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【物理】単振動を図解で総まとめ—変位 速度 加速度の式・ばね振り子・単振り子・エネルギー|武蔵野個別指導塾

端で速さが0なのに加速度が最大になる理由を、円運動の射影と図で整理します。水平・鉛直のばね振り子、単振り子の周期、エネルギー保存を例題でたどり、符号の判断まで確かめられます。
よくあるのは、通学電車の窓に映ったつり革の揺れを眺めながら、ノートの「端で速度は0、加速度は最大」という一行が納得できなくなる場面です。止まっているなら力も加速度も0ではないか、と考えると、その先のばね振り子の問題でも手が止まります。窓に見える実際の揺れには電車の加速や空気抵抗も関わるので、そのまま理想的な単振動とは限りません。それでも、折り返す瞬間と中央を通る瞬間を区別する入口にはなります。
単振動は、位置、速度、加速度がそれぞれ違う役割をもつことを学ぶ単元です。公式を3本並べて覚える前に、物体がどこにいて、どちらへ動き、どちらへ力を受けているかを分けましょう。この区別ができると、ばねと振り子に共通する周期の決まりを読み取れます。さらに、時間を求める問題と速さだけを求める問題で、三角関数とエネルギー保存を使い分けられるようになります。
この単元で身につけること
- 変位の原点を決めます。変位 x はつり合いの位置から測る符号つきの量で、ばねの自然長からの伸びとは一致しない場合があります。
- 単振動の条件を見抜きます。合力が変位に比例し、つり合いの位置へ向くとき、運動方程式を a=−ω²x の形に整理できます。
- 位置、速度、加速度を結びつけます。円運動の射影を使うと、三角関数の式と正負の理由を同じ図から読めます。
- 周期の式を導きます。ばね振り子と単振り子で復元力を調べ、運動方程式の係数から角振動数を求めます。
- エネルギーから速さを求めます。時間がわからなくても、振幅と変位がわかれば速さを計算でき、運動の向きは別に判断します。
物理基礎で学んだ運動方程式 ma=F と力学的エネルギー保存に、等速円運動と三角関数をつなぐのがこの単元です。以下では、ばねの質量や摩擦、空気抵抗は無視し、ばねはフックの法則が成り立つ範囲で扱います。重力加速度は教科書で用いる g=9.8 m/s² とし、数値の答えは問題練習として有効数字3桁にそろえます。途中では余分な桁を残し、最後に丸めます。
基本の考え方
単振動の中心は、力がつり合う位置です
単振動とは、変位が時間の正弦関数または余弦関数で表される往復運動です。つり合いの位置を x=0 に取り、そこから左右にどれだけ離れたかを x で表します。右向きを正にすれば右側は x>0、左側は x<0 です。つり合いの位置から端までの最大の距離を振幅 A といい、A は正の値です。両端の間の距離は2Aであり、振幅と往復する道のりは同じではありません。
1往復にかかる時間を周期 T といい、単位は s です。1 s あたりに繰り返す回数が振動数 f で、単位は Hz、関係は f=1/T です。角振動数 ω は1秒間に位相がどれだけ進むかを表し、ω=2π/T=2πf となります。位相とは、繰り返す運動のどの段階にいるかを角度で示す量です。三角関数の角度にはラジアンを用い、角振動数の単位は rad/s と書きます。
物体を中心へ戻そうとする力を復元力といいます。単振動では、復元力の大きさが変位の絶対値に比例します。比例定数を正の C とすると F=−Cx です。負号は「いつでも左向き」を意味しません。x>0 なら F<0、x<0 なら F>0 となり、どちら側にいても力は中心を向きます。運動方程式 ma=−Cx を質量 m で割ると a=−(C/m)x です。この係数を ω² と書いた a=−ω²x が、単振動を見分ける形です。
ただし、中心へ向く力なら何でも単振動になるわけではありません。中心からの距離に比例することまで必要です。運動の名前を先に決めて公式を当てはめるのではなく、座標を決め、合力を書き、その合力が変位の何倍になっているかを調べます。
円運動の射影で、3本の式を結びます
図1のように、半径 A の円周上を反時計回りに一定の角速度 ω で動く点 P を考えます。P から横軸へ垂線を下ろし、その足 Q を追うと、Q は −A と A の間を往復します。このように一つの軸の成分を取り出すことを射影といいます。円運動の点は説明のための点であり、実際のばねにつながった物体が円を回るわけではありません。

図1では、中心 O から P への半径と横軸の正方向との角を θ としています。直角三角形の横の長さから、Q の変位は x=A cosθ です。時刻 t=0 で θ=0 とする、つまり右端から動き始める場合は θ=ωt なので、次の3式になります。
x=A cos(ωt)
v=−Aω sin(ωt)
a=−Aω² cos(ωt)=−ω²x
速度の式は、円運動の速度を横向きに分解して得られます。P の速さは Aω で、向きは円の接線方向です。P が右上の領域にあるとき、接線方向の速度は左上を向くので、横成分は負になります。その成分の大きさが Aω sinθ です。同じように、円運動の加速度は大きさ Aω² で中心を向きます。その横成分は −Aω² cosθ なので、変位と逆向きで大きさが変位に比例します。微分を使わなくても、三角比と円運動の成分から3式を導けます。
出発点が右端でない場合は、初期位相 φ を入れ、x=A cos(ωt+φ) と書きます。そのとき v=−Aω sin(ωt+φ)、a=−Aω² cos(ωt+φ) です。中心から正方向へ出発するなら、x=A sin(ωt)、v=Aω cos(ωt)、a=−Aω² sin(ωt) と書くと簡潔です。sin と cos のどちらが正解かは、時刻0の位置と向きで決まります。
右端から出発した物体は、T/4 後に中心を左向きに通り、T/2 後に左端へ達し、3T/4 後に中心を右向きに通り、T 後に元へ戻ります。両端では v=0 ですが、加速度の大きさは Aω² で最大です。中心では a=0 ですが、速さは Aω で最大です。速度はその瞬間の動き方、加速度は速度が変わる向きと程度を表すので、片方が0でも他方まで0とは限りません。
ばねと振り子で、復元力の係数を探します
なめらかな水平面上で、質量 m の物体をばね定数 k のばねにつなぎます。ばね定数は、伸びや縮みに対してどれだけ強い弾性力が生じるかを表し、単位は N/m です。ばねが自然長のときを原点にすれば、フックの法則から F=−kx、運動方程式は ma=−kx です。したがって ω²=k/m、ω=√(k/m) であり、ω=2π/T を使うと周期は T=2π√(m/k) となります。
鉛直につるしたばねでは、原点を変える必要があります。自然長からの伸びを y、静止してつり合うときの伸びを y₀ とし、下向きを正に取ります。静止時は mg=ky₀ です。つり合いの位置からの変位を x=y−y₀ とすると、運動中の合力は mg−ky=mg−k(y₀+x)=−kx になります。重力を落としたのではなく、つり合いの式で一定の部分が打ち消し合ったのです。よって鉛直でも T=2π√(m/k) です。
単振り子は、伸び縮みしない軽い糸に、質点とみなせる小さいおもりをつるしたものです。長さ l は支点からおもりの重心まで測ります。鉛直下向きからの角度を θ、最下点から円弧に沿った符号つきの変位を s とすると、s=lθ です。円弧の接線方向には、重力の成分 −mg sinθ が働き、糸の張力は接線方向の成分をもちません。
振れ角が十分小さければ、ラジアンで sinθ≈θ と近似できます。そのとき接線方向の運動方程式は maₜ≈−mgθ=−(mg/l)s です。ここで aₜ は円弧に沿った加速度です。したがって ω²≈g/l、周期は T≈2π√(l/g) になります。質量が式から消えるのは、復元力にも運動の変わりにくさにも同じ質量が含まれるためです。大きな振れ角ではこの近似が成り立たず、同じ周期の式を無条件には使えません。
例題で解き方を確かめる
例題1 式から周期と運動の向きを読み取ります
ある物体の変位が x=0.100 cos(4.00t) と表されます。x の単位は m、t の単位は s です。振幅、周期、最大の速さ、および t=π/12 s での変位、速度、加速度を求めます。時刻は丸めずに与えられた式のまま代入します。
- 標準形 x=A cos(ωt) と比べ、A=0.100 m、ω=4.00 rad/s と読みます。cos の外側は変位の大きさ、内側の t の係数は位相の進み方を決めるためです。
- T=2π/ω=2π/4.00=1.57 s、最大の速さ Aω=0.100×4.00=0.400 m/s を求めます。角振動数そのものを周期と取り違えないよう、単位も確認します。
- 求める時刻での位相は 4.00×π/12=π/3 です。よって x=0.100 cos(π/3)=0.0500 m となります。物体はまだ中心の右側にいます。
- v=−0.100×4.00 sin(π/3)=−0.346 m/s、a=−(4.00)²×0.0500=−0.800 m/s² と計算します。右端から中心へ向かっている途中なので、速度と加速度がどちらも負になることも図と照合できます。
答え:A=0.100 m、T=1.57 s、最大の速さ0.400 m/s、x=0.0500 m、v=−0.346 m/s、a=−0.800 m/s² です。
この時刻では速度と加速度が同じ向きなので、物体の速さは増しています。中心を過ぎた後も速度はしばらく負ですが、変位が負に変わるので加速度は正となり、今度は速さが減ります。「加速度が負だから減速する」という判断はできません。
例題2 水平ばねのエネルギーから速さを求めます
質量0.200 kgの物体を、ばね定数50.0 N/mのばねにつなぎ、なめらかな水平面上で振幅0.0800 mの単振動をさせます。周期と力学的エネルギー、および x=0.0400 mを中心へ向かって通るときの速度を求めます。原点はばねが自然長になる位置、正方向は右向きです。
- ma=−kx から ω=√(50.0/0.200) を求めます。周期は T=2π√(0.200/50.0)=0.397 s です。エネルギーで速さを計算する前に、力の式から運動の種類を確定させます。
- ばねの弾性エネルギーは U=kx²/2、運動エネルギーは K=mv²/2 です。端では v=0、x=A なので、保存される合計は E=kA²/2=50.0×(0.0800)²/2=0.160 J となります。
- x=0.0400 m では U=50.0×(0.0400)²/2=0.0400 J、K=E−U=0.120 J です。K=mv²/2 より速さは √(2K/m)=√(2×0.120/0.200)=1.10 m/s です。
- 右側から中心へ向かう運動なので、速度は負の v=−1.10 m/s です。エネルギーには v² が入るため、進む向きは問題文から補う必要があります。
答え:周期0.397 s、力学的エネルギー0.160 J、速度−1.10 m/sです。
図2は、この例題の横軸を位置、縦軸をエネルギーにした図です。紺の U は上向きの放物線、緑の K は下向きの放物線で、橙の E は一定です。赤い2点は x=0.0400 m における U と K を示しています。

図2のように中心ではすべてが運動エネルギー、端ではすべてが弾性エネルギーになります。この関係を一般の文字で整理すると、mv²/2+kx²/2=kA²/2、すなわち v²=(k/m)(A²−x²)=ω²(A²−x²) です。よって速さは ω√(A²−x²) と求められます。時間の情報は不要ですが、同じ位置を行きと帰りに通るため、速度の符号までは決まりません。
ばねの弾性エネルギーの式にも理由があります。ばねを自然長から x だけゆっくり伸ばすとき、加える力は0から kx まで比例して増えます。力と伸びのグラフの下の三角形の面積が仕事なので、仕事は x×kx/2=kx²/2 です。一定の力 kx を最初から加え続けた場合の仕事とは違うため、係数1/2が付きます。
例題3 鉛直ばねは自然長とつり合いを分けます
ばね定数49.0 N/mの軽いばねを鉛直につるし、質量0.200 kgの物体を付けます。静止した位置からさらに下へ0.0300 m引き、静かに放します。つり合い時の伸び、周期、自然長から0.0500 m伸びた位置での加速度を求めます。
- つり合い時の伸び y₀ を mg=ky₀ から求めます。y₀=0.200×9.8/49.0=0.0400 m です。自然長の位置では重力とばねの力がつり合わないので、この手順が先です。
- 下向きを正にし、x=y−y₀ と置きます。運動方程式は ma=mg−ky=−kx で、T=2π√(0.200/49.0)=0.401 s です。静かに放す位置は端なので、振幅は0.0300 mとなります。
- y=0.0500 m の位置は、つり合いから見ると x=0.0500−0.0400=0.0100 m です。a=−(49.0/0.200)×0.0100=−2.45 m/s² となり、加速度は上向きです。
答え:つり合い時の伸び0.0400 m、周期0.401 s、加速度−2.45 m/s²(上向き)です。
鉛直の場合、ばねの弾性エネルギーだけを kx²/2 とするのは誤りです。ばねの伸びは y₀+x なので、実際の弾性エネルギーは k(y₀+x)²/2 です。一方、重力の位置エネルギーをつり合いで0に取ると、下向きの変位 x に対して −mgx です。この2つを加えて展開すると、ky₀x と −mgx が打ち消し合い、合計は kx²/2 に定数を加えた形になります。その定数を基準から引けば、水平ばねと同じ形のエネルギー保存式で速さを求められます。
例題4 単振り子の周期と長さの関係を使います
長さ0.980 mの単振り子を小さい振れ角で揺らします。周期と振動数を求め、さらに周期を元の1.50倍にするには長さを何 mにすればよいかを求めます。おもりの質量は変えません。
- 小さい振れ角という条件を確かめ、T≈2π√(l/g) を使います。T≈2π√(0.980/9.8)=1.99 s です。この式は接線方向の復元力を変位に比例すると近似して得たものです。
- 振動数は f=1/T=0.503 Hz です。丸めた1.99を途中で使わず、周期の計算値を保持して逆数を取ります。
- 同じ場所では g が共通なので、T₂/T₁≈√(l₂/l₁) です。両辺を2乗し、l₂=(1.50)²×0.980=2.21 m と求めます。周期は長さそのものではなく、長さの平方根に比例します。
答え:周期1.99 s、振動数0.503 Hz、新しい長さ2.21 mです。
単振り子でも、空気抵抗などを無視すれば力学的エネルギーは保存されます。最下点を高さの基準にすると、角度 θ の位置での高さは l(1−cosθ) なので、位置エネルギーは mgl(1−cosθ) です。端での角度を θ₀ とすれば、mv²/2+mgl(1−cosθ)=mgl(1−cosθ₀) と書けます。このエネルギーの関係自体は小さい角度に限りませんが、単振動とみなして周期を求めるところには小さい角度という条件が必要です。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 端で止まるから加速度も0とします
誤った書き方は「端では v=0 だから a=0」です。どこが違うかというと、速度の値と、その速度を変える加速度を同じ量として扱っています。右端で物体が折り返すには、速度を負の方向へ変える力が必要です。右端ではばねの伸びも大きく、中心へ戻す力はむしろ最大になります。
正しい書き方は「端では v=0、a=−ω²x なので加速度の大きさは Aω²」です。図3は右端出発の場合の x/A、v/(Aω)、a/(Aω²) を並べています。単位や最大値が違う3量を比較するため、それぞれ自分の最大の大きさで割ってあります。

図3の t=0 では変位が正の最大、速度が0、加速度が負の最大です。T/4 では変位と加速度が0で、速度は負の最大です。このように同じ時刻を縦にたどると、「全部が一緒に増える」という誤解を直せます。なお、図3の加速度は直線上の単振動の加速度です。単振り子の最下点では接線方向の加速度は0でも、円弧を曲がるための向心加速度まで0になるわけではありません。
誤り2 鉛直ばねの伸びをそのまま変位にします
誤った書き方は「自然長からの伸び y を使って a=−(k/m)y」です。どこが違うかというと、ばねの力だけを合力として、重力を含めていません。これでは自然長の位置で a=0 となってしまい、そこから物体が重力で下へ動くことを説明できません。
正しい書き方は「ma=mg−ky、y₀=mg/k、x=y−y₀ として a=−(k/m)x」です。座標を変える前の式を一度書くと、重力をどこで処理したかが残ります。図を描くときも自然長の位置とつり合いの位置を別の印にし、振幅は後者から測ります。
誤り3 保存則で得た正の平方根を常に速度とします
誤った書き方は「v=ω√(A²−x²) なので、速度はいつも正」です。どこが違うかというと、エネルギー保存が与えるのは v² であり、平方根の正の値は速さに当たることを見落としています。同じ右側の位置でも、右端へ向かうときと中心へ戻るときでは速度の符号が違います。
正しい書き方は「速さは ω√(A²−x²)、速度は運動の向きに応じてその正または負」です。時間が与えられれば位相から、出発条件と通過の順序が与えられればその経過から向きを決めます。変位の符号だけで速度の符号は決まりませんが、加速度の符号は a=−ω²x から決まる、という違いを押さえましょう。
練習問題
途中の式には、原点と正方向の判断を一言添えて解いてみましょう。計算結果だけでなく、その時点で物体が中心へ近づくのか、中心から離れるのかを説明できると、符号を自分で点検できます。
練習1
振幅0.0600 m、周期1.20 sの単振動があります。時刻0に中心を正方向へ通過します。変位を時間の式で表し、t=0.100 sにおける変位、速度、加速度を求めてください。式の角振動数には2π/1.20をそのまま用いてかまいません。
練習2
質量0.500 kgの物体を、ばね定数80.0 N/mのばねにつなぎ、なめらかな水平面上で振幅0.0500 mの単振動をさせます。周期と全エネルギー、およびつり合いからの変位 x=−0.0300 mで中心へ向かっているときの速度を求めてください。右向きを正とします。
練習3
ばね定数98.0 N/mのばねに質量0.300 kgの物体を鉛直につるします。自然長から0.0500 m下へ伸びた位置で静かに放したとき、つり合い時の伸び、振幅、放した瞬間の加速度を求めてください。下向きを正とします。
練習4
長さ0.245 mの単振り子を小さい振れ角で揺らします。周期を求めてください。また、長さと振れ角を保ったままおもりの質量だけを2倍にしたとき、周期がどうなるかを説明してください。糸の伸びと空気抵抗は無視します。
答えと解説
練習1:x=0.0600 sin((2π/1.20)t) です。中心から正方向へ出発するので sin を選び、ω=2π/1.20 とすると指定時刻の位相は π/6 です。変位は0.0300 m、速度は0.272 m/s、加速度は−0.822 m/s² です。右側へ進んでいますが、加速度は左向きで、速さが減っている途中です。
練習2:周期は T=2π√(0.500/80.0)=0.497 s、全エネルギーは E=80.0×(0.0500)²/2=0.100 J です。指定位置での弾性エネルギーは0.0360 J、運動エネルギーは0.0640 J なので、速さは √(2×0.0640/0.500)=0.506 m/s です。左側から中心へ向かうため、速度は正の0.506 m/sとなります。
練習3:つり合いの伸びは y₀=0.300×9.8/98.0=0.0300 m です。静かに放す位置はつり合いより0.0200 m下なので、振幅は0.0200 mです。放した瞬間は速度0ですが、加速度は a=−(98.0/0.300)×0.0200=−6.53 m/s²、つまり上向きです。自然長からの0.0500 mを振幅として使わないことが要点です。
練習4:周期は T≈2π√(0.245/9.8)=0.993 s です。質量を2倍にしても周期は0.993 sで変わりません。接線方向の重力成分も質量に比例して2倍になるので、運動方程式を質量で割ると、質量は残らないためです。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
単振動で学んだ位相は、波の単元で「場所の異なる点が、いつ、どちらへ動くか」を比べる道具になります。波が伝わる向きと、その場の物体が振動する向きは区別が必要です。今回、円周を動く点 P と横軸上の点 Q を分けたように、何の運動を表している図なのかを先に確かめる習慣が役立ちます。
家庭では、5分でできる確かめ方が2つあります。1つ目は、紙に中心と左右の端だけを描き、右端から順に5つの時刻0、T/4、T/2、3T/4、Tを書き込む方法です。それぞれの位置に速度と加速度の矢印を別々に描き、0になる量には「0」と記します。図3を隠して説明し、最後に照合すると、止まることと力がつり合うことを混同していないかが見えます。
2つ目は、ばねの自然長とつり合いの位置を紙に描き、任意の位置までの伸び y を「y₀+x」に分ける方法です。mg−k(y₀+x) から −kx へ進める理由を、つり合いの式を添えて声に出します。個別指導では、符号に迷うなら正方向と力の矢印まで、周期の平方根に迷うなら ma=−kx の係数比較まで戻って確かめます。お子さまの学習を見る場合も、式を覚えたかだけでなく「原点はどこか」を聞くと、理解の位置を確かめやすくなります。
まとめ
単振動の問題で途中から式が合わなくなったら、最初に置いた原点と、求めたいものが速さか速度かを見直してみましょう。複雑に見えた符号の違いが、図に一本の矢印を加えるだけで整理できることがあります。解答の最後に「右側にいて左へ加速している」のように運動を言葉へ戻せれば、数値が表している場面まで捉えられています。
折り返しで速度が0になる瞬間こそ、復元力が次の動きを決めています。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




