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【中学地理】南アメリカ州を図解で総まとめ—アマゾンの開発と環境・資源と農業|武蔵野個別指導塾

アンデス山脈とアマゾン川の位置、開発による土地利用の変化、焼畑の仕組みを3枚の図で整理します。面積の割合を求める例題やバイオ燃料の説明問題を通して、資源の利用と環境保全を結びつけて考えると、開発の賛否を両面から書けます。
よくあるのは、部活帰りの自転車置き場で友達と社会の小テストを振り返り、「ブラジルはアマゾンの国なのに、なぜ農業や工業も盛んなのだろう」と立ち止まる場面です。熱帯林、コーヒー、鉄鉱石という言葉を別々に覚えると、同じ国の特色として結びつきにくくなります。
南アメリカ州を理解する手がかりは、広い地域のどこに何があり、土地の使い方がどう変わったかを追うことです。森林の多い地域と都市や農地の広がる地域は同じではありません。また、資源の利用は人々の収入を支える一方で、自然や暮らしへの影響も生みます。
自然の位置関係から始め、言語と歴史、農業と資源、開発の課題へ進みましょう。用語を覚えたあとに「なぜそこに」「何が変わる」と問い直せると、理由を説明する問題にも道筋が見えてきます。
この単元で身につけること
- アンデス山脈とアマゾン川の位置をつかみます。西側の山地と赤道付近の低地を分けると、気候や暮らしの違いを整理しやすくなります。
- 先住民と移民の歴史を言語につなげます。ブラジルと周辺の多くの国との違いを、植民地支配の歴史から説明します。
- 農業と鉱産資源を地域と組み合わせます。コーヒーや大豆だけでなく、牧畜や鉄鉱石、銅にも目を向けます。
- 森林の開発を土地利用の変化として読み取ります。面積の割合と、その資料だけでは判断できないことを区別します。
- バイオ燃料の利点と課題を両方考えます。原料の栽培から燃料の利用までを追い、環境への影響を説明します。
前の北アメリカ州で学ぶ、自然条件と大規模な農業とのつながりは、南アメリカ州の農牧業を考える際にも使えます。ただし、歴史や土地の利用のされ方まで同じだと考えず、共通点と違いを確かめましょう。
基本の考え方
西の山脈と赤道付近の森林を分ける
南アメリカ大陸の西側には、アンデス山脈が南北に連なっています。太平洋に沿った高い山地で、赤道に近い場所でも標高が高いと気温が低くなります。緯度だけを見て「暑いはず」と決めず、高さも確かめることが必要です。高地では、じゃがいもなどの栽培や、リャマ、アルパカの飼育が行われてきました。
アマゾン川はアンデス山脈側から大西洋へ流れ、流域には広い熱帯林が分布します。流域とは、雨水などがある川とその支流に集まる範囲です。川の線だけでなく、その周囲に広がる地域を指す言葉だと押さえましょう。赤道付近の高温で雨の多い環境が、豊かな森林を育んでいます。

図1のように、西から「太平洋、アンデス山脈、アマゾン川の流域、大西洋」という位置関係をつかみます。これは位置を整理した模式図で、大陸の形や距離、川の細かな曲がり方は表していません。アマゾン川の流域はブラジルだけでなく、ペルーなどの国にもまたがっています。
州全体が熱帯林というわけではありません。ブラジル高原にはサバナが広がる地域があり、アルゼンチンなどのラプラタ川流域にはパンパと呼ばれる草原があります。パンパでは小麦の栽培や牛の飼育が盛んです。また、太平洋沿岸には乾燥した地域もあり、南へ進むと気候も変わります。
人々と言語には歴史がある
ヨーロッパの人々が進出する以前から、南アメリカには多様な先住民が暮らしていました。アンデス地域ではインカ帝国が栄えましたが、16世紀にスペインによる征服が進みました。その後の植民地支配を通して、各地にヨーロッパの言語やキリスト教が広がりました。
ブラジルではポルトガルの支配を受けた歴史から、ポルトガル語が使われます。周辺の多くの国ではスペイン語が使われますが、南アメリカの言語がこの2つだけという意味ではありません。先住民の言語が受け継がれる地域もあります。国の主要な言語と、暮らしている人々の文化の多様さを分けて考えましょう。
アフリカから奴隷として強制的に連れてこられた人々や、その子孫も社会を形づくってきました。近代以降には日本を含む各地から移民が渡りました。人の移動をすべて自分の意思による移住として扱わず、その背景の違いを押さえることが、歴史の理解につながります。
農産物と資源を産業につなぐ
ブラジルではコーヒー、さとうきび、大豆などが栽培され、牛の飼育も盛んです。さとうきびは砂糖だけでなく、バイオエタノールという燃料の原料になります。生物に由来する原料から作る燃料をバイオ燃料といい、バイオエタノールはその一種です。
鉱産資源では、ブラジルの鉄鉱石、チリの銅が代表例です。鉄鉱石は鉄鋼業へ、銅は電線などの製造へとつながります。ブラジルでは鉄鋼や自動車などの工業も発達してきました。農産物や鉱産資源を輸出する面と、工業製品を生産する面を併せて捉えます。
道路や港の整備は、生産地と消費地を結んで経済活動を支えます。一方、特定の産品への依存が大きければ、国際価格の変化が収入に響きます。都市への人口集中に住宅や上下水道の整備が追いつかない問題や、所得の格差もあります。資源が豊富であることと、すべての人の暮らしが安定していることは同じではありません。
例題で解き方を確かめる
例題1 国と言語の組み合わせを説明する
問題です。ブラジルで広く使われる言語を答え、その言語が広がった歴史的な理由を説明しましょう。「南アメリカだから」という説明にせず、支配した国との関係を示します。
- 問われている国がブラジルであることを確かめます。大陸全体の傾向を、個々の国へそのまま当てはめないためです。
- ブラジルを植民地として支配した国を思い出します。言語の分布には、過去の支配や人々の移動が関わるからです。
- 国と言語を一文でつなぎます。用語だけでなく、理由を説明する問題だからです。
答えは「ポルトガル語です。ブラジルはポルトガルによる植民地支配を受けたためです」となります。スペイン語と書いた場合は、言語だけを直すのではなく、「ブラジル―ポルトガル―ポルトガル語」の組を作り直しましょう。この答えは主要な言語についての説明であり、国内のすべての人が同じ言語だけを使うという主張ではありません。
例題2 森林の減少を面積から読む
問題です。ある土地100平方キロメートルを考えます。初めはすべて森林でしたが、開発後は森林70平方キロメートル、牧場20平方キロメートル、農地10平方キロメートルになりました。森林は初めの何%減り、牧場と農地ではどちらへの転換が多かったでしょうか。実際の地域の統計ではなく、土地利用を読むための例です。

図2のように、同じ面積を同じ長さで表した帯を比べます。上が開発前、下が開発後です。下の帯では森林、牧場、農地の合計が上の帯と一致し、全体に占める割合も比較できます。
- 比較する土地全体が同じかを確かめます。違う広さの土地を比べると、森林の増減を正しく読めないためです。
- 森林の減少面積を100-70=30平方キロメートルと求めます。残った面積と減った面積を取り違えないためです。
- 初めの森林をもとに、30÷100×100=30%と求めます。「何%減ったか」では、変化前の面積が基準になるからです。
- 牧場20と農地10を比べます。森林以外の土地をひとまとめにすると、転換先の違いが見えなくなるためです。
答えは「森林は30%減り、牧場への転換のほうが多い」です。森林が70%残ることと、森林が70%減ることは違います。また、森林から変わった30平方キロメートルのうち牧場は20平方キロメートルなので、転換した部分の3分の2が牧場です。基準が全体なのか、変化した部分だけなのかで割合が変わります。
この図からは土地利用の変化を読めますが、開発した人、得られた収入、失われた生物の種類まではわかりません。アマゾンでは牧場や農地の拡大、道路建設、鉱山開発などが森林の減少に関わりますが、図の割合をそのまま実際のアマゾン全体の割合として使うことはできません。
例題3 バイオ燃料の利点と課題を述べる
問題です。さとうきびから作るバイオエタノールについて、石油に代わる燃料として注目される理由と、利用を広げるときの課題を、それぞれ説明しましょう。「植物だから環境への影響はない」と結論づけず、原料を育てる段階まで考えます。
- 原料を確かめます。さとうきびは再び栽培できるため、地下から取り出す石油とは資源としての性質が違います。
- 燃料の利用までを追います。植物は成長時に二酸化炭素を吸収しますが、燃料の燃焼では二酸化炭素が出るからです。
- 栽培と製造の影響も考えます。農地の拡大、肥料や機械の利用、輸送にも環境への影響があるためです。
答えの例は「再び栽培できる植物を原料にして、石油への依存を減らせる点が利点です。一方、原料の農地を広げるために森林を伐採したり、食料生産と土地を取り合ったりするおそれがあります」です。温室効果ガスをどれだけ減らせるかは、土地の変化や製造方法も含めて判断します。バイオ燃料の使用量だけで環境保全の成果を決めることはできません。
つまずきやすいところと直し方
「ブラジルの農業はすべてアマゾンの中」
誤った覚え方は、ブラジルの代表的な産物を、全部アマゾンの熱帯林の中で作っていると考えることです。ブラジルは広く、地域によって気候も土地利用も異なります。コーヒーやさとうきびの栽培が盛んな地域、サバナを開発した大豆の生産地域、森林の多い地域は重なり方が違います。
正しくは、国の産物を覚えたあとで、その国のどの地域に分布するかを地図帳で確かめます。「ブラジルで盛ん」と「ブラジルのどこでも盛ん」は別の意味です。産物の記号を見たら、海岸側か内陸側か、赤道に近いか遠いかも読み取りましょう。
「焼畑をすると、必ず森林がなくなる」
誤った覚え方は、焼畑と、森林を牧場や農地に変えて使い続ける開発とを同じにすることです。焼畑は草木を焼き、その灰を肥料として作物を育てる農法です。伝統的な焼畑では、耕作後に土地を休ませ、森林の回復を待つ仕組みがあります。

図3のように、土地を十分に休ませる休閑をはさむか、別の用途で使い続けるかを分けます。休閑が短くなったり、利用する範囲が広がりすぎたりすれば、回復が追いつかなくなります。焼く行為だけを見るのではなく、その後の土地利用と回復に必要な時間を見るのが正しい理解です。
「開発を止めれば、課題はすべて解決する」
誤った覚え方は、森林だけに注目して、そこで生活する人々の収入や交通を考えないことです。森林は生物のすみかであり、炭素を蓄え、水の循環にも関わります。同時に、地域の人々には仕事や食料、医療や教育へ通うための道路も必要です。
正しくは、開発の利益と失われるものの両方を見ます。保護区の整備や、すでに開いた土地の活用、森林を維持しながら産物を利用する取り組みなどが考えられます。先住民を含む住民の暮らしや土地に関する権利を尊重し、利益や負担が誰に及ぶかを確かめる視点が必要です。
練習問題
練習1
南アメリカ大陸の西側を南北に連なる山脈と、赤道付近を流れて大西洋に注ぐ大河の名前を答えましょう。
練習2
図2で、牧場の面積は土地全体の何%ですか。また、森林から転換した部分だけを比べると、牧場は農地の何倍ですか。計算式も書きましょう。
練習3
ブラジルの代表的な鉱産資源を鉄鉱石、チリの代表的な鉱産資源を銅としたとき、鉄鋼業と結びつくのはどちらですか。資源名と国名を答えましょう。
練習4
「植物が原料なら、バイオ燃料をいくら増やしても環境への負担はない」という説明を、土地利用に触れて直しましょう。
答えと解説
練習1の答えはアンデス山脈とアマゾン川です。山脈を西側、河口を大西洋側に置き、川の流れを指でたどって確かめます。
練習2の答えは20%、2倍です。20÷100×100=20%、20÷10=2となります。割合は全体100、倍数は農地10が比べる基準です。
練習3の答えはブラジルの鉄鉱石です。鉄鉱石から鉄を取り出し、鉄鋼の生産につなげます。国名と資源名だけでなく、用途も組にして覚えます。
練習4の解答例は「原料の栽培地を広げるために森林を伐採すると、環境への負担が生じる」です。植物を育て直せることと、土地利用の影響がないことは別です。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
次にオセアニア州を学ぶときは、農産物や鉱産資源の輸出と、貿易相手との関係を比べられます。また、開発の利益と環境への負担を考える視点は、公民で学ぶ持続可能な社会にもつながります。
家庭では、まず5分で白い紙に太平洋、アンデス山脈、アマゾン川、大西洋を書き、位置と流れを説明してみましょう。別の5分では、さとうきびから燃料までを矢印で結び、利点と課題を1つずつ添えます。言葉が止まった箇所が、見直す場所です。
個別指導では、説明が止まったときに、用語の意味まで戻る必要があるのか、資料の基準を読み違えたのかを分けて確かめます。面積の問題なら、計算を繰り返す前に「何を全体としたか」を言葉で確認します。
まとめ
南アメリカの資料を前にしたら、目立つ産物の名前だけで答えを急がず、場所、土地の変化、人々の暮らしへと視線を動かしてみましょう。同じ開発でも、収入が増える人と生活の場を失う人がいるかもしれません。図から読める事実と、さらに調べる必要のあることを分ければ、理由のある説明が作れます。
地図の上で森林が農地に変わるとき、問われるのは色の変化だけでなく、その土地で続く暮らしです。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。



