。
直列の合成容量は、個々の容量のどちらよりも小さくなります。同じ電気量を蓄えるために、2個分の電圧が必要になるからです。逆に並列では、同じ電圧で両方に電荷を蓄えられるので、合成容量は個々より大きくなります。公式が思い出せないときも、この大小関係が誤りを見つける手がかりになります。
例題3 充電に伴って蓄えられるエネルギー
電気容量2.00 μFのコンデンサーを、帯電していない状態から10.0 Vまで充電します。最終的な電気量と、蓄えられた静電エネルギーを求めます。静電エネルギーとは、電荷の配置によって蓄えられ、放電などで取り出せるエネルギーです。
- まず最終的な電気量を求めます。Q=CV=2.00×10.0=20.0 μCです。エネルギーは、電荷をこの量まで少しずつ分けて蓄える仕事から考えます。
- 途中の電気量をq、途中の電圧をvとすると、容量が一定なのでv=q/Cです。初めは電圧が0で、最後にVになります。電気量に対して電圧が直線的に増えるので、電荷を運ぶ際の平均の電圧はV/2です。したがって必要な仕事はU=QV/2です。
- U=20.0×10⁻⁶×10.0/2=1.00×10⁻⁴ Jとなります。Q=CVを代入すればU=CV²/2、V=Q/Cを代入すればU=Q²/(2C)も得られます。3つの式は同じエネルギーを表しています。
答え:Q=20.0 μC、U=1.00×10⁻⁴ Jです。
この導き方に微分積分は必要ありません。電荷を少しずつ運ぶ仕事を、横軸が電気量、縦軸が電圧のグラフの細い長方形として考えると、全体の仕事は直線の下の三角形の面積にまとまります。後の図3で、この例題の具体的な数値を使って確かめます。
例題4 誘電体を入れるときの2つの条件
真空を挟む容量2.00 μFのコンデンサーを12.0 Vまで充電しました。極板の形と間隔はそのままにして、比誘電率3.00の誘電体ですき間全体を満たします。電池を切り離してから入れる場合と、電池につないだまま入れる場合について、変化後の電気量、電圧、静電エネルギーを求めます。電荷の漏れは無視します。
- 共通する変化を先に整理します。誘電率が3.00倍になるので、変化後の容量は6.00 μFです。変化前の電気量は2.00×12.0=24.0 μC、エネルギーは2.00×10⁻⁶×12.0²/2=1.44×10⁻⁴ Jです。
- 電池を切り離す場合は、電荷が出入りできないのでQ=24.0 μCのままです。V=Q/C=24.0/6.00=4.00 Vとなり、U=QV/2=4.80×10⁻⁵ Jです。容量が増えると、同じ電荷を以前より低い電圧で保てます。
- 電池につないだままの場合はV=12.0 Vです。Q=CV=6.00×12.0=72.0 μCとなり、U=CV²/2=4.32×10⁻⁴ Jです。電池からさらに電荷が供給されるので、切り離した場合と同じ電気量にはなりません。
答え:切り離すとQ=24.0 μC、V=4.00 V、U=4.80×10⁻⁵ J、接続したままではQ=72.0 μC、V=12.0 V、U=4.32×10⁻⁴ Jです。
両方とも容量は同じ6.00 μFですが、エネルギーの増減は逆です。これは公式の矛盾ではなく、コンデンサーへ電荷を供給する電池が回路に残っているかどうかの違いです。容量の増減だけからエネルギーの増減を決めず、一定に保たれる量と組み合わせて判断します。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 電池を外しても電圧を一定にする
誤った書き方は、「電池で12.0 Vにしたから、その後もV=12.0 V」です。どこが違うかというと、その電池を切り離した後には、電圧を保つための電荷の出入りができません。正しい書き方は、「切り離した後はQ一定。形や材料を変えたら、新しいCからV=Q/Cを求める」です。切り離した瞬間は電圧が変わらなくても、その後の操作によって変わり得ます。
極板を平行に保ち、面積を変えずに間隔を2倍に広げる場合で確かめましょう。容量は半分です。電池を切り離してあればQ一定なのでVは2倍、U=Q²/(2C)よりエネルギーも2倍になります。一方、電池につないだままならV一定なのでQは半分、U=CV²/2よりエネルギーは半分です。変化を次のように並べると、同時に一定にしてはいけない量が見えます。
| 間隔を2倍にする条件 | C | Q | V | U |
|---|---|---|---|---|
| 電池を切り離す | 半分 | 一定 | 2倍 | 2倍 |
| 電池につないだまま | 半分 | 半分 | 一定 | 半分 |
電場も確かめると理解が深まります。切り離した場合はQとSが一定なのでE=Q/(εS)は変わらず、V=Edだけが2倍になります。電池につないだままならE=V/dが半分になります。「極板を離すと電場が必ず弱くなる」という判断も、条件を省いているため正しくありません。
誤り2 直列の容量を足し、電圧を等分する
誤った書き方は、「直列だからC=C₁+C₂、2個だから電圧は半分ずつ」です。どこが違うかというと、直列でそろうのは、初めに無帯電の2個を充電する場合の電気量であり、電圧ではありません。正しい書き方は、「Q₁=Q₂、V₁+V₂=Vから1/C=1/C₁+1/C₂を導く」です。電圧を等分できるのは、同じ容量の2個をこの条件で直列につないだ場合です。
さらに、すでに帯電しているコンデンサーをつなぎ替える問題では、中央の孤立した導体が初めから電荷を持つことがあります。このときは、各コンデンサーの電気量を機械的に等しいと置けません。保存されるのは、その孤立した導体全体の符号つき電荷の和です。切り替え前にどの極板がつながり、切り替え後にどの導体がひとまとまりになるかを、図で囲んで追います。
合成容量は回路全体の端子間の関係を表す道具です。個々の電圧まで求める問題では、合成容量で終わらず、直列なら共通の電気量、並列なら共通の電圧を使って元の2個へ戻します。例題2で求めた電圧の和や電気量の和を最後に確かめることは、計算の誤りと接続の読み違いを同時に見つける方法です。
誤り3 静電エネルギーをQVとする
誤った書き方は、「最後の電圧がVなので、蓄えたエネルギーはQV」です。どこが違うかというと、充電の途中のコンデンサーの電圧は、初めから最後までVだったわけではありません。正しい書き方は、「途中の電圧は0からVまで増え、その平均がV/2だからU=QV/2」です。図3のように、面積が長方形ではなく三角形になることを根拠にできます。

図3の横軸は途中の電気量qをμCで、縦軸は途中の電圧vをVで表しています。容量2.00 μFなら、q=10.0 μCでv=5.00 V、q=20.0 μCでv=10.0 Vです。色を塗った三角形の面積は20.0×10.0/2=1.00×10² μJ=1.00×10⁻⁴ Jとなり、例題3に一致します。傾きはv/q=1/Cなので、同じ軸の取り方なら容量が大きいほど直線は緩やかになります。
ただし、一定電圧Vの電池が電気量Qを送り出した仕事はQVです。初めに無帯電のコンデンサーを抵抗のある回路で一定電圧の電池につなぎ、十分に充電すると、その半分が静電エネルギー、残りの半分が抵抗で生じるジュール熱になります。コンデンサーのエネルギーと電池の仕事は、別々の対象について計算する量です。抵抗が小さくても、充電中の熱を初めから消してよいわけではありません。
極板間隔を変える問題にも、エネルギーの受け渡しがあります。正負の極板は引き合うので、切り離した極板をゆっくり引き離すには外から正の仕事をする必要があり、それが静電エネルギーの増加になります。電池につないだまま引き離すときも引力に逆らう仕事は必要ですが、同時に電荷が電池へ戻ります。この場合は電池とのエネルギーの受け渡しがあるので、静電エネルギーの変化だけを外からした仕事と等しく置くことはできません。
誘電体は極板間へ引き込まれる向きの力を受けます。電池を外した条件で静電エネルギーが減るときには、その減少分が誘電体への仕事などに変わります。支えてゆっくり動かすか、手を離して動かすかで受け渡し先は変わりますが、エネルギーが消えるのではありません。コンデンサー単体のUと、電池や動く物体まで含めた全体のエネルギーを区別して読みます。
練習問題
練習1 単位をそろえて容量を出す
真空中の平行板コンデンサーの極板面積は2.00×10⁻² m²、極板間隔は1.00×10⁻³ mです。端の影響を無視し、ε₀=8.85×10⁻¹² F/mとして容量を求めてください。6.00 Vで充電したときの電気量も求めます。どちらを先に計算するかを決めてから式を書きましょう。
練習2 直列の各電圧へ戻す
初めに無帯電の4.00 μFと12.0 μFのコンデンサーを直列につなぎ、全体に8.00 Vを加えます。合成容量、それぞれに蓄えられる電気量、各コンデンサーの電圧を求めてください。最後に2つの電圧の和を確かめます。
練習3 エネルギーと電池の仕事を区別する
容量5.00 μFのコンデンサーを、抵抗を通して20.0 Vの電池で無帯電の状態から十分に充電します。蓄えられた静電エネルギー、電池がした仕事、抵抗で発生したジュール熱を求めてください。極板の形や材料は変えず、熱以外の損失は無視します。
練習4 電池を切り離して間隔を広げる
真空中の平行板コンデンサーは容量4.00 μFで、6.00 Vに充電されています。電池を切り離してから、平行を保って極板間隔を2倍に広げました。面積は変えず、漏れと端の影響を無視します。変化後の容量、電圧、静電エネルギー、およびゆっくり広げるために外からした仕事を求めてください。
答えと解説
練習1:C=1.77×10⁻¹⁰ F=177 pF、Q=1.06×10⁻⁹ Cです。C=ε₀S/dで容量を決めてからQ=CVを使います。電気量の丸める前の値は1.062×10⁻⁹ Cで、最後に有効数字3桁にします。途中の数値を何度も丸めないようにしましょう。
練習2:合成容量は3.00 μF、各電気量は24.0 μCです。4.00 μF側の電圧は6.00 V、12.0 μF側は2.00 Vです。C=4.00×12.0/(4.00+12.0)で合成し、共通のQ=3.00×8.00から各電圧を出します。6.00+2.00=8.00 Vで全電圧に戻り、容量の小さい方が高電圧になっています。
練習3:静電エネルギーは1.00×10⁻³ J、電池の仕事は2.00×10⁻³ J、ジュール熱は1.00×10⁻³ Jです。Q=CV=1.00×10⁻⁴ Cを用い、蓄える量はQV/2、電池の仕事はQVとして計算します。その差が抵抗で発生する熱です。電池の電圧とコンデンサーの途中の電圧を区別することが、係数1/2の有無につながります。
練習4:変化後はC=2.00 μF、V=12.0 V、U=1.44×10⁻⁴ J、外からの仕事は7.20×10⁻⁵ Jです。電池を切り離しているのでQ=24.0 μCを保ちます。初めのエネルギーは7.20×10⁻⁵ Jですから、増加分が外からの仕事です。ゆっくり動かして運動エネルギーの変化を無視し、電池との受け渡しもない条件で、この等式を使っています。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
直流回路では、充電が終わったコンデンサーの枝に電流が流れないことと、そこに電圧がかかっていることを両立して考えます。さらに交流では電圧が時間とともに変わり、コンデンサーへの電荷の出入りも続きます。今回のQ=CVは、その先でも電気量と電圧を結ぶ出発点になります。
家庭では紙と鉛筆だけで、5分ほどの確認ができます。1つ目は、同じ平行板を2つ描き、一方に「電池あり」、他方に「切り離し」と書いて、間隔を2倍にした後のC、Q、V、Uを矢印で示す方法です。理由をQ=CVの一行で添えれば、表をただ覚えているのか、条件から考えられるのかがわかります。
2つ目は、横軸を電気量、縦軸を電圧にした図を描き、例題3の点と三角形を自分で入れる方法です。保護者の方がお子さまに声をかけるなら、「なぜ長方形ではないの」と尋ねると、途中の電圧を考えているか確かめられます。電気製品を分解する必要はありません。電源を切っても電荷が残る部品があるため、身近な製品の内部で実験せず、紙の回路図で確かめます。
個別指導で解き方を確認するときは、計算を始める前の回路図へ戻り、電荷が出入りできる道を一緒にたどります。そこで判断できなければ、電圧が単位電気量あたりのエネルギーの差を表すことまで戻って、式の意味を確かめます。
まとめ
解答が途中で止まったら、未知数の多さよりも、接続の条件が式に入っているかを見直しましょう。形と材料からCを決め、電池の有無から一定量を選ぶと、変化後の状態を自分で組み立てられます。エネルギーが増減したときには、その受け渡し先まで考えることで、計算が現象の説明になります。
正解の数値に届いていても、「電池を外したのでQを保った」という理由が抜けていれば、条件を変えた問題で迷いが戻ります。コンデンサーの解法を決めるのは、覚えた式の順番ではなく、電荷が出入りできる道の有無です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




