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相似と三角比から三角関数、フーリエ級数へ|武蔵野個別指導塾
影から高さを求める相似の計算を出発点に、三角比が円の座標となり、音を表す波の足し算へ育つ道筋をたどって、公式を図に戻して考える手がかりをつかみましょう。

相似と三角比から三角関数、フーリエ級数へ
影を測る話が、音を表す話につながる
よくあるのは、朝の自転車置き場で長く伸びた影を眺めながら、「影で木の高さを測れるのはわかるけれど、三角形の勉強がこの先も必要なのだろうか」と考える場面です。相似の問題なら、対応する辺を探して比例式を立てれば答えが出ます。それなのに高校では sin、cos、tan という記号が現れ、三角形だったはずの話に円や波のグラフが加わります。別々の単元に見えて、戸惑うところです。
その変化をつなぐのは、「大きさを変えても残る関係を取り出す」という考え方です。同じ傾きの影から高さと影の比を取り出し、その比を円の上の点の座標として読み直すと、回転に合わせて繰り返す波が生まれます。さらに大学では、その波を組み合わせて別の形の波を表します。
道のりを全部先取りする必要はありません。いま解いている比例式の中に、後で三角関数になる部分があると知るだけでも、図を見る目が変わります。まずは、影の問題で何を同じとみなしているのかを、足元から確かめましょう。

中学の相似は、長さの奥にある比を取り出す
相似な図形とは、一方を一定の倍率で拡大または縮小すると、もう一方にぴったり重ねられる図形です。位置や向きをそろえるための移動はしてかまいません。三角形が相似なら、対応する角の大きさは等しく、対応する辺の長さの比はすべて等しくなります。辺の長さそのものが違っても、形を決める関係は残っています。
高さ 1.5 m の棒の影が 2 m、木の影が 8 m だったとします。棒と木は鉛直に立ち、地面は水平で、同じ時刻に測ったと考えます。また、届く太陽光は互いに平行とみなします。棒の先端、根元、影の先端でできる直角三角形と、木について同じようにできる直角三角形は、直角と光の傾きを表す角がそれぞれ等しいので相似です。
木の高さを h m とすると、対応する「高さ」と「影の長さ」を同じ順番で並べて、次の式を立てられます。
h/8 = 1.5/2
h = 8 × 1.5 ÷ 2 = 6
木の高さは 6 m と求まります。これは木に登って測った長さではなく、手の届く場所で測った量から、相似を使って導いた長さです。影が棒の影の 4 倍なので、高さも棒の高さの 4 倍になる、と考えても同じ答えになります。
ここで覚えたいのは、数字を斜めにかける手順より、なぜ同じ比になるのかです。地面に傾きがあったり、棒が傾いていたりすれば、今使った角の等しさをそのまま使えません。図に直角の印をつけ、どの角が等しいかを説明してから比例式へ進むと、問題の条件が式のどこに入っているかを追えます。
縮図でも、同じ考え方が働きます。縮尺が 1/200 の図で道の長さが 3 cm なら、実際の長さは 3 × 200 = 600 cm、つまり 6 m です。ただし、縮尺は長さについての比です。面積まで同じ倍率で変わるわけではありません。求めたい量が長さなのかを確かめ、単位をそろえることが、比例式の前の準備になります。
もう一歩、相似な三角形の内側に目を向けます。先ほどの棒では、高さと影の比は 1.5/2 = 3/4 です。木でも 6/8 = 3/4 になります。別々の三角形の対応する辺を比べていたところから、それぞれの三角形の中の「縦と横の比」を比べる見方へ変わりました。この比は太陽光の傾きが同じなら変わりません。
辺の長さが 3、4、5 の直角三角形を思い浮かべてください。長さの単位はすべて同じとします。直角を挟む辺のうち 3 の辺と向かい合う鋭角を θ と名づけると、その角から見た向かい側と隣り側の辺の比は 3/4 です。図をどれほど大きく描いても、この角が同じなら比も同じです。角に注目すると、たくさんある相似な三角形を、共通する比でひとまとめに扱えます。
高校では、三角形の比が円を動く点になる
高校で学ぶ三角比は、いま取り出した比に名前をつけたものです。直角三角形の鋭角 θ に対して、sin θ は「向かい側の辺の長さ ÷ 斜辺の長さ」、cos θ は「隣り側の辺の長さ ÷ 斜辺の長さ」、tan θ は「向かい側の辺の長さ ÷ 隣り側の辺の長さ」です。斜辺は直角の向かい側にある、最も長い辺を指します。
先ほどの 3、4、5 の直角三角形では、θ の向かい側が 3 なので、sin θ = 3/5、cos θ = 4/5、tan θ = 3/4 です。θ をもう一方の鋭角に取り替えると、向かい側と隣り側が入れ替わります。「上の辺」「下の辺」と覚えるより、どの角から見ているかを先に決める方が、図の向きが変わっても対応できます。
三角比を使うと、直角でない三角形も調べられます。三角形の角 A、B、C の向かい側の辺をそれぞれ a、b、c とし、外接円の半径を R とすると、正弦定理は次の関係です。
a/sin A = b/sin B = c/sin C = 2R
辺とその向かいの角を組にすることが要点です。一方、余弦定理は、2 辺とその間の角から残る辺を結びつけます。
a² = b² + c² − 2bc cos A
たとえば b = 3、c = 4、その間の角 A = 60° なら、cos 60° = 1/2 なので、a² = 9 + 16 − 12 = 13、したがって a = √13 です。同じ 2 辺でも間の角が違えば残る辺は変わります。A = 90° のときは cos 90° = 0 となり、余弦定理は三平方の定理の形になります。三平方の定理を含む、より広い関係になっているのです。
三角比から三角関数への大きな変化は、角を鋭角の範囲に閉じ込めなくなることです。座標平面で原点を中心とする半径 1 の円を考え、点 (1, 0) から反時計回りに角 θ だけ回った点を P とします。この点の x 座標を cos θ、y 座標を sin θ と定めます。鋭角の範囲では、P から x 軸へ垂線を下ろすと斜辺が 1 の直角三角形ができ、先ほどの比の定義と一致します。
この定め方なら、点が左へ回れば cos θ は負になり、下へ回れば sin θ は負になります。直角三角形の辺の長さだけでは扱いにくかった符号が、座標として自然に入ります。tan θ は cos θ ≠ 0 のとき、sin θ/cos θ と定めます。円の座標を使うことで、どこでは定義できないのかも見えるようになります。
角の単位も広がります。弧度法では、中心角が切り取る円弧の長さを半径で割った値で角を表します。同じ角なら円を拡大してもこの比は同じです。半径 1 の円の一周は 2π なので、一回転は 2π、半回転は π、直角は π/2 です。これは相似で比を取り出した考え方が、角の測り方にも現れたものです。
角 θ を横軸、sin θ を縦軸に取ると、0、π/2、π、3π/2、2π での値は順に 0、1、0、−1、0 です。回転が一周すると同じ位置へ戻るため、その先も同じ変化を繰り返します。三角関数の波形は、円の上を進む点の高さを、角の順に記録したグラフなのです。
cos θ のグラフは、同じ点の横方向の座標を記録したものです。出発点では高さが 0、横の座標が 1 なので、sin と cos は異なる値から始まります。どちらも一周で同じ状態に戻りますが、山になる角がずれています。同じ円の運動を異なる方向から読むと、ずれを持った波が現れると考えられます。

大学では、回転の公式から波の組み立てへ進む
高校で扱う加法定理は、大学で回転や振動を考えるときにも働きます。角 α だけ回り、続いて角 β だけ回ることは、合わせて α+β だけ回ることです。しかし、点の高さを足すだけでは、回転後の高さにはなりません。回転によって、もとの横方向も縦方向も傾くからです。その関係を座標で書いたものが加法定理です。
cos(α+β) = cos α cos β − sin α sin β
sin(α+β) = sin α cos β + cos α sin β
たとえば、点 (x, y) を原点の周りに角 β だけ回すと、移動先は (x cos β − y sin β, x sin β + y cos β) になります。横方向の成分 x と縦方向の成分 y が、それぞれ回転後の座標に寄与しています。ここへ x = cos α、y = sin α を入れると、上の加法定理が得られます。公式の二つの項には、もとの二つの方向から来た成分という意味があります。
次は、回転を時間の変化として眺めます。一定の速さで回る点の高さは、時間に対して周期的に変わります。関数 f が周期 T を持つとは、T が正で、すべての入力 t に対して f(t+T) = f(t) が成り立つことです。ここでは実数全体で定義された関数を考えています。T は繰り返しの長さですが、周期と呼ぶだけなら最小のものに限りません。
身の回りの繰り返す変化は、滑らかな一つの山と谷だけでできているとは限りません。そこで、速さの違う回転から生まれる波を足します。sin t に sin 2t を重ねれば、同じ区間に対して後者は倍の回数だけ上下します。それぞれの前にかける数を変えれば、波の成分の大きさも調整できます。この考えを無限に多くの成分へ広げるのがフーリエ級数です。
少し正確に定義します。周期 2π で、区間 −π から π で絶対値を積分できる関数 f を考えます。整数 n = 0、1、2、… に対して、f(t) cos(nt) をこの区間で積分し、π で割った値を aₙ とします。正の整数 n に対して、f(t) sin(nt) を同様に積分し、π で割った値を bₙ とします。ここで積分は、符号も含めて連続的に量を足し合わせる操作です。こうして定めた数を使う、次の三角関数の級数を f のフーリエ級数と呼びます。
a₀/2 + ∑(aₙ cos(nt) + bₙ sin(nt))
∑ は、括弧の中の項を n = 1、2、3、… と順に足す記号です。無限に足すという言い方では、まず n = N までの有限の和を作り、N を大きくしたときに何に近づくかを調べます。関数から係数を定めることと、その級数がもとの関数の値へ近づくことは、区別して考える必要があります。
たとえば、周期的に繰り返した関数が区分的に滑らかなら、そのフーリエ級数は、連続な点ではもとの値へ、不連続な点では左右から近づいた値の平均へ収束します。区分的に滑らかとは、ここでは一周期を有限個の区間に分けると各区間内で連続微分可能で、関数と導関数が各区間の端で有限の片側極限を持つこととします。波に飛びがある点では、そこに書き込んだ関数の値と級数の収束先が一致するとは限りません。
なぜ積分で成分を取り出せるのでしょうか。一周期にわたり、異なる整数の振動数を持つ正弦や余弦をかけて積分すると、正と負が打ち消し合い、結果が 0 になります。この性質を直交性と呼びます。関数の直交性は、積の積分が 0 になるという意味です。同じ成分との積では打ち消されずに残るので、各係数を分けて取り出せます。
音への応用では、時間とともに変わる空気の圧力を波として扱います。一定の周期で繰り返す音の波形なら、基本となる振動と、その整数倍の振動数を持つ成分に分けて考えられます。成分の混ざり方を調べることは、音色の違いを捉える手がかりです。中学では測りにくい高さを扱った比が、大学では目で見えない音の構造を調べる道具へ育っています。
変わらないのは、形を決める関係を見る姿勢
中学、高校、大学で扱うものは、順に大きくなります。中学では三角形の長さ、高校では角によって変わる値、大学では関数そのものが対象になります。それでも、全部をばらばらに覚える代わりに、共通する関係を取り出すという姿勢は変わりません。
相似では、大きさの違いを脇に置いて、角と辺の比を見ました。三角比では、その比を角の関数としてまとめました。三角関数では、円の座標に移すことで、負の値や一周を超える角まで扱えるようにしました。フーリエ級数では、同じ基本形を持つ波を組み合わせて、より複雑な繰り返しを表そうとします。
ただし、似た言葉でつながるからこそ、違いも確かめたいところです。三角比の分母にある辺の長さは正ですが、単位円での cos θ は負にもなります。有限個の波の足し算は普通の計算でできますが、無限に足す場合には収束の検討が加わります。前の定義で説明できる範囲と、新しい定義で広がった範囲を分けることが、先へ進む足場です。
ノートの片側に直角三角形、もう片側に単位円を描き、同じ θ を書き込んでみてください。三角形の比が円のどの座標に当たるかを線で結べれば、記号の来た道を自分で戻れます。その往復ができると、公式を思い出す手がかりも増えます。
つながりを使った学び方
最初の手順は、計算に入る前に図の役割を言葉にすることです。中学生なら「この高さとこの影が対応する」、高校生なら「この角の向かい側がこの辺」と短く書きます。記号だけで迷うときは、何を比べているかを日本語へ戻します。比例式が合わない場合も、対応の取り違えか、計算の誤りかを分けて確かめられます。
次の手順は、同じ内容を別の表し方で確かめることです。辺の比で得た sin θ を単位円の高さとして読む、円で見た高さをグラフ上の点へ移す、という順でつなぎます。グラフでは、山の形を写す前に、一周の中でどこを通るかを押さえます。軸の目盛りが角なのか時間なのかも、その都度書いておきましょう。
さらに、答えの大きさや符号を図へ戻して点検します。sin θ と cos θ は単位円の座標なので、値は −1 以上 1 以下です。円の左側なら cos θ は負です。計算結果が図と食い違ったら、符号や角の置き方までさかのぼれます。公式を使えたところで終えず、答えが図の中でどんな位置を表すのかまで確かめます。
塾が担うのは、その往復のどこで手が止まったかを見つけることです。相似条件を選べない段階と、角の対応を取り違える段階では、戻る場所が違います。武蔵野個別指導塾では、答案の式と本人の説明を照らし合わせ、図への書き込み、比の立式、符号の確認のうち、次に練習する部分を絞ります。
家庭では、新しい公式を教える役割まで引き受けなくてかまいません。お子さまが描いた図を見て、「この角はどれ」「その数はどこの長さ」と、指させる問いを一つ置いてみてください。説明が途中で止まった箇所をノートに残しておけば、授業で確かめたいことが具体的になります。説明を急がせず、図を描き直せる時間を持つことも支えになります。
よくある質問
三角比の値は、全部暗記する必要がありますか
基本的な角の値は使えるようにしたいところですが、直角二等辺三角形や、正三角形を半分にした図から確かめられます。値の一覧と一緒に、どの辺をどの辺で割ったかを残してください。思い出せないときにも、図から戻る道ができます。
三角関数のグラフで角と高さが混乱します
横軸の値は円の上をどれだけ回ったか、縦軸の値はそのときの座標です。sin のグラフなら円の高さを読んでいます。円を進む点と、グラフに打つ点を一組ずつ対応させると、円そのものを横へ引き伸ばしているのではないと整理できます。
音はすべてフーリエ級数で表せるのですか
フーリエ級数は、周期的に繰り返す関数を扱う道具です。一度だけ鳴る音や、時間とともに性質が変わる音を、そのまま一つの周期波と同じには扱えません。周期を前提にしない波の分析には、フーリエ変換という別の形の道具へ進みます。まずは繰り返しのある場合を理解することが出発点です。
影の問題で相似な三角形を見つけられたら、それは三角関数へ進む入口に立ったということです。円の座標から波を描けたら、その波を材料に音を調べる数学が待っています。今の段階で名前のすべてを覚える必要はありません。必要なのは、ひとつ先へ進んだときにも、元の図と意味に戻れるつながりです。武蔵野個別指導塾の授業では、生徒が「この比が、この座標になる」と図の上で指せる瞬間を、理解の節目に据えます。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。



