
武蔵野個別指導塾の特徴
比例・一次関数から写像へ 「関数」という言葉の意味の広がり|武蔵野個別指導塾
比例の表とグラフを出発点に、定義域や逆関数、大学の写像までをたどります。入力と出力の対応を確かめる読み方で、式の形が変わっても考え始める場所をつかんでください。

比例・一次関数から写像へ 「関数」という言葉の意味の広がり
グラフを描いた先に何があるのでしょうか
よくあるのは、家の食卓の方眼ノートに点を打ちながら、「式があるのに、どうしてグラフまで描くのですか」と手が止まる場面です。表を埋め、座標を取り、線で結ぶ。それぞれの作業はできても、同じことを繰り返しているように感じるかもしれません。さらに高校で f(x) という書き方が出てくると、せっかく慣れた y をなぜ言い換えるのか、という疑問も生まれます。
この疑問をほどく鍵は、関数を「ある入力に、どの出力が対応するか」という関係として見ることです。式は対応の規則を短く記し、表は選んだ入力での結果を並べ、グラフは対応全体の様子を位置で表します。表し方が変わると、見つけやすくなる性質も変わります。
中学では数と数の対応を調べ、高校では使える入力の範囲や操作の順序を考えます。大学では、入力と出力を数以外にも広げた「写像」を扱います。今描いている直線は、その長い道のりの出発点です。まずは線の形と式の意味がどう結びつくのか、手で確かめていきましょう。

中学の比例・反比例・一次関数を対応として読む
関数の基本は、入力を決めると出力がただ一つ決まることです。x の値に応じて y の値が一つに決まるとき、y は x の関数であるといいます。別々の x が同じ y に対応していても構いません。「出力が一つ」という条件は、入力を一つ固定したときに確かめる条件です。
比例 y=2x なら、入力 x が -2、0、3 のとき、出力 y はそれぞれ -4、0、6 です。グラフには点 (-2,-4)、(0,0)、(3,6) が現れます。ここで座標の左側が入力、右側が出力です。x をすべての実数の範囲で考えると、この対応のグラフは原点を通る直線になります。方眼の上に描いた点は、対応の一部を目に見える場所へ移したものです。
比例では x を何倍かすると y も同じ倍率で変わります。ただし、式に入る数が負の場合には、グラフが右下がりになることもあります。「比例だから右上がり」と形だけで覚えるより、比例定数の符号と出力の変わり方を結びつけるほうが、式を読み直せます。原点を通る理由も、x=0 を式へ代入すると y=0 になることから説明できます。
一次関数 y=2x+1 では、入力 x が -1、0、2 のとき、出力は -1、1、5 になります。比例の式に 1 が加わったため、同じ x に対応する y は y=2x のときより 1 だけ大きくなります。グラフも上へ 1 だけ平行移動した直線です。x=0 に対応する y=1 が切片であり、y 軸と交わる位置を決めます。
この一次関数で x を 0 から 2 に増やすと、y は 1 から 5 に増えます。変化の割合は、y の増加量を x の増加量で割って求めます。
(5-1)÷(2-0)=2
この 2 が直線の傾きです。一次関数では、異なる二つの入力をどこに選んでも変化の割合が一定になります。切片は基準となる位置、傾きは入力の増加に対する出力の変化を示します。同じ直線の式に入っていても、二つの数が担う役割は異なります。
一方、反比例 y=6/x では x=0 を入力にできません。0 で割る計算は定義されないからです。x が 1、2、3 のとき、y は 6、3、2 になります。入力を 1 から 2 へ倍にすると、出力は半分になります。比例のように比が一定なのではなく、x と y の積が 6 で一定です。負の入力も使えますが、グラフは原点を通る直線にはなりません。
表に数を並べるときは、答えが合っているかに加えて、何が一定かを探してみてください。比例では 0 以外の x に対する y/x、反比例では xy、一次関数では変化の割合に注目します。同じ「関数」でも保たれる性質が異なるため、グラフの形も異なります。
また、グラフを線で結ぶ前には、途中の入力も使えるのかを考えます。長さなら小数の値をとれますが、個数としての x は整数に限られる場合があります。同じ式でも、何を数えているかによって使える点が変わるのです。この「使える入力はどこまでか」という問いが、高校の定義域につながります。
高校では入力の範囲と関数を組み合わせる順序を考える
関数の入力として使う値の集合を定義域といいます。その定義域の入力から実際に得られる出力の集合が値域です。集合は、条件を満たすものをひとまとめにしたものです。式がわかっていても、入力の範囲が指定されると、出力の範囲やグラフの見える部分が変わります。
例えば f(x)=x² を考えます。f は関数につけた名前で、f(x) は入力 x に対する出力を表します。f と x のかけ算ではありません。定義域をすべての実数にすると、値域は 0 以上の実数です。実数を二乗した結果は負にならず、0 以上の任意の数 y は x=√y を入力にすれば得られるからです。値域を説明するには、負の値が出ないことと、0 以上の値がすべて出ることの両方を見ます。
同じ f(x)=x² でも、定義域を -1≦x≦2 に絞ると、値域は 0≦y≦4 です。左端では f(-1)=1、右端では f(2)=4 ですが、最小値は左端の 1 ではなく、途中の x=0 でとる 0 です。端だけを代入して範囲を決めると、この最小値を見落とします。式の計算とグラフの形を照らし合わせる意味は、こういうところにあります。
さらに高校では、関数の出力を別の関数の入力にすることを考えます。これが合成関数です。f(x)=2x+1 と g(x)=x² を組み合わせて、先に f、次に g を使うと、次のようになります。
g(f(x))=(2x+1)²
入力が 2 なら、まず f(2)=5 を計算し、その 5 を g に入れて g(5)=25 を得ます。反対に、先に g、次に f を使うと f(g(x))=2x²+1 となり、入力 2 に対する出力は 9 です。同じ二つの関数を使っても、順序によって結果が変わります。かっこの内側から順に処理することには、「どの出力を次の入力にするか」という意味があります。
合成では、次の関数がその出力を受け取れるかも大切です。例えば h(x)=√x を実数の範囲で考えると、入力は 0 以上に限られます。h(f(x))=√(2x+1) を作るなら、2x+1 が 0 以上となる x を使う必要があります。したがって合成した関数の定義域は x≧-1/2 です。式をつなげるだけでなく、受け渡し可能な入力を選び直しています。
逆関数は、もとの関数の対応を逆向きにして得られる関数です。f(x)=2x+1 で入力と出力を実数全体にすると、出力 y から入力を x=(y-1)/2 と一つに戻せます。逆関数の規則は、受け取った数から 1 を引いて 2 で割ることです。出力 5 を受け取れば入力 2 が戻ります。順方向と逆方向を続けて行うと、出発した数に帰ります。
ただし、いつでも逆向きにたどれるとは限りません。f(x)=x² に実数全体を入力すると、-2 も 2 も出力は 4 です。逆向きでは 4 の行き先が二つになり、関数の条件を満たしません。定義域を x≧0 に限れば、出力 y≧0 に対して入力は √y に一つに決まり、逆関数を作れます。
定義域は、問題の端に添えられた飾りではありません。同じ二乗という操作でも、入力を制限することで逆に戻せるようになります。高校の関数では、式が表す操作と、その操作を行う場所とをセットで考えることが求められます。

大学の写像では何を入力にしてもよいのでしょうか
大学では、数と数の対応を広げ、集合の要素どうしの対応を考えます。集合 A から集合 B への写像 f とは、A の各要素に対して、B の要素をただ一つ対応させる規則です。A を定義域、B を終域と呼び、f:A→B と書きます。A のどの要素にも出力があり、出力は必ず B の中にあり、一つの入力に対して一つに決まることが条件です。
関数と写像は本質的に同じ考え方で、用語の使い分けは分野や文脈によります。関数がある段階で別物に変わるのではありません。「写像」という言葉を使うことで、数だけでなく、点、ベクトル、文字列などの対応も同じ定義で扱いやすくなります。例えば文字列にその文字数を対応させる規則も、文字列の集合から 0 以上の整数の集合への写像として考えられます。
ここで終域と値域を区別します。終域は出力の行き先としてあらかじめ指定する集合で、値域は実際に到達する出力の集合です。実数全体から実数全体への f(x)=x² なら、終域は実数全体ですが、値域は 0 以上の実数です。負の実数は行き先の集合には入っていても、実際には到達しません。式だけでなく終域まで指定することで、「どこまで届いたか」を問えるようになります。
異なる入力が必ず異なる出力に対応する写像を単射といいます。同じ出力になる二つの入力があれば、それらはもともと同じ入力だった、という言い方もできます。一方、終域のすべての要素が少なくとも一つの入力から得られる写像を全射といいます。単射は入力の区別が残るか、全射は指定した行き先をすべて覆うか、という別々の性質です。
実数全体から実数全体への f(x)=x² は、単射でも全射でもありません。異なる入力 -2 と 2 が同じ 4 に対応し、負の出力には届かないためです。終域だけを 0 以上の実数に変えると全射になりますが、単射にはなりません。さらに定義域も 0 以上の実数に変えると、単射かつ全射になります。この両方を満たす写像を全単射と呼びます。
全単射なら、終域のどの要素からも、もとの入力へただ一つに戻れます。したがって、指定した終域全体を定義域とする逆写像が存在する条件は、もとの写像が全単射であることです。単射であれば、終域全体ではなく実際の値域を出発点として、逆向きの対応を作れます。高校で二乗の定義域を制限した操作が、ここでは集合どうしの対応の性質として説明されます。
さらに、ベクトルを入力と出力にする線形写像へ進みます。実数を係数とするベクトル空間どうしの写像 T が線形であるとは、任意のベクトル u、v と任意の実数 c について、T(u+v)=T(u)+T(v) と T(cu)=cT(u) が成り立つことです。ベクトル空間とは、ベクトルの加法と実数倍が定められ、それらが通常の分配法則などの決められた法則を満たす集合です。平面上の座標の組は、その基本的な例です。
例えば T(x,y)=(2x,3y) は平面から平面への線形写像です。横方向を 2 倍、縦方向を 3 倍にします。u=(1,2)、v=(3,1) とすると、T(u)=(2,6)、T(v)=(6,3) なので、その和は (8,9) です。一方、先に u+v=(4,3) を作ってから T を使っても (8,9) になります。この一致は選んだ例だけでなく、座標の分配法則により、どの u、v でも成立します。
情報分野では、図形を構成する点の座標を変換し、画像の拡大や変形を表す場面につながります。ただし、一次関数 y=2x+1 は、そのままでは線形写像ではありません。線形写像は零ベクトルを零ベクトルへ移しますが、この関数は入力 0 を出力 1 に移すからです。比例に当たる変換に一定の移動を加えたものはアフィン写像と呼びます。直線のグラフになることと、線形写像であることを区別すると、中学の比例と一次関数の違いが新たな意味を持ちます。
三つの段階をつなぐのは入力と出力の約束です
中学で比例の表を埋めるときも、大学でベクトルの写像を調べるときも、出発点は「何を入れると何が出るか」です。一つの入力に一つの出力を対応させる約束は変わりません。変わるのは、入力として許すもの、出力の行き先、そして対応のどの性質に注目するかです。
中学では、比例定数や傾きから変化の様子を読みます。高校では、定義域による値域の違いや、合成する順序、逆に戻せる条件まで調べます。大学では、それらを特定の式から切り離し、単射・全射のような性質として述べます。線形写像では、さらに加法や実数倍という計算の仕組みが対応の前後で保たれるかを見ます。
この広がりを知っておくと、「グラフが描けないから関数ではない」という思い込みを避けられます。文字列を入力にする写像を、いつもの座標平面に曲線として描く必要はありません。入力と出力の約束を確かめれば、グラフがなくても考えられます。グラフは関数を理解する力強い表現ですが、関数そのものの定義ではないのです。
反対に、大学の言葉を先に暗記する必要もありません。今の表に入力の見出しを書き、使えない値を確かめ、同じ出力になる入力を探す。それだけでも、先につながる問いに触れています。以前に習った内容は、次の段階でより広い言葉を与えられ、使える場面を増やしていきます。
つながりを使った学び方
第一に、式を計算する前に入力と出力を言葉で書きます。「x は何か」「どの範囲で動かせるか」「y は何を表すか」を短く添えてください。反比例なら 0 を除く理由を、個数の問題なら小数の入力を使えるかを確認します。式に数を入れる前の整理が、定義域を読む練習になります。
第二に、選んだ入力について、式・表・グラフを往復します。点を打ったら、その点の座標を式に戻して成り立つかを確かめます。一次関数なら、切片の位置と傾きによる変化をそれぞれ説明します。見た目が似た線を描けたかではなく、描いた点が対応の規則を満たすかを確認しましょう。
第三に、逆向きの問いを加えます。「この出力になる入力は何か」「ほかの入力でも同じ出力になるか」と考えます。二乗の関数なら、負の入力も使う場合と、0 以上だけを使う場合を比べます。逆関数という単元に進む前でも、入力の範囲と戻り先の数との関係を調べられます。
第四に、関数を続けて使う問題では、途中の出力を省かず書きます。「最初の入力→途中の出力→最後の出力」と矢印で並べると、どこで別の関数へ受け渡したのかが見えます。途中の値が次の関数の定義域に入るかも、同じ場所で確認できます。
塾では、途中の記録から、計算の誤りなのか、入力と出力の取り違えなのか、範囲の見落としなのかを見分けます。説明を聞いた直後には解けても、表現が変わると止まる場合は、同じ対応を表と式の両方で説明するところへ戻ります。問題を増やす前に、どの表現どうしのつながりが途切れたのかを探します。
家庭では、お子さまが計算を始めるまでの考えを話せる時間を持ってください。「この x には何を入れてよいの」と尋ね、本人の言葉を待つだけでも、説明の出発点ができます。難しい定義を先回りして教えるより、ノートに入力の範囲や途中の値が残っているかを一緒に見れば、質問したい箇所を次の授業へ持っていけます。
よくある質問
f(x) と y は別のものですか
y=f(x) と書けば、どちらもその入力での出力を表します。f は対応の規則につけた名前です。複数の関数を扱うとき、f と g のように名前を分けると、どの規則を使うかが明確になります。f(x) を一つの出力として読んでから、式全体を追ってください。
関数の問題では必ずグラフが必要ですか
必要かどうかは調べる内容によります。出力の値だけなら代入で求められますが、範囲や増減を見たいときはグラフが役立ちます。ただし、図から読み取ったことが正しいかは式や条件でも確かめます。入力が数以外の写像では、対応表や矢印の図のほうが適していることもあります。
単射と全射が混ざるときはどうすればよいですか
単射は、異なる入力が同じ出力へ重なっていないかを見ます。全射は、指定した終域に到達していない要素がないかを見ます。矢印の図を描き、重なりと届かない場所を別々に確認してください。とくに全射を考えるときは、値域だけでなく、終域として何を指定したかを書くことが欠かせません。
食卓の方眼ノートで点を打つ作業にも、入力の範囲を選び、対応を確かめる考え方が含まれています。今は直線を描く問題に見えていても、その読み方は合成関数や逆関数へ、さらに数以外を扱う写像へ伸びていきます。次に関数の式を見たら、まず入力の置き場所を確かめてみてください。武蔵野個別指導塾の関数の授業は、式の横に残った小さな疑問を、次の学年で使える問いへ育てます。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




