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二次関数から最適化へ 放物線が教える「最大・最小」の考え方|武蔵野個別指導塾
放物線の頂点を探す計算は、条件の中で最もよい値を選ぶ最適化へ続きます。平方完成、定義域による答えの変化、二つの変数を扱う偏微分を、手で追える例からたどってみましょう。

二次関数から最適化へ 放物線が教える「最大・最小」の考え方
放物線の底を探すのは何のためでしょうか
よくあるのは、部活帰りの教室で、ノートに放物線を描いたところで鉛筆が止まる場面です。「頂点は求められるけれど、これで何ができるのですか」。式を変形して座標を出すだけなら、同じ作業を繰り返しているようにも感じられます。けれども、その頂点には、いくつもの候補を一つずつ試さずに、最も小さい値や大きい値を見つける手掛かりが詰まっています。
限られた材料から広い面積をつくりたいときも、測った値にできるだけ合う式を選びたいときも、まず「何を変えられるか」「何をよいとするか」を決めます。そのうえで、条件の中から最もよい値を探すのが最適化です。中学で学ぶ二乗に比例する関数は、その入口になります。
ここでは、放物線の形を読むところから始めます。高校では頂点を動かし、変数の範囲を限定して答えを選びます。大学では変えられる量を増やし、条件を満たす方向にも目を向けます。どの段階でも問うのは、どこで値が小さくなり、それ以上小さくできない理由は何か、ということです。

中学の二乗に比例する関数で底の意味をつかむ
中学で扱う y=ax² は、x の二乗に一定の数 a をかけて y を決める関数です。ここでは a≠0 とします。x² は x×x のことで、x が正でも負でも、二乗した値は0以上になります。この性質が、グラフの形と最大・最小を考える出発点です。
たとえば y=2x² で、x に -2、-1、0、1、2 を順に入れると、y は8、2、0、2、8になります。x の符号を逆にしても y が同じなので、グラフは y 軸について左右対称です。原点をいちばん低い点として、両側が上へ伸びる滑らかな曲線になります。このような曲線を放物線といい、向きが切り替わる原点を頂点と呼びます。
ここで、表の五つの点だけを見て「最小値は0」と決めてよいのでしょうか。実際には、点の間にも無数の x があります。答えを確かめるのは、どの実数 x に対しても x²≧0 であり、したがって 2x²≧0 となることです。さらに x=0 を入れれば y=0 を実現できます。「これより小さくならない」と「その値を実際にとる」の両方がそろって、最小値といえます。
最小値は y の値で、最小になるときの x は場所を指定する値です。この二つを分けて答える習慣は、先でも役立ちます。頂点の座標を求めるだけで終えず、「x=0 のとき、最小値0」と読み直すと、何を求めたのかがはっきりします。
一方、x をすべての実数に広げたままでは、y=2x² に最大値はありません。どれほど大きい y を見つけても、x の絶対値をさらに大きくすれば、それを超えられるからです。紙に描いたグラフのいちばん上の点は、紙の端にすぎません。グラフを描いた範囲と、問題で許された x の範囲を同じものとして扱わないことが大切です。
範囲を -1≦x≦2 に限定すると、事情が変わります。この範囲には0が入っているので、最小値は引き続き0です。最大値は、0から最も遠い x=2 での8になります。左端の x=-1 での値は2です。左右の端をただ比べるだけでは、途中にある最小値を見落とします。端と頂点の両方を見る理由が、ここにあります。
a が負なら、二乗した値に負の数をかけるため上下の向きが逆になります。原点がいちばん高い点になり、すべての実数を考えると最大値は0で、最小値はありません。同じ二乗でも、係数の符号で「底を探す問題」と「山の頂を探す問題」が入れ替わるのです。
また、二乗に比例する関数では、x を増やしたときの y の増え方は一定ではありません。先ほどの例でも、x が0から1へ増すと y は2増え、1から2へ増すと6増えます。直線のように一つの傾きで全体を説明できないことが、高校で変化をさらに詳しく調べるきっかけになります。
高校では平方完成と条件を組み合わせる
高校では、二次関数を y=ax²+bx+c の形へ広げます。ただし a≠0 です。x の項や定数が加わると、頂点は原点から離れます。それでも、二乗が0以上という強い手掛かりは使えます。その手掛かりが見える形に直すのが平方完成です。
例として y=x²-4x+5 を考えます。x²-4x の部分に4を加えると (x-2)² になるので、全体の値を変えないように4を引きます。
y=x²-4x+5=(x-2)²+1
これで、グラフの底がすぐ読めます。(x-2)² は0以上なので y≧1 で、x=2 のとき二乗の部分が0になります。したがって、すべての実数を定義域とすると、x=2 のとき最小値1です。定義域とは、その関数で入力として許す値の集まりです。式だけでなく、この集まりも答えを決めています。
一般に y=a(x-p)²+q と書ければ、頂点は (p,q)、対称の軸は x=p です。a>0 なら q はすべての実数上での最小値、a<0 なら最大値になります。p や q を暗記用の空欄として見るより、二乗の部分を0にする x と、そのとき残る y として見ると、符号の読み間違いを減らせます。
では、先ほどの式で 0≦x≦1 と指定されたらどうでしょうか。頂点の x=2 は許された範囲に入っていません。この区間で2に最も近いのは x=1 なので、最小値は2です。最も遠い x=0 では5となり、これが最大値です。頂点があるからといって、いつでも頂点の値を答えにできるわけではありません。
同じ式でも 0≦x≦3 なら、頂点が範囲に入ります。最小値は x=2 での1に戻り、最大値は両端の値5と2を比べて、x=0 での5となります。平方完成をした後には、軸の位置を定義域に重ねる作業が必要です。式の変形と条件の確認は、一続きの解法です。
二次方程式とのつながりも見ておきましょう。y=x²-4x+5 のグラフと水平な直線 y=k の交点を求めるには、次の方程式を解きます。
x²-4x+5-k=0
二次方程式 Ax²+Bx+C=0 の判別式は D=B²-4AC です。係数が実数で A≠0 のとき、D>0 なら異なる二つの実数解、D=0 なら一つの重解があり、D<0 なら実数解はありません。今の方程式では D=4k-4 となります。
したがって、定義域をすべての実数とすると、k>1 なら交点が二つ、k=1 なら頂点で一つ、k<1 なら交点はありません。平方完成から得た「最小値1」が、判別式では「水平な直線との交点が現れる境目」として見えてきます。式の形を変える方法と、解の個数を調べる方法が、同じ放物線を別の側から説明しているのです。
ただし、定義域が制限されている問題では、実数解があるだけで交点があるとは限りません。たとえば k=2 のとき、方程式の解は x=1 と x=3 ですが、0≦x≦1 に入るのは x=1 だけです。判別式を使った後にも、条件に合う解を選ぶ必要があります。
さらに高校で微分を学ぶと、関数のその場所での変化を表す導関数を使えます。f(x)=x²-4x+5 の導関数は f′(x)=2x-4 で、x=2 で0になります。その左では負、その右では正なので、減少から増加への切り替わりを確かめられます。平方完成で読んだ底を、今度は変化の向きから捉え直しているわけです。

大学では動かす量と動ける方向が増える
大学の理系分野で学ぶ多変数関数では、入力する量が複数になります。たとえば F(x,y)=x²+y² は、二つの実数 x と y の組に一つの実数を対応させる関数です。高校までグラフの高さに使っていた y が、ここでは入力の一つになります。高さを z=F(x,y) と書けば、平面の曲線に代わって空間の曲面を考えられます。
この関数の最小値は0で、(x,y)=(0,0) のときにとります。x² も y² も0以上だからです。中学の二乗の性質は、入力が二つになってもそのまま使えます。ただし一般の関数では、どちらの量を動かすかによって増え方が違うため、変化を方向ごとに調べる道具が必要です。
その道具の一つが偏微分です。x に関する偏微分係数は、y を固定し、x だけを少し変えたときの関数の増分を x の増分で割った値の極限として定義します。その極限が存在するときに、x 方向の変化率が定まります。各点の偏微分係数をまとめた関数を偏導関数と呼びます。
F(x,y)=x²+y² なら、x に関する偏導関数は2x、y に関する偏導関数は2y です。この二つを並べたベクトル (2x,2y) を勾配といいます。ここでベクトルは、方向と大きさを成分で表す量です。微分可能な関数が、周囲のどの方向にも動ける内部の点で極大値や極小値をとるなら、その点の勾配は0になります。
「極小」は、ある点の十分近くに範囲を限ったとき、その点より小さい値がないことです。一方、最小は、考えている範囲全体でそれ以下の値がないことをいいます。近所でいちばん低い場所を見つけても、遠くにもっと低い場所があるかもしれません。この区別は、候補から答えを選ぶときに欠かせません。
また、勾配が0であることだけでは、極小とはいえません。H(x,y)=x²-y² では、原点の勾配は0です。しかし y=0 の方向に進むと値は正になり、x=0 の方向に進むと負になります。原点のすぐ近くに、原点より高い場所と低い場所の両方があります。このような鞍点は、一次元で底を探す感覚だけでは見落としやすい点です。
次に、自由に動ける範囲を狭めます。F(x,y)=x²+y² を、条件 x+y=6 のもとで最小にしたいとします。条件から y=6-x として代入すれば、一つの変数の問題に戻せます。
F(x,6-x)=x²+(6-x)²=2(x-3)²+18
よって x=3、y=3 のとき最小値は18です。今度は原点へ移動すると条件を破ってしまいます。条件のある問題では、値を下げる方向があるかどうかだけでなく、その方向へ動くことが許されるかも問わなければなりません。
この考えを一般化する方法に、ラグランジュの未定乗数法があります。関数 F を、等式 g(x,y)=0 のもとで調べるとき、F と g が点の近くで連続な偏導関数をもち、その点で g の勾配が0でなければ、条件上の極値の点では次の関係が成り立ちます。
∇F=λ∇g
記号 ∇ は偏導関数を並べた勾配を表し、λ はこれから決める実数です。今の例では g(x,y)=x+y-6 と置くので、2x=λ、2y=λ と元の条件を合わせて解きます。すると x=y=3、λ=6 が得られます。二つの勾配が同じ直線の方向を向くと、条件の曲線に沿った変化率が0になる、という考えです。
この方法で出るのは極値の候補です。最小であることは、先ほどの平方完成で確かめられます。境界や勾配の条件を満たさない点があれば別に調べる必要もあります。情報分野で、予測値と観測値のずれの二乗の和を小さくする最小二乗法も、多くの量を動かして目的の値を下げる応用です。放物線の底を探す考えが、データに合う式を選ぶ計算へ広がります。
三つの段階をつなぐのは候補と条件の確認です
中学、高校、大学のつながりを、「難しい公式が順番に増える」と捉える必要はありません。中学では原点にある頂点を見て、高校では頂点の場所を求め、大学では複数の方向の変化を調べます。いずれも、値が下がる動きをたどり、それ以上下げられない場所を探しています。
変わらないのは、下限となる値を示し、それを実現する入力を確かめる姿勢です。中学の 2x²≧0、高校の (x-2)²+1≧1、条件付きの例の 2(x-3)²+18≧18 は、同じ仕組みで最小値を保証しています。式の見た目が変わっても、二乗が0以上という一本の性質が働いています。
変わるのは、候補の見つけ方と、調べる範囲の複雑さです。高校で定義域の端を調べた経験は、大学で制約や境界を調べるときの土台になります。頂点が範囲外にあった経験は、条件を無視した最小値が答えにならないことを教えてくれます。
判別式が0、導関数が0、勾配が0という見た目だけをまとめて覚えるのは避けたいところです。それぞれ、解が重なること、ある方向の変化率が0になることなど、意味が違います。「この0は何を表すか」と言葉にすると、道具を使う場面も整理できます。
つながりを使った学び方
学習では、一つの二次関数を使い、条件だけを変えて解き直してみましょう。新しい問題を次々に解く前に、どの条件が答えを変えたのかを確かめる時間を取ります。計算の手順と、その手順を選ぶ理由が結びつきます。
最初に、問題文から「変えられる量」「許された範囲」「求める値」を抜き出します。x を求めるのか、y の最小値を求めるのかを分けて書いてください。範囲に端が含まれるかも確認します。これだけでも、計算は合っているのに答え方を取り違える場面を振り返れます。
次に、式と簡単な図を往復します。平方完成で頂点を求めたら、軸と定義域の位置関係を横に描きます。目盛りを細かくそろえるより、頂点が範囲に入るか、両端が軸のどちら側にあるかを読み取れる図にします。まだ平方完成を習っていなければ、値の表と左右対称の性質で調べられます。
その次に、候補の値を元の式へ代入します。変形した式だけで計算すると、変形の誤りを引き継ぐことがあります。元の式でも同じ値になるか確かめ、最後に「なぜこれより小さくならないか」を二乗の性質や増減で説明します。いくつかの値を試すことと、全体を保証することを区別します。
さらに、解いた問題の定義域を変え、答えが変わる理由を短く書きます。頂点を含む範囲と含まない範囲を並べれば、公式の使い方だけでは見えにくい条件の働きが浮かびます。大学の内容を先取りできなくても、この比較は今の問題で取り組めます。
塾で担うのは、誤答を一まとめにせず、止まった場所を確かめることです。平方完成の計算で迷ったのか、定義域を読み落としたのか、最大値とそのときの x を取り違えたのかで、戻る箇所は変わります。途中式と図を並べて説明してもらい、理由が途切れた一か所に合わせて、次に解く問題を選びます。
家庭では、お子さまが解法を説明する時間を持てます。「答えは何だったか」に加えて、「頂点はその範囲に入っていたか」と尋ねるだけでも、条件に目を戻せます。先の学年の公式を教え込むより、今日使った式や図の意味を本人の言葉で話せる余地を残しておくと、質問したい箇所も見つけやすくなります。
よくある質問
平方完成と解の公式はどう使い分けますか
平方完成は、二次関数の頂点や最大・最小を読みやすくする変形です。解の公式は、二次方程式の解を求める道具です。どちらも二乗の形と関係しますが、何を求める問題かを先に見ます。高さを指定して放物線との交点を探すなら、方程式を解く出番になります。
グラフだけで最大値と最小値を答えてもよいですか
グラフは候補や位置関係を見つける助けになります。ただし、手描きの図から正確な値を読み取るには限界があります。頂点や端の値を計算し、定義域も確認して答えましょう。図で見当をつけ、式で値と理由を確かめる往復が役立ちます。
大学の最適化を理解するには微分が必須ですか
最適化の考えそのものは、二乗が0以上という性質だけでも体験できます。微分は、より広い種類の関数で候補を探す道具です。まず平方完成で最小値を説明できるようにし、後で微分を学んだとき、同じ底を別の方法で求め直してみてください。
放物線を描く一問には、値の比較、条件の読み取り、答えを保証する理由が入っています。いま頂点の符号で迷っていても、その迷いをほどく作業は、この先の数学に続いています。次に最大・最小の問題を解いたら、答えの横に「この値をとる場所は、許された範囲にある」と書き添えてみましょう。
武蔵境で数学を学ぶ一人ひとりにとって、先の景色は今日の式を見直す手掛かりになります。二乗の部分を0にできるか、端を調べたか。その具体的な問いから、最適化の入口へ進めます。ノートの小さな放物線には、自分の答えを自分で確かめる道筋が描かれています。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




