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証明が書けない—「考える過程」つきの解答例から入る|武蔵野個別指導塾

証明の最初の一行で止まるときは、解答例の読み方を変えてみましょう。三角形の合同を題材に、結論から必要な条件を探し、仮定から答案を組み立てる順序をたどれます。

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証明が書けない—「考える過程」つきの解答例から入る

解答を読むとうなずけるのに、鉛筆が動かない

よくあるのは、公民館の学習スペースで帰り支度の手を止め、証明の空欄を見つめるという場面です。図には等しい辺の印を付けました。合同条件も覚えています。それでも「何から書けばよいのか」と聞かれると、最初の一行が出てきません。解答を見れば読めるので、お子さま自身も、どこがわからないのかを説明しにくくなります。

このとき、完成した証明を何度も写すだけでは、困っている箇所を通り過ぎてしまうことがあります。完成文に並んでいるのは、解く人が条件を選び終えたあとの道筋です。どうしてその三角形に注目したのか、なぜその角を使うのかという、書き始める前の判断は省かれがちです。

そこで、解答例に「考える途中の言葉」を足して読みます。結論を確かめ、使えそうな条件を集め、足りない条件を探す。その過程を見える形にすると、読む練習から、自分で方針を立てる練習へ進めます。まずは、見慣れた図の証明を一題、理由までたどってみましょう。

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証明の難しさは、条件を知ることと選ぶことの間にある

計算問題では、式が与えられると次の操作を決めやすい場面があります。一方、図形の証明では、問題文、図、これまで学んだ性質を行き来しながら、結論につながる材料を選びます。「対頂角は等しい」と言えることと、この図で対頂角を使うと決められることは、別の確認が必要です。性質の暗記だけを追加しても、選ぶ場面の迷いが残る場合があります。

たとえば、ある線分の両側に三角形がある図を見て、すぐに合同だと思ったとします。しかし、証明には「そう見える」以外の根拠が要ります。等しい辺を拾うだけでなく、それがどの頂点とどの頂点を対応させるのか、合同条件を満たす組み合わせなのかも確かめます。頭の中で一度に済ませようとすると、わかっていた条件まで抜け落ちることがあります。紙に役割を分けて書くのは、この選択を見失わないためです。

証明の学習を扱った研究では、考える過程を示した解答例を用いる指導が、通常の指導より有効で、証明の理解が弱い生徒ほど伸びたと報告されています(Reissら・2008)。対象はドイツの8年生243名で、今回参照する研究を含め、この分野には海外の小中学生を対象にした研究が多いため、日本のお子さまにも同じ伸び方が生じるとまでは言えません。この知見から授業に取り入れたいのは、証明の文章だけを見せず、解き方を選ぶ途中を教材に含めることです。

ここでいう「考える過程」は、解答を長く言い換えることではありません。「この辺が等しいと示したい」「その辺を含む三角形を比べよう」「等しいとわかる辺はそろっているか」という、判断と目的のつながりです。行き止まりも扱えます。「角を使いたかったが、等しい角の根拠がまだない。それなら辺を調べよう」と説明すれば、方針を変える理由まで見えます。

ただし、考えた順番を、そのまま答案にする必要はありません。考えるときは結論からさかのぼっても、答案では根拠から結論へ順に述べます。料理を作る前に出来上がりを思い描くことと、手順を順番に説明することが違うように、見通しを作るメモと、相手に示す証明には役割の違いがあります。ノートでも、この二つを分けると整理しやすくなります。

特に注意したいのは、証明する結論を、途中の理由に混ぜてしまうことです。「この二つの角が等しいから合同」と書いても、その角が等しいこと自体をこれから示すなら、証明はつながりません。解答例を読む際にも、各行について「これは問題で与えられたことか、前の行までで示したことか」と確かめます。結論を出発点として眺めることと、結論を事実として使うことは区別します。

読めるのに書けない状態は、すべてがわかっていない状態とは限りません。図から条件を拾うところ、合同条件を選ぶところ、対応する順に記号を書くところなど、止まる場所は違います。解答を閉じたあとにどの判断で止まるかを見ると、次の練習を小さく決められます。

一題を「見通し・根拠・答案」に分けて練習する

用意するのは、教科書や手元の問題集の基本的な証明一題、その解答、ノートです。解答のある問題を選び、最初は補助線の工夫が多い問題を避けます。ノートは左に見通し、中央に根拠、右に答案を書く場所を作ります。色分けが負担なら、区切り線だけで十分です。練習は、条件の整理に3分、解答例を読む時間に5分、一部を隠して説明する時間に4分、確認に3分と区切って始められます。終わらなければ、止まった場所を残して区切ります。

最初の3分は、仮定と結論を分けます。 例として、AB = ACである三角形ABCを考えます。点Dは辺BCの中点です。このとき、線分ADが角BACを二等分することを証明します。図を言葉で描くなら、頂点Aから、向かい側の辺BCの中点Dへ線を引いた形です。示したいことは、角BADと角CADが等しいことです。

中央の欄に、与えられたこととして「AB = AC」「DはBCの中点」と書きます。中点という言葉を、使える形の「BD = CD」に直します。左の欄には「角BAD = 角CADを示したい」と書きます。角の記号の真ん中は頂点なので、どちらの角もAが真ん中です。ここで角を指でたどり、BAからDAまで、CAからDAまでの開きを比べていると確かめます。

次の5分は、解答と一緒に判断を読みます。 完成した証明を見る前に、「二つの角は、それぞれ三角形ABDと三角形ACDに入っている。この三角形が合同なら、対応する角として等しいと言えそうだ」と、見通しの欄に短く書きます。これは合同を証明したことにはなりません。これから調べる方針です。「合同なら言える」と「合同である」を、書く場所でも分けておきます。

続いて、二つの三角形の辺を調べます。AB = ACは問題文にあります。BD = CDは中点の意味から言えます。残るADは両方の三角形で共有しているので、AD = ADです。ここで「角を探さなくても、3組の辺がそれぞれ等しいと示せる」と判断します。左の欄には「3組の辺で合同」、中央には三つの等式とその理由を並べます。辺が三つ集まっただけでなく、対応する組がそろったことを確認します。

答案は次のようにつながります。「三角形ABDと三角形ACDにおいて、仮定よりAB = AC。DはBCの中点なのでBD = CD。ADは共通である。よって、3組の辺がそれぞれ等しいので、三角形ABDと三角形ACDは合同である。合同な図形の対応する角は等しいので、角BAD = 角CAD。したがって、ADは角BACを二等分する。」手元の解答と表現が違っても、根拠と結論が同じようにつながるかを見ます。

この例で読むべき中心は、文章の語尾ではありません。「角の等しさを示すために三角形に注目した」「中点を辺の等しさに直した」「共通な辺を加えたら合同条件がそろった」という三つの判断です。解答にこの説明がなければ、余白に自分の言葉で書き足します。本文を写す代わりに、判断の言葉を添えるのです。

次の4分は、一度に全部を隠さず、説明する部分を決めます。 まず理由だけを紙で隠し、BD = CDの横に「中点だから」と言えるか試します。次は合同条件を隠して、そろえた三つの等式から条件を選びます。最後は見通しの欄を隠し、「何を示すために、どの三角形を比べたか」を話します。言葉が出なければ、その部分だけ見直してからもう一度説明します。

最後の3分は、自分で三つの点を点検します。 一つ目は、各等式の理由を問題文か既知の性質に戻して言えるかです。二つ目は、対応がAとA、BとC、DとDになっているかです。三つ目は、合同を示したところで終わらず、角の等しさという結論まで戻っているかです。問題文の「証明しなさい」に下線を引いておくと、終点の見落としを確かめやすくなります。

翌日は、同じ問題の図と問題文だけを見て、最初の方針を説明します。答案がすぐ書けなくても、「角の等しさのために、この二つの三角形の合同を示す」と言えれば、その判断は自分で取り出せています。次に、頂点の文字や図の向きを変えた同じ関係の問題を使います。三角形PQRでPQ = PR、SがQRの中点なら、比べるのは三角形PQSと三角形PRSです。文字の並びを記憶しただけかを確かめられます。

さらに進むときは、似ていても条件が足りない図を比べます。AB = ACだけが与えられ、DはBC上の点としか書かれていなければ、BD = CDは使えません。図で真ん中に見えても同じです。「中点という条件が必要だった」と説明できるか試してください。条件を一つ外したときに証明がどこで止まるかを見ると、各行の役割がはっきりします。

解答の使い方は、詰まった場所に合わせて変えられます。条件の読み落としがある日は、問題文と解答の等式を線で結びます。方針が浮かばない日は、解答の末尾から読み、「この結論を言う直前に何を示しているか」を探します。記述の順序で迷う日は、根拠を書いたメモを机に並べ、合同を示す前と後に分けます。同じ一題でも、読む目的を変えることで、苦手な判断を取り出して練習できます。

自分で点検するときは、図を正確に描き直すことだけに時間を使いすぎないようにします。図の線分の長さを測って同じだったとしても、それは証明の根拠にはできません。問題文の条件と、そこから導ける性質だけで説明できるかを確かめます。共通な辺は、図の左側の三角形と右側の三角形を順に指でなぞると見つけやすくなります。見つけたあとは、どの図でも使えるように「同じ線分を共有しているから」と理由を言葉に戻してください。

全部を隠すと止まるなら、根拠の欄だけを見て答案を書きます。それでも止まるなら、合同を示すところまでに区切ります。できたところまで残し、次の回にはその続きから結論へ進むと、一題の中で支えを減らす練習ができます。

練習の最後には、正解か不正解かだけでなく、「中点は等式に直せた」「共通な辺は解答を見た」「対応順は自分で直せた」のように記録します。翌回は、見たところだけをもう一度確かめます。全部を白紙からやり直す日と、理由を一つ補う日を分けると、何を練習しているのかを自分でも追えます。

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個別指導では、止まった判断に合わせて支えを変える

個別指導で最初に確かめたいのは、証明を最後まで書けるかだけではありません。問題文を読んだあと、「与えられたことを図に入れてください」「示したい部分を指してください」「使えそうな性質を一つ挙げてください」と、作業を分けて見ます。ここで仮定を正しく取れているなら、問題文を読む練習を最初から繰り返す必要はありません。次にどの判断を支えるかを、実際の手の動きと言葉から決めます。

中点の意味を言えるのにBD = CDと書けない場合は、言葉と式を結ぶ練習を入れます。合同条件は言えるのに図で使えない場合は、条件に当たる辺や角を指してもらいます。方針も根拠も合っているのに記述が崩れる場合は、文の順序を整えます。同じ空欄でも、必要な支援は違います。講師が完成した答案を先に話してしまうと、この違いが見えにくくなるので、途中の説明を聞く時間を設けます。

講師の手元で一題を扱うときは、考えていることを声に出します。「今ほしいのは、この角の等しさです。角を直接比べる性質が使えるか、それとも三角形の合同を使うかを見ます」と、目的と候補を示します。そのうえで「今回は、この辺が共通なので三つ目の条件を集められます」と選択を説明します。ただ「ここは共通だから」と言うより、その条件を探した理由まで届く形にします。

その後、お子さまが同じ箇所を説明します。最初の問いは「なぜですか」だけにせず、「この等式は問題文のどの言葉から言えますか」と、戻る場所を示します。答えられたら、次は「使った理由を説明してください」と問いを短くします。さらに進んだら、問いを出す前に自分で点検してもらいます。支えを減らすかどうかは、問題を解いた回数だけで決めず、その説明が自分でできたかで判断します。

誤った証明も、直す位置を絞って使います。たとえば「AB = AC、BD = CDなので合同」と書いた場合、講師が全文を書き換えるのではなく、「今、何組の辺を示しましたか」と尋ねます。お子さまが不足に気づいてADを加えられれば、条件の数を点検する練習になります。ADを見つけられなければ、二つの三角形を別々に指でなぞり、どちらにも含まれる線分を探します。

一方、角BAD = 角CADを先に使って合同を示した場合には、結論を使ってしまった場所を確認します。「その角が等しいことを、今どの根拠で言いましたか」とたどり、問題文には与えられていないことを確かめます。そこで終わらず、角の等しさに頼らず使える辺の条件へ戻ります。間違いを消したあとに正答が残るだけでなく、次に同じ迷いが出たときの戻り先を残すことが必要です。

教材の順序も塾が調整します。はじめは、使う三角形が見つけやすく、根拠が問題文にまとまった例を扱います。次は、中点や角の二等分線といった言葉を式に直す例に進みます。そのあとで、図の向きや結論が変わる問題を置きます。関係を一つずつ変えれば、どの変化で迷ったのかを見られます。難しい問題を続けて渡し、毎回解説を聞くだけになる状態は避けます。

進み具合は、答案の正誤に加えて、支援の有無を記録します。「仮定を拾う」「方針を言う」「理由を付ける」「結論に戻る」という項目に、ひとりでできたか、問いかけのあとにできたか、解答を見てできたかを残します。解説直後の成功と、次の授業での成功も分けます。同じ正解でも、見本を見ながら埋めたのか、図だけを見てつないだのかがわかれば、次に渡す問題を選べます。

保護者への連絡も、「証明を頑張りました」だけで終わらせず、観察した行動に沿って伝えます。たとえば「中点から辺の等しさを自分で書けました。共通な辺は問いかけのあとに見つけました。次回は図の向きを変え、共通な辺を自分で探せるか確かめます」という形です。できた判断、助けが必要だった判断、次に確かめる判断がつながると、ご家庭でも現在地を捉えやすくなります。

家庭が持つ役割は、毎回の証明を採点することより、取り組む時間と、疑問を残せる場所を整えることです。「今日はどこまで一人でできたの」と尋ね、説明が止まったら、その行に印を付けて塾へ持たせてください。保護者が答えを知らなくても、「中点という言葉までは使えた」「合同条件を選ぶところで止まった」という報告はできます。数学の説明を家庭で再現する必要はありません。

ご家庭からは、宿題にかかった時間、解答を開いた箇所、お子さまが口にした疑問がわかれば、次の指導につながります。途中で疲れてしまった日は、書けなかった量を埋めるより、最後に説明できた行を残します。宿題の量、例の難しさ、問いの出し方を調整するのは塾が担います。家庭にはその調整のための様子を伝えていただき、証明内容の教え直しまで抱え込まない形を作ります。

証明の練習で迷いやすい三つのこと

解答を先に見せると、考えなくなりませんか

解答を開くこと自体より、開いたあとに何をするかを見ます。全部を写して終えると、どの判断ができたかを確かめにくくなります。まず結論と仮定を自分で分け、そのあとで解答を読み、「なぜこの三角形を選んだか」を余白に足してください。読み終えたら一部を隠し、理由を言えるか確かめます。

逆に、方針の手掛かりがないまま長く白紙に向かっていても、困っている場所が見つからないことがあります。そこで「方針だけ見る」「不足する条件の行だけ見る」と、見る範囲を決めます。解答を見た箇所に印を残しておけば、翌日はそこを自分で取り出す練習ができます。読んで理解する時間と、閉じて判断する時間の両方を用意しましょう。

合同条件を覚えていないなら、証明はまだ早いですか

条件を正確に覚える練習は必要ですが、言葉を唱えられるまで証明の図を扱えないわけではありません。条件を書いたメモを横に置き、図のどの辺や角がそれに当たるかを指します。「2組の辺とその間の角」の条件なら、「その間」にある角はどれかまで確認します。等しい辺と角があれば、どの組み合わせでもよいという意味ではありません。

はじめはメモを使って選べたら、その事実を記録します。次にメモを伏せて言い、最後に図だけで条件を選びます。言葉を忘れたのか、条件に合う組を選べないのかを分けると、復習が具体的になります。先ほどの例では、3組の辺と、それぞれの根拠を対にして指せるかを確かめてから、合同条件を自分の言葉で言います。

模範解答と文章が違ったら、間違いになりますか

証明には、同じ内容を違う表現で述べられる箇所があります。先ほどの例で「ADは共通」と書くか、「共通な辺だからAD = AD」と書くかだけで、論理の正しさが変わるわけではありません。一方、対応する頂点の順序、使う条件、理由の抜けは内容に関わります。文章を一字ずつ比べるより、根拠から結論までつながっているかを確かめます。

学校の授業で求められる書き方がある場合は、その形式も確認してください。ノートで自由に書く見通しのメモと、提出する答案の形式は使い分けられます。表現の違いが気になるときは、異なる行に印を付け、「この二つは同じ理由を述べていますか」と質問します。形式を整える練習と、筋道を作る練習を分けて考えると、直すべき箇所が明確になります。

最初の一行の前に、選んだ理由を残す

証明の練習では、長い文章を一度に書き上げることを最初の目標にしなくて構いません。今日の一題で、「何を示したいか」「そのために何を比べるか」「その条件はどこから言えるか」を一つずつ説明してみてください。完成文に加えて、選んだ理由をノートに残すと、翌日に振り返る場所ができます。

保護者の方も、空欄の多さだけで判断せず、お子さまが指で示せた条件や、言葉で説明できた一歩に目を向けてください。迷った行が残っていれば、次に確かめることを塾と共有できます。武蔵境の武蔵野個別指導塾へ持ち込む疑問も、「この条件をなぜ選ぶのか」まで具体的であれば、見直す根拠を絞れます。仮定から結論まで自分で理由をつなげた筋道こそ、証明を書けたという手応えです。

参考文献

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

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