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共通テストに英作文やスピーキングはあるか—論理・表現Ⅰが範囲でも答えはマーク|武蔵野個別指導塾

共通テストの英語に英文を書く欄も話す時間もありません。それでも令和8年度の本試験には、下書きを直す場面や意見文の筋を組み立てる場面の大問が入っています。
共通テストの英語には、英文を書いて出す問題も、声に出して話す問題もありません。令和9年度の実施要項は、出題を主に多肢選択の客観式とし、答えはマーク方式と定めていて、英語の試験は「リーディング」と「リスニング」の二つの形式で行われます。出題範囲には「論理・表現Ⅰ」が入っていますが、書く・話すの中身は、意見を整理する、文章の筋を組み立てる、下書きの直しを選ぶといった、読む問いと聞く問いの場面として出てきます。
| 確かめる点 | 書かれていること | 文書(年度) |
|---|---|---|
| 答え方 | 主に多肢選択の客観式で、解答はマーク方式 | 令和9年度 共通テスト実施要項 3(3) |
| 英語の二つの形式 | リーディング 80分・100点、リスニング 60分(うち解答30分)・100点。原則として両方を受ける | 令和9年度 出題教科・科目の出題方法等 |
| 出題範囲 | 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱと論理・表現Ⅰ | 同上 |
| 書く・話すの扱い | 四つの技能を統合した授業を踏まえ、理解した情報や考えを整理し、何をどう取り上げるかを判断する力を重く見る | 令和9年度 問題作成方針 6 |
| いまの高2と高1 | 令和10年度の出題方法と問題作成方針は、年度の字のほかは令和9年度と同じ。令和11年度の文書はまだ出ていない | センターの試験情報の頁(2026年11月8日に読んだ) |
よくあるのは、高1の秋の放課後、英作文の練習帳を手にした生徒が「共通テストにも英作文があるのか」と聞きに来る場面です。論理・表現Ⅰの授業で毎週のように意見文を書き、赤ペンの直しがページを埋めている。先輩から「共通テストは全部マークだよ」と聞いたけれど、それならこの練習は何のためなのか、受験とは別の宿題なのかと、手が止まっています。答えを先に言えば、英文を書く欄は無いけれど、書く練習が点に変わる問いはある、です。
実施要項と問題作成方針が決めている、英語の答え方と問いの場面
令和9年度試験は、いまの高3と既卒生が2027年1月16日(土)・17日(日)に受ける試験です。その実施要項は、共通テスト全体について、出題を主に多肢選択による客観式とし、解答をマーク方式にすると定めています。英語の中身を決める「出題教科・科目の出題方法等」では、『英語』の出題範囲は英語コミュニケーションⅠ・Ⅱと論理・表現Ⅰです。そこからリーディングとリスニングを出題し、受験者は原則としてその両方を受けると書かれています。英語に割り当てられた時間はリーディングの80分とリスニングの60分だけで、ライティングの答案を書く時間も、面接官の前でスピーキングをする時間も組まれていません。
では、書く力と話す力は共通テストと無関係なのか。問題作成方針の英語の節は前置きで、聞く・読む・話す・書くの総合的な英語力の評価は、各大学の個別選抜や総合型選抜などを含む大学入学者選抜の全体に求められていると書きます。そのうえで共通テストは、二つの形式を通して文字と音声の試験の特徴を生かし、「可能な限り総合的な英語力を評価する」としています。書く・話すを答案で直接見るのは選抜全体の役目で、共通テストはその一部を、読む問いと聞く問いの中で受け持つという分け方です。
方針が重く見る力は三つに並んでいます。一つ目は、目的や場面に応じて、概要や要点、詳細、話し手や書き手の意図を的確に理解する力。二つ目は、高校で四つの技能を統合した言語活動が進むことを踏まえ、自分の考えを表現したり伝え合ったりするために、理解した情報や考えを整理し、何をどう取り上げるかを判断する力。三つ目は、音声・語彙・表現・文法の知識を、上の力を問うことを通して評価することです。論理・表現Ⅰで練習する「意見と理由を並べる」「読み手に合わせて直す」は、二つ目の力にそのまま重なります。
二つ目の力をどう問うかは、センターが令和4年11月9日に公表した試作問題で形になりました。英語の概要は、意見や主張を話したり書いたりする言語活動を場面に設けた問題が考えられるとして、3問を作っています。第A問(リーディング)は、ある題について意見文を書く場面で、立場の違う5人の意見と根拠を読み分け、資料を使って理由を示し、文章のアウトラインを組み立てられるかを問います。第B問(リーディング)は、自分の原稿に先生が付けたコメントを踏まえて推敲する場面です。第C問(リスニング)は、大学の講義を聞いたあと、学生同士で内容を伝え合い話し合う場面で、令和3年度の本試験のリスニングの問題を基に組み直したと概要に書かれています。
本試験にも同じ型の場面が入っています。令和8年度の本試験の問題冊子を開くと、リーディングの第4問は、指導役のコメントが付いた下書きを見て、文を足す位置や言い換えの文を選ぶ大問です。第6問は授業の発表に向けて物語の筋をまとめる場面、第7問は読んだ文章から発表のスライドと話し合いの問いを用意する場面です。第8問は意見文を書く手順に沿って複数の意見を読み、立場を決め、追加の資料で文章の筋を組み立てます。リスニングの第5問は、講義を聞いてワークシートを埋めたあと、要約を書く準備や話し合いの準備をする場面へ進みます。どれも答えは選択肢のマークです。図1のように、書く・話すは「答える方法」としてではなく「問いの場面」として共通テストに入っています。

自分の学年と志望校で、書く・話すが試される場所を探す
最初に、自分が何年度の試験を受けるかで、読む文書を決めます。いまの高3と既卒生は令和9年度試験で、マーク方式の決まりは令和9年度の実施要項にあります。高2の人が受ける令和10年度の試験は2028年1月15日(土)・16日(日)の2日間で、公表されているのは日付と出題方法・問題作成方針だけです。その二つは年度の字のほかは令和9年度と同じなので、英語がリーディングとリスニングの二つの形式で、範囲に論理・表現Ⅰが入る点は変わりません。答え方を定める令和10年度の実施要項は、まだ出ていません。
場面の高1が受ける令和11年度試験は、2026年11月8日の時点で、センターの試験情報に頁がありません。高1のうちは、令和10年度の方針をいちばん近い手がかりとして読み、令和11年度の出題方法と問題作成方針が出たら、英語の節を令和10年度の版と並べて読み直すのが確かです。英作文の練習をやめるか続けるかを、先輩の「全部マーク」の一言で決めないことです。
次に、共通テストの外で書く・話すが求められる所を探します。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項は、大学が行う教科の個別テストについて、客観式と記述式を組み合わせ、可能な範囲で記述式を取り入れることが望ましいとしています。小論文・面接・口頭試問・プレゼンテーションなどを使うこと、英語では聞く・読む・話す・書くの4技能を測る資格・検定試験の結果を使うことも、望ましい例として挙げています。どれを使うかは大学と選抜区分で違います。二次試験で英作文が出るか、面接で英語を話すか、英検などの結果を出願に使うかは、志望校の募集要項の個別学力検査の欄、資格・検定試験の活用の欄、面接や口頭試問の欄で読みます。
いつ決まるかも知っておくと探しやすくなります。令和9年度の文部科学省の実施要項は、大学が個別テストの教科・科目や評価方法を令和8年5月27日から7月31日までに発表するとしています。学力検査で課す教科・科目の変更が受験生の準備に大きく響く場合は、2年程度前には予告するとも書いています。高1が二次の英作文の有無を知りたいなら、志望校の入試の頁で、いまの年度の選抜の概要と、変更の予告が出ていないかを見るところから始まります。
共通テストの英語の点を大学がどう数えるかも、別の欄で決まります。センターはリーディングとリスニングの得点を分けて大学に渡し、二つの比率は大学が決めます。リスニングを重く数える大学なら、講義を聞いて話し合いの準備をする場面の問いも、それだけ重くなるという読み方です。
最後に、自分の答案で書く力が点に出ている所を見ます。過去の本試験の問題冊子を解いたら、下書きの直しを選ぶ問い、筋を組み立てる問い、講義の要約や話し合いの準備の問いだけに印を付け、そこで外した設問を数えます。たとえば場面の問いが10問あって4問外していたら、外した4問の選択肢を「理由と根拠の取り違え」「段落の順の取り違え」「つなぎの語の取り違え」に分けてみます。練習帳の赤ペンと同じ所で迷っているかどうかが、そこで見えます。
論理・表現Ⅰの英作文を、マークの点に変える五つの手順
英作文の練習帳は、共通テストの対策として脇に置く物ではありません。書いた1本を、共通テストの問いの形に分け直すと、そのまま場面の問いの練習になります。図2の順で進めます。
手順1は、いつもどおり意見文を書くことです。題は授業の物でも、自分で決めた物でもかまいません。たとえば「学校の昼休みを長くするべきか」に賛成の立場で、次の下書きを書いたとします。
Our school should make the lunch break longer. Students are tired. Also, we can talk with friends more. So a longer break is good.
手順2は、書いた文を筋だけに戻すことです。主張、理由1とその根拠、理由2とその根拠、結論の六つの行に分け、空いている行を探します。上の下書きは、主張と結論はあるのに、長い休みでなぜ疲れが取れるのか、友達と話すことが学校生活の何に役立つのかという根拠の行が空いています。意見文の筋の空欄に入る物を選ぶ問いは、この空いた行を見つける作業と同じ向きの力を使います。
手順3は、根拠の候補を自分で二つ用意し、どちらが理由を支えるかを比べることです。たとえば「午後の授業で眠そうな人が多いと担任が話していた」と「昼休みの購買はいつも混んでいる」を並べると、疲れの理由を支えるのは前者で、後者は昼休みに関係はあっても理由を支えません。資料を選ぶ問いで迷う人は、ここで「関係はあるが理由を支えない」物を切る練習をします。
手順4は、先生のコメントで直したら、直す前と後を並べ、直した理由を日本語で1行ずつ書くことです。たとえば次のように直したとします。
Our school should make the lunch break longer. First, a longer break gives students time to rest, so they can focus better in afternoon classes. Second, students can share ideas with friends, which helps them work together in group projects. For these reasons, a longer lunch break would make school life better.
直した理由は「First と Second で理由を二つに数えた」「理由のあとに、その結果どうなるかを so と which でつないだ」「結論で主張の言葉を言い換えた」の3行です。下書きの直しを選ぶ問いは、コメントに合う言い換えや足す文を選ばせます。直した理由を自分の言葉で書いておくと、選択肢の違いを、コメントのどの語に合うかで見分ける練習になります。
手順5は、直した意見文を見ないで、1分で人に説明することです。話す試験は無くても、講義を聞いたあとで要点をまとめ、話し合いの準備をする場面は問いに出ます。自分の筋を声で言い直す練習は、人の講義を主張と理由と例に分けて聞く練習と同じ向きを向いています。家ならお子さまの1分の説明を保護者が聞き、「理由は何だった」と一つだけ聞き返すと、筋の抜けた所がすぐ出ます。

量の目安は自分で決めます。たとえば週に1本書き、手順2から手順5に毎回20分かけるなら、4週で4本、手順にかけた時間は合わせて80分です。月に1回は、過去の本試験から場面の大問だけを抜き出して解き、手順で身に付けた見分け方が使えたかを確かめます。令和8年度の本試験なら、リーディングの第4問・第6問・第7問・第8問と、リスニングの第5問が、書く・話すの準備を場面にした大問です。リスニングの音声は、センターの英語リスニングの頁に令和8年度の本試験の問題音声があります。試作問題の第C問は、センターの頁に音声のファイルが無く、問題とスクリプトと正解表だけが載っているので、スクリプトを家の人に読んでもらってから解くと、聞く問いとして使えます。
「英作文が無いなら書く練習は後回し」は本当か
一つ目の思い込みは「共通テストに英作文が無いのだから、論理・表現Ⅰは捨ててよい」です。論理・表現Ⅰは出題範囲に名前が入っている科目で、意見文の筋や推敲の場面は、リーディングの大問の題材になっています。加えて、二次試験や総合型選抜で英文を書かせるかどうかは大学が決めるので、志望校の決まっていない高1の時点で捨てる理由はありません。
二つ目は「スピーキングが無いのだから、リスニングは聞き取れれば十分」です。試作問題の第C問や令和8年度の第5問の後半は、聞いた内容を人に伝える準備や、話し合う準備の場面です。単語が聞き取れても、誰が何を主張し、どの図表がそれを支えるかを整理できなければ、選択肢を一つに絞れません。聞きながら筋を組み立てる力は、自分の考えを声で並べる練習と同じ所を使います。
三つ目は「答えはマークなので、英文法の正確さは問われない」です。問題作成方針の三つ目の柱は、音声・語彙・表現・文法の知識を、読む力や聞く力を問うことを通して評価するとしています。文法だけを問う単独の設問が無くても、下書きの直しの選択肢の分かれ目が、つなぎの語や時制にあることは起こりえます。発音やアクセント、文法の単独の設問の有無は、特集「共通テストの細かい疑問」の「共通テスト英語に発音問題は出るか」が扱っています。
もう一つ、障害などで受験上の配慮が認められた人には、マーク方式によらない文字やチェックで答える方法が、実施要項に配慮の一つとして並んでいます。これは答え方についての配慮で、英作文の問題が加わるという決まりではありません。図3は、共通テストと志望校の個別の試験で、書く・話すがどう問われるかを並べた物です。共通テストの列は決まっていて、個別の試験の列は大学ごとに埋めます。

確かめる先と聞き方
英作文と英語の面接があるかどうかは、共通テストの書類ではなく、志望校の側の書類に出ます。共通テストの側で確かめるのは範囲と形式だけです。読む順に並べます。
- 自分の年度の「出題教科・科目の出題方法等」の外国語の欄(高3と既卒生は令和9年度、高2は令和10年度)。英語の出題範囲に論理・表現Ⅰが入っていること、リーディングとリスニングを原則として両方受けることを読みます。
- 同じ年度の「問題作成方針」の英語の節。理解した情報や考えを整理し、何をどう取り上げるかを判断する力を重く見るという段落に印を付けます。
- センターの試作問題の頁の英語。概要と第A問・第B問・第C問を見ます。第C問は音声が無く、スクリプトで解きます。
- 志望校の募集要項の個別学力検査の欄。英語を課すか、記述や英作文の形で出すかを読みます。形式の細部は、大学が公開している過去の問題があればそこで見ます。
- 志望校の募集要項の資格・検定試験と面接の欄。英語の検定の結果を使うか、面接や口頭試問で英語を話す場面があるかを読みます。
- 高校の英語の先生に聞くこと。「論理・表現Ⅰで書いた意見文のうち、意見文の筋を選ぶ問いの練習に使えるのはどれですか」「二次で英作文がある大学を考えるなら、添削はいつから受けるとよいですか」。
- 高1のうちは、志望校の入試の頁に、選抜の変更の予告が出ていないかを年に一度見ます。
個別指導で確かめること
塾では、お子さまが論理・表現Ⅰで書いた意見文と、過去の本試験の場面の大問で外したマークを机に並べます。下書きで根拠の行が空く人が、筋を選ぶ問いでも同じ所で迷っていないかを見たうえで、志望校の募集要項の個別学力検査の英語の欄と照らし、英作文の添削を共通テストの練習とどう並べて進めるかを決めます。
まとめ
共通テストの英語に、英文を書く欄はなく、話す時間もありません。それでも論理・表現Ⅰは範囲に入り、意見文の筋、下書きの直し、講義のあとの話し合いの準備は、問いの場面として出てきます。英作文の練習帳は試験室の机には出せなくても、マークの選択肢から一つを残す理由を、書いた1本ごとに増やしています。
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