【中2数学】平行と合同を図解で総まとめ—角の性質から合同条件まで|武蔵野個別指導塾

同位角・錯角の位置を図で確かめ、三角形や多角形の角度を計算します。平行線から合同を示す例題を通して、仮定と結論を理由でつなぐ証明の書き方の型が手に入ります。

よくあるのは、夏休みの課題の山を整理しているとき、角度の問題には答えを書けるのに、「合同であることを証明しなさい」の欄だけ空白になるという場面です。図を見れば同じ形に見えるのに、何から書けばよいのかわからない。そんなときは、文章を書く前に「わかっていること」と「これから示すこと」を分けてみましょう。

平行と合同では、角度を求める計算と、図形の性質を説明する証明がつながっています。「平行だから錯角が等しい」という短い理由が、そのまま証明の一部分になります。長い文章を一度に考える必要はありません。等しい辺や角を一組ずつ見つけ、使える理由を添えて並べていきます。

この単元は、多くの教科書では中2で学びます。角の位置を読み取るところから始め、三角形や多角形の角度、合同条件、証明の順に進むと、計算だけで終わっていた答えに「なぜそうなるか」を付けられるようになります。

この単元で身につけること

  • 対頂角・同位角・錯角を見つけます。角の名前を図全体の印象で決めず、交点と直線のどちら側にあるかで判断します。
  • 平行線の性質と、平行になるための条件を使い分けます。平行から角の等しさを出す向きと、角の等しさから平行を示す向きを区別します。
  • 三角形の内角・外角、多角形の内角の和・外角の和を求めます。公式に入れる数だけでなく、図をどう分けたかも説明します。
  • 合同な図形の対応を読み取ります。向きが変わっても、重なる頂点・辺・角の組をそろえて考えます。
  • 三角形の合同条件を使って証明します。仮定を出発点にして、結論まで理由のある順序でつなぎます。

前に学んだ図形の移動や角度の計算が土台になります。特に、一直線の角が180°であることは、角の性質を説明する際に何度も使います。

基本の考え方

対頂角・同位角・錯角は位置から決める

2直線が交わると、交点のまわりに4つの角ができます。向かい合う一組が対頂角で、その大きさは等しくなります。隣り合う角をb°、向かい合う角をa°とc°とすると、a+b=180、c+b=180です。同じbを引くのでa=cとなります。対頂角が等しいことには、平行という条件は要りません。

次に、2直線に別の1直線が交わる場合を考えます。2つの交点で同じ位置にある角を同位角といいます。2直線の間にあり、横切る直線の反対側にある角を錯角といいます。たとえば、同位角は両方の交点の「右上」、錯角は内側の「左下と右上」という位置関係で確かめられます。

図1では、直線lとmが平行で、直線tがそれらを横切っています。上の交点の右上の角が60°、その対頂角がaです。下の交点の右上の角がb、左上の角がcです。aとbは錯角、60°の角とbは同位角になっています。

図1 平行な二直線と横切る直線がつくる角の位置

平行線の性質は「2直線が平行ならば、同位角は等しく、錯角も等しい」です。したがって図1ではb=60°となります。一方、同位角や錯角という名前自体は、2直線が平行でなくても使えます。名前を付けられることと、大きさが等しいことは別です。

反対に「同位角が等しければ、2直線は平行」「錯角が等しければ、2直線は平行」も成り立ちます。こちらは平行になるための条件です。ノートの罫線のように平行に見えても、問題で平行が与えられていなければ、見た目だけで角が等しいとはいえません。

三角形から多角形へ角の和を広げる

三角形の内角の和は180°です。1つの頂点を通り、向かいの辺に平行な直線を引くと、残りの2つの内角を錯角としてその頂点のそばに移して考えられます。3つの角が一直線の角をつくるので、合計が180°になるわけです。

三角形の辺を1つ延長してできる、内角に隣り合う角が外角です。その外角と隣の内角の和は180°ですから、外角は、それと隣り合わない2つの内角の和に等しくなります。「外角なら何でも足す」ではなく、どの内角と隣り合っているかを先に確かめます。

凸多角形では、1つの頂点から対角線を引くと、n角形を(n-2)個の三角形に分けられます。よって内角の和は180×(n-2)°です。四角形なら2個、五角形なら3個の三角形ができます。辺の数nと三角形の個数n-2を混同しないようにしましょう。

また、凸多角形の各頂点で同じ向きに1つずつ外角をとると、その和は360°です。周囲を歩いて各頂点で向きを変えると、1周して元の向きに戻ることに対応します。式でも180×n-180×(n-2)=360と確かめられます。正n角形は各外角が等しいので、1つの外角は360÷n°です。

合同条件は形と大きさを決める組み合わせ

移動してぴったり重ね合わせられる図形を、合同な図形といいます。合同な図形では、対応する辺の長さと対応する角の大きさがそれぞれ等しくなります。△ABC≡△DEFと書くときは、AとD、BとE、CとFが対応するように文字の順序をそろえます。

三角形は、次のいずれかを満たせば合同です。「3組の辺がそれぞれ等しい」「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」の3つです。2番目の角は、選んだ2辺が交わる頂点の角です。3番目の角は、選んだ辺の両端にある角です。

3組の角だけでは、形が同じでも大きさの違う三角形ができるので合同とは限りません。また、2組の辺とどこかの角が等しいだけでも不十分です。等しいものを3つ探すのではなく、合同条件にある位置の組み合わせを探します。

例題で解き方を確かめる

例題1 平行線の角を順に求める

図1でl∥m、上の交点の右上の角が60°のとき、a、b、cを求めましょう。記号∥は、2直線が平行であることを表します。

  1. aは60°の角の対頂角なので、a=60°です。同じ交点の向かい合う角から始めると、ほかの交点と取り違えません。
  2. bは60°の角の同位角なので、l∥mよりb=60°です。aとbが錯角であることから求めてもかまいません。
  3. bとcは隣り合って一直線の角をつくるので、c=180°-60°=120°です。cを同位角と決めつけず、位置を見て理由を選びます。

答え:a=60°、b=60°、c=120°です。

式の数が少なくても、「対頂角」「平行線の同位角」「一直線の角」という3つの理由が使われています。計算結果の横に理由を短く書くと、どの段階で平行を使ったかが見えます。

例題2 三角形の内角と外角を求める

△ABCで∠A=48°、∠B=67°とします。辺BCをCの先まで延長して点Dをとったとき、∠ACBと外角∠ACDを求めましょう。∠ACBのように3文字で角を書く場合、中央のCが角の頂点です。

  1. 三角形の内角の和を使い、∠ACB=180°-(48°+67°)=65°と求めます。内角を3つそろえるための計算です。
  2. B、C、Dはこの順に一直線上にあるので、∠ACD=180°-65°=115°です。求める角がCの内角に隣り合う外角であることを使います。
  3. 隣り合わない内角の和48°+67°=115°も計算します。外角の性質を使った別の求め方と一致します。

答え:∠ACB=65°、∠ACD=115°です。

例題3 正六角形の角度を求める

正六角形の内角の和、1つの内角、1つの外角を求めましょう。「正」があるので、辺も角もすべて等しいことを使えます。

  1. n=6を入れ、内角の和を180°×(6-2)=720°と求めます。1頂点から4個の三角形に分けられることに対応します。
  2. 6つの内角が等しいので、1つの内角は720°÷6=120°です。普通の六角形なら、和がわかっても各内角は決まりません。
  3. 1つの外角は180°-120°=60°です。外角の和から360°÷6=60°としても確かめられます。

答え:内角の和は720°、1つの内角は120°、1つの外角は60°です。

例題4 平行線から三角形の合同を証明する

図2の四角形ABCDで、AB∥CD、BC∥ADとします。対角線ACを引き、△ABC≡△CDAを証明しましょう。ここでの仮定は2組の辺が平行であること、結論は2つの三角形が合同であることです。仮定は出発点として使えますが、結論はこれから理由を付けて示します。

図2 平行な二組の辺と共通の対角線から示す合同
  1. △ABCと△CDAに注目します。AB∥CDより、錯角が等しいので∠BAC=∠DCAです。ACを横切る直線として見ると、この一組が見つかります。
  2. BC∥ADより、錯角が等しいので∠BCA=∠DACです。もう一組の平行線について、同じACを使って角を探します。
  3. ACは共通な辺なので、AC=CAです。図2では同じ線分が両方の三角形に含まれていますから、問題文に長さの数値がなくても等しいといえます。
  4. 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△ABC≡△CDAです。そろえた2つの角はACの両端にあるため、この合同条件を使えます。

答え:1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△ABC≡△CDAです。

この4段階は、番号を外してつなげれば証明の文章になります。頂点の対応はAとC、BとD、CとAです。合同を示した後なら、対応する辺としてAB=CDやBC=DAもいえます。しかし、この問題の証明の出発点でそれらを使うことはできません。与えられたのは平行という関係だからです。

つまずきやすいところと直し方

同位角という名前だけで等しいとする

誤った書き方は「同位角だから等しい」です。どこが違うかというと、同位角は位置を表す名前で、平行であることが確かめられていません。正しい書き方は「l∥mより、同位角が等しい」です。平行が与えられていない問題では、この理由を使えない場合があります。

逆に平行を示す問題なら、「同位角が等しいのでl∥m」と書きます。理由と結論の順序を入れ替えるだけで意味が変わるので、問題の最後が「角度を求める」なのか「平行を示す」なのかも読み直しましょう。

合同記号の後に頂点を見た順で並べる

誤った書き方は、図3を見て「△ABC≡△DFE」とすることです。どこが違うかというと、AとDは合っていますが、BとF、CとEという対応になってしまいます。合同な図形でも、文字を違う順序で並べると正しい対応を表せません。

図3 向きを変えた合同な三角形の頂点と辺の対応

図3の正しい書き方は「△ABC≡△DEF」です。同じ印の辺を追うと、ABとDE、BCとEF、CAとFDが対応します。したがって、ABとBCが交わるBに対応するのは、DEとEFが交わるEです。頂点を一組ずつ決めれば、図の向きに引きずられません。

証明したいことを途中の理由にしてしまう

誤った書き方は、例題4で「合同だからAB=CD。これを使って合同」とすることです。どこが違うかというと、まだ示していない結論を先に使い、同じところを回っています。正しい書き方は「仮定の平行から錯角を二組見つけ、共通な辺と合わせて合同条件を使う」です。

ノートを「仮定」「そこからいえること」「結論」の順に区切ると、結論を紛れ込ませにくくなります。図を定規で測って等しかったとしても、それは証明の理由にはなりません。与えられた条件から必ず成り立つことを示すのが証明です。

練習問題

練習1

平行な2直線を1直線が横切っています。ある角が72°のとき、その同位角と、その同位角に隣り合って一直線をつくる角を求めましょう。

練習2

三角形の2つの内角が38°、79°です。残りの内角と、その内角に隣り合う外角を求めましょう。

練習3

正九角形の内角の和と、1つの外角を求めましょう。

練習4

△ABCと△DEFで、AB=DE、AC=DF、∠BAC=∠EDFが与えられています。合同条件と、BCに対応する辺を答えましょう。

答えと解説

練習1:72°、108°です。平行線の同位角は等しく、隣の角は180°-72°=108°です。

練習2:63°、117°です。残りの内角は180°-38°-79°=63°、外角は38°+79°=117°です。63°+117°=180°も確かめられます。

練習3:1260°、40°です。内角の和は180°×(9-2)=1260°、外角は360°÷9=40°です。1つの内角140°と合わせて180°になります。

練習4:2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同です。AとD、BとE、CとFが対応し、BCに対応する辺はEFです。与えられた角が2辺の間にあることも確認します。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

合同を証明してから対応する辺や角の等しさを取り出す考え方は、二等辺三角形や平行四辺形の性質を調べるときに使います。その後に学ぶ相似でも、頂点の対応をそろえる習慣が役立ちます。

家庭では5分で、まず図1を紙に描き直し、角を1つ指して「何と等しいか、理由は何か」を声に出してみましょう。次に、例題4の解答を隠し、仮定と結論だけを二つの欄に書き分けます。途中を思い出せなくても、出発点と到着点を区別できれば復習の場所が決まります。

個別指導で証明の手が止まったときは、文章の型を埋める前に、角の中央の文字や錯角の位置まで戻って確かめます。お子さまの説明を聞く際も、「その等しさはどこからいえるの」と一つ尋ねると、理解している部分が見えてきます。

まとめ

証明の空欄を前にしたら、まず仮定からいえる等しさを一つ書いてみましょう。その横に理由を書き、次の等しさにつなげます。書き終えた後は、対応の順序と、使った合同条件の角の位置を読み直します。

見た目では同じに思える図形も、理由を付けて示すと、向きや描き方に左右されない結論になります。証明の一行を支えるのは、図の印象ではなく、確かめた条件です。


Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/musasinokobetu.com/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

PAGE TOP
お電話 チャットで質問チャット