【中2数学】三角形と四角形の証明を図解で総まとめ—二等辺三角形から平行四辺形まで|武蔵野個別指導塾

二等辺三角形の底角、直角三角形の合同、平行四辺形の対角線を例題で確かめます。3枚の図を手がかりに、証明の理由の選び方から平行線を使った面積の比べ方へと理解を広げられるはずです。

よくあるのは、部活帰りの自転車置き場で友達と宿題を確かめ、「この四角形は平行四辺形に見えるのに、証明には何を書けばよいのだろう」と手が止まる場面です。図を見て形の見当がつくことと、条件からその形だと言い切れることの間には、もう一段の説明が必要です。

この単元では、辺や角についてわかっていることを使い、三角形や四角形の性質を説明します。名前を覚えるだけでなく、「等しい辺があるから等しい角がある」「対角線がそれぞれの中点で交わるから平行四辺形である」という道筋を作る学習です。

証明の文章を丸暗記しようとすると、図の向きや文字が変わっただけで迷いやすくなります。まず条件を図に移し、使える決まりを選び、結論までつなげましょう。角度の計算も面積の比較も、その道筋の中で整理できます。

この単元で身につけること

  • 定義と定理を区別します。図形の名前を決める約束と、その約束から証明された性質を分けて読みます。
  • 二等辺三角形と正三角形を調べます。辺の等しさから角の等しさへ、角の等しさから辺の等しさへと考えます。
  • 直角三角形の合同条件を選びます。直角の位置を確かめてから、斜辺ともう1つの条件を探します。
  • 平行四辺形の性質と、平行四辺形になるための条件を使い分けます。長方形・ひし形・正方形の関係も整理します。
  • 平行線と面積の関係を使います。三角形の形が違っても、底辺と高さが等しければ面積が等しいと説明します。

前の単元で学んだ三角形の合同条件、平行線の錯角、三角形の内角の和が土台になります。多くの教科書では中2で学ぶ内容ですが、証明で迷ったら、まずこの3つのどれが使えるかに戻ると考えを進めやすくなります。

基本の考え方

定義から性質へ進む

定義は、言葉の意味をはっきり決めたものです。二等辺三角形の定義は「2つの辺が等しい三角形」です。等しい2辺の間の角を頂角、残りの辺を底辺、底辺の両端にある角を底角といいます。「2つの底角が等しい」は定義ではなく、定義をもとに証明できる性質です。このように証明され、別の証明でも使う基本的な事柄を定理といいます。

図1のように、AB=ACの二等辺三角形ABCで、底辺BCの中点をDとし、AとDを結びます。△ABDと△ACDでは、AB=AC、BD=CD、ADは共通なので、3組の辺がそれぞれ等しく、合同です。対応する角から∠ABD=∠ACDとなり、底角が等しいとわかります。

図1 二等辺三角形を底辺の中点への線分で分ける

同じ合同から、∠BAD=∠CAD、∠ADB=∠ADCもいえます。後の2角は合わせて180°なので、それぞれ90°です。つまり頂角を二等分する線は、底辺を垂直に二等分します。紙の二等辺三角形を左右の辺が重なるように折ったときの折り目にあたりますが、証明では折った見た目ではなく、合同を根拠にします。

逆に、「2つの角が等しい三角形は二等辺三角形である」も成り立ちます。等しい角の向かい側の辺が等しくなる、と対応を確認しましょう。ある事柄の仮定と結論を入れ替えたものを逆といいますが、逆がいつも正しいとは限りません。正しいと確かめられた逆だけを使います。

正三角形は3つの辺が等しい三角形です。どの2辺にも二等辺三角形の性質が使えるため、3つの角が等しく、各角は180°÷3=60°です。逆に3つの角が等しければ、向かい側の3辺も等しくなります。正三角形は二等辺三角形の性質も持ちます。

直角三角形の合同は斜辺を確かめる

直角三角形で、直角の向かい側にある辺を斜辺といいます。斜めに描かれた辺という意味ではありません。図を回転しても、どの辺が斜辺かは変わりません。

2つの直角三角形には、「斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい」「斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい」という合同条件があります。鋭角は0°より大きく90°より小さい角です。どちらの条件も、まず両方が直角三角形であると示してから使います。

斜辺と1つの鋭角が等しい場合、残りの鋭角も90°から引いて求められるので等しくなります。そのため、斜辺をはさむ2つの角がそろい、通常の合同条件にもつながります。一方、直角三角形でない図に「2辺が等しい」だけを使って合同とはいえません。

平行四辺形を出発点にするか、結論にするか

平行四辺形の定義は「2組の対辺がそれぞれ平行な四角形」です。その性質は、2組の対辺がそれぞれ等しいこと、2組の対角がそれぞれ等しいこと、対角線がそれぞれの中点で交わることです。対角は向かい合う角、対角線は向かい合う頂点を結ぶ線分なので、言葉を区別しましょう。

四角形が平行四辺形になるためには、次の条件のうち1つが成り立てば十分です。すべてを示す必要はありません。

  • 2組の対辺がそれぞれ平行である。
  • 2組の対辺がそれぞれ等しい。
  • 2組の対角がそれぞれ等しい。
  • 対角線がそれぞれの中点で交わる。
  • 1組の対辺が平行で、その長さが等しい。

長方形は4つの角が等しい四角形、ひし形は4つの辺が等しい四角形、正方形は4つの辺と4つの角がそれぞれ等しい四角形です。いずれも平行四辺形の性質を持ちます。さらに、長方形の対角線は等しく、ひし形の対角線は垂直に交わります。正方形はその両方を持ちます。平行四辺形とわかっている場合には、対角線が等しければ長方形、垂直ならひし形、その両方なら正方形と判定できます。

例題で解き方を確かめる

例題1 二等辺三角形の底角を求める

AB=ACの△ABCで、∠BAC=80°です。∠ABCと∠ACBを求めましょう。

  1. ABとACの間の∠BACが頂角なので、残る∠ABCと∠ACBが等しい底角です。等しい辺の位置から、等しい角を選びます。
  2. 底角2つの和は180°-80°=100°です。三角形の内角の和から、わかっている頂角を引きます。
  3. 100°÷2=50°と計算します。2で割れるのは、底角が等しいという理由があるからです。

答え:∠ABC=∠ACB=50°です。

頂角まで含めた3つの角を等しいと考えないようにしましょう。正三角形である条件はなく、80°+50°+50°=180°と戻して確かめられます。

例題2 角の二等分線からの距離を証明する

90°より小さい∠XOYの二等分線上に点Pをとります。Pから半直線OX、OYへ下ろした垂線の足をそれぞれH、Kとするとき、PH=PKを証明しましょう。PはOと異なる点とします。

  1. △OHPと△OKPに注目します。求めるPHとPKをそれぞれ含み、垂線によって直角三角形ができているからです。
  2. ∠OHP=∠OKP=90°、OPは共通、∠HOP=∠KOPを挙げます。最後の等式の根拠は、OPが角の二等分線であることです。
  3. 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいので、△OHP≡△OKPです。対応する辺は等しいため、PH=PKと結論づけます。

答え:△OHP≡△OKPより、PH=PKです。

点から直線までの距離は、垂線の長さで表します。この証明は、角の二等分線上の点から角の両辺までの距離が等しいことを説明しています。共通なOPが斜辺である点も、直角の向かい側を見て確かめましょう。

例題3 平行四辺形の対角線を証明する

平行四辺形ABCDの対角線ACとBDの交点をOとします。図2のように、AO=CO、BO=DOとなることを証明しましょう。ここでは対角線の性質そのものを証明するので、最初から中点の印を使ってはいけません。

図2 平行四辺形の対角線が作る向かい合う三角形
  1. △ABOと△CDOを選びます。結論に出てくる4本の線分を、この2つの三角形にまとめて含められるからです。
  2. AB=CDを挙げます。根拠は、平行四辺形の対辺が等しいという性質です。これは対角線ACで分けた△ABCと△CDAの合同からも証明できます。
  3. AB∥CDなので、錯角から∠BAO=∠DCO、∠ABO=∠CDOです。等しい辺ABとCDの両端の角がそろいました。
  4. 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△ABO≡△CDOです。対応する辺の等しさから、AO=CO、BO=DOを得ます。

答え:△ABO≡△CDOより、AO=CO、BO=DOです。

図2ではAとC、BとD、OとOが対応します。三角形の名前をこの順に書くと、結論で必要な辺の対応も読み取りやすくなります。対角線ACとBDの長さそのものが等しいと証明したわけではありません。

例題4 頂点が動いても変わらない面積

平行な2直線の一方にA、Bがあり、AB=8cmです。もう一方の直線上にP、Qがあり、2直線間の距離は5cmです。△PABと△QABの面積を求めましょう。

  1. どちらもABを底辺にします。共通の辺を底辺に選ぶと、高さを比較しやすくなります。
  2. P、Qから直線ABまでの距離は、ともに5cmです。平行な2直線の間の距離は一定だからです。
  3. それぞれの面積を8×5÷2=20と計算します。底辺と高さが等しいので、頂点が横にずれても同じ値です。

答え:△PABと△QABの面積は、どちらも20cm²です。

図3ではこの関係を確認できます。面積を変えずに形を変えることを等積変形といい、複雑な図の面積を求めるときにも使います。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 結論を理由にしてしまう

誤った書き方は「AB=ACを証明したい。二等辺三角形だからAB=AC」です。二等辺三角形だとまだわかっていなければ、結論を先に使っています。

正しい書き方は、例えば「∠ABC=∠ACBなので、2つの角が等しい三角形は二等辺三角形であることからAB=AC」です。仮定が角の等しさなら、角から辺へ進む定理を選びます。書き始める前に、使ってよい条件に印をつけると、結論を紛れ込ませにくくなります。

誤り2 平行四辺形になる条件を混ぜる

誤った書き方は「AB∥CD、AD=BCだから四角形ABCDは平行四辺形」です。平行な対辺と等しい対辺が別の組になっています。この2条件だけでは、左右の辺が等しい台形も含まれます。

正しい書き方の1つは「AB∥CD、AB=CDだから、1組の対辺が平行でその長さが等しく、平行四辺形である」です。使う条件の文と、自分が示した辺の組が一致しているかを見直します。「2組の対辺がそれぞれ等しい」を使うなら、AB=CDとAD=BCの両方が必要です。

誤り3 斜めの辺を高さにする

誤った書き方は「△QABの面積はAB×QA÷2」です。図3のQAは底辺ABに垂直ではないので、高さとして使えません。頂点が底辺の端より外側にあるときも、高さは直線ABまでの垂直な距離です。

図3 同じ底辺と平行線間の高さを持つ等積の三角形

正しい書き方は「高さが5cmなので、面積は8×5÷2=20cm²」です。図3のように垂線の足が辺ABの延長上に出ても、計算の意味は変わりません。また、面積が等しくても合同とは限りません。等積変形で保存されるのは面積であり、辺の長さや角まで同じになるわけではありません。

練習問題

練習1:AB=ACの△ABCで、∠ABC=68°です。∠BACを求めましょう。どの角が等しいかも説明します。

練習2:△ABCと△DEFで、∠B=∠E=90°、AC=DF、AB=DEです。合同条件と、頂点の対応順に書いた合同の式を答えましょう。

練習3:四角形ABCDの対角線ACとBDがOで交わり、AO=CO=4cm、BO=DO=3cmです。この四角形を平行四辺形といえる理由と、AC、BDの長さを答えましょう。

練習4:AB=12cmで、P、Qは直線ABと平行な直線上にあります。2直線間の距離が7cmのとき、△PABと△QABの面積をそれぞれ求めましょう。

答えと解説

練習1:44°です。底角∠ABCと∠ACBが等しいため、180°-68°×2=44°と計算します。

練習2:斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので、△ABC≡△DEFです。直角の向かい側のACとDFが斜辺で、BとEが対応します。

練習3:対角線がそれぞれの中点で交わるので、平行四辺形です。AC=4+4=8cm、BD=3+3=6cmです。

練習4:どちらも42cm²です。共通の底辺が12cm、高さがともに7cmなので、12×7÷2=42となります。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

合同を使って辺や角の関係を示す考え方は、この先の相似の証明にもつながります。等積変形は、面積を求めにくい三角形の頂点を移し、計算しやすい形で考える際の土台になります。

家庭では5分で、まず二等辺三角形を描き、等しい辺を示してから等しい角に印をつけてみましょう。次に四角形を描き、「対角線が互いを二等分する」と書いて、そこからいえることを1文で説明します。お子さまの説明を聞くときも、図の形より「その理由はどの条件か」を確かめると、理解の位置が見えます。

個別指導で証明を確認する際は、合同条件の暗記だけでなく、対応する頂点をたどれるか、錯角を正しく選べるかまで戻って調べます。理由を選べない箇所を特定すると、書き直すべき1行が定まります。

まとめ

証明が途中で止まったら、空欄を言葉で埋めようとする前に、結論に必要な辺や角を図の中で探しましょう。それらを含む三角形を選ぶと、足りない条件が具体的に見えてきます。計算問題でも、数値の前に底角の等しさや高さの位置を確認することが支えになります。

「なぜこの等式を書けるのか」に答えられる1行があれば、次の1行を自分で選べます。平行四辺形を決めるのは図の傾きではなく、示された条件です。


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