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共通テスト情報Ⅰのプログラミング言語は何か—センター独自の表記と、授業の言語からの読み替え|武蔵野個別指導塾

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共通テストの情報Ⅰは Python でも他の言語でもなく、センター独自の表記で出ます。添字の始まり、繰返しの終わり、÷ の意味という三つのずれを、授業の書き方と並べた表と追跡表で埋めていきましょう。

共通テストの情報Ⅰに出るプログラムは、Python でも、ほかのどの言語でもありません。大学入試センターが決めた独自のプログラム表記で書かれます。高校ごとに授業で使う言語が違うので、どの言語で習った人も初めて見て読める形にそろえる、というのが問題作成方針の考え方です。書き方の手本は試作問題「情報」の概要に載っていますが、本番では問題文の中の注記が手本より先に立ちます。

プログラム表記について、いま公式の文書で読めることを6行にまとめました。

確かめたいこと 文書に書かれていること 文書
何の言語で出るか 特定の言語ではなく、センター独自のプログラム表記を使う 令和9年度・令和10年度 問題作成方針(情報)
書き方の手本 変数・代入・演算・条件分岐・繰返し・関数・コメントなどの例示 令和7年度共通テスト 試作問題「情報」の概要 5
手本と違う形 例示に従わない形で出題することもあり、問題文の説明や指示に沿って答える 同上
本試験での例 プログラムの大問で、配列の添字を1から数えると問題文が先に断っていた 令和7年度・令和8年度 本試験 情報Ⅰの問題冊子
時間と配点 情報Ⅰは60分・100点 令和9年度・令和10年度 出題方法等
いまの高3の日時 2日目の2027年1月17日(日)17時〜18時 令和9年度 実施要項

よくあるのは、授業で Python を習った高2が、センターの過去問の情報Ⅰを開き、プログラムの大問で鉛筆を止める場面です。字下げが無く、行の左に縦線と折れ線が並び、繰返しは「〜から〜まで1ずつ増やしながら繰り返す」と日本語で書いてある。for 文のことだとはわかるのに、終わりの値がその回に入るのか、range のように手前で止まるのかが決められない。配列の値を数え始めたところで、問題文の前のほうに添字は1からと書いてあったことに気づき、数え直しになる。小さな読みのずれが三つ重なると、処理の意味はつかめているのに選択肢が一つに絞れません。

共通テストの情報のプログラミングは、どの言語でもない表記で出る

令和9年度の問題作成方針は、情報Ⅰの節の終わりで、プログラミングの問題に使う表記を決めています。授業ではいろいろなプログラミング言語が使われる可能性があるので、「受験者が初見でも理解できる」センター独自の表記で出す、という一文です。いまの高2が受ける2028年1月の令和10年度試験(15日の土曜と16日の日曜)でも、問題作成方針の情報の節に同じ一文がそのまま入っています。Python で習った人も、ほかの言語で習った人も、本番では同じ表記を前にすることになります。習った言語による有利不利を小さくするための表記なので、どの言語の経験者でも、表記そのものに目を慣らす時間は別に要ります。

表記の中身を例で示しているのは、令和4年に公表された「令和7年度大学入学共通テスト 試作問題『情報』の概要」です。その最後の項目「共通テスト用プログラム表記の例示」に、次の10の項目が並んでいます。

例示の中には、読み方を決める断りが三つあります。一つ目は、特に説明が無ければ配列の添字は0から始まること。二つ目は、命令のまとまりを字下げではなく行の左の縦線で示し、そのまとまりの最後の行に折れ線の記号を付けること。三つ目は、関数は「表示する」のほかは基本的に問題の中で説明されることです。概要には、同じ二分探索の処理を、Python を含むいくつかの言語で書いたものと表記とを左右に並べた対比の表もあり、自分の言語との対応を一行ずつ確かめられます。

そして例示の前置きには、もう一つ大きな断りがあります。問題文を簡潔にするなどの理由で、例示の書き方に従わない形で出題することもあるので、受けるときは問題文の中の説明や指示に沿って答えてほしい、という内容です。例示は文法の決まりの一覧ではなく、初めて読む人のための手本という扱いです。

実際の本試験でも、この断りが効いています。令和7年度と令和8年度の本試験の情報Ⅰでは、どちらの年も表記で書かれたプログラムが出てきたのは第3問(配点25点)で、プログラムを示す前に、問題文の中で配列の添字を1から数えると断っていました。例示の「説明が無ければ0から」だけを覚えて読み始めると、配列の最初の値を一つ取り違えます。令和8年度の第3問では、使う関数の働きも、問題文の中の枠で例を添えて説明されていました。

図1のように、表記の決まりは三つの段で読みます。問題作成方針が独自の表記を使うと決め、試作問題の概要が書き方の手本を示し、本番の問題文の注記がその回の読み方を最後に決めます。図の下の段ほど優先されるので、手本と問題文が食い違えば問題文に従います。手本を覚えることと、注記を先に読むことは、別々の作業として両方要ります。

図1 表記の決まりを読む順。方針、試作問題の概要、問題文の注記

情報Ⅰを国立大学の受験でどう数えるかは、特集「共通テストの細かい疑問」の「共通テストの6教科8科目とは—情報Ⅰが国立大学の原則に入った理由と、受ける科目の数え方」が受け持つ問いです。ここから先は、表記の読み方だけを扱います。

授業の Python と、過去問の表記を一行ずつ並べる

どこでつまずくかは、授業で習った言語によって変わります。Python で習った人なら、次の表の右の列が、表記を読むときに答えがずれやすい所です。左の列は授業の書き方、中の列は同じ処理を共通テストの表記で書いたときの形で、どの行の例もこの表のために作ったものです。

授業の Python 共通テストの表記 読むときに気をつける所
字下げの深さでまとまりを作る 行の左の縦線で範囲を示し、最後の行に折れ線が付く 字下げではなく線の本数で、どの繰返しの中かを数える
for d in range(0, n): d を 0 から n - 1 まで 1 ずつ増やしながら繰り返す: 「まで」の値はその回に入る。range は終わりの値の手前で止まる
for k in range(5, 0, -1): k を 5 から 1 まで 1 ずつ減らしながら繰り返す: 減らす向きでも「まで」の値は入る
while 条件: 条件 の間繰り返す: 同じ読み方でよい
if ・ elif ・ else もし〜ならば・そうでなくもし〜ならば・そうでなければ elif に当たる行の言い方を覚える
a // b と a % b a ÷ b と a % b ÷ は整数の商。/ は四則の割り算の記号として別にある
a = 1; b = 2 a = 1 , b = 2 表記のカンマは二つの代入を並べる区切り
zaseki[i][j] Zaseki[i, j] 二次元の配列は角かっこの中に二つの数を並べる
len(kion) と print() 要素数(Kion) と 表示する() 関数は日本語の名前で、「表示する」以外は基本的に問題文で説明される
input() 【外部からの入力】 外から入った値として読み進める

Python で習った人が選択肢を一つずらしやすいのは、繰返しの終わりの値、÷ の意味、添字の始まりの三か所です。比較の ==・!=・>=、論理の and・or・not、コメントの #、べき乗を表す星印二つの記号は、Python と同じ形なので迷うことはまずありません。似ている部分が多いぶん、違う三か所を Python の感覚のまま読み流してしまうのが、この表記のやっかいな所です。表の a = 1 , b = 2 の行も油断できません。Python でこの形のまま書くと文法の誤りになりますが、表記では二つの代入を順に行うだけです。

たとえば、30人を4人ずつの班に分ける計算を考えます。表記の 30 ÷ 4 は商の 7、30 % 4 は余りの 2 です。Python で 30 / 4 と書けば 7.5 が出るので、÷ を / と同じものと読むと、選択肢に無い数を探すことになります。表記にも / はありますが、それは四則の割り算として使う記号で、整数の商を取るときは ÷ が使われます。

もう一つ、添字の例です。たとえば配列 Hon に 3、8、5 の三つの数が入っているとします。添字が0から始まるなら Hon[1] は 8 ですが、問題文が添字は1から始まると断っていれば Hon[1] は 3 です。同じ Hon[1] でも、注記一つで指す値が変わります。

自分の場合を確かめるには、まず授業のノートか教科書で、自分が習った言語を確かめます。Python 以外で習った人は、表の左の列を自分の言語の書き方に置き換えて、同じ表を作ってください。次に、センターの過去問の頁で情報Ⅰを開きます。情報Ⅰの出題は令和7年度試験からなので、公式に読めるのは令和7年度と令和8年度の本試験と追・再試験、それに試作問題の『情報Ⅰ』と参考問題です。数が多くないので、一題ずつ使い切るつもりで解きます。

解いた後は、自分の答案のうち、プログラムの問いで選んだ選択肢と正解を並べてください。正解より1つ大きい数や1つ小さい数を選んでいたら、繰返しの終わりか添字の始まりの読み違いを疑います。割り算の結果が関わる問いで外していたら、÷ を疑います。どの行で値を取り違えたかまで戻れるように、次の節の追跡表を余白に残しておくと、答案そのものが自分用の読み替えの記録になります。

学年によって残りの時間も違います。いまの高3は令和9年度試験で、情報Ⅰは2日目の最後、2027年1月17日(日)の17時から60分です。11月の上旬から数えて、本番までは10週ほどなので、過去問と試作問題を一巡させながら、読み替えの表を仕上げる時期です。いまの高2が受ける令和10年度試験は、日付と出題方法・問題作成方針は出ていますが、時間割はまだ公表されていません。授業でプログラムを書くたびに同じ処理を表記でも書いてみる習慣を、1年かけて作れます。

見慣れない表記を、紙の上で1行ずつ追う手順

表記に慣れる近道は、プログラムを頭の中だけで走らせず、変数の値を紙に書きながら一行ずつ進めることです。今日から本番までの手順を、順に書きます。

手順1 読み替えのノートを見開きで作る

最初の1日で、ノートの見開きの左に表記、右に授業の言語を書く読み替えのノートを作ります。例示のプログラムを書き写すのではなく、自分で決めた小さな処理を、両方の書き方で書くのがこつです。たとえば「6日分の気温から15度以上の日を数える」「30人を4人ずつの班に分けて、余る人数を出す」のような、答えを暗算で確かめられる処理を選びます。保護者の方は、お子さまのノートを開いて、左右の行の数がそろっているかだけを見てください。中身の正誤まで見なくても、どこまで進んだかがわかります。

手順2 プログラムより先に、問題文の注記に線を引く

過去問を開いたら、プログラムを読む前に、問題文の中の添字の始まり、関数の説明、変数が何を表すかの3つに線を引きます。令和7年度と令和8年度の第3問のように、添字をいくつから数えるかは、プログラムが出てくるより前の文に書かれています。線を引いた所を先に読んでおけば、例示の0からという覚え方を、その回の決まりで上書きしたうえでプログラムに入れます。

手順3 追跡表を書いて、値を1行ずつ進める

変数ごとに列を立て、一行進めるたびに値を書き足す表を、追跡表と呼ぶことにします。次のプログラムは、手順1の気温の処理を、表記で自作したものです。

(01) Kion = [12, 15, 9, 20, 17, 8]
(02) kazu = 要素数(Kion)
(03) atatakai = 0
(04) d を 0 から kazu - 1 まで 1 ずつ増やしながら繰り返す:
(05) | もし Kion[d] >= 15 ならば:
(06) ⎿ ⎿ atatakai = atatakai + 1
(07) 表示する("15度以上の日は", atatakai, "日")

要素数は配列の要素の数を返す関数で、本番なら問題文の中で説明される種類のものです。(04)行目の d は 0 から 5 まで動くので、繰返しは6回です。(06)行目の二つの折れ線は、「もし」のまとまりと繰返しのまとまりが、どちらもこの行で終わることを示しています。図2のように、d、Kion[d]、15以上か、atatakai の4つの列を作り、一回ごとに一行ずつ埋めていくと、(07)行目で表示される数が 3 だと紙の上で確かめられます。

図2 自作のプログラムを1行ずつ追った追跡表。d は0から5まで6回

手順4 授業の言語で書き直して、紙の答えと照らす

練習のときだけ、同じ処理を授業の言語で書き、走らせた結果を追跡表と照らします。Python なら次のようになります。

kion = [12, 15, 9, 20, 17, 8]
atatakai = 0
for d in range(0, len(kion)):
    if kion[d] >= 15:
        atatakai = atatakai + 1
print("15度以上の日は", atatakai, "日")

range(0, len(kion)) の終わりは 6 で、range はその手前の 5 で止まります。表記の kazu − 1 までと、Python の len(kion) の手前までは、同じ0から5を別の言い方で指しています。走らせた結果が紙の追跡表と同じ 3 になれば、読み替えは合っています。合わなければ、どちらかの終わりの値の読みに誤りがあります。本番の試験室ではプログラムを走らせられないので、この照らし合わせは、紙の上の読みを鍛えるための練習の道具です。

手順5 本番と同じ形で、余白に追跡表を書いて通す

読み替えのノートができたら、過去問を60分で通し、追跡表は問題冊子の余白に書きます。令和8年度の情報の問題冊子の表紙には、余白は適宜使ってよいが、どのページも切り離してはいけないという注意が載っていました。令和9年度の冊子でも、配られた表紙の注意で同じ点を確かめます。いまの高3の本番の情報Ⅰは、2日目の数学の時間帯の後、17時に始まります。12月と1月の週末に一度ずつ、数学の過去問を解いた後の夕方に情報Ⅰを60分で解いてみると、疲れた頭で追跡表を書く感覚がつかめます。いまの高2は、2年生のうちに追・再試験まで含めて一巡させ、3年生では間違えた問いの追跡表だけを書き直します。

「Python ができれば読める」は半分だけ正しい

一つ目の思い込みは、共通テストの情報は Python で出る、というものです。問題作成方針は、センター独自の表記を使うと決めています。Python の知識は、変数や条件分岐の考え方としては生きますが、表記を読む練習を省く理由にはなりません。

二つ目は、例示を覚えれば本番も同じ書き方で出る、という思い込みです。例示の前置きは、例示どおりでない形で出すこともあると断っています。令和7年度と令和8年度の本試験で添字を1から数えたのは、そのわかりやすい例です。覚えた例示は出発点で、その回の問題文が上書きします。

三つ目は、表記の「〜から〜まで」は Python の range と同じ、という思い込みです。図3のように、表記の「0から5まで」は 0、1、2、3、4、5 の6回、range(0, 5) は 0 から 4 までの5回です。減らす向きでも同じで、「5から1まで1ずつ減らしながら」は 5、4、3、2、1 と進みます。Python で同じ並びを作るなら range(5, 0, -1) と書き、終わりには1の一つ先の 0 を置きます。

図3 表記の0から5までは6回、range(0, 5) は5回。範囲の終わりの違い

四つ目は、÷ は普通の割り算、という思い込みです。表記の ÷ は整数の割り算の商を出す記号で、余りは % で出します。四則の割り算の / とは別の記号として並んでいるので、問題文の中に ÷ が出てきたら、商だけが残る計算だと読み替えます。

確かめる先と聞き方

プログラム表記の読み方で迷ったら、手元の Python の知識に頼る前に、次の6か所を順に当たります。

  1. 令和9年度の問題作成方針(いまの高2は令和10年度)の「情報」の節: センター独自のプログラム表記を使うという一文が、自分の受ける年度にもあるか。
  2. 試作問題「情報」の概要の5「共通テスト用プログラム表記の例示」: 読み替えのノートの左右が10の項目の一つ一つに対応しているか。Python との対比の表で、自分の読み替えが合っているか。
  3. センターの過去問の頁の情報Ⅰ(令和7年度・令和8年度の本試験と追・再試験): 年ごとに、プログラムの前の文で添字がいくつから始まると断っているか。関数の説明はプログラムの前と後のどちらに置かれたか。
  4. 高校の情報の先生: 授業のプログラムを共通テストの表記で書き直したプリントや演習があるか。授業で使った言語と表記の違いで、気をつけるよう言われている所はどこか。
  5. 志望校の募集要項: 共通テストの情報Ⅰを課すか、何点で数えるか(いまの高3が出す大学の要項は、各大学が2026年12月15日を期限に出します)。
  6. いまの高3: 令和9年度の受験上の注意(12月上旬の掲載予定)の入室の時刻の欄で、2日目の最後に置かれた情報の締め切り(令和8年度の受験上の注意では16時45分)。

個別指導で確かめること

塾では、生徒が過去問の余白に書いた追跡表と、選んだ選択肢を並べ、ずれが添字の始まり、繰返しの終わり、÷ のどこで起きたかを一緒に探します。授業で使っている教科書やプリントを持ってきてもらえれば、読み替えのノートの右の列を、その生徒が習った言語で作り直します。

まとめ

共通テストの情報Ⅰのプログラムは、どの言語の名前でも呼べない表記で書かれ、その回の読み方は問題文が決めます。Python の文法を何行覚えているかを本番の60分は問わず、注記に引いた一本の線と、余白に書いた追跡表の一行目が、正しい選択肢までの道を照らします。

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