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中学受験の算数で偏差値50前後の模試を直す—前半の取りこぼしを解く順で調べる|武蔵野個別指導塾

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後半の大問に時間を使い、前半の小問を見直せないまま返ってきた答案を、式の跡と時刻の記録から組み直して、次の回に手を動かす順番まで決めます。

偏差値50の前後というのは、返ってきた1回の模試で、平均のすぐ上か下にいたという意味です。その1枚が教えてくれるのは、その回の答案の中でどの問題を落としたかまでで、別の回でも同じ位置にいられるかどうかは、この数字からはわかりません。だから直すときに見るのは、点数を上げる作戦ではなく、答案の上で手を動かした順番です。最初に確かめるのは、前半の小問に付けた式が最後まで書けているかどうか。ここが空いているなら、後半の難しさより先に、前半の置き去りを数えます。

返ってきた答案を開いたら、次の3つに印を付けます。

答案に残っている跡 読み取れること 次に見るもの
式が途中で止まっている 手は付けたが、最後まで届いていない その問題にいた時間
式がまったく無い 最初から後回しにした 後回しにした理由
答えだけが書いてある 見直しに戻る時間が残らなかった 最後に時計を見た時刻

よくあるのは、後半の大問を考えているうちに、前半の小問を見直す時間がなくなった小5の答案です。答案の1枚目には、式が途中で止まった問題が1つ、何も書かれていない問題が2つ残っています。本人に聞くと「後半が難しかった」と言います。ところが大問ごとの点を並べてみると、落とした点の半分は1枚目の前半にあります。後半の難しさは本人の記憶に強く残るので、直すときも覚えている失敗ばかりを拾ってしまうのです。

大問ごとの失点を、前半と後半に分けて並べる

返却日にまずするのは、点数を眺めることではなく、大問ごとの失点を1枚の紙に写すことです。成績表に大問別の欄があればそれを見ながら、大問1から順に、取れた点と落とした点を書き出します。欄がなければ、答案の1枚目と2枚目を交互に見て、同じように書き出せば足ります。ここで大事なのは、合計を出さないことです。合計はすでに成績表にあり、もう一度足しても新しいことは何も出てきません。

書き出したら、大問1と大問2を前半、大問3以降を後半として、縦に2つに分けます。中学受験の算数の模試では、前半に短い小問が並び、後半に長い文章題や記述が置かれる形がよくあります。ただし並びは模試ごとに違うので、自分が受けた回の答案を見て、どこからが長い問題かを自分の目で決めます。決めたら、その境目に線を1本引いておきます。この線が、これから見る範囲を決めます。

次に、前半の小問の一つひとつに、答案の上で何が残っているかを見ます。式が最後まで書けている、式が途中で止まっている、式がまったく無い、答えだけがある。この4つのどれかに当てはめると、落とした理由がかなりはっきりします。図1のように、跡から読み取れることは3つに絞れます。手が動いたのか、最初から飛ばしたのか、見直しに戻れなかったのかです。

図1 答案に残った3つの跡と、そこから読み取る3つのこと

図1のように、式が途中で止まっている問題は、手が動いているので、考え方からわからないわけではありません。最後の計算か、最後の一手で止まっています。式がまったく無い問題は、最初から後回しにした問題です。答えだけが書いてある問題は、解いたけれど見直しに戻る時間が残らなかった問題です。この3つは、直し方も、次に気をつけることも違います。同じ「落とした」でも、拾い直す値打ちと、拾い直すのに要る時間が違うからです。

時間の記録は、答案だけではわかりません。模試の最中に時計を見た時刻を、答案の余白に3か所だけ書いておくと、次からは時間の使い方まで見えます。3か所は、大問1が終わった時点、大問2が終わった時点、そして残り時間が半分になった時点です。この3つがあれば、前半に何分使い、後半に何分残したかを後から計算できます。今回はまだ記録が無いので、まず答案の跡から順番を推測し、次の回から記録を足します。最初から完璧な記録を作ろうとすると、たいてい続きません。

ここで、偏差値50という数字の扱いを決めておきます。手元の1回の結果が50の前後だったとして、それはその回の答案の中で平均の近くにいたという意味です。別の回や別の模試で同じ位置になるとは限りませんし、この数字が合格の目安を教えてくれるわけでもありません。見るのは数字ではなく、その回の答案のどの問題で、どんな跡を残して落としたかです。数字を共通の物差しとして使うと、答案の細かい跡が見えなくなります。

前半を先に1周し、戻る順番を決めておく

直す手順は4つあります。前半の小問を3つに仕分けること、次の回に手を動かす順番を決めること、時計の使い方を決めること、見直しの順番を決めることです。順に書きます。

1つ目は仕分けです。答案の前半を、さっきの3つの跡に当てはめて、丸、三角、ばつを横に付けます。式が最後まで書けていて答えも合っているものは丸。式は最後まで書けたのに答えが違うものは三角。式が途中で止まったもの、式が無いもの、答えだけのものはばつです。三角とばつだけを、別の紙に問題番号ごと書き写します。丸は書きません。丸まで写すと、紙が答案の写しになってしまい、どこから見直すのかがわからなくなります。写すのは、まだ点になっていない問題だけです。

2つ目は順番です。写した三角とばつを、次の順に並べ替えます。まず、式が途中で止まった問題。次に、答えだけ書いて見直せなかった問題。最後に、式がまったく無い問題です。この順番には理由があります。式が途中で止まった問題は、考え方は合っていて最後の一手だけが残っているので、短い時間で点になります。答えだけの問題は、合っているかどうかを確かめるだけなので、これも短く済みます。式が無い問題は、最初から考え直すので、いちばん時間がかかります。短く済むものから戻すと、限られた見直しの時間で拾える点が増えます。

3つ目は時計です。次の回では、前半に使う時間を先に決めてしまいます。たとえば、始まってから20分たつまでを前半の時間とし、その間に前半の小問を全部1回ずつ手に取ります。手が動かない問題は、30秒考えて印を付けたら、その場で次へ移ります。この30秒と印は、自分で決めた合図です。合図を決めておかないと、1問に長く留まって、後半の入口に立てなくなります。時計は、問題を解き終えたときではなく、区切りの時刻にだけ見ます。問題ごとに時計を見ると、それだけで時間が減ります。

4つ目は見直しです。最後に残った時間で、さっきの順番どおりにばつへ戻ります。戻るときは、答案を消さずに、横に書き足します。消して書き直すと、前の考えが消えて、どこで止まったのかがわからなくなります。また、書き直した答えが前より悪くなることがあります。消さずに残しておけば、後で見比べられます。見直しで直した答えには、小さく印を付けておきます。どの問題を直したのかが、返却のときに見えるからです。

図2のように、この時間の割り振りを1本の帯にすると、前半、後半、見直しの3つの区切りになり、見直しは前半の側から戻ります。

図2 前半と後半の区切り、最後の見直しが戻る向き

図2のように、見直しの帯は前半の側から始めます。後半の最後の問題から戻ると、時間が足りなくなったときに、いちばん点になりやすい問題まで届きません。戻る向きを決めておくだけで、最後の数分の使い方が変わります。

止まったときの戻り先も決めておきます。ある小問で手が止まったら、その大問の最初の小問に戻ります。同じ大問の小問は、前の小問の答えや考え方を使う形で並んでいることが多いからです。最初の小問が解けていれば、そこから2番目へ進む道がもう一度たどれます。それでも動かなければ、いったんその大問ごと印を付けて、次の大問へ移ります。1つの大問に留まる時間の上限は、自分で決めておきます。

この4つを、次の返却日までの1週間で1つずつ試します。4つを一度に始めると、どれが効いたのかがわからなくなります。まず仕分けだけを1回やり、次に順番を決め、その次に時計、最後に見直しの向きを変えます。1週間で4つは回りませんから、返却のたびに1つずつ足していくくらいがちょうどです。

この手順が合わない答案の見分け方

このやり方が向かない答案もあります。3つの場合を書きます。

1つ目は、前半はほとんど取れていて、後半の入口で止まる場合です。この場合は、前半の順番を変えても点は動きません。見るのは、後半の大問の1つ目の小問で何が起きているかです。多くの場合、前の小問の答えを使う場面で、その答えをまだ出していないか、出したけれど写し間違えています。これは前半を見直す話ではなく、小問どうしのつながりを見る別の直し方になります。前半の見直しを増やすより、大問の1問目に時間を回したほうが合います。

2つ目は、時間ではなく計算の正確さで落とす場合です。前半の小問が全部に手が付いていて、途中の式も最後まで書けているのに、答えだけが違う。この場合は、見直しの順番を変えても同じ間違いが残ります。見るのは、式をどこに書いたかです。余白にばらばらに書くと、途中で数字を写し間違えても気づけません。1問ごとに式を縦に並べ、等号の位置をそろえて書くと、自分の式を上から目で追えます。計算の練習量を増やす前に、書いた式が読み返せる形になっているかを確かめます。読めない式は、あとから見直すこともできません。

3つ目は、記録が続かない場合です。時刻を3か所書くと言っても、模試の最中にそんな余裕はない、という声をよく聞きます。そのときは、書く場所を1か所に減らします。大問2が終わった時点で、時計を一度だけ見て、答案の隅に時刻を書く。これだけでも、前半にどれだけ使ったかは後からわかります。3か所を続けられずに全部やめるより、1か所を毎回続けるほうが、次の直しに使えます。記録は多さより、続くことが先です。

図3のように、この3つの場合に、どこを見るかを並べると、前半が取れているなら後半の入口、計算で落とすなら式の書き方、記録が続かないなら時刻を書く場所が、それぞれの行き先になります。

図3 うまくいかない3つの場合と、それぞれに見る場所

図3のように場合ごとに行き先が違うので、やり直しができたかどうかの判断は、点数ではなく手順で付けます。次の回の答案で、前半の空欄が0になったか。最後に決めた見直しの時間に、実際にばつの問題へ戻れたか。この2つがそろったら、この手順は合っています。点数が上がったかどうかは、回ごとに問題が違うので、1回では判断しません。2つがそろわないときは、決めた時間か、戻る順番のどちらかを見直します。両方を一度に変えると、どちらが効いたのかわからなくなります。

記録から見直しの順番を決める練習

本文とは別の記録で確かめます。次の記録は、ある日、家で25分を計って7問を解いたときのものです。時刻は、解き始めを0分として数えています。

問1。この25分のうち、1番と2番に使った時間は何分ですか。

問2。最後に5分の見直しを取れることになりました。最初に見る問題はどれですか。理由も書いてください。

問3。次の回に記録を1か所だけ増やすなら、どの時点で時刻を書きますか。この記録の取り方から考えてください。

解答は次の見出しの後にまとめてあります。先に自分で書いてから、答え合わせをしてください。

解答と理由

問1の答え。9分です。4分と5分を足します。3番に使った12分は入れません。ここを間違えたら、問題文の「1番と2番」という区切りに戻って、どの問題を数えるのかを確かめ直します。

問2の答え。3番です。12分かけていて式が最後まで書けているので、残っているのは最後の計算だけです。短い時間で点になる見込みがいちばん高い問題です。2番は空欄なので、考え直すところから始まり、5分では終わらないことがあります。ここを間違えたら、直す手順の「2つ目は順番」に戻って、式が途中で止まった問題を先にする理由を読み直します。

問3の答え。3番が終わった21分の時点です。この記録では、3番に12分使ったことが後からわかりますが、それは終わりの時刻が残っているからです。時刻を1つだけ増やすなら、いちばん長くかかった問題が終わった瞬間に書くのが、後でいちばん役に立ちます。ここを間違えたら、図2の帯に戻って、時間の区切りをどこに置くかを確かめ直します。

もう一度やるなら、7問の並びを変えずに、計る時間だけを20分に縮めてください。同じ記録の取り方で、前半に使う時間がどう変わるかを見ます。縮めても3番に長く留まるなら、次は1問あたりの合図の時間を変えてみます。

塾で見てもらうときに持ってくるもの

返却された答案は、消しゴムの跡が残る原本のまま持ってきます。書き直した清書だけでは、どこで手が止まったかが消えています。時刻を書いた紙、見直しの順番を決めた紙、大問ごとの失点を写した紙も一緒に持ってくると、話が早く進みます。保護者の方は、成績表の大問別の欄がどこにあるかを、お子さまと一緒に見ておくと、家での写し方が決まります。

塾では、答案の1枚目を開いて、式が途中で止まった問題について「ここで何をしようとしていたか」を聞きます。解き直しをさせる前に、止まったときの考えを言葉にしてもらうと、戻る場所が具体的になります。質問は「この問題がわからなかった」ではなく「この式の次に何を書くかで止まった」の形にすると、見てもらう側も答えやすくなります。答案の余白に残った計算の並びも、一緒に見ます。書いた順番がわかると、どこで時間が消えたのかも見えてきます。

答案をしまう前に、1枚目の空欄を数える

返却された答案をしまう前に、1枚目の空欄にだけ印を付けてください。その印の数が、次の回に最初の20分をどう使うかを決めます。

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