
武蔵野個別指導塾の特徴
樹形図の確率から条件付き確率、確率論へ|武蔵野個別指導塾
さいころの表を出発点に、条件によって分母が変わる理由や期待値の意味をたどります。大数の法則と中心極限定理の違いまで、結果の集め方という視点で読み進められます。

樹形図の確率から条件付き確率、確率論へ
樹形図を書いた先に何があるのか
よくあるのは、雨の日の塾の廊下で、開いたノートの樹形図を指しながら「全部書けば答えが出るのに、どうして高校でも確率を習うのですか」と尋ねる場面です。枝をきれいにそろえ、条件に合う枝に丸を付ける。それで解けた経験があると、この先は数える量が増えるだけに思えるかもしれません。
ところが、枝の数だけでは答えが決まらない問いもあります。結果の起こりやすさが等しくない場合や、「あることが起きた」と教えられてから確率を考え直す場合です。待ち時間のように、結果を枝として全部並べることが難しい量もあります。確率の学習は、こうした問いを扱えるように、結果の整理の仕方を広げていきます。
中学では、何を同じ重さで数えているかを学びます。高校では、条件と繰り返しを式で扱います。大学では、その式が成り立つ土台を定め、繰り返した結果の平均やばらつきを調べます。樹形図の小さな枝は、偶然を筋道立てて考えるための出発点です。

中学数学では結果をそろえて数える
確率は、起こるかどうかがまだ決まっていないことについて、その起こりやすさを数で表します。中学数学でまず押さえたいのは「同様に確からしい」という条件です。これは、考えている個々の結果が同じ確率で起こるという意味です。結果に名前が付いていて、一覧にできるだけでは、この条件を満たしたことにはなりません。
各面が同じ確率で出るさいころを1個振るとします。出る目を結果とすると、1から6までの6通りは同様に確からしいと考えられます。偶数の目は2、4、6の3通りなので、偶数が出る確率は3/6=1/2です。この計算は、等しい重さの結果を分母に全部集め、そのうち条件に合うものを分子に集めています。
ここで結果を「偶数」と「奇数」にまとめても、それぞれに含まれる目が同数なので、確率は等しくなります。しかし、「1が出る」と「1以外が出る」にまとめると、同じ2種類の結果でも確率は等しくなりません。「起こるか、起こらないかの2通りだから半分」と考えられない理由は、まとめた中身の数が違うからです。
次に、赤と青のさいころを1個ずつ、互いの出目に影響しないものとして振ります。どちらも各面の出やすさは同じとします。赤の目を先、青の目を後に書けば、結果は(1,1)、(1,2)などの組で表せます。赤の各目に青の6通りが対応するため、全部で6×6=36通りです。この36通りを同じ重さで扱えることが、計算の土台になります。
目の和が4になるのは、(1,3)、(2,2)、(3,1)の3通りです。したがって、その確率は3/36=1/12になります。(1,3)と(3,1)をひとまとめにして数えると、赤と青の役割の違いが消えます。分母では役割を区別したのに、分子だけで区別をやめると、数え方がそろわなくなります。
表を使うなら、縦に赤の目、横に青の目を並べます。それぞれのますは1つの組を表し、和が4になるますに印を付けます。樹形図なら、最初に赤の6本の枝を描き、その先に青の6本の枝を伸ばします。同じ36通りを別の形に整理しているので、表と樹形図の答えは一致します。見やすい方法を選びながら、何を1通りと呼んでいるかを説明できるようにしましょう。
また、目の和だけを一覧にすると、2から12まで並びますが、これらは同様に確からしくありません。和が2になる組は(1,1)だけで、和が4になる組とは数が違います。和の種類をそのまま分母に使えないことは、表を見れば確かめられます。確率の問題では、欲しい答えの種類と、等しい重さで数えられる結果の種類が異なることがあります。
樹形図は、ただ全部を描き出す道具ではありません。途中で選択肢がどう分かれ、どこに見落としや重複があるかを確かめる道具でもあります。答えの分数だけを覚えるより、「この枝の先まで行くと、どんな結果が決まるか」と言葉を添えるほうが、次の学習につながります。
高校数学では条件と繰り返しを扱う
高校数学で使う「事象」は、結果の集まりです。さいころの例なら、「和が4になる」という事象は、条件に合う3つの組を集めたものです。事象Aの確率をP(A)と書くと、長い文章で表した条件を短い記号で扱えます。記号を導入しても、どの結果を集めたかという中身は変わりません。
ここで、赤と青のさいころについて「和は4でした」と教えられたとします。その情報を受け取ったあとで、赤の目が1だった確率を考えます。考える範囲は、もとの36通りから(1,3)、(2,2)、(3,1)の3通りに絞られます。この中で赤の目が1なのは(1,3)だけなので、答えは1/3です。情報を得る前の1/6とは違います。
これが条件付き確率です。事象Bが起きたという条件のもとで事象Aが起きる確率をP(A|B)と書きます。P(B)>0のとき、次の式で定義します。
P(A|B)=P(A∩B)/P(B)
A∩Bは、AとBが両方とも起こる事象です。上の例でAを「赤の目が1」、Bを「和が4」とすれば、P(A∩B)=1/36、P(B)=3/36です。両方が起きる部分の確率を、条件として残った範囲の確率で割るため、(1/36)÷(3/36)=1/3になります。分母を変えるのは、情報に合わせて全体を取り直すためです。
ただし、条件を付ければ必ず確率が変わるわけでもありません。「青の目が3」という情報だけなら、赤の目が1である確率は変わりません。このような関係を独立と呼びます。正確には、AとBが独立であるとは、P(A∩B)=P(A)×P(B)が成り立つことです。P(B)>0なら、P(A|B)=P(A)という形でも表せます。
「別々に起きることだから独立」と決めるのは早計です。袋から玉を取り出して戻さず、続けて取り出すと、最初の結果によって袋の中身が変わります。逆に、同時に振った2個のさいころでも、上の設定では出目は独立です。独立かどうかは、時間の前後よりも、結果同士の確率の関係で判断します。
繰り返しをまとめると、二項分布につながります。各回が独立で、成功する確率pが毎回同じ試行を、決まった回数nだけ行います。そのときの成功回数の確率分布が二項分布です。確率分布とは、どの値がどれだけの確率で現れるかを表したものです。「成功」は条件に合う結果を呼ぶための名前で、良い出来事に限りません。
表と裏が同じ確率で出る硬貨を独立に3回投げ、表の回数をXとします。表がちょうど2回になる順序は、表表裏、表裏表、裏表表です。各順序の確率は(1/2)×(1/2)×(1/2)=1/8なので、求める確率は3/8です。3つの位置のうち、どこを表にするかを数える組合せが、繰り返しの確率を整理します。
Xが0、1、2、3になる確率は、順に1/8、3/8、3/8、1/8です。それぞれの値に確率を掛けて足したものを、この場合の期待値と呼びます。
E(X)=0×1/8+1×3/8+2×3/8+3×1/8=3/2
表の回数として3/2回が出ることはありません。期待値は、出る値を確率の重みで平均した数です。最も起こりやすい値とも、次回に必ず出る値とも異なります。二項分布では期待値はn×pとなり、繰り返す回数と各回の確率から、成功回数の平均的な位置が求められます。

大学数学では偶然を記述する土台を定める
大学の確率論では、結果を数える方法の背後にある共通の仕組みを定めます。その土台が確率空間です。確率空間は、起こりうる結果全体の集合Ω、確率を割り当てる事象の集まりF、各事象に確率を与える規則Pの3つを組にしたものです。有限個の結果だけでなく、待ち時間のような連続した量も扱えるようになります。
事象の集まりFには条件があります。Ω自身を含み、ある事象を含むなら「その事象が起きない」という余事象も含みます。また、Fに属する事象を、順に番号を付けて並べられるだけ集めたとき、そのどれかが起こる事象もFに属します。このような集まりをσ加法族と呼びます。結果の部分集合に対して、確率の計算を整合的に進められる範囲を用意する役割があります。
Pについては、確率は負にならず、全体の確率P(Ω)は1です。さらに、同時には起こらない事象を、順に番号を付けて並べられるだけ集めたとき、そのどれかが起こる確率は、それぞれの確率の和になります。この性質を可算加法性と呼びます。中学で重ならないますの確率を足した操作を、無限に続く集まりにも広げています。
さいころ2個なら、Ωは36個の組で、Fはその組から作れるすべての部分集合とできます。各組に1/36ずつを割り当てれば、条件に合う組の確率を足して事象の確率が得られます。中学で使った数え方は、この確率空間の具体例です。一方、結果が無限に続く場合には、どの部分集合にも自由に確率を付けられるとは限らないため、Fを明示する意味が出てきます。
次に、実数値の確率変数を考えます。これは、各結果に実数を1つ対応させる関数で、どの実数aについても「その値がa以下になる結果の集まり」がFに入るものです。この条件により、確率変数の値がある範囲に入る確率を扱えます。硬貨3回の結果から表の回数を取り出すXも、その一例です。
確率変数という名前でも、数が勝手に動くと考える必要はありません。起きた結果が決まれば、そこから読み取る値も決まります。同じさいころの結果から、和を読み取ることも、大きいほうの目を読み取ることもできます。どの数量を調べたいかに応じて、結果に数を対応させるのです。
連続した量では、個々の値の確率を足す代わりに、区間の確率を積分で表す場合があります。例えば、0以上1以下で一様に値を取る確率変数では、区間に入る確率がその区間の長さに対応します。0以上1/2以下に入る確率は1/2ですが、ちょうど1/2になる確率は0です。確率0の出来事と、結果として絶対にありえないことは、こうした設定では同じ意味になりません。
繰り返しを扱う代表的な定理が大数の法則です。互いに独立で同じ分布に従い、絶対値の期待値が有限である確率変数を並べると、その標本平均は期待値に確率収束します。確率収束とは、どんな正の許容幅を決めても、平均と期待値の差がその幅を超える確率が、回数を増やすと0に近づくことです。
硬貨の表を1、裏を0とすれば、その平均は表が出た割合です。大数の法則は、その割合と表の確率との関係を述べます。途中で表に偏ったから次に裏が出やすくなる、という意味ではありません。各回が独立という設定を保ったまま、平均についての性質が成り立ちます。
中心極限定理は、その平均の周りに残る揺れの形を扱います。独立で同じ分布に従い、平均μ、有限で正の分散σ²を持つ確率変数について、標本平均からμを引き、σ/√nで割った量の分布は、nを大きくすると標準正規分布に近づきます。分散は平均からの差の二乗の期待値で、標準正規分布は平均0、分散1の正規分布です。
ここで近づくのは、幅を調整した平均の分布です。元の値の分布そのものが正規分布に変わるわけではありません。工学で測定誤差の平均を考えるときも、独立性や分散などの条件を確かめて使います。平均がどこへ近づくかを述べる大数の法則と、近づく途中の揺れを捉える中心極限定理は、別々の問いを受け持っています。
三つをつなぐのは全体と部分の見方
中学から大学まで変わらない問いは、「どんな結果を全体とし、そのうち何を調べるのか」です。樹形図では枝の先、表ではますが個々の結果でした。高校でAやBと書いた事象は、それらを条件で集めた部分です。大学のΩとFは、この全体と部分の関係を、無限個の結果にも使えるように整理します。
変わるのは、数え方だけではなく、確率の与え方です。中学では同様に確からしい結果の個数の比を中心に考えます。高校では条件を付けて重みを取り直したり、回数という量に確率をまとめたりします。大学では、まず確率の規則を定め、その規則のもとで何が言えるかを調べます。有限個を数える方法が、より広い枠組みの一部になります。
条件付き確率と確率変数も、違う操作です。前者は情報に応じて確率を考える範囲を変え、後者は結果から見たい数を取り出します。さいころの和を知ったあとで赤の目を尋ねる問題では、両方の操作が関わります。この違いを意識すると、文章のどの部分が条件で、何を答えるのかを切り分けやすくなります。
また、期待値と実際の平均を結ぶには、繰り返し方の条件が必要です。式の見た目が似ているだけで定理を使うのでなく、独立か、同じ分布か、必要な期待値や分散があるかを読みます。中学の「同様に確からしいか」を確かめる姿勢が、そのまま大学の定理を使う姿勢へ育ちます。
つながりを使った学び方
最初の手順は、問題文を読んで「1つの結果をどう書くか」を決めることです。2個のさいころなら、色を区別した組を書きます。硬貨を繰り返し投げるなら、出た順序を書きます。いきなり公式を探す前に結果の見本を書き、途中の結果と最後の結果が混ざっていないかを確認します。
次の手順は、全体を表や樹形図にし、同じ確率で扱える理由を添えることです。「さいころだから」と省略せず、各面が同じ確率で出るという設定や、2個の出目の独立性を確かめます。等しい確率といえない枝があれば、枝の本数だけで計算せず、それぞれの確率を考えます。
さらに、条件を色や囲みで残してから、答えに当たる部分を選びます。「和が4」とわかった問題なら、まず和が4になるますだけを囲み、その中で赤の目が1になるますを選びます。分母が変わる過程を図に残すと、条件付き確率の式に何を入れるかを自分で説明できます。
最後に、出した答えを文章に戻します。「この情報を知ったとき、この出来事が起きる確率」と読み直し、求めた向きが逆になっていないかを点検します。期待値なら、何の量の平均的な位置かを述べます。答えが確率なら0以上1以下か、確率分布なら全体を足すと1になるかも確かめます。
塾では、誤答の分数だけでなく、その分母を作った図と言葉を見ます。組の区別が消えたのか、条件の外を残したのか、独立性を無条件に使ったのかで、戻る場所が違うからです。式が書けたあとも、図のどの部分に対応するかを生徒本人に説明してもらい、修正する箇所を一緒に絞ります。
家庭では、お子さまに解法を教え切ろうとするより、「この分母には何が入っているの」と尋ねる時間を持てます。うまく答えられなければ、その問いをノートに残して授業へ持ち込めます。大学の用語を先取りすることより、今の図について自分の言葉を持つことが、次の段階の準備になります。
よくある質問
樹形図を全部書くのが苦手でも進めますか
進めます。ただし、何を数えているかが曖昧なまま公式だけに置き換えると、重複や見落としに気づきにくくなります。まず小さな回数で図を書き、同じ形がどう繰り返されるかを見てから、掛け算や組合せにまとめましょう。全部を描く練習と、省略する理由を説明する練習をつなげます。
独立と、同時には起きないことは同じですか
異なります。同時には起きない事象を排反と呼び、その共通部分の確率は0です。両方の確率が正なら、一方が起きたと知ることで他方は起きないと決まるため、独立ではありません。1個のさいころで「1が出る」と「2が出る」を考えると、この違いを確かめられます。
実験の割合が計算と違えば、計算が間違いですか
違うというだけでは判断できません。有限回の実験では割合が揺れますし、計算に使った条件と実験の条件が合っているかも点検が必要です。記録を残し、分母の数え方と実験の手順の両方を見直します。大数の法則も、どこかの回数で割合が必ず理論値に一致すると約束する定理ではありません。
確率の学習では、同じ図が何度も別の意味を持って現れます。初めは数えるために使った表が、条件で範囲を絞る図になり、やがて事象と確率変数を区別する足場になります。今の問題で分母を説明できることには、この先まで続く意味があります。
答えに届かなかったノートにも、どこまで結果を整理できたかは残っています。武蔵野個別指導塾の確率の授業は、その書きかけの枝を、生徒が分母の意味を話せるところまでたどります。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。



