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【中学地理】北アメリカ州を図解で総まとめ—適地適作・企業的農業・工業の移り変わり|武蔵野個別指導塾

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適地適作と企業的農業の違いを、地形の模式図や農業の比較計算から整理します。工業地域の変化とUSMCAの役割も、理由を説明する例題で、農業と工業の地図が頭に残ります。

よくあるのは、朝のホームルーム前に地理のノートを開き、「適地適作」と「企業的農業」のどちらも「広い土地で作物を育てること」と書いてしまう場面です。用語は見覚えがあっても、何を区別する言葉なのかが曖昧だと、理由を説明する問題で手が止まります。

適地適作は「その場所で何を育てるか」、企業的農業は「どのような規模や方法で経営するか」に目を向けた言葉です。この違いを出発点にすると、自然条件から農業を考え、さらに輸送や貿易へと説明を広げられます。

北アメリカ州には、アメリカ合衆国やカナダだけでなく、メキシコ、中央アメリカ、カリブ海の島々も含まれます。州全体の広がりを押さえたうえで、アメリカ合衆国を中心とする農工業と、国境をこえた結びつきを見ていきましょう。

この単元で身につけること

前に学ぶアフリカ州のモノカルチャー経済と比べると、同じ輸出向けの農業でも、経済全体の産業構成や生産方法が異なることに気づけます。

基本の考え方

地形と気候を位置関係でつかむ

北アメリカ州は南北に広く、北極に近い地域の寒帯から、中央アメリカやカリブ海の熱帯まで見られます。カナダには冷帯の広がる地域があり、アメリカ合衆国本土にも温帯や乾燥帯などがあります。「北アメリカは寒い」と1つにまとめず、南北の位置と地形を合わせて考えます。

図1のように、アメリカ合衆国本土の西部にはロッキー山脈、中央部には広い平原、東部にはアパラチア山脈があります。ミシシッピ川は中央部を流れ、南のメキシコ湾へ注ぎます。図は東西の並びを示す模式図なので、山の高さや距離を測るためには使いません。

図1 アメリカ合衆国本土の地形を東西に並べた模式図

中央部では、おおむね西から東へ向かうほど降水量が多くなります。ただし、西海岸や山地まで含めて「東ほど必ず雨が多い」と広げないようにします。大陸の西岸では、海からの風や山地の影響も受けるためです。農業の地図を読むときは、まず「どの範囲の傾向か」を確かめます。

作物の選び方と農業の経営方法

地域の気温、降水量、土壌などの条件に合う作物を育てることを適地適作といいます。アメリカ合衆国では、中央部の比較的乾燥した地域に小麦栽培、より雨の多い中央部から東寄りにとうもろこしや大豆の栽培が見られます。さらに乾燥した西部内陸では、牛などの放牧が行われます。

冷涼な北東部や五大湖周辺では酪農も発達しました。酪農は乳牛を飼い、牛乳や乳製品の原料を得る農業です。大都市という消費地に近いことも分布に関係します。南部では綿花栽培、カリフォルニアではかんがいを利用した果樹や野菜の栽培が見られます。かんがいとは、農地に必要な水を人工的に引くことです。

一方、企業的農業は、販売による利益を目的として、資本や機械を用い大規模に経営する農業です。広い農地で大型機械を使い、比較的少ない人数で多くの農産物を生産します。経営者が必ず大きな会社だという意味ではなく、家族経営でも企業的な経営は成り立ちます。

農産物は農場で収穫して終わりではありません。穀物を集める企業、食品加工、輸送、販売がつながり、国内の食卓や海外へ届きます。自然条件に加えて、資金や輸送網も農業を支えています。ただし、水の使いすぎや土壌の劣化など、環境への負担を抑える必要もあります。

多様な人々と国境をこえる経済

ヨーロッパから人々が移住する以前から、この地域には多様な先住民が暮らしていました。植民地化の過程で土地を奪われた人々もいます。また、アフリカから奴隷として強制的に連れてこられた人々の歴史もあり、すべてを本人の意思による移住として扱うことはできません。

その後も中南米やアジアなどからの移民が社会を形づくってきました。アメリカ合衆国ではスペイン語を使う人々も暮らし、カナダでは英語とフランス語が公用語です。文化や言語の多様さは地域の特色である一方、差別や所得の格差も課題になっています。

複数の国に生産・販売などの拠点を置く企業を多国籍企業といいます。アメリカ合衆国・カナダ・メキシコの間では、自動車の部品や製品などが国境をこえて行き来します。1994年に発効したNAFTA(北米自由貿易協定)に代わり、2020年にUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)が発効しました。3か国間の貿易などのルールを定める協定で、北アメリカ州のすべての国が参加する制度ではありません。

例題で解き方を確かめる

例題1 2つの用語を区別する

「雨が比較的少ない地域で小麦を育てる工夫」と「大型機械を使って広い農地を少人数で耕作する方法」を、それぞれ適地適作と企業的農業のどちらで説明できますか。

  1. 前半では、雨の量と作物の関係に注目します。地域の条件に合わせて何を育てるかが問われているからです。
  2. 後半では、機械、面積、働く人数に注目します。作物の種類ではなく、生産や経営の方法を説明しているからです。
  3. 前半を適地適作、後半を企業的農業と答えます。着目点を分けると、同じ農場に両方の特徴があることも説明できます。

答えは「前半が適地適作、後半が企業的農業」です。「小麦だから企業的農業」とは判断できません。小麦を選ぶ理由と、それをどのように生産するかを別々に読み取ります。

例題2 生産量を人数で割って比べる

比較のための例として、農場Aは4人で40t、農場Bは6人で120tの穀物を1年間に生産したとします。働く人1人あたりの年間生産量を求め、どちらが何倍か答えましょう。図2は、この計算結果を表したものです。

図2 農場の例で比べる働く人1人あたりの年間生産量
  1. 比べる基準を「1人あたり」にそろえます。人数が違う農場を総生産量だけで比べると、働く人の多さの影響が残るためです。
  2. Aは40÷4=10、Bは120÷6=20と計算します。生産量を人数で割ると、1人あたりの年間生産量が得られます。
  3. BをAと比べて20÷10=2と求めます。何倍かを出すときは、比較する量を基準となる量で割るからです。

答えは「Aは10t、Bは20tで、BがAの2倍」です。総生産量は3倍ですが、働く人数も違うため、1人あたりでは2倍になります。これは労働生産性を考える手がかりです。ただし、この資料だけでBの機械が優れているとは断定できません。作物、天候、農地面積なども生産量に影響するためです。

例題3 工業地域が変化した理由を述べる

五大湖沿岸・北東部で重工業が発達した理由と、その後、南部・西部で先端技術産業が発達した理由を、立地条件に注目して説明しましょう。立地条件とは、その場所で産業が成り立ちやすい条件のことです。

  1. 五大湖沿岸・北東部では、鉄鉱石や石炭を得やすい条件と水運を確認します。鉄鋼業では、重い原料を運ぶ手段が発達を支えるからです。
  2. 南部・西部では、研究機関、技術者、交通網などを考えます。先端技術産業では、新しい技術や人材が集まる条件が重要だからです。
  3. それぞれを「条件→工業の発達」の順につなげます。産業名だけを並べても、そこで発達した理由にはならないためです。

答えの例は「五大湖沿岸・北東部では、資源や水運などを背景に鉄鋼・自動車工業が発達し、南部・西部では研究機関や技術者などが集まる条件を背景に先端技術産業が発達した」です。温暖さだけで工業の発展を説明しないことが要点です。

例題4 企業と協定の役割を見分ける

「ある企業が3か国に部品製造・組み立て・販売の拠点を置く」という説明と、「3か国間の貿易のルールを定める」という説明は、多国籍企業とUSMCAのどちらに当たりますか。

  1. 主体が企業か国家間の協定かを見ます。活動する組織と、その活動に関わるルールを区別するためです。
  2. 拠点を置く前者は多国籍企業、ルールを定める後者はUSMCAと答えます。両者は結びついていても同じ意味ではありません。

貿易のしやすさは、企業が生産拠点を考える条件の1つです。ただし、企業は賃金、技術、輸送費、販売先なども考えるため、協定だけで工場の場所が決まるわけではありません。

つまずきやすいところと直し方

1 作物の地域は境界線できっぱり分かれる

誤った覚え方は「小麦の地域では小麦しか作らない」です。農業分布図は主な特色を示しており、同じ地域で別の作物を育てたり、年によって作物を替えたりすることがあります。正しくは「その地域で盛んな農業を示す」と読みます。

地図の色が変わる線は、畑の作物が突然すべて変わる線ではありません。資料から理由を書くときも、「降水量などの条件に合うため」と述べ、自然条件だけで生産が固定されるような説明を避けます。

2 工業はすべて北から南へ引っ越した

誤った覚え方は「北東部の工場がなくなり、全部南へ移った」です。従来の工業地域では衰退や再編が進んだ地域がありますが、製造業が消えたわけではありません。正しくは、南部・西部の工業が発達して、工業の分布や中心となる産業が変化したととらえます。

図3 従来の工業地域とサンベルトの位置関係を示す模式図

図3のように、サンベルトはアメリカ合衆国のおおむね北緯37度以南に広がる地域を指します。カリフォルニア州のシリコンバレーは、サンフランシスコの南側にある情報通信技術などの産業の集積地です。サンベルトは広い帯状の地域、シリコンバレーは特定の地域なので、同じ範囲を指す言葉ではありません。

3 自由貿易なら何も制限がない

誤った覚え方は「USMCAによって国境も貿易上の条件もなくなった」です。協定には、関税の優遇を受けるための条件などがあります。正しくは、国境や各国の制度を保ちながら、貿易などの共通ルールを設ける仕組みです。

取引が活発になり、企業の販売先や消費者の選択肢が広がる面がある一方、競争によって産業や雇用に影響が出る面もあります。「必ず全員が利益を得る」とせず、企業、働く人、消費者のどの立場かを分けて考えます。

練習問題

練習1

アメリカ合衆国本土を西から東へ見るとき、ロッキー山脈とアパラチア山脈はどちらが先に現れますか。また、ミシシッピ川が注ぐ湾を答えましょう。

練習2

「冷涼な気候を生かして酪農を行う」と「機械を使い広い農地で大量に生産する」を説明する用語を、それぞれ答えましょう。

練習3

比較用の農場Cは5人で150t、農場Dは4人で60tを1年間に生産しました。1人あたりの年間生産量を求め、CはDの何倍か答えましょう。

練習4

USMCAに参加する3か国を答えましょう。また、シリコンバレーとサンベルトの範囲の違いを短く説明しましょう。

答えと解説

練習1は、ロッキー山脈が先で、河口はメキシコ湾です。東西の順序と川の出口を分けて確認します。

練習2は、順に適地適作、企業的農業です。自然条件に合う農業の選択と、経営方法の違いに注目します。

練習3は、Cが150÷5=30t、Dが60÷4=15tで、30÷15=2倍です。総生産量同士を割らないようにします。

練習4は、アメリカ合衆国・メキシコ・カナダです。シリコンバレーはカリフォルニア州の特定の産業集積地、サンベルトは南部・西部に広がる帯状の地域を指します。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

南アメリカ州では、自然条件を利用する農業と、開発に伴う環境の変化を学びます。北アメリカ州で考えた「何を育てるか」「どのように生産するか」「どこへ売るか」の問いを使うと、共通点と違いを整理できます。

家で5分使うなら、まず白紙に西部・中央部・東部の3つの欄を作り、地形と農業を書き入れます。次に、適地適作と企業的農業をそれぞれ1文で説明し、自然条件と機械の話を混同していないか見直します。

個別指導では、説明が止まった箇所に応じて、気候図の読み方や「1人あたり」を求める割り算まで戻って確かめます。用語を増やす前に、資料のどこを根拠にしたかを言葉にする練習が役立ちます。

まとめ

農業や工業の地名を答えられたら、その先に「なぜそこで成り立つのか」という問いを置いてみましょう。雨の量、資源、輸送、人材、貿易のルールのうち、どの条件が説明に必要かを選ぶと、覚えた言葉がつながります。

資料から言えることと言えないことを分ける姿勢は、知らない地域を学ぶときにも使えます。北アメリカ州の産業地図は、自然の条件と人々の選択が重なった結果です。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

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