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漢検の勉強法—1か月で合格へ近づける順番と、書く量の決め方|武蔵野個別指導塾

問題集より先に、受ける級の字の一覧を開きます。3級なら1日41字を書き、書けなかった字だけを3回ずつ。その足し算で1日の量が決まるので、ノートを埋めるだけの夜は終わりにできます。
順番は、読む、書く、部首と熟語、本番の形、の 4週間です。始めるのは問題集の 1ページ目からではなく、受ける級で新しく出る字(配当の字)の一覧からです。書く量は「全部の字を何回」では決めません。何も見ずに書いて、書けなかった字だけを 3回ずつ書きます。
| 週 | やること | 書く量 |
|---|---|---|
| 1週目 | 配当の字を全部読み、読めない字に印をつける | 語の読みを控えるだけ |
| 2週目 | 読みだけを見て、語の形で何も見ずに書く | その日の字を 1回と、書けなかった字を 3回ずつ |
| 3週目 | 部首でまとめ、熟語に広げる | 戻ってきた見直しの字と、語を少し |
| 4週目 | 本番の形で 3回解き、間違いを型で分ける | いちばん多い型の字だけ |
書けなかった字は、翌日、3日後、7日後に 1回ずつ、手本を隠して書きます。4週間の計画は検定日の 4週間前に始まるので、申し込みはその前に済ませておきます。
よくあるのは、放課後の図書室の窓際で問題集の最初のページを開いたまま手が止まる、という場面です。検定まであと 1か月。校庭から部活の声が聞こえ、西日がノートの端を照らしています。とりあえず 1行目に同じ字を 10個並べてみたものの、この調子で範囲の終わりまで届くのか、そもそも範囲がどこまでなのかがわからない。止まっている原因は、やる気ではありません。終わりの見えない計画を立てようとしていることです。
試験のかたち
図1は、級のまとまりごとの満点と合格基準を、帯の長さを点数に合わせて並べ、右に検定時間を添えたものです。8〜10級は 150点満点の 80%程度、準2級〜7級は 200点満点の 70%程度、1級・準1級・2級は 200点満点の 80%程度が合格基準です。検定時間は 8〜10級が 40分、1〜7級が 60分です。

計算すると、線は 120点、140点、160点のあたりにあります。どれも「程度」とついているので、この点を取れば必ず合格と決まっているわけではありません。練習の答案がこの線ちょうどなら、本番で少し崩れただけで届かなくなります。目標は線の少し上に置いてください。図1の帯で 2段目から 3段目へ移るところ、つまり準2級から 2級へ上がるところでは、同じ 200点満点のまま基準だけが伸びています。
問われる形は級で変わります。読みと書き取りはどの級にもあり、級が上がるにつれて部首、送りがな、対義語と類義語、同音や同訓の字、四字熟語、熟語の組み立て、誤字訂正などが加わります。ここに順番の手がかりがあります。読みは目の前の字に答える問いです。書き取りは音を手がかりに語を思い出し、形まで再現する問いです。四字熟語や熟語の組み立ては、字を知っている前提で語の意味まで聞いてきます。問いそのものが、読む、書く、語にする、という段を踏んでいるのです。
日程も先に見ておきます。2026年度の第3回の公開会場の検定日は 2027年2月14日(日)です。個人の紙の受検の申し込みは 2026年12月4日 9:00 から 2027年1月10日 23:59 まで(先着順)で、合否の公開は 3月中旬の予定です。締切は検定日のちょうど 5週間前にあたるので、4週間の計画を始める 1週間前には受付が終わっています。級を決める作業が、勉強より先に来るということです。申し込みと日程の最新は、日本漢字能力検定協会の案内で確かめてください。
合格までの進め方
1か月を 4週間、28日として組みます。図2が全体の流れです。どの週も前の週の力を使うので、順番を入れ替えると効きが落ちます。4週目で見つけた弱点の字は、最初からやり直さず、その字だけを書く段へ戻します。

申し込む前に、配当の字を 1度読む
問題集を開く前に、受ける級の字の一覧を全部見ます。理由は単純で、終わりがわかると 1日の量が割り算で出るからです。下の表の「7日で回す1日」は、新しく出る字を 7 で割って切り上げた数で、1週目も 2週目もこの数で回します。
| 級 | 目安の程度 | 新しく出る字 | 10級からの累計 | 7日で回す1日 |
|---|---|---|---|---|
| 10級 | 小1 | 80字 | 80字 | 12字 |
| 9級 | 小2 | 160字 | 240字 | 23字 |
| 8級 | 小3 | 200字 | 440字 | 29字 |
| 7級 | 小4 | 202字 | 642字 | 29字 |
| 6級 | 小5 | 193字 | 835字 | 28字 |
| 5級 | 小6 | 191字 | 1026字 | 28字 |
| 4級 | 中学校在学程度 | 313字 | 1339字 | 45字 |
| 3級 | 中学校卒業程度 | 284字 | 1623字 | 41字 |
| 準2級 | 高校在学程度 | 328字 | 1951字 | 47字 |
| 2級 | 高校卒業〜大学・一般程度 | 185字 | 2136字 | 27字 |
準1級は約 3000字、1級は約 6000字が対象で、1か月で一回りすること自体が大きな山になります。この順番がそのまま使えるのは 2級までと考えてください。
どの級を受けるか迷っているなら、締切の前に 1度、新しく出る字を全部読んでみます。読めない字が 3割ほどまでなら、その級は 1か月の計画に乗ります。半分を超えるなら、下の級の字にも穴があると見て、1つ下の級から始めてください。これは計画を立てるための目安で、合否を約束する線ではありません。
1週目は読む
その日の分の字を見て、音と訓を言います。図書室では声を出せませんから、唇を動かすだけでかまいません。たとえば「辺」には音の ヘン のほかに、訓の あたり と べ があります。ヘン だけ言えて満足すると、「窓辺」で止まります。読めなかった字には × をつけ、翌日は新しい分の前に昨日の × だけをもう一度読みます。あわせて、字ごとにその字を使った語を 1つ選び、読みをひらがなで控えておきます。2週目に何も見ずに書くときの問題は、この控えです。
読みを先にする理由は 2つあります。1つは速さです。1字を書く時間で、何字も読めます。範囲の全部に 1週間で触れられるのは、この段だけです。もう 1つは、読めない語は書けないことです。「カイシュウ」という音を聞いて語が浮かばなければ、手は動きません。読めても意味のわからない語が出てきたら、その場で辞書を引きます。図書室の窓際なら、棚まで数歩です。
2週目は書く。書く量はここで決まる
この週は次の 3段を毎日くり返します。
- その日の字を、読みだけを見て語の形で書きます。手本は見ません。「収」なら「回収」、「修」なら「修理」という語のままです。
- 書けなかった字に印をつけ、手本を見て 1回、手本を隠して 2回、合わせて 3回書きます。
- 書けなかった字は、翌日、3日後、7日後にもう一度、隠して 1回ずつ確かめます。
その日に書く量は、次の足し算で出ます。
書く量 = その日の字 + 書けなかった字 × 3 + 戻ってきた見直しの字
3級で計算します。その日の字は 41字です。およそ 3分の1の 14字が書けなかったとすると、練習は 14 × 3 で 42字です。2週目の後半は、前の日の 14字と 3日前の 14字が見直しで戻ってくるので、28字が加わります。合わせて 41 + 42 + 28 = 111字です。1字に 10秒かけても 20分ほどで終わります。同じ 41字を全部 10回ずつ書けば 410字で、1時間を超えます。7級なら、その日の字が 29字、書けない字を 10字として 29 + 30 + 20 = 79字です。
3級のこの日を時間割にすると、次のようになります。
| いつ | やること | 字の数 | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 朝 | 前の日に書けなかった字の見直し | 14字 | 3分 |
| 放課後 | その日の字を読みだけ見て書く | 41字 | 7分 |
| 放課後 | 書けなかった字を 3回ずつ | 42字 | 7分 |
| 夜 | 3日前に書けなかった字の見直し | 14字 | 3分 |
回数を 3回で止めるのは、手本を見る時間を減らすためです。1回目で形を確かめ、2回目で隠して思い出し、3回目でもう一度思い出します。本番の机に手本はありません。もっと書きたくなったら、その力は翌日の見直しに回します。小学生のお子さまなら、隣で手本を隠す人がいるだけで、写す癖がつきません。保護者の役はそこまでで足ります。書けない字が多くて時間に収まらない日は、3回を削らず、その日の字を減らして翌日へ送ってください。
見直しは間をあける
図3は、8日目に書けなかった字の予定です。上の段のように同じ日に 5回書くと、最後の 1回は数分前の形を目で覚えているだけです。下の段のように翌日に隠して書くと、少し忘れたところから思い出すことになります。本番も、何日も後に、何も見ずに書きます。練習の条件を本番に寄せるために、間をあけるのです。

8日目の字は、9日目、11日目、15日目に戻ってきます。途中で書けなければ、その日から翌日、3日後、7日後を数え直します。道具は紙 1枚で足ります。左に字を書き、右に丸を 3つ描いて、丸の中に確かめる日付を入れておきます。朝にその紙を見れば、今日書く字がわかります。
3週目は部首でまとめ、語に広げる
3週目に新しい字は増やしません。書けるようになった字を、まとまりに変えます。部首で並べると、ばらばらに見えた字に親戚ができます。3級の新しい字 284字を部首で数えると、手の部首が 20字、心の部首が 17字、水の部首が 15字、人の部首が 13字で、この 4つだけで 65字、全体の 2割を超えます。部首の分け方は辞書によって少し違うので、数はおよその目安です。「抑」「択」「抽」「排」は手、「怪」「恨」「悔」「憂」は心、「浪」「湾」「湿」「滑」は水、「伏」「伴」「伸」「促」は人の部首です。7級なら「仲」「伝」「低」「例」のように、にんべんの字が固まって見つかります。
語に広げるときは、1字につき 2語を目安にします。対義語は「拡大」と「縮小」のように組で書き、類義語は「準備」と「用意」のように 2語を並べます。四字熟語は意味を 1行添えて、4字を 1つの語として書きます。ここで書くのは 2週目から戻ってくる見直しの字と、その字を使った語だけです。10級や 9級のように部首や熟語の問いが少ない級では、この週を短い文で書く週に置き換えてかまいません。
4週目は本番の形で解き、型で分ける
22日目、24日目、26日目に、時計を置いて本番の形の問題を解きます。時間は受ける級の検定時間にそろえます。間の 23日目、25日目、27日目は直す日です。丸つけのあと、間違いの横に下の表の型の名前を書き、数えます。
| 型 | 答案に残る跡 | 戻る場所 |
|---|---|---|
| 読み | 読みの欄が空く、音と訓を取り違える | 音と訓を言い直してから書く |
| 形 | 点や画が足りない、似た形の字になる | 部首で並べ、似た字を隣どうしで書く |
| 同音 | 音は合っているのに別の字を書く | 2語を短い文に入れて書く |
| 語 | 読めるのに意味がわからない、四字熟語の字を取り違える | 辞書で引き、語のまま書く |
| 問いの形 | 部首名や熟語の組み立てが白紙 | その形の問いだけを続けて解く |
| 時間 | 後半の問いが空く | 解く順を決め、迷う問いを後に回す |
直す日に手をつけるのは、いちばん多い型 1つだけです。全部を直そうとすると、1日に割る時間が薄くなり、どの型も残ります。点数は問題によって上下しますが、型の数は正直です。読みの型が減らないまま書き取りだけを練習しても、読みの欄の点は動きません。28日目、検定の前日は新しい字に手を出さず、まだ丸の埋まっていない字だけを書きます。
テストでの出方
4週間の順番が問いのどこに効くかを、3問で確かめます。どれもこのページのために作った例題で、1問目が 1週目、2問目が 2週目、3問目が 3週目の力に当たります。
例題 1 読み
次の文の「」の語の読みを、ひらがなで書いてください。
「窓辺」の席で、本の「返却」の期限を確かめる。
答え: まどべ/へんきゃく
「辺」を音の ヘン で読むと、まどへん という、ありもしない語になります。訓の べ を 1週目に見ているかどうかが、ここで分かれます。「却」は 4級で新しく出る字で、音の キャク だけを持っています。読めるつもりの字ほど、音と訓の両方を確かめていないものです。
例題 2 書き取り
次の文のカタカナを漢字に直してください。
-
配った用紙をカイシュウする。
-
夏休みに校舎をカイシュウする。
答え: (1) 回収 (2) 改修
- は集めて戻すので「回収」、(2) は建物を直すので「改修」です。「回」と「改」は音がどちらも カイ で、「収」は 5級、「修」は 6級の字、こちらも音は シュウ、訓は おさめる で重なります。1字ずつ覚えただけでは、ここで手が迷います。2週目に語の形で書く理由が、この 1問に詰まっています。
例題 3 部首と熟語
-
「問」「聞」「間」の部首を、それぞれ書いてください。
-
「登山」と同じ組み立ての熟語を選んでください。ア 強弱 イ 読書 ウ 森林
答え: (1) 口、耳、門 (2) イ
- は 3字とも門が見えるので、全部 門がまえ と答えたくなります。けれど「問」は口、「聞」は耳で、門がまえなのは「間」と「開」「閉」です。(2) の登山は「山に登る」、読書は「書を読む」で、どちらも下の字から上の字へ読み返します。強弱は反対の字、森林は似た字の組み合わせです。部首で字を並べ、語を意味で読む 3週目の作業が、そのまま点になります。
まちがえやすいところ
1つ目は、新しく出る字の少なさだけを見て級の重さを測ることです。2級の新しい字は 185字で、4級の 313字よりずっと少なく見えます。しかし範囲の累計は 2136字で、合格基準は準2級の 70%程度から 80%程度へ上がります。字の数で軽いと判断すると、熟語や四字熟語の詰めに使う日が足りなくなります。表の右から 2列目の累計まで見て、下の級の字を読みの段で一度通してください。
2つ目は、同じ問題を解き直して「伸びた」と思うことです。2回目の点が上がるのは、答えを覚えたからかもしれません。解き直しで確かめられるのは、その問題を覚えたことだけです。伸びたかどうかは、まだ解いていない問題と、一覧に戻って隠して書いた結果で見ます。間違えた問題は解き直すより先に型を書き、その型の字へ戻ります。
3つ目は、丸つけが自分に甘いことです。「博」の右上の点を忘れる、「専」に要らない点を打つ、「確かめる」を「確める」と送る。自分の答案だと、頭の中の正しい形で読んでしまい、見落とします。丸をつける前に手本と並べ、1字ずつ指で押さえて見てください。ふだん崩して書く字は、本番でも崩れます。読み手がいる字として、練習の 1字目から丁寧に書きます。
確かめの問題
- 「家賃」の読みを、ひらがなで書いてください。
- 「道路で遊ぶのはアブナイ」のカタカナを、漢字と送りがなで書いてください。
- 「順」の部首を書いてください。
- 「ゼッタイゼツメイ」を漢字 4字で書いてください。
- 5級の新しい字を 7日で回す日に、28字を書いて 9字が書けませんでした。見直しの字を除くと、その日に書く字は全部で何字ですか。
答え
- やちん。「家」の訓の や と、「賃」の音の チン を合わせた読みです。読めなければ読みの型として、一覧へ戻ります。
- 危ない。送りがなは「ない」からです。「危い」とすると、字が正しくても答えは合いません。
- 頁(おおがい)。「頭」も同じ部首です。右側の形を名前で呼べるようにしておくと、部首名の問いにも答えられます。
- 絶体絶命。追い詰められて逃げ道のない状態を表す語です。「体」を「対」と書く誤りが多いので、語のまま書いて覚えます。
- 55字。28 + 9 × 3 = 55 です。ここに戻ってきた見直しの字が加わると、その日の本当の量になります。
次に確かめること
- 「漢検のレベル一覧」で、今の力に合う級と累計の字の数を確かめてください。
- 「漢検の過去問の使い方」を読むと、4週目に解く問題の選び方と直し方がはっきりします。
- 「部首の一覧」は、3週目に字をまとめるときの手元の表になります。
個別指導では、書けなかった字の型を見て、必要なら 1つ下の級の配当まで戻り、読みから確かめ直します。戻る先を決めてから、次の字へ進みます。
まとめ
窓際の席で最初に開くのは、問題集の 1ページ目でなく配当の一覧です。ペンを持ったら手本を隠し、書けなかった字には確かめる日付をつけて、翌日の自分へ渡します。ノートがどれだけ黒くなったかは、本番の答案のどこにも残りません。隠して書けなかった 1字が、明日書く量を決めます。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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