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国語の偏差値を上げる勉強で解説を読む前に—模試の選択肢を消した跡を残す理由|武蔵野個別指導塾

模試の返却答案に残った選択肢の消し線を、解説を読む前の判断記録として読み直します。本文の根拠と選択肢の言い過ぎを照合し、次の一枚で同じ迷いを繰り返さないための順番を、中3の説明文の例でたどります。
模試の返却答案に残る消し線は、間違いの跡ではなく、答案の上で下した判断の記録です。解説を読む前にするのは、正解を消した理由を拾い、本文のどの語と食い違ったのかを一文で書き戻す作業です。説明文の選択問題で正解を消す理由は、大きく二つに分かれます。本文にない言葉に見えたか、言い切りが強すぎると感じたかです。まず見るのは、消した選択肢のどこに線を引き、その端に何を書いたかです。ここで扱うのは、中3の説明文で一度消した判断を再現し、本文の根拠と照合するところまでです。得点を上げる方法を並べるのではなく、返却された一枚から次の一手を決める順番を書きます。
| 答案に残っている跡 | 先に見る場所 | その日のうちにやること |
|---|---|---|
| 正解に短い線が一本 | 線の端の数文字 | 消した理由を一文にして書き戻す |
| 二つの選択肢に同じ印 | 印の脇の走り書き | 二つの違いを本文の語で言う |
| 選択肢全体を横切る線 | 線を引いた位置 | 前半と後半のどちらを捨てたか書く |
よくあるのは、返却された模試の答案を開いたときに、正解の選択肢へ自分で引いた鉛筆の線を見つける場面です。中3の説明文で、四つの選択肢を二つまで絞り、最後に残したほうへ線を引いていた。丸の付いた正解の横に、消し忘れた線が残っている。解説を読んでも、なぜ消したのかは思い出せません。線の端に書いた言葉も、自分でも読めないほど薄くなっています。
消し線は何を記録しているのか
答案の線は、長さも濃さも同じではありません。語の上に短く引いた線は、その語だけを疑った印です。選択肢を横切る長い線は、文全体を捨てた印です。同じ選択肢に二度線を引いたり、線の端をぐるぐると回したりしているときは、最後まで迷ったことが残っています。この三つを分けるだけで、次に確かめる場所が変わります。
線の端には、たいてい何かが書いてあります。「本文にない」「強すぎ」「前半だけ」といった走り書きです。読めないほど薄いときは、答案を窓の光に透かすと鉛筆の跡が浮かびます。消しゴムをかけた跡も、紙のへこみとして残ります。文字が拾えたら、それをそのまま消した理由の候補にしてください。拾えなくても、線の位置と長さだけで型は決まります。
拾った言葉は、三つの型に分かれます。第一は、選択肢の言い換えを本文の語と結びつけられず、本文にないと判断した型です。第二は、「必ず」「いつも」「決して」といった強い語に反応して、本文の範囲を超えると判断した型です。第三は、選択肢の後半だけを読んで、前半の条件を捨てた型です。どの型も、本文の同じ位置へ戻れば確かめられます。
型が決まったら、その設問で線を引かなかった選択肢も見ます。四つのうち二つにしか印がない答案は、残りの二つを比べていない記録です。比べずに選んだのか、読んで即座に捨てたのかで、次にやる作業が変わります。即座に捨てた選択肢は、理由を聞かれると言葉にできないことが多いので、同じく本文へ戻って根拠を探します。
解説を先に読むと、この記録は上書きされます。なるほどと思った瞬間に、なぜ線を引いたのかは消えます。翌日もう一度解いても、解説の言葉が先に浮かぶだけで、同じ迷いは再現できません。返却当日に、解説を閉じたまま十分ほど使うのが、この作業のいちばん短いやり方です。
成績表の偏差値は、その回の受験者の中での位置を示す数字です。返却答案を直しても、次の回に同じだけ動くとは限りません。それでも、同じ迷いを同じ場所で繰り返さないことは、次の一枚で自分で確かめられます。数字を先に気にするより、線の意味を先に拾うほうが、次の答案に残るものが多くなります。
図1のように、答案の線から線の端の言葉を拾い、消した理由の型へ置き換えると、次に見る場所が決まります。型に入らない線は、判断がまだ言葉になっていないだけなので、保留のまま取っておいてください。

解説を閉じたまま、選択肢を写す
返却答案は、線を消さずにそのまま置きます。消しゴムをかけると、消した順番まで失われるからです。用意するのは、白い紙一枚と鉛筆だけです。解説と解答は、机の上でも閉じたままにしてください。
最初に、該当の設問だけを別の紙へ写します。設問文、本文の傍線部、四つの選択肢を、消したものも含めて書き写します。写しながら、どちらを先に消したかを思い出し、選択肢の横に小さく番号を振ります。順番まで思い出せないときは、思い出せた範囲で構いません。この紙が、これから作る記録の本体になります。
写し終えたら、消した選択肢に×を付け、線の端にあった言葉を横へ書き足します。言葉が拾えないときは「理由不明」と書きます。理由不明は失敗ではなく、記録すべき事実です。後で本文を読んだときに、どの語を見落としていたかが分かれば、同じ欄へ書き足せます。
次に、本文へ戻ります。範囲は、傍線部の前後二文から始めます。全体を読み返すと時間がかかり、判断の再現ではなく要約の作業になってしまいます。前後二文で足りないときだけ、一段落を単位にして広げてください。
広げた範囲から、各選択肢の根拠になりそうな一文を抜き出します。抜き出せない選択肢は「根拠なし」と書きます。ここで抜き出すのは、選択肢の言い換え元になる一文です。選択肢の語と同じ語を探すのではなく、同じ対象を指している文を探します。語が違っていても、指しているものが同じなら根拠になります。
根拠の一文と選択肢を並べ、違う語に印を付けます。印が付いた語は、二つに分かれます。本文の語を別の言葉に置き換えた言い換えと、本文にない追加です。言い換えは正解の手がかりになり、追加は不正解の手がかりになります。この二つを取り違えると、正解を消す判断が生まれます。
抜き出した根拠は、選択肢ごとに一枚の紙へ並べます。縦に四つの選択肢、横に根拠の一文を置くと、どの選択肢に根拠があり、どれにないかが一目で分かります。根拠のない選択肢が正解になることは、説明文の設問ではまずありません。逆に、根拠があるのに消していたら、消した理由のほうが疑わしくなります。
ここで一度、時計を見てください。十分を超えていたら、その日はそこで止めます。だらだらと本文を読み返すと、記録ではなく感想が増えます。残った設問は、翌日に同じ紙の続きから始めれば足ります。
図2のように、ここまでの流れは五つの箱で表せます。閉じる、写す、抜く、比べる、書くの順です。どの箱も飛ばさずに進むと、解説を開く前に、自分の判断が紙の上に残ります。

言い過ぎている語を本文の範囲と比べる
強い語を見つけたら、すぐに消すのではなく、本文の同じ位置を探します。候補になるのは、「必ず」「いつも」「決して」のように、範囲や回数を広げる語です。本文が「〜ことがある」と言っているのに、選択肢が「〜である」と言い切っていれば、範囲が広がっています。本文が「一部」と言っているのに全体を指す語が入っていれば、同じく広がっています。本文が「減らす」と言っているのに「なくす」とあれば、程度が上がっています。
ただし、強い語が入った選択肢が正解のこともあります。本文に「〜してはならない」と書いてあれば、「決して〜してはいけない」は言い過ぎではなく、同じ内容です。強い語の有無だけで消すと、正解を消します。強い語を見つけたときこそ、本文の同じ位置を探してください。
言い換えの見落としも、同じくらい多い型です。本文の具体的な例を、選択肢がまとめた言葉で言っている場合、語は一つも重なりません。具体から一般へ上がる言い換えは、本文の例を一つ思い浮かべて、その例が選択肢の言葉に入るかを確かめると見つかります。入れば言い換え、入らなければ言い過ぎです。
消した理由を一文にするときは、比べた場所を文の中に残します。「本文に、その語がないから消した」ではなく、「本文では〜としか言っていないのに、選択肢は〜と言い切っているから消した」の形です。後者の形で書けると、本文のどこを見たのかが文の中に残ります。書けないときは、比べた場所がまだ曖昧です。前後二文のどこを見たのかを、もう一度指で押さえてから書いてください。
解説を開くのは、この一文が書けてからです。解説と自分の一文を並べ、根拠の位置が同じかどうかを見ます。同じ位置なら、その型は次も使えます。位置がずれていたら、ずれた方向を書きます。手前すぎたのか、先まで読みすぎたのかで、次に読む範囲が変わります。
ずれの記録は、設問の番号の横に矢印で残すと読み返しやすくなります。手前で止まったなら左向き、先まで読んだなら右向きです。同じ向きの矢印が三つたまったら、その向きの読み方が自分の癖だと判断してよい。癖が分かれば、次に同じ向きへ進みそうな設問で、一度立ち止まれます。
線が残っていない答案と、二択で止まる答案
線が残っていない答案もあります。きれいに消したのか、鉛筆が薄かったのか、そもそも迷わずに選んだのかは、答案だけでは分かりません。この場合は、返却当日に再現ノートを作ります。設問と選択肢だけを見て、その場で消すとしたらどこか、なぜ消すかを五分で書き出す方法です。
再現ノートは、答案を見ながら書いてはいけません。見ながら書くと、正解の位置が手がかりになってしまいます。設問文と選択肢を写した紙だけを前に置き、本文は閉じます。書いた内容と実際の答案を後で比べると、迷った場所と迷わなかった場所の違いが残ります。
二択で止まる答案は、二つの選択肢の差を一文で言うところから始めます。差は、主語が違うか、範囲が違うか、程度が違うかのどれか一点であることが多い。たとえば、片方が「〜の場合がある」で、もう片方が「〜の場合が多い」なら、程度の差です。この一点を本文の語で説明できたら、その設問はそこで終わりにします。
説明できないときは、二つの選択肢の共通部分を先に探します。共通部分は、たいてい本文の同じ一文を言い換えたものです。共通部分を消すと、残るのは違う一点だけになります。その一点が本文のどこに対応するかを見れば、二択は解けます。
根拠の位置がずれる答案もあります。傍線部から根拠の一文まで、何文離れているかを数えてください。近いほど言い換えは少なく、遠いほど言い換えをたどる必要があります。遠い設問で止まるときは、本文の段落の頭へ戻り、段落が何を説明している段落なのかを一行で書いてから探し直します。
図3のように、答案の状態によって最初にやる作業は三つに分かれます。線が残っていれば写し、消えていれば再現し、二択で止まっていれば差を一言で書く。どれも、解説を開く前に行います。

やり直しができたと判断する条件は、正答したかどうかではありません。翌日、別の説明文の選択問題を一問、解説を閉じたまま解きます。消した理由を一文で書き、その文の中に本文の語が一つ以上入っていれば、その型は自分のものになったと判断してよい。三問続けて同じ形で書けたら、その型はしばらく残ります。
逆に、理由の文に本文の語が入らない日は、まだ本文へ戻る回数が足りません。その日は新しい問題へ進まず、前の日の設問をもう一度だけ開きます。同じ設問をくり返すのは遠回りに見えますが、線を引いた理由を言葉にする練習としては、いちばん近道です。
確かめの問題—消す理由を三行で書く
次の文章を読み、後の問いに答えてください。文章も選択肢も、この確かめのために作った例です。
「町の図書館では、返却された本を棚へ戻す前に、傷みがないかを一冊ずつ確かめている。傷みが見つかった本は、修理が終わるまで別の棚に置かれ、貸し出されない。修理の順番は、傷みの大きさではなく、返却された順に決まる。傷みの小さい本が先に直ることも珍しくない。」
問い この文章から確実に言えることはどれか。
ア 傷んだ本は、修理が終わるまで貸し出されない。 イ 傷みの大きい本ほど、早く修理される。 ウ 返却された本は、すべて修理に出される。 エ 図書館の本は、傷みやすいものが多い。
作業は、解説を見る前に、消す選択肢を決めて理由を一文で書くことです。四つのうち、消せるものは三つあります。消した順番も、選択肢の横に番号で残してください。
解答と理由です。アが残ります。二文目に「修理が終わるまで別の棚に置かれ、貸し出されない」とあり、そのまま言い換えられるからです。イは消します。三文目が「傷みの大きさではなく、返却された順」と言っているので、大きさと順番の関係が逆になっています。ウは消します。修理に出されるのは傷みが見つかった本だけで、返却された本の全部ではありません。エは消します。傷みやすいかどうかはこの文章に書かれていません。
誤答のときに戻る場所も決めておきます。イを残したなら三文目の「ではなく」の前後、ウを残したなら二文目の「傷みが見つかった本は」、エを残したなら本文全体です。戻った場所で、書かれていないことを足していないかを見てください。
再挑戦の条件は、翌日にこの四つの選択肢を解説を閉じたまま読み、消した理由を三行で書くことです。三行のどこかに「貸し出されない」か「返却された順」が入っていれば、本文の語で理由を書けたと判断します。どちらも入っていなければ、本文の一文を写すところからやり直してください。
個別指導へ持っていくもの
持っていくのは、消し線を消していない返却答案、解説の紙、そして線の端の言葉を写した別紙です。答案を見せながら、消した理由を声に出して説明します。説明が止まった箇所が、本文と照合できていない箇所です。
見てもらうのは、理由の文に本文の語が入っているか、強い語を見落としていないかの二点です。質問は「この選択肢のどこが本文より強いか」の形で一つに絞ります。答えを聞くのではなく、本文のどこを見ればよいかを教わり、その場で自分で一文を書き直します。
次の返却答案で最初に開く場所
返却答案を受け取った日、解説を開く前に、正解へ引いた線の端を指でなぞってください。そこに残っている自分の言葉が、次の一枚で同じ迷いを避けるための材料になります。線が薄ければ、芯の濃い鉛筆でなぞり直してから、理由を一行だけ足す。その一行が、次に本文を読む順番を変えます。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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