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共通テスト国語の第3問とは—20点の大問の題材と、資料と文章を行き来する読み方|武蔵野個別指導塾

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令和7・8年度の本試験の第3問は、どちらも20点で、生徒の書きかけの文章を三つの資料で直す問いでした。問いの動詞と名指しの資料に印を付け、段落と資料を往復する5つの手順を過去問の解き直しで試せます。

共通テストの国語の第3問は、「近代以降の文章」に入る3つの大問のうち最後の1問で、令和7年度と令和8年度の本試験ではどちらも20点でした。2年とも、課題を与えられた生徒が自分の考えを文章にまとめている途中の場面です。年によって種類の違う資料(調査のグラフ、記事や本の抜粋など)を見ながら、その書きかけの文章に文を足し、表現を直し、合わない所を削る問題として作られています。点につながる読み方は、資料を頭から読み通すことではなく、問いが「どの段落を、どの資料を使って、どう直すのか」を先に決め、段落と資料のあいだを短く行き来することです。受験生のあいだで「実用文」と呼ばれる文章は、問題作成方針の言葉では「実用的な文章」で、それをどの大問に出すかまでは書かれていません。

第3問について、公式の文書と2年分の問題冊子で確かめた事実を、先に表にしておきます。

確かめた項目 わかったこと 何年度の何という文書か
国語の大問と配点 近代以降の文章が3問で合わせて110点、古文と漢文がそれぞれ45点 令和9年度・令和10年度の「出題教科・科目の出題方法等」の注1
第3問の配点 2年続けて20点。解答番号は18から22までの5つ 令和7年度・令和8年度の本試験の正解(国語)
第3問の場面 生徒の書きかけの文章と3つの資料の組み合わせ。3つ目の資料は問3のところで初めて出る 令和7年度・令和8年度の本試験の問題冊子
文章の種類の書き方 近代以降の文章として論理的な文章・実用的な文章・文学的な文章を並べ、複数の題材を組み合わせた問題も検討するとしている 令和9年度の問題作成方針(令和10年度も同じ文)
試作問題 第A問・第B問はどちらも、20点の第3問の位置に置くことを想定したレポート作りの問題 試作問題「国語」の概要(令和4年に公表)

よくあるのは、高2の冬に国語の過去問を1回分、時間を計って解いてみたら、第3問だけがやけに疲れたという場面です。問いを読んでは資料のページへ戻り、資料を読んでは文章の段落を探しにまた戻る。気がつくと同じページを4回も5回もめくり直していて、選んだ答えの根拠を聞かれても、どの資料のどこを見たのかを言えない。点数よりも、そのめくり直しの多さのほうが気になって、次の大問へ進む手が止まります。

出題方法と2年分の問題冊子から見える第3問の形

いまの高2が受けるのは令和10年度試験で、本試験は2028年1月15日(土)・16日(日)です。その出題方法と問題作成方針は、令和9年度のものと年度の字のほかは同じ文なので、この節で引くその二つの文は高2にもそのまま当てはまります。ただし時間割と第3問の点数は、令和9年度の実施要項と令和7・8年度の問題冊子から読んだ値です。いまの高3と既卒生が受ける令和9年度試験は2027年1月16日(土)・17日(日)で、実施要項の時間割では、国語は1日目の13時00分から14時30分までの90分です。

令和9年度の「出題教科・科目の出題方法等」は、国語を90分・200点とし、注1で分野ごとの大問の数と配点を決めています。近代以降の文章が3問で110点、古典が2問で90点、古文と漢文は45点ずつです。ここで見落としやすいのは、近代以降の文章の110点を3つの大問にどう分けるかが、この注には書かれていないことです。令和4年に公表された試作問題「国語」の概要も、近代以降の文章3問の問題ごとの配点は引き続き検討すると注に書いていました。実際に出た令和7年度と令和8年度の本試験の正解の表を開くと、どちらも第1問45点・第2問45点・第3問20点で、2年続けて同じ分け方でした。図1のように帯の長さを点数に比例させると、第3問だけが短い区切りになります。

図1 国語200点を大問ごとに点数に比例させて分けた帯

令和7年度の国語の問題冊子の表紙の注意事項には、第1問から第3問が「近代以降の文章」、第4問が古文、第5問が漢文だと書かれています。第3問は、第1問・第2問と同じ枠に入る大問です。同じ注意事項は、志望する大学が特定の分野だけを指定していても、試験時間は90分のままだとも書いています。

令和9年度の問題作成方針は、国語の題材として近代以降の文章(論理的な文章や実用的な文章、文学的な文章)と古典を挙げ、記録・要約・説明・論述・話合いといった言葉による活動を重く見るとしています。そのうえで、大問ごとに一つの題材だけで作るのではなく、種類や分野の違う文章などを組み合わせた「複数の題材による問題」も含めて検討するとあります。全教科に共通する部分には、教科書などで扱われていない資料も扱う場合があるという一文もあります。第3問の資料が見たことのないグラフや記事でも、それは方針に書かれたとおりの作りです。

試作問題「国語」は第A問と第B問の2問だけで、どちらも20点の第3問の位置に出すことを想定して作られました。第A問は気候変動と健康についてのレポートを作る場面で、図やグラフを文章と結び付けて読み、レポートの目次の組み立てを検討させます。第B問は日本語の言葉づかいについてのレポートを作る場面で、調査のグラフと説明の文章を引用しながら、レポートの中身と根拠の示し方を見直させます。

本試験の第3問も、試作問題と同じく、文章を書く生徒と資料の組み合わせでした。令和7年度(2025年1月)は、わかりやすい言葉づかいについて考える課題で、生徒が外来語の言い換えを例に4段落の文章をまとめている場面です。資料は、外来語についての意識調査の帯グラフ、ある外来語の言い換えの提案(用例や意味の説明が並ぶ項目)、そして問3で加わる、二つの年の調査を比べた折れ線グラフとその読み方のメモでした。令和8年度(2026年1月)は、好きな本の工夫を考える課題で、生徒が科学的な内容の絵本について4段落の下書きを書いている場面です。資料は、絵本の編集者へのインタビュー記事の抜粋と、その絵本の抜粋と絵で、問3では同じ生き物を扱った別の本の抜粋(地図の図つき)が加わりました。

2年の問いは、どれも、文章を書いている生徒が次に何をするのかを述べてから選択肢に入ります。空欄に文を書き加える、傍線部をもっと具体的な表現に直す、段落の趣旨に合わない箇所を削る、資料から読み取れる根拠を選ぶ、二つの資料の特徴を比べる、これからの方針を選ぶ。資料を読むこと自体がゴールなのではなく、資料は書きかけの文章を直すための材料として置かれています。

自分の過去問で、第3問のどこに点と時間が消えたかを見る

新しい形の第3問を練習できる本番の問題は、多くありません。センターの過去問の頁(過去3年分の試験問題)に並んでいるのは令和6年度から令和8年度の問題ですが、新課程の出題は令和7年度からなので、この形の第3問は令和7年度と令和8年度の本試験の2回分です。そこに試作問題の第A問・第B問を足して、4題がそろいます。追試験・再試験の問題も同じ頁にあり、その扱いは特集「共通テストの細かい疑問」に「共通テストの追試験の問題は過去問に使えるか」という題で載っています。

旧課程の令和6年度の国語を開くときは注意が要ります。令和6年度は80分で大問が4つあり、正解の表を見ると第3問は50点の古文の位置です。第3問の練習のつもりで令和6年度を解くと、古文が出てきます。

解き終えたら、答案を次の三つの見方で見直します。

一つ目は、解答番号18から22のどれを外したかを、問いの種類で書き分けることです。書き加える・直す・削る・根拠を選ぶ・比べる・方針を選ぶ、のどれに当たるかを見ます。文章を直す問いばかり外しているのか、資料を読み比べる問いで外しているのかで、次の練習の中身が変わります。

二つ目は、外した理由を問題冊子の印の跡から探すことです。理由はおおむね三つに分かれます。段落の趣旨を取り違えた。資料の範囲(誰を対象にした調査か、いつの数か、どの場面の話か)を読み違えた。問いの向きを逆に読んだ。最後の型は見落としやすく、令和7年度の問3の一つ目の設問は「適当でないもの」を一つ、令和8年度の問3の一つ目の設問は「誤りを含むもの」を二つ選ばせていました。

三つ目は、使った分数とめくり直した回数を数えることです。令和7年度の国語の問題冊子の表紙の注意事項は、余白を使うことは認め、ページを切り離すことは認めていません。解き終えたら第3問の最初のページの余白に、かかった分数と、ページを戻った回数を書いておきます。第3問に何分を当てるかは国語の90分全体の割り方の話なので、特集「入試直前と冬休み」の「共通テスト国語の時間配分—90分を5つの大問にどう割るか」に任せます。

志望校が国語をどう使うかも、自分の場合として確かめておきます。令和9年度の実施要項は、大学が特定の分野の利用を指定した場合には、センターが科目の得点に加えて分野別の得点を大学に出すとしています。もし志望校が近代以降の文章だけを使うと募集要項に書いていても、第3問の20点はその110点の中に入ります。どの分野を何点で使うかは、志望校の募集要項の配点の欄で読みます。

共通テスト国語の第3問の解き方—段落と資料を往復する5つの手順

図2の5つの手順は、第3問の最初のページを開いてから最後の問いを塗るまでの順番です。前の三つで問いの的を絞り、後の二つで段落と資料のあいだを往復します。

図2 第3問を解く5つの手順と、段落と資料の往復

手順1は、リード文で課題をつかむことです。第3問の最初の数行には、誰が、何の課題で、何を書いているのかが書かれています。たとえば、リード文が「地域の図書館の使われ方について考えを書く課題で、生徒が文章をまとめ、資料を集めた」という形なら、余白に「図書館の使われ方→文章を直す」と一行で書きます。この一行が、最後の方針の問いで選択肢を絞る物差しになります。

手順2は、資料は見出しだけ見ることです。資料の中身はまだ読みません。【資料Ⅰ】【資料Ⅱ】の見出しと、グラフなのか、記事の抜粋なのか、本の抜粋なのかという種類だけを拾い、問いが並ぶページの余白に「Ⅰ 年代別の利用の割合のグラフ/Ⅱ 館長の話の抜粋」のように書き写します。令和8年度の第3問は問題冊子の30ページから36ページまでの7ページにわたり、生徒の文章は30ページ、問1と問2は33ページにありました。問いのページに資料の一覧を書いておけば、資料の種類を確かめるためだけにページを戻ることがなくなります。

手順3は、問いの動詞と資料に印を付けることです。問いには、書き加える・修正する・削除する・比較するといった動詞があります。問いによっては、どの資料を見直すのかを問いの文が名指ししていて、名指しが無い問いでも、選択肢の中に資料の図の番号が出てくることがあります。動詞に丸、名指しされた資料に四角、「適当でないもの」「誤りを含むもの」のような問いの向きに波線、と印の形を決めておくと、選択肢を読んでいる途中で問いの向きを見失いません。

手順4は、段落の趣旨を一行にすることです。問いが指す段落(問題冊子では段落に番号が付いています)を読み、その段落が何を言うための段落なのかを、余白に10字から15字で書きます。先の図書館の例で、3段落が「若い世代ほど図書館に足を運ばない」と述べる段落なら、趣旨は「若い世代の利用が少ない」です。表現を直す問いでも、要らない箇所を削る問いでも、選択肢を比べる物差しはまずこの趣旨です。趣旨から外れた所を詳しくする選択肢は、資料の中身と合っていても、正解の候補から一歩下げて読みます。

手順5は、名指しの資料で照合することです。ここで初めて資料の中身を読みますが、読むのは問いが名指しした資料の、選択肢に関わる部分だけです。照らし合わせるのは、選択肢の中の範囲を決める言葉です。たとえば、資料Ⅰのグラフが平日の来館者だけを数えているのに、選択肢が「休日を含めて」と書いていれば、その選択肢は資料からは言えません。グラフや表に注やメモが付いていれば、数字より先にそれを読みます。令和7年度の問3の資料には、グラフの横軸の見方を説明したメモが付いていました。

最後の方針の問いは、ここまで直してきた文章の全体を思い出して選びます。手順1で書いた一行と見比べ、課題に対する結論に近づく方針かどうかで選択肢を絞ります。令和7年度の最後の問いは加筆の方針と修正の方針を一つずつ、令和8年度は二つの資料を比べた結果をふまえた今後の方針を選ばせていました。

練習は、4題を2回ずつ解く形で組めます。1回目は時間を計っていつもどおりに解き、めくり直した回数を記録する。2回目は手順1から5の印を付けながら解き直し、回数と正誤を1回目と比べる。新しい題を次々に解くのではなく、同じ題で手順だけを変えるほうが、めくり直しの原因が見つかります。いまの高2なら、学年末までに4題を1回ずつ解き、高3の春に2回目を回すと、資料の中身を覚えてしまう前に手順だけを試せます。いまの高3なら、1月16日(土)の本番までに2回目まで回せる量です。

「実用文の大問」「資料は全部読む」—第3問の思い込みを文書で確かめる

第3問については、文書を開かないまま広まっている言い方がいくつかあります。三つを、公式の文書と問題冊子に照らします。

一つ目は「第3問は実用文の大問と決まっている」という思い込みです。問題作成方針は、近代以降の文章の種類として論理的な文章・実用的な文章・文学的な文章を並べているだけで、どの種類をどの大問に置くかは、出題方法にも方針にも書かれていません。試作問題の概要の表も、第1問から第3問をまとめて「近代以降の文章」とし、第3問に別の名前を付けていませんでした。令和7・8年度の第3問の真ん中にあったのは、生徒が書いている途中の文章です。共通テストの国語の実用文対策として、契約書や取扱説明書のような文書の読み方だけを集めるよりも、書きかけの文章を資料で直す作業を4題で練習するほうが、2年分の実際の形に近い準備になります。

二つ目は「資料は全部読んでから問いに行くほうが丁寧だ」という思い込みです。令和7年度も令和8年度も、3つ目の資料は問3のページで初めて出てきました。問題冊子の並びそのものが、資料を全部読んでから問いに入る順番では作られていません。しかも問1や問2で使うのは一つか二つの資料の一部で、問いの文が資料を名指ししない問いや、段落を読み直して選ぶ問いもありました。先に全部読むと、使わない中身を抱えたまま問いに入ることになり、めくり直しが増えます。

三つ目は「20点しかないから、最後に回して捨ててもよい」という思い込みです。図3は、2年分の第3問の解答番号ごとの配点を、点数に比例させて並べたものです。文章を直す問いを紺、資料を読み比べる問いを緑、方針の問いをオレンジ色で塗りました。

図3 令和7・8年度の第3問の問いの種類と解答番号ごとの配点

令和7年度は4・5・5・3・3点、令和8年度は5・4・3・3・5点で、一つの解答番号が3点から5点あります。令和8年度の第1問の最初の設問(解答番号1から5)は一つ2点だったので、第3問の解答番号一つは、その1.5倍から2.5倍の重さです。どの大問を何番目に解くかは時間配分の問題ですが、捨てると決める前に、一つの問いの重さを正解の表で確かめておく価値はあります。

確かめる先と聞き方

第3問の配点と題材は、年度ごとの文書と問題冊子を自分で開けば確かめられます。開く先と、そこで見る項目です。

個別指導で確かめること

第3問の答案を、解答番号18から22ごとの正誤、問題冊子に残った丸・四角・波線の位置、余白に書いた分数とめくり直しの回数の三つで一緒に見ます。外した問いが段落の趣旨の取り違えなのか、資料の範囲の読み違えなのかを分けてから、次の1題で変える印の付け方を一つだけ決めます。高2なら、授業で書いたレポートや意見文の下書きを持ってきてもらい、資料を使って段落を直す練習にも使います。

まとめ

令和7・8年度の第3問は、どちらも20点で、生徒の書きかけの文章を三つの資料で直していく大問でした。問いの動詞と名指しの資料に印を付け、段落の趣旨を一行にしてから資料へ行けば、往復は短くなります。第3問で点が逃げた場所は、問題冊子の余白に残った印と、めくり直した回数が教えてくれます。

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