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共通テスト英語にイギリス英語は出るか—リーディングの表記とリスニングの話者|武蔵野個別指導塾

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colour や centre は誤植ではありません。問題作成方針はリーディングでイギリス英語を使うこともあるとし、リスニングは多様な話者とします。綴りの五つの型と、first floor のように意味がずれる語の読み方を練習できます。

出ることがあります。大学入試センターの問題作成方針は、リーディングの表記、つまり綴りの書き方はアメリカ英語を軸にしながら、場面の設定によってはイギリス英語を使うこともある、と定めています。リスニングのほうは国の名を挙げず、いろいろな話し手による、いまの標準的な英語を使うとだけ書いています。答えはマークで出すので、二つの綴りを書き分ける力は問われません。colour を color と同じ語として読み進め、聞き慣れない発音でも意味をつかめれば、点は守れます。

イギリス英語にかかわる決まりと練習の手がかりを、年度と文書の名前ごとに五つの行へ分けます。

確かめること 年度と文書 書かれている中身
長文の綴りと語 令和9年度・令和10年度の問題作成方針 第4の6「外国語」の『英語』 アメリカ英語を軸に、場面によってイギリス英語も使うことがある
リスニングの声 同じ項の次の○ 国の名は挙げず、多様な話し手による現代の標準的な英語
答え方 令和9年度の大学入学共通テスト実施要項 主に多肢選択の客観式で、解答はマーク方式
練習に使える音声 センターの過去3年分の試験問題の頁 令和6〜8年度の本試験の音声問題とスクリプト
自分が受ける日 センターの令和9年度・令和10年度試験の発表 高3と既卒生は2027年1月16日(土)・17日(日)、高2は2028年1月15日(土)・16日(日)

よくあるのは、高2の11月、学校で配られた長文のプリントを解いていた生徒が、colour の u に鉛筆で丸を付け、「これ、打ち間違いですよね」と聞きに来る場面です。丸を付けているうちに同じ段落の centre にも引っかかり、設問に戻ったときには、どの行まで読んだかがあいまいになっていました。本人が知りたいのは、綴りが正しいかどうかではありません。本番の問題冊子でこういう綴りに出会ったら、止まって考えるべきなのか、そのまま読み流してよいのか、です。

問題作成方針は、読む英語を「表記」で、聞く英語を「話者」で決めている

問題作成方針は、センターが試験の年度ごとに出す文書で、教科ごとにどんな力をどんな問題で問うかを書いています。英語の決まりは「第4 出題教科・科目の問題作成の方針」の6「外国語」の『英語』の項にあります。前半には、目的や場面に応じて、話の概要や要点、詳細、話し手や書き手の意図をつかむ力を重く見る、という評価の柱が並びます。その後ろに、問題のレベルを CEFR の概ね A1〜B1 を目安に決めるという○があり、最後に表記と音声についての二つの○が続きます。

リーディングの○は、表記について「現在国際的に広く使用されているアメリカ英語に加えて、場面設定によってイギリス英語を使用することもある」と書いています。この一文から読み取れることは三つです。一つ目は、軸がアメリカ英語だということ。二つ目は、イギリス英語を使うかどうかが、問題の場面に結びつけられていることです。たとえば、イギリスの町に貼られた掲示や、イギリスの学校に通う人の書いた文章という場面なら、その土地の綴りで書くほうが自然だ、という考え方になります。三つ目は「こともある」という結び方で、毎年どこかに出るとも、どの大問に出るとも約束していないことです。

リスニングの○は「多様な話者による現代の標準的な英語を使用する」です。こちらは表記の○と違って、アメリカやイギリスという国の名が出てきません。何割をどこの発音にするという数も書かれていません。同じ○の後半は、1回読みと2回読みの両方を含めると決めていますが、回数の話は、特集「共通テストの細かい疑問」にある読み上げ回数の記事に任せます。

センターが公開している令和6〜8年度の本試験のリスニングのスクリプトも開いてみました。対話の話し手は M と W、あるいは人の名前で書き分けられ、案内や講義のような一人の語りには印が付いていません。どこの国の英語を話す人なのかは、三つの年度のどのスクリプトにも書かれていません。本番の前に「今年はイギリスの発音が来る」と知る手がかりは、公式の文書の側には置かれていないのです。

年度の確認もしておきます。いまの高2の本番は令和10年度、2028年1月の15日(土)と16日(日)で、その問題作成方針はもう公表されています。表記と音声の二つの○は、令和8年度・令和9年度・令和10年度の方針で同じ文でした。三つの年度の文書を並べ、字で突き合わせて確かめています。いまの高3と既卒生が受ける令和9年度試験(2027年1月16日(土)・17日(日))も、同じ二文のもとで問題が作られます。

もう一つ押さえるのが答え方です。令和9年度の大学入学共通テスト実施要項は、主に多肢選択の客観式で出題し、解答はマーク方式とすると定めています。英語の試験でも、受験者が英単語の綴りを書く場面はありません。図1のように、方針は読む英語を表記の言葉で、聞く英語を話者の言葉で決めていて、どちらも最後はマークで答える形です。

図1 問題作成方針の表記と音声の二つの決まりと、マークで答える形

自分が受ける年度の方針と、答案に残った止まり方を見比べる

イギリス英語が自分の点にかかわるかどうかは、人から聞く話ではなく、自分の答案で決まります。確かめる順は五つです。

まず、自分の年度の方針を開きます。高2は令和10年度、高3と既卒生は令和9年度の問題作成方針の、6「外国語」の『英語』の項です。読むのは表記と音声の二つの○だけで、1分もかかりません。友だちや動画で聞いた「去年はイギリス英語が多かった」という話より、この二文のほうが本番の問題を作る側の言葉に近い情報です。

次に、最近解いたリーディングの答案を2〜3回分並べ、鉛筆が止まった所に印を付け直します。印は三種類に分けます。「綴」は、colour や centre のように、知っている語なのに綴りが見慣れなくて止まった所に付けます。「語」は、lift や flat のように、語そのものがアメリカ英語と違って意味が取れなかった所です。「文」は、綴りも語も知っているのに、文の組み立てがつかめずに読み返した箇所を指します。たとえば、長文1題で止まった所が7か所あり、綴が2、語が1、文が4なら、時間を食っているのは文の読み方のほうです。この場合、イギリス英語の対策を先に積んでも点は動きにくく、印のいちばん多い種類から手を付けるのが筋です。

三つ目に、手元の教材の綴りを見ます。教科書や単語帳の color の項を開き、colour が並べて載っているかどうかを確かめてください。普段の教材がアメリカ式の綴りだけで書かれていれば、イギリス式の綴りが打ち間違いに見えるのは自然なことです。冒頭の場面の生徒が colour に丸を付けたのも、知識が足りなかったからではなく、見たことのない形だったからです。

四つ目はリスニングです。センターの令和6〜8年度の本試験の音声を一回分流して解き、外した設問の所のスクリプトに印を付けます。こちらも三種類に分け、「音」は語を知っているのに音と結びつかなかった所、「語」は知らない語だった所、「速」は話の長さや速さについていけなかった所とします。話し手の発音の違いで落としているなら、「音」の印が増えるはずです。

最後に、自分が英語を書く試験を受けるかどうかを確かめます。共通テストでは書かないので、ここで綴りの決まりを気にする必要はありません。大学の個別学力検査に英作文や英語の記述があるかは、志望校の募集要項の試験教科の欄で読みます。書く試験があるなら、アメリカ式とイギリス式のどちらで書くかを、学校の英語の先生と早めに決めておきます。

colour で止まらず、発音の違いで落とさない練習の順番

共通テストの英語で、アメリカとイギリスの違いに出会う所は、綴り・語・発音の三つです。練習は、読む側の綴り、読む側の語、聞く側の発音の順に進めます。綴りがいちばん覚える量が少なく、発音がいちばん時間がかかるからです。高2は冬休みまでに綴りと語を終え、発音の練習を高3まで長く続けます。高3なら、たとえば2026年11月9日(月)に始めると令和9年度の本試験の2027年1月16日(土)まで68日あります。綴りと語は1週間で済ませ、残りを音声に回します。

手順1 綴りの違いを五つの型でまとめる

イギリス式とアメリカ式の綴りの違いは、語ごとに覚えるより、型でまとめたほうが早く片づきます。よく出会うのは次の五つです。

型 イギリス式の例 アメリカ式の例
our と or colour・neighbour・favourite color・neighbor・favorite
re と er centre・theatre・metre center・theater・meter
ise と ize organise・realise organize・realize
子音字を重ねるか travelled・cancelled traveled・canceled
ce と se defence・licence(免許の意味の名詞) defense・license

ise と ize は、イギリスでも ize で書く文章があるので、ise はイギリス式によく見られる形、くらいに覚えておけば十分です。型の外にある形も、三つだけ一度見ておきます。行事や番組の予定の意味の programme(アメリカ式は program)、灰色の grey(gray)、目録の catalogue(catalog)です。

手順2 意味が同じなら止まらずに読む

型は、見慣れない語を知っている語に戻すための道具です。たとえば、自分で作った次の一文を読んでみてください。The theatre in the town centre is organising a programme for families this autumn. 見慣れない形は theatre・centre・organising・programme の四つです。どれも型に当てはめれば theater・center・organizing・program に戻ります。意味は「町の中心にある劇場が、この秋、家族向けの催しを準備している」のままで、何も変わりません。四か所とも、止まる理由はありません。

止まった時間は小さく見えて積み重なります。たとえば、見慣れない綴りに出会うたびに5秒止まり、長文の中でそれが6回あれば、それだけで30秒です。リーディングの80分の中では短く見えても、迷った後に、読んでいた行を探し直す時間が上乗せされます。

図2のように、見慣れない綴りに出会ったら、まず五つの型に合うかを見ます。合えば知っている語に置き換えて読み進め、合わなければ、その語が設問にかかわる文にあるかどうかで分けます。かかわるなら前後の文と選択肢から意味を決め、かかわらないなら印だけ付けて先へ進みます。

図2 見慣れない綴りに出会ったときの、はい・いいえで分ける読み進め方

手順3 同じ物を指す別の語と、意味がずれる語を札にする

綴りより気をつけたいのは、語そのものが違う場合です。こちらは二つに分けて、カードの表と裏に書きます。

一つ目は、同じ物を別の語で呼ぶ組です。乗り物と建物では lift と elevator(エレベーター)、flat と apartment(集合住宅の一室)、underground と subway(地下鉄)があります。暮らしの語では queue と line(列)、timetable と schedule(時刻表や予定表)、holiday と vacation(休暇)が代表です。どちらか一方を知っていれば、文脈から推せることが多い組です。autumn と fall(秋)のように、アメリカでも両方を使う語もあります。

二つ目は、同じ語なのに指す物がずれる組で、こちらが読み違いの元になります。first floor は、イギリス式では地上の階(ground floor)の一つ上で、日本の数え方の2階に当たります。アメリカ式では地上の階そのもので、日本の1階です。chips はイギリス式ではフライドポテト、アメリカ式では薄く揚げたポテトチップスで、イギリス式のポテトチップスは crisps です。football も、イギリスでは日本でいうサッカーを指します。

自分で作った例で確かめます。Our flat is on the first floor, so we take the stairs instead of the lift. これをイギリス式に読むと「うちの部屋は2階なので、エレベーターではなく階段を使う」です。建物の案内図や地図と文章を組み合わせた読み物では、この一語で選ぶ階や番号が変わります。カードの裏には、意味だけでなく「イギリス式なら何階か」まで書いておきます。

手順4 日付の並びを場面の国で読む

日付の書き方にも違いがあります。イギリス式は 4 March 2027 のように日を先に、アメリカ式は March 4, 2027 のように月を先に書くことが多い、と覚えます。月の名前が書いてあれば迷いませんが、04/03 のように数字だけで書かれると、イギリス式なら3月4日、アメリカ式なら4月3日になります。掲示や予定表を読むときは、その文章の場面がどこの国かを先に押さえておくと、数字の並びで迷いません。

手順5 センターの音声で、発音の違いを聞き分ける

共通テストの英語のリスニングでイギリス英語の発音が流れても、語の意味に戻せれば答えは選べます。練習には、センターの過去3年分の試験問題の頁から、令和6〜8年度の本試験の音声問題とスクリプトを使います。1年分を1週間で4回使う組み方にすると、3年分で3週間です。

1回目は、本番と同じように問題冊子を見ながら通して解きます。問題音声はおよそ30分です。2回目は、スクリプトを見ながら聞き、外した設問の所に印を付けます。3回目は、印の所だけを何度も聞き、聞こえたとおりの音をカタカナで書き出してから、スクリプトの英語と比べます。4回目は、スクリプトを閉じて、もう一度通して聞きます。

聞き比べるときの手がかりになるのは、次のような音です。どれもおおよその傾向で、同じ国の中でも人によって違います。

聞き所 イギリス英語に多い音 アメリカ英語に多い音
car・door の終わりの r ほとんど響かせない r の響きが残る
water・better の t t をはっきり出す 軽いラ行に近い音になる
can’t の母音 「カーント」に近い 「キャント」に近い
hot・not の母音 口を丸めた「ホット」に近い 「ハット」に近い
schedule の頭 「シェ」で始める人もいる 「スケ」で始める

ただし、どちらの国の英語かを当てる練習ではありません。方針は話者の国を限っていないので、この表は練習の入口にすぎず、ねらいは、聞き慣れない音を知っている語に戻す速さを上げることです。can と can’t のように、聞き違えると答えが逆になる所から先に耳を慣らします。

手順6 自分で書く英語は一つにそろえる

共通テストで綴りを書くことはありません。学校の課題や、大学の個別学力検査、英語の資格試験で英語を書くときは、一つの答案の中でアメリカ式かイギリス式のどちらかにそろえます。colour と color が同じ答案に混ざっていなければ、綴りの面では十分です。どちらを選ぶかは、普段の教材と同じ側にしておくと迷いません。

保護者の方へひとこと添えます。お子さまが過去問の綴りを指して「これ間違ってない?」と言ったら、問題作成方針の表記の○を一緒に読んでみてください。それだけで、本番で止まる理由が一つ減ります。

「誤植だ」「出る年を読める」「書き分けが要る」は、方針の文と合わない

一つ目の思い込みは、イギリス式の綴りは誤植だ、というものです。方針がイギリス英語を使うこともあると書いている以上、colour は問題冊子に正しく載りうる綴りです。誤植かどうかを考えている時間そのものが、80分のリーディングでは惜しい時間になります。

二つ目は、過去の年度を数えれば、次の年にイギリス英語が出るかを予想できる、というものです。表記と音声の二つの○は令和8年度から令和10年度まで同じ文で、どちらの○も、どの年度にどれだけ使うかという割り当てを決めていません。過去の問題冊子でイギリス式の綴りを数えたとしても、その数は次の年の約束にはなりません。予想に時間を使うより、どちらが来ても止まらない読み方を作るほうが確かです。

三つ目は、イギリス式の綴りも書けるようにしなければならない、というものです。解答はマーク方式で、英語の綴りを書く問いはありません。方針が重く見ているのは、場面に応じて概要や要点、話し手や書き手の意図をつかむ力と、読んだ情報を整理して判断する力で、二つの綴りの書き分けを答えさせることは、方針のどこにも書かれていません。

四つ目は、リスニングはアメリカの発音だけだ、というものです。方針は話者の国を限っていないので、アメリカ式に慣れた耳だけで本番に臨むのは心もとないことになります。手順5のように、令和6〜8年度の音声で、聞き慣れない音を語に戻す練習をしておきます。

図3は、ここまでの四つの思い込みと、方針に合う読み方を○×で並べたものです。

図3 イギリス英語についての四つの思い込みと、方針に合う読み方の○×

確かめる先と聞き方

綴りや発音の違いが気になったときに開く文書と、人に尋ねるときの言葉を、次の五つにまとめました。

  1. 自分の試験の年度の問題作成方針: 第4の6「外国語」の『英語』の項で、表記の○と音声の○の二文を自分の目で読みます。人から聞いた話と食い違ったら、この二文のほうを採ります。
  2. センターの過去3年分の試験問題の頁: 令和6〜8年度の本試験の問題の頁に、リスニングの音声問題とスクリプトがあります。スクリプトで、話し手がどう書き分けられているかを見ます。
  3. 学校の英語の先生: 「授業のプリントや教科書の綴りは、アメリカ式とイギリス式のどちらにそろえていますか」「英作文でイギリス式の綴りを使ってもよいですか」と尋ねます。
  4. 志望校の募集要項: 個別学力検査に英作文や英語の記述があるかを、試験教科の欄で読みます。高3と既卒生が受ける令和9年度入試の募集要項は、文部科学省の実施要項で2026年12月15日(火)までに発表することになっています。
  5. 令和9年度の受験上の注意(高3と既卒生): 12月上旬にセンターのサイトに載る予定です。令和8年度の版にはリスニングの節があり、進行と音量の調節の段取りが書かれていました。令和9年度の版でも同じ節を探し、その年度の文で読み直します。

個別指導で確かめること

塾では、長文の答案に残った止まりの印と、リスニングのスクリプトに付けた聞き落としの印を並べて見ます。止まった理由が綴りなのか、語なのか、文の組み立てなのか、音なのかを一つずつ分け、first floor のような意味のずれる語を書いたカードも一緒にめくります。次に解く過去問で同じ種類の印が減っているかどうかを、答案の印の数で確かめるところまでが一回分です。

まとめ

colour の u は、読む手を止めるほどの一文字ではありません。場面によってはイギリス英語を使うこともあると方針が明記している限り、その綴りは本番の問題冊子に正しく載りうる英語です。本当に立ち止まる値打ちがあるのは、first floor のように、国によって指す階が一つずれる語のほうです。

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